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おはなし会で何読む?どう読む?おすすめ絵本

【おはなし会でおすすめ】何度も読みたくなるどんでん返しが楽しい絵本『へび ながすぎる』

 

おはなし会が決まったら、欠かせないのが絵本の選書。楽しくもあり、一苦労でもある作業です。
この記事では、絵本ナビスタッフ・セトグチが実際におはなし会で読んだ絵本の情報を紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
今回は、絵本に登場するねずみもうさぎも、それから読者も! 誰もが「気づかなかった!」と驚きの展開が楽しい絵本をご紹介します。

キュッと集中する時間を作りたい。そんな時におすすめの絵本

「長すぎず短すぎない“聞く時間”になる絵本で、でも聞き手と一緒に笑いたい。できれば刊行が新しめだとなお嬉しい!」

そんな考えからセレクトしたのがこちら!

油断するべからず! どんでん返しが楽しい絵本

へび ながすぎる

緑色のへびのしっぽの絵から……ページをめくると、横長の画面いっぱいにくにゃくにゃ、にょろにょろの紐みたいなものだらけ。「へび ながすぎて……だれもこれが へびだなんて きづかない」
そう、へびって不思議ですよね。頭としっぽがあるから「……ヘビかな?」と思うけど、もし頭もしっぽも見えなかったら?

この絵本では、ながーーーいへびをへびだと気づかない動物たちが、楽しく遊びます。ねずみは「えっチュら おっチュら」と持ち上げて、すべり台に。うさぎは「よいしょ よいしょ」と端を持って大縄跳び。ゴリラはなんとターザンごっこを始めちゃいます。

いつどの動物が「へびだ」と気づくのか……。なかなか誰も気づかないけれど、とうとう最後に予想の上を行くどんでん返しが……!?

動物たちのユーモラスなポーズと思い込みに、じわじわとおかしさがこみ上げてくる絵本。作者のふくながじゅんぺいさんは出身地の静岡県藤枝市の藤枝文学館にて、作家・小川国夫さんの書画「蛇長過ぎる」を見て「確かに!」と納得。本書を着想したそうです。

個人的にふくながさんが描く動物たちは、ぽっこりしたお腹とお尻がかわいいなあと思うのですが、そういえばへびのお尻はどこなのでしょうね?(ふくながさんが、本書に挟み込まれた「作者のことば」でお尻はどこだと書かれていますが、確かに!) わからないことはいろいろありますが、その「わからなさ」を存分に楽しみたくなる絵本です。

(大和田佳世  絵本ナビライター)

ねずみもうさぎもごりらも、手に取って遊んでいるそれが長いへびだなんて気づいていない。
そうとも知らずに楽しんでいる動物たちを、聞き手は「みんな気づかないね」なんて、のんきに眺めていることでしょう。

 

一方読み手は、そんな油断している聞き手たちを見て「ふふふ、君たちも気づいていないのだよ」なーんて、ちょっとしたいたずら心でうきうき読んじゃうはず。それもまた、展開を知っている読み手だけの醍醐味。

 

でもね、どんでん返しがくるってわかっているのに驚いちゃうんです。というより、みんなで驚きたくなる! それから絵本を閉じた後は、「始めからそうだったのかな?」と1ページ目に戻っておさらいしてみたくなります。

 

何度読んでもそんなお楽しみが待っている絵本は、きっとおはなし会の定番になるはず。動物たちとはしゃいでびっくりして、たくさん楽しんでくださいね。

おはなし会での参考情報

セトグチが実施したおはなし会の情報をご紹介します。目安として、ご参考にしてみてくださいね。

 

  • 読み時間・・・3分~。
  • 参加者の対象・・・3歳~小学校低学年さん向けに選ぶことが多いです。
  • プログラムの組み合わせ・・・参加型絵本などで盛り上がった後に、プログラムの中盤~後半に組み合わせることが多いです。

瀬戸口あゆみ(絵本ナビスタッフ)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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