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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】アンパンマンの生みの親 やなせたかしさんの本を親子で読もう!

3月31日~4月6日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

0歳から大人まで大人気の国民的ヒーロー「アンパンマン」。その生みの親であるやなせたかしさんと小松暢さんの夫婦をモデルにした連続テレビ小説『あんぱん』が3月31日から始まりました。これを機に、やなせたかしさんについてもっと知りたい! と思っている方も多いのではないでしょうか。そこで今週は、やなせたかしさんの原点となる絵本や、その生き方、哲学を知ることのできる本を特集します。

3月31日 やなせたかしさんってどんな人? 親子で読もう!

月曜日は『勇気の花がひらくとき やなせたかしとアンパンマンの物語』

勇気の花がひらくとき やなせたかしとアンパンマンの物語

「ぼくが生きる意味はなんだろう?」そう自分に問いかけ続けた、アンパンマンの生みの親、やなせたかし先生。幼少期の家族との別れや、戦争体験、人と自分をくらべて落ち込んでしまう気持ちなど、たくさんの辛いことを体験し、いろいろなことを考え続けてきました。そんななかでやなせ先生が強く思ったこが、「みんなを喜ばせたい! みんなを笑顔にしたい!」ということでした。そんな気持ちでたくさんの作品を生みだし、何事にも一生懸命取りくみ続けたやなせ先生一生を紹介する伝記です。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=110047

読者の声より

「アンパンマン」で有名なやなせたかしさんですが。
その人生においての様々な出来事、生き方、考え方、すごく感心させられました。
我が家の小学校5年生の子供の国語の教科書に、やなせたかしさんの本がいくつか紹介されていて、こちらの本もその中の1つでした。
親子で読んでみたくなりました。
(まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子10歳)
 

4月1日 みんなのヒーロー「アンパンマン」はこの絵本から

火曜日は『あんぱんまん』

あんぱんまん

広い砂漠の真ん中で、お腹がすいて動けなくなっている旅人がいます。その時、西の空から大きな鳥のような人が近づいてきます。そして、その不思議な人は言うのです。

「さあ、ぼくの かおを たべなさい」

旅人は驚き、それでも彼の言うままにおそるおそる頭にかじりついてみると……そのおいしいこと! あっという間に半分食べてしまいました。

「さようなら、がんばれよー」

顔が半分になっても笑顔でさっそうと飛びだっていく、その人の名前は「あんぱんまん」。困っている人やお腹をすかしている人がいると、どこからか飛んできて顔を食べさせてくれる正義のヒーローです。森の中で迷子になった子どもに残りの半分の顔を食べさせてあげると、もう彼には顔がありません。このままで人を救えるのでしょうか。

でも、大丈夫。パンづくりのおじさんが新しい頭をすぐに作ってくれます。おや、新しくなった頭は前よりも少しふっくらしていて……そう、私たちの良く知っているあの「あんぱんまん」の姿です。

今や誰もが知っている、子どもたちの憧れるヒーロー「アンパンマン」。初めて絵本に登場したのは1973年、月刊「キンダーおはなしえほん」10月号でした。2023年には誕生50周年を迎える記念として、さらに長く読み続けられるよう、原点となるこの絵本が新しくよみがえりました。

「ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです。」(巻末に掲載されている、1973年当時のあとがきの言葉より抜粋)というのは、作者であるやなせたかしさんの言葉。

50年の時を越え、あんぱんまんの存在、そしてその行動は、今の私たちの目にどう映るのでしょう。親子で一緒に楽しんでくださいね。
(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

読者の声より

三歳の娘も一歳の息子も大好きなあんぱんまん。
多くの子供たちに愛されているあんぱんまんですが、これこそあんぱんまんの原点な気がします。
絵も今の見慣れた可愛らしさというよりは、手の指が五本あったり、影がついたりして、リアルな感じだし、おなかがすいた人に自分の顔を食べさせて顔がない状態で空を飛んでいたり・・・と、ちょっとびっくりしてしまいます。
でも、最後のあとがきに書かれている作者の思いを知ると、すごく共感して、素敵な作品が作られたんだなって思いました。
その思いがしっかり感じられるからこそ、あんぱんまんは長い間、子供にはもちろんのこと、親たちにも愛されているんだろうと思います。
家の子供たちも、「手が長いね~」なんて言いながらも、素直に面白そうに喜んで最後まで見ていました。
ジャムおじさんが、この作品の中ではまだ、パンつくりの上手なおじさんってところも面白いです。
(おちびままさん 30代・ママ 女の子3歳、男の子1歳)

4月2日 やなせたかしさんの絵本作家活動の原点となった名作

水曜日は『やさしいライオン』

やさしいライオン

ある国の野外動物園にいた、みなしごライオンのブルブル。お母さんがわりをしたのは犬のムクムク。ブルブルは、ムクムクの優しい子守歌を聞きながら、どんどん大きくなります。とうとうムクムクよりも大きくなって立派なライオンになった頃、お別れの時がきます。都会の動物園にうつされることになったのです。

ブルブルは、今ではサーカスの人気者。それでも夜になると思い出すのは、なつかしいムクムクの子守歌。そんなある夜、遠くの方から聞こえてきたのは……。

やなせたかしさんの絵本作家活動の原点となった、不朽の名作がリニューアル。優しい心を持ったまま育ったブルブルだけれど、愛する母親の危機を察知し、一目散に駆け出すその姿は、誰もが恐れるライオンそのもの。物語は悲しい結末へと向かっていくけれど、そこには喜びや希望も同時に描かれます。

かつて子どもだった私たちが味わってきた絵本の世界を、また子どもたちへ。読み継がれていってほしい名作が、没後10年記念出版「やなせたかしの名作えほん」シリーズとして新たに誕生です。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

読者の声より

3歳だった娘と、しょうがなく図書館で時間を潰していた夕方。
眠かった私に娘が「これ読んで!」と一冊の絵本。

「やさしいライオン」…

しゃーない、読んでやっか。

口に出して読んでたら、涙で声が出なくなりました…

後日、自分のために買いました。

娘の手が届かないところに置いてあります。
(すとーんずさん 30代・パパ 女の子12歳、女の子4歳)

4月3日 やなせたかしさんの波瀾の生涯と作品を追った一冊

木曜日は『別冊太陽 やなせたかし 322 アンパンマンを生んだ愛と勇気の物語』

別冊太陽 やなせたかし 322 アンパンマンを生んだ愛と勇気の物語

漫画家、絵本作家のほか、詩人、編集者、デザイナーとしても活躍したやなせたかし。高知での幼少時代、妻・暢との出会い、「アンパンマン」の誕生まで、波瀾の生涯と作品を追う。

【目次】
やなせたかしってどんな人だったんだろう

評伝 やなせたかし
1 父の死と母との別れ~高知での少年時代
2 東京高等工芸学校~田辺製薬~養父の死
3 戦地へ~敗戦・復員~弟の死
4 高知新聞時代~上京~三越デザイナー時代
5 多彩な仕事人として
6 「詩とメルヘン」の創刊
7 絵本「アンパンマン」とテレビアニメ
8 やなせたかし記念館オープン~晩年

4月4日 高知の思い出、制作の裏側を綴った100編のエッセイ

金曜日は『続 オイドル絵っせい 新装版』

続 オイドル絵っせい  新装版

2013年に亡くなるまで生涯現役を貫き「人生の晩年を楽しく」という思いをこめた「オイドル=老い+アイドル」高知新聞連載から厳選した随想録。高知での思い出、制作の裏側などユニークに綴った100編のエッセイを収録。(本書は『続・オイドル絵っせい これじゃあ死ぬまでやめられない!』を改題し、新装版として刊行したものです)

  

 

4月5日 やなせたかしさんがアンパンマンを語る!

土曜日は『アンパンマン伝説』

アンパンマン伝説

アンパンマンの誕生から国民キャラクターに成長するまでを、やなせたかしが自らの人生を交えて語ります。
詩とイラスト、貴重な写真も満載!
ファン必読の一冊です!
絵本『あんぱんまん』誕生50周年を記念して、装い新たによみがえりました!

★やなせたかしがアンパンマンを語る! エッセイ&詩&イラスト&写真集!?

4月6日 生きる勇気をもらえる、やなせたかしさんの人生哲学

日曜日は『新装版 わたしが正義について語るなら』

新装版 わたしが正義について語るなら

正義とは何で、正義の味方とはどのような人なのか。
戦争を生き抜き、国民的ヒーロー「アンパンマン」を産みだしたやなせたかしが、その半生を通じて向き合った「正義」のあり方とは。
混迷の時代に生きる勇気をもらえる、やなせ流の人生哲学。

・正義はある日突然逆転する。
・正義とはかっこいいものではない
・正義とはあやふやなものである
・正義のための戦いなんてどこにもない
・正義はある日突然逆転する
・悪人の中にも正義感はある
・傷つく覚悟がないと正義は行えない
・正義でいばるやつは嘘くさい

いかがでしたか。「アンパンマン」に夢中の子どもたちも、大人の方も、やなせたかしさんが残してくれた絵本やエッセイを、いろいろ手にとってみてくださいね。

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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