【12月に読みたい絵本と新刊】クリスマスムードで華やぐ時期のおはなし会におすすめ

絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本のおはなし会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに12月のおはなし会プログラムに取り入れたい絵本や、新刊絵本のおすすめを教えていただきました。

二十四節気とは… 1年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。

12月では…

大雪たいせつ (12月7日）陽は短くなり、太陽の力はますます弱まる。冬が深まり雪がしっかりと降り始める頃。

冬至とうじ(12月22日)   一年で一番昼が短く、一番夜が長い日。太陽がよみがえる日とも言われている。

　　　　　　　　　日本では古くからかぼちゃを食べ、柚子湯に入る習慣がある。

今月もわらべうたからいきましょう。

寒さも本格的になってきました。
今年はインフルエンザが大流行。流行りものにも負けず元気に過ごしたいものです。

絵本と一緒に体をうごかし、寒さを吹き飛ばしましょう！

『だるまさんが』でおなじみのかがくいさんの絵本の中で、実は一番好きで、何度も何度も歌ってきた絵本です。

それはこんな始まり

わらべうた「おしくらまんじゅう」が、かがくいひろしさんの手によるとこうなるのか！と感動した一冊です。

おしくらまんじゅうの次は
おしくらこんにゃく？
おしくらなっとう！？

全く予想できない展開にみんな「えっ？！」と息をのみ、そして「わぁー！！」と盛り上がる。
この発想。もうさすがとしかいいようがない。

これはぜひ手にとってその楽しさや驚きを体感してほしい。

おはなし会でも大人気。読み歌いながら自然と体が動き出し、心も体もほこほこしてきます。
読み聞かせ時間目安＜２分＞

お次はうさこちゃんでおなじみのディック・ブルーナの手によって描かれるイエス・キリスト誕生の物語。

1982年に発売のロングセラークリスマス絵本『クリスマスって なあに』がボードブックの仕掛け絵本になった一冊です。
それはこんな始まり。

夜の空が突然光り、現れた天使からのお告げ。

羊飼いが、そして東方の三博士が星に導かれベツレヘムへと向かう。

そこには馬小屋に眠る神さまの子イエス・キリスト。

優しくそっと幼い子ども達にも、クリスマスの本当の意味を、重なりの仕掛けと共に伝えてくれる絵本です。

クリスマスはチキンやケーキを食べ、サンタクロースが欲しいものをくれる日。ではないことを絵本を通して伝えたいと思うのです。

読み聞かせ時間目安＜2分＞

お次は言葉遊びの楽しい絵本です。

それはこんな始まり

夕食の時間。

「今日はなにから始めましょうか」家来たちはびくびくして王さまの返事を待っています。

なぜなら料理もしりとりの順番に出さないといけないからです。

おまけに最後は王さまの大好きなプリンと決まっているからさぁ大変！

今日はいったい何からはじまるのでしょう。

「こんやはサンドイッチからたべるぞ」「かしこまりました」

台所ではてんやわんやの大騒ぎ。

サンドイッチ、ちくわ、わかめ、めだまやき、きのこ...

お腹の減っている王さまは出てくる料理をつぎつぎにぺろりと平らげてしまいます。

「あの王さま、もう少しゆっくり召し上がってはいかがでしょう」という家来に、「早く次を出せ！」と怒鳴り散らす始末。

さぁ、最後のプリンまで辿り着けるのか！？

小学校の読み聞かせでも大人気の一冊です。

読み聞かせ時間目安＜３分＞

お次は日本の伝統食「おせち」の絵本を。

それはこんな始まり

はじめて出会ったのは2023年12月。

「こどものとも年中向き」の2024年1月号でした。

その後すぐにハードカバー化。とても話題になった一冊。

初めて見た時は、うん？写真？？いや、絵だよね。
えっ？でも...
いやいや。やっぱり絵だと二度見三度見してしまいました。
写真であるか絵であるかは問題ではなく大事なのは美味しそうであるということ。

それで言うと、この絵本は間違いなく美味しそうで。

おせち料理がひとつずつ、リズム良い言葉と共に、その意味をも優しく楽しく教えてくれます。
おせちに込めた願いを絵本で知り、お正月に家族で囲むおせち。

それはより健康と幸せをもたらしてくれる気がします。
読み聞かせ時間目安＜4分30秒＞

そんなおせちの絵本。なんとEnglish editionとして英語版が刊行されました。

その名も『OSECHI Food for the New Year』

英語版テキストは作家としてもご活躍の、英語も日本語も堪能な詩人アーサー・ビナードさん。

外国の方にも日本の伝統的文化をより広く知ってもらいたいと刊行された英語版。

巻末には日本語版にはないひとつひとつの料理の注釈のページがあります。

このページはぜひ日本語版にも欲しい！

海外の方にはもちろん、改めて英語で知る日本の文化も新鮮でいいなと思います。

最後はこんなわらべうたの紙芝居でおわりましょう。

それはこんな始まり

あんちゃんときなちゃんがほっぺをこねこねして遊んでいると...。

「さよなら　あんころもち　またきなこ」のわらべうたが紙芝居に。

みんなで一緒に歌いながら、また会おうねの気持ちを声に乗せてさようなら。