【今週の今日の一冊】猫の日×絵本ナビ2023:ねこの絵本! 名作特集
今週の2月22日は「猫の日」。先週に引き続き、今週は「猫の日×絵本ナビ2023」第2弾をお届けします。ねこの絵本といえば、それぞれにねこの魅力が溢れる絵本が本当にたくさんありますよね。毎年、素敵な新刊もどんどん出ています。今週は、その中でも、これぞ、ねこ絵本! といったような、20年、30年‥‥‥50年以上! 読み継がれている、ねこの絵本の名作を特集したいと思います。
2023年2月20日から2月26日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
2月20日 ちいさなねこがひとりで出かけた。大丈夫かな。
読者の声より
繰り返しの言葉が楽しい赤ちゃん絵本から、ストーリーのある物語の世界への入口に最適のおすすめ絵本です。
主人公の子猫が子猫にとったら大大冒険を経験します。最後は母さん猫に助けられ安心する。行って帰ることの繰り返しで成長していく、幼い子の気持ちに添った、お話です。
古い絵本なので、絵には時代を感じますが、今でも本当に子どもたちはよく聞きます。
(ジョン2さん 50代・その他の方)
2月21日 どんな猫がくるかしら?空想がどんどん広がって…。
火曜日は『あしたうちにねこがくるの』
あしたうちにねこがくるの。
いったいどんなねこかしら?
かわいいねこだといいなあ。
どんな猫がくるのかな?想像力広がる絵本。明日うちに猫がくる……。あんな猫ならいいな、こんな猫だったらどうしよう……。どんどん広がる女の子の空想が注目のささめや氏の絵でイメージ豊かに描かれます。
読者の声より
楽しみで楽しみで待ち遠しい時の、ちょっと不安だけど楽しみ!という感じが伝わってきてかわいい。
ねこを飼うことになった女の子が想像するねこが、どのこもかわいい。
でも最後にとっておきかわいいねこちゃんが描かれているから、うちの子たちまで、ねこ飼いたい!ってなっていました。
(みっとーさん 30代・ママ 男の子6歳、女の子4歳)
2月22日 100万回も生きたりっぱなとらねこの不思議な物語
水曜日は『100万回生きたねこ』
そのねこは、100万回も死んで、100万回も生きたのです。ある時は船のりのねこ、ある時はサーカスの手品つかいのねこ、どろぼうやおばあさん、小さな女の子のねこにもなりました。彼らはみんなねこを可愛がり、ねこが死ぬと泣きます。でも、ねこは1回も泣きませんでした。
ねこは飼い主なんか嫌いだし、死ぬのなんて平気。自分のことが大好きだから、誰のねこでもない、のらねこになったのを喜んだのです。
何度も生き死にを繰り返したという驚きの話にふさわしく、堂々とした立ち居振る舞いと、立派なひげ。そして美しい緑色の目が強く印象に残る彼の風貌。ただの一度も悲しんだことのなかったその人生、でも決して悔いている様にも見えません。
ところがそんなねこの生き方を大きく変貌させる出来事が起こるのです。それは白く美しいねことの出会いで……。
絵本の中で何度も語られる「100万回生きた」ねこのそれぞれの人生。どれも物語があり、簡単に通り過ぎることが出来ないくらい想像が膨らんでいきます。それでも最後の物語が全く違うのは、彼が知らなかった感情を知ってしまうから。大きな真実に気づいてしまうから。それは一体、幸せなことだったのでしょうか。
その全く穏やかで豊かになったねこの表情を、読者は自由に読み解きながら、好きなように解釈していく、そんな楽しみがこの絵本にはあります。読み終わった時に何を思うのか。その時浮かんできた「自分の言葉」、大切に残していってくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
2月23日 あれあれ、なんだかご機嫌ななめの子がいるよ。
木曜日は『ふうせんねこ』
あれあれ、なんだかご機嫌ななめの子がいるよ。
「おねこさんが ぷー」
怒ってぷー。ふくれてぷー。
まんまるお顔はぱんぱんです。
かたづけるのはイヤ、妹のアメをあげるのもイヤ、あれ買ってくれなきゃイヤだ、お菓子が食べたいぷー!
いやだいやだを言い続けていたおねこさん、どんどんほっぺがふくらんで……お空へぷー。飛んでいっちゃった!! たいへん、たいへん、どこまでいっちゃったのでしょう。
おこりんぼ、なきむし…色んな子が登場するせなけいこさん「あーんあんの絵本」シリーズの中の1冊がこの絵本。しろくてまんまるお顔を真っ赤にして「ぷー」と怒るおねこさんは、とっても愛らしくて声が出ちゃうほど。だけど本人は必死よね。イヤなものは、イヤ。怒りだってそう簡単にはおさまりません。だけど、飛んでいっちゃったら大変です。
どうやったらおりてこられるかな。力を抜いて、深呼吸して、ゆっくりゆっくりで大丈夫。かあさんはいつまでも待ってるよー!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
普段は激しく怒るくせに、
「おねこさんのまねして、ぷーして。」とリクエストすると、
プゥーって言いながら膨れた顔がとっても笑顔(笑)
「妹にあげるのやだ」とか、
「ごはんよりおかしがいい!」とか、
おねこさんのゴネるポイントが
我が家の日常(どちらかというと6歳の長男)と重なり、
さらに面白さ倍増!
怒ってどんどん膨れて飛んでいくおねこさんの顔と、
1歳の娘の顔が重なって、
とっても愛らしい一冊です。
(ムスカンさん 30代・ママ 男の子6歳、女の子1歳)
『ふうせんねこ』のかわいいグッズも販売中です♪
2月24日 猫のオーランドーとその家族の愛にあふれたお話
金曜日は『ねこのオーランドー 毛糸のズボン』
猫は猫、人は人でありながら同じ社会で暮らしている不思議な世界を描く「ねこのオーランドー」シリーズ。主人公は猫のオーランドーとその家族です。
猫一家のお父さんであるオーランドー。雪の降る寒い夜、道路工事の穴に人が落ちないようにと見張りをしているピュージーさん(こちらは人です)のところへ、話相手になりに行きます。そこでオーランドーはうっかりパラフィン油を浴びて、腰から下の毛が抜け落ちてしまいます。
毛がなくなって恥ずかしいオーランドーは、ベッドにもぐって寝たままの日々。妻のグレイスはかわいそうに思い、毛糸のズボンを編んであげることにしました。でもズボンの完成までには時間がかかります。子猫たちは、寝ることに飽きてしまったオーランドーのために自分が見た夢を話して聞かせますが、それもすぐに終わってしまいます。そこで、子猫のティンクルはオーランドーに昔の話をしてもらうことを思いつきます。誰だって自分の話をするのが好きだから。
アルバムの写真を見ながら、一つ一つの思い出を語るオーランドー。自分の昔話をするときって、なぜだか照れくさくも誇らしい気持ちになりますよね。きっとオーランドーも話をしているうちに自尊心を取りもどしたのでしょう。楽しそうに語って聞かせる様子は、とっても満足そうです。
猫も人も、お互いがお互いを思いやって感謝を伝え合いながら、時にはいたずらしたり欲ばりになったり。そんな愛おしい絵本の世界に触れて、穏やかな時間を過ごしてみませんか。
(近野明日花 絵本ナビライター)
「ねこのオーランドー」シリーズ
2月25日 3世代50年に渡って楽しまれる愉快なねこの冒険物語
土曜日は『11ぴきのねこ』
とらねこ大将と10ぴきののらねこたち。
それがこの絵本の主人公です。
彼らはいつもおなかがペコペコ。
けれど、見つけた魚はいつも11等分。
これじゃあ、お腹いっぱいにはなりません。
そこで11ぴきのねこは、はるか遠い湖までやってきます。
そこには「怪物みたいに大きな魚」がいると言うのです。
11ぴきのねこは、いかだを作り、帆を張り、なわも積んでいざ出発!
さあ、どんな魚が出てくるというのでしょう?
馬場のぼるさんの大人気絵本「11ぴきのねこ」シリーズの記念すべき第1作目がこの作品。彼らに名前はなく、ただの「のらねこ」たち。だけどなんて魅力的な主人公たちなのでしょう。「お腹いっぱい食べたい」その思い一つでどんな困難にもニャゴニャゴ―っと一致団結。体を張り、知恵を絞り、作戦を実行していくのです。
さて、11ぴきのねこの前に立ちはだかるのは想像を絶する大きさの怪魚。
まるで歯が立ちません。
だけど、そんなことじゃ諦めきれないのが彼らの持ち味。
思いもよらない作戦を考えつき……。
あっと驚く最後の展開は、この絵本最大のお楽しみ。
読んだ途端に彼らのことを大好きになってしまうのでした。
(シリーズはまだまだ続くのでご安心を)
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「11ぴきのねこ」シリーズ
2月26日 おじいさんがたどり着いたのは、ねこであふれた丘!
日曜日は『100まんびきのねこ』
年をとったおじいさんとおばあさんは、寂しいのでねこを飼うことに決めました。ねこを探しに出かけたおじいさんは、たくさんのねこであふれた丘にたどりつきます。しろいねこ、しろくろのねこ、はいいろのねこ、どのねこもかわいく見え、おじいさんはみんなを連れてうちに帰ってきます。でも、そんなにたくさんのねこは飼えません。そこで、おじいさんとおばあさんは、どのねこを家に置くかをねこたちに決めさせようとしますが……。
「猫の日×絵本ナビ」記事も盛りだくさん。お気に入りを見つけてみてくださいね。
秋山朋恵(絵本ナビ 副編集長)
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