【9月に読みたい絵本と新刊】お月見や動物園…おはなし会で秋の訪れを楽しもう♪
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絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本のおはなし会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに9月のおはなし会プログラムに取り入れたい絵本や、新刊絵本のおすすめを教えていただきました。
二十四節気(にじゅうしせっき)を感じる
二十四節気とは… 1年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。
9月では…
白露はくろ (9月7日)昼夜の気温差が大きくなり、草花が朝露でぬれるようになる頃。
秋分しゅうぶん(9月23日)昼夜の長さが同じになる秋分の日。この日を境に陽は短く弱くなっていく。
9月のおはなし会
まだまだ油断ならない暑さが続く9月ですが、朝晩ふと肌にあたる風や虫の声が秋を運んできてくれているように感じます。
橋をどんどん渡ったり、動物園やお月見と、少し外に目を向けたプログラムにしてみました。
初めて行く道が長く感じるように、1ページの文章量が長いお話は終わりが見えないので、
大人も子どもも飽きてしまいがちです。特に読み手との信頼関係のない初めての場でのお話会は特にそう感じさせてしまうかもしれません。
最初は短いものや歌の絵本を入れてテンポ良く進め、場の空気があたたまってから、私はお話の絵本を持ってきたりします。
何冊か読む場合は特に順番は大事になってきます。
さぁ、今日はこんな絵本から
【今月のわらべうた】絵本と一緒に楽しみましょう
今月もわらべうたからいきましょう。
少しずつ秋の気配を感じる9月。
夏を乗り越え心も体もひとまわり大きくなった子どもたち。
どんどんぐんぐん進んで超えて。
絵本と一緒に、さぁ歌っていきましょう。
【はじまりの絵本】わらべうたの絵本
それはこんな始まり
どんどんばし わたれ
さあ わたれ
こんこが でるぞ
さあ わたれ
(P2本文引用)

「とおりゃんせ」と同じような門くぐり遊びのうた。

一本橋を元気に渡る小さな子。
こん! とやってきたのはきつねさん。
もう少し太い橋。一緒になって渡りましょう。
どんどんばし わたれ
さあ わたれ
ぽんぽこ でるぞ
さあ わたれ
ぽん!
と出てきたのはたぬきさん。
お次は?
絵本と一緒にわたるどんどんばし。
最後はみんなでドボン!
絵本を楽しんだ後はみんなでお歌に合わせて歩きたくなる一冊です。
読み聞かせ時間目安<1分30秒>
楽しい「どんどんばし」の絵本はこちら
【科学の絵本】マルシャークの詩より『すずめくんどこでごはんたべるの?』
内容はまさにタイトル通り。
「すずめくんどこでごはんたべるの?」
そんな質問にすずめくんが答えてくれます。
ぼくはね、
どうぶつえんの
どうぶつたちのところで
たべるんだよ。
(p2本文引用)
かばのところに行って、ちょっとだけおいもを食べて、
きつねのところで果物を食べて、
きりんのところで水を飲む。
動物園を通して、すずめの生態を知ることができる立派な科学絵本。
子どもたちへ知識ではなく感動を。そして経験を。
知ると見えてくる。世界が広がる。
動物園に行く前にぜひ読みたい一冊です。
この絵本を読むと動物園ですずめを探す子どもたちも多いんですよ。
読み聞かせ時間目安<1分35秒>
今日も、すずめくんは、動物園でさまざまな動物たちのごはんをわけてもらいます。カバのところでサツマイモを、キツネのところで果物を、ライオンの檻ではお肉をパクッ!
【行事の絵本】小さい人たちから楽しめるお月見の絵本
今年の中秋の名月は、10月6日月曜日
「はじめての行事のえほん」シリーズから。
それはこんな始まり
きょうは おつきみです。
そらには まんまる おつきさま。
おばあちゃんの えんがわには、
まんまる おだんご おいしそう
(P2本文引用)
縁側のおだんごを見つけたおつきさま。
「たべたいな」とつぶやくと、くもが「とってきましょう」と
すうっと下に降りてくもくもにんげんに変身!
お団子を取ったその時! 子どもたちに見つかってしまいます。
追いかけるこどもたち。さぁ、いったいどうなるのでしょう。
あっ! 食べちゃった! と思ったけれど巻末の解説を読んで納得のほっこり。
小さな人たちと楽しめるお月見の絵本です。
読み聞かせ時間目安<2分35秒>
きょうはお月見です。縁側には、おだんごが並んでおいしそう。それをみたお月さま、おたんごが食べたくなってしまいました。するとくもが「とってきてあげましょう」。くもくもにんげんにへんしんすると…「あっ、ぼくらのおだんごだよ!」子どもたちに見つかってしまいました。すると…? 身近な行事に興味を持ちはじめた幼い子どもたちに向けて、日本の伝統をやさしく伝える絵本シリーズ。お月見編。
【お話の絵本】チュッチュとチョッピーと一緒にお月さまをさがしに
お月さまつながりで、少し長いお話の絵本も楽しみましょう。
それはこんな始まり
あおい ズボンの チュッチュと
あかい ズボンの チョピー、
2ひきの ねずみは、だいの なかよし。
ほしが ふってきそうな よぞらの したを
たのしく さんぽしていると、
おつきさまが どこまでも ついてきます。
(見返し裏本文引用)
人気シリーズチュッチュとチョピーのお話。
大好きなおつきさま。昼間におつきさまはどこにいるんだろう?と気になった2匹はおつきさまさがしに出発。
木の上にちょこんと乗っている黄色いもの。
見に行ってみるとそれは風船でした。
今度は窓の向こう、家の中に何か黄色くてまあるいものが見えます。
さぁ、2匹は昼間のおつきさまに会えるのでしょうか。
穴あきの仕掛け絵本になっていて、子どもたちと一緒にワクワクドキドキしながら楽しめ、お話会でも大人気の絵本です。
なによりチュッチュとチョピーが可愛くて可愛くて。ふわはねお気に入りのシリーズです。
読み聞かせ時間目安<4分15秒>
ネズミのチュッチュとチョピーが夜空の下を散歩していると、お月様が友だちのようについてきました。でも、昼間はお月様を見かけません。そこで、お月様を探しに出かけた2匹でしたが……見つけたと思ったら黄色い風船だったり、丸い果実だったり。そしてとうとう見つけた黄色くて丸いものは、ネコのくびについた鈴だったから、もう大変!!
【仕掛けの歌絵本】最後はみんなで歌いながら楽しみましょう
最後は仕掛けが楽しいお歌の絵本で終わりましょう。
それはこんな始まり
♬しあわせなら てを たたこう
しあわせなら てを たたこう
しあわせなら たいどで しめそうよ
そら みんなで てを たたこう
(見返し引用)

お馴染みの手遊び歌「しあわせなら手をたたこう」が仕掛け絵本に。
歌に合わせてつまみを引っ張ると、ねこが手をたたいたり、犬がしっぽをふりふりと楽しい仕掛けが。
お話会でも大活躍。みんなで一緒に手を叩いたりしっぽをふったり、頭をさわったり。
絵本の動物になりきって楽しめる一冊です。
読み聞かせ時間目安<2分30秒>
「♪しあわせならてをたたこう」で始まる有名なアメリカ民謡に、しかけえほんの鬼才、デビッド・A・カーターが挑みました。
楽しい動物たちが次々に登場し、つまみを引くとゆかいなダンスをします。
【その他 9月の読み聞かせにおすすめの絵本】
絵本の読み聞かせについて思っていること

絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。
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ふわはねプロフィール

ふわはね(内田 祐子)
絵本講師・子育てアドバイザー・ふわはねえほん 主宰
大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、幼児教育に携わる先生や書店員への研修。絵本講座、研修、絵本コンサルなどを行っている。絵本のつなぎてとして、絵本の作り手と読み手を。親と子を。人と人を繋ぐ。
絵本のある暮らしを発信するインスタグラムはフォロワーが2万人を超える。
大学2年生と子ども園教諭の娘をもつ。
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