絵本作家になるには…絵本のつくり方
絵本をつくってみよう!
絵本をつくってみたい。
でもいったい何からはじめれば良いのでしょう?
こちらの記事では、絵本をつくる時に知っておきたい基礎知識から、基本的なつくり方までを具体的にご紹介します。また絵本づくりに役立つ参考図書や、実際に絵本作家として活躍されている方のインタビューもご紹介!
さらに、絵本をつくったあとに応募できる絵本コンテストの情報もありますので、まずは思いきってチャレンジしてみませんか。
絵本をつくる前に知っておきたい基礎知識
本の大きさは?
本の大きさは、もともとの紙(原紙)の大きさから算出し、効率的に印刷と製本ができる規格サイズが存在します。
たとえば、製品に仕上がった寸法が「A」と「数字」で表されるグループはA列と呼ばれ、A1(A全)の半分がA2、A2の半分がA3……と呼ばれる大きさです。一方「B」と「数字」で表されるグループはB列と呼ばれ、B1(B全)の半分がB2、B2の半分がB3……と呼ばれる大きさになります。また、絵本には、各判型の規格サイズの一辺を裁断した「変型判」もよく見られます。正方形や縦や横に長い絵本など、物語や絵を活かす比率やサイズが採用されています。
絵本をつくる際、まずどのぐらいの大きさのものをつくりたいかを考えてみましょう。
本の開き方は?
本の開き方は、大きく2種類あります。
- 本文が横組み(横書き)の場合は「左開き」
見開きで見たときには、偶数ページが左、奇数ページが右になります。
- 本文が縦組み(縦書き)の場合は「右開き」になります。
見開きで見たときには、偶数ページが右、奇数ページが左になります。
まず横書きにするか縦書きにするかを決め、どちらから開くかを決定しましょう。
ページ数は?
書籍は一般的に、二つ折りの紙を4枚重ねた「折丁」と呼ばれるものが集まって出来ています。
紙を二つ折りにすると、ページは、外に2ページ、中に2ページの計4ページできます。
折丁はそれをさらに4枚重ねているので、4×4=16、16ページのまとまりとなります。
よって、折丁を重ねてつくられた書籍のページ数は、16の倍数になっていることがほとんどです。
商業出版される絵本の場合、1枚の大きな紙に8面が配置されることが多いので、ページ数は8の倍数が基本となります。赤ちゃん向けの絵本では24ページ、幼児絵本の場合32ページの作品が多いです。
対象年齢を考えながら、ページ数を決定しましょう。
絵本のつくり方の手順 4ステップ
本の大きさ、開く方向、ページ数が決まったら、いよいよ絵本をつくり始めてみましょう。こちらでは、基本的なつくり方の手順をご紹介します。
1. どんな絵本をつくりたいか、イメージを膨らませる
まずは、どんな絵本をつくりたいのか、イメージしてみましょう。
- どんなテーマを書きたい?
- どんなキャラクターを登場させる?
- どんなストーリーにする?(起承転結を意識して大まかな流れを作ってみましょう)
テーマ、キャラクター、ストーリーにおいて、自分の強みや個性が出せると、よりオリジナルな絵本になるでしょう。
2. ラフ画(絵コンテ)をつくる
次は、絵本の設計図である、ラフ画(絵コンテ)をつくります。
ここで全体のストーリーや、ボリューム、イラストの方向性などを決めていきます。
ラフ画ができたら、一度身近な人に見てもらって意見や感想などを聞いてみるのも良いでしょう。
3. 原画を描く
内容のイメージができたら、次は絵の準備です。
ラフ画→下書き→トレース→彩色といった手順で原画をおこしていきましょう。
画材は、自分がつくりたい絵本の世界観を表現しやすく描きやすい方法を選ぶと良いでしょう。
【参考】手描きで描く場合に、一般的によく使われている画材
- 色鉛筆
- 透明水彩絵具
- アクリル絵具
- パステル
- カラーマーカー
- カラーインク
(出典『絵本をつくりたい人へ』より
また、PCやタブレット、スマホを使って絵や素材、写真などを取り込んで加工したり、ペンタブでデジタルイラストを描く方法もあります。
【参考】パソコン、タブレットを使って描く場合のアプリのご紹介
- CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)
イラストやマンガ、アニメーションの制作に特化した、世界4,500万以上のクリエイターが愛用する多機能お絵描きアプリ。
https://www.clipstudio.net/ja/ ibisPaint(アイビスペイント)
みんなの『描いてみた』をスマートフォンやタブレットで実現するソーシャルお絵かきアプリ。
https://ibispaint.com/about.jspProcreate(プロクリエイト)
iPad でスケッチからペイント、そして完成されたイラストまで作成することができるiPadペイントアプリの定番。
https://procreate.com/jp/procreate- Adobe photoshop(フォトショップ)
プロのデザイナーや写真加工の世界で有名なグラフィックソフト。 多機能でイラストを描くことにも使える。https://www.adobe.com/jp/products/photoshop/features.html - ペイントツール SAI【Windows】
気軽に気持ちよく絵が描けることを目指して開発されたペイントツール。カラーイラストを描いてみたいという方におすすめ。https://www.systemax.jp/ja/sai/
4. 絵と文章を合わせる
文章と絵ができたら、組み合わせて本文を作成していきます。表紙や扉、奥付、見返しなども必要に応じて準備しましょう。
原画をスキャニングして、InDesignやillustratorなどのDTPソフトでレイアウトしたり、イラストアプリの場合はアプリ上で絵と合わせてテキストを入力、レイアウトできるものもあります。
絵本のつくり方が分かる参考図書のおすすめ!
絵本をつくる時に、絵本についての基本を学んだり、つくり方の手順を知ることのできる参考図書もいろいろ出ています。はじめて絵本づくりに挑戦する人にも、本格的に絵本作家を目指す人にも役立つ参考図書をご紹介します。
『改定増補版 絵本をつくりたい人へ』
2014年に出版したムック版を改訂増補してボリュームアップ、より詳しく絵本づくりの極意をお伝えします。
著者は、人気の絵本作家養成ワークショップ「あとさき塾」で30年以上のキャリアを誇り、私塾でも数々の有名絵本作家を輩出しているトムズボックスの土井章史氏。
はじめに、絵本の様々な種類や本の基本的な構造の紹介を紹介し、その後、絵本のつくり方の基礎や心構え、留意点などをわかりやすく解説してきます。また、人気絵本作家や絵本業界で活躍する方々のインタビュー、著者のコラムなども盛り込み、読み物としても楽しい1冊になっています。
『楽しい絵本のつくりかた』
絵本作りってなんだかむずかしそう…。そんな絵本作りへの不安をこの本が全て解消します!話の組み立て方やキャラクター作りの秘訣といった絵本作りのヒントをたっぷり掲載。巻頭には人気絵本作家さんへのインタビューも。たのしい絵本作りをはじめましょう。
その他、参考図書
実際に教室で学びたい方におすすめの記事はこちら
絵本作家インタビュー
プロとして活躍する絵本作家さんは実際にどんな画材を使い、どのように絵本を制作しているのでしょうか? いくつかインタビューをご紹介します。
絵本を作ったら、コンテストに応募してみよう
絵本ナビ×講談社「あたらしい絵本大賞」とは…
いま本当に「読みたい」「読んであげたい」絵本を、あなたの手で創り、あなたの目で選ぶ。
スマホやタブレット、PCからだれもが気軽に参加できる、新しいスタイルのデジタル絵本コンテストです。大賞作品は、講談社から絵本として刊行。さらに、最終候補に残った作品(※絵本部門)はすべて、講談社から電子書籍として刊行されます。
その他、絵本のコンテストやコンクール情報はこちらの記事をどうぞ。
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