【今週の今日の一冊】力強く、しなやかに。2026年午年に読みたい「うまの絵本」特集!
2026年の干支は午(うま)ですね。
馬と聞いて、どんなイメージがありますか?
しなやかに伸びる脚、力強い体、まっすぐ前へと進む姿……。また、潤んだ目を見ていると、優しく、心を通わせてくれそうなイメージも。古くから人の暮らしに寄り添い、ともに歩んできた馬たち。そんな馬とのあいだに生まれた信頼やあこがれが数々の物語を生み出したのでしょうか。
今週は馬の魅力がつまった「うまの絵本」をお届けします。人と馬の絆を描く物語や、馬へのあこがれが広がるお話、馬と仲良くなるヒントが詰まった一冊まで……。どうぞ一年を通して、たっぷりお楽しみください。
2026年1月5日から1月11日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
1月5日 大平原を舞台に雄大に広がる、馬と羊飼いの絆の物語
月曜日は『スーホの白い馬』
昔、モンゴルの草原に、スーホという貧しい羊飼いの少年がいました。スーホはとしとったおばあさんと二人きりでくらし、大人に負けないくらいよく働きました。
ある日、スーホは生まれたばかりの小さな白い馬を拾って帰ります。スーホが心を込めて世話したおかげで、子馬は立派に育ちました。
ある年の春、殿様が町で競馬の大会を開き、一等になったもの者は殿様の娘と結婚させるという知らせが伝わってきました。
スーホは白い馬を連れて競馬大会に出て、見事一等になります。
ところが一等になったスーホが貧しい羊飼いであることを知ると、殿様はスーホにひどい仕打ちをします。
モンゴルの楽器「馬頭琴」の由来となった、せつなく悲しい物語です。
赤羽末吉氏によるダイナミックな構図の壮大なイラストが、このおはなしのスケールを大きく感じさせてくれます。
特に横長の見開きシーンは圧巻です。
権力者の不条理な対応に打ちのめされる羊飼い。
読み進みながら、憤りとせつなさを感じざるを得ません。
小学校2年生の国語の教科書に採用されており、大人と子どもを問わず愛され続けている名作。
ぜひ家の本棚に置いておきたい一冊です。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
読者の声より
わたしは、「スーホの白い馬」を読んで、白馬は、とても強くてたくましくて、すごいと思いました。
わけは、オオカミがスーホのかっている二十頭のひつじをさらおうとしたとき、白馬は、ひっしでオオカミとたたかって、スーホが気づくまでがんばっていたからです。
もう1つすごいと思ったりゆうは、とのさまが、たくさんのおきゃくをよんで、さかもりをしたとき、とのさまは、とちゅうで白馬にのって、おきゃくに見せてやることにしましたが、白馬はものすごいいきおいで、とのさまをふりのけて、弓が体じゅうにいっぱいささって、体が弱りはてていても、大すきなスーホのところに走っていったからです。
わたしは、スーホと白馬は、とても強いあいでむすばれていると思いました。
わたしが1ばん心にのこったのは、白馬がスーホのゆめの中に出てきて、
「そんなにかなしまないでください。それよりわたしのほねやかわや、すじや毛をつかって、がっきを作ってください。そうすれば、わたしは、いつまでもあなたのそばにいられますから。」と言ったところです。
白馬は、とてもやさしくて、自分がしんじゃっても、スーホのことを思える、本当にとくべつな馬なんだと、わたしは思いました。
(天使のケーキちゃんさん 10代以下・その他の方)
1月6日 馬を想う気持ちを、センダックの美しい絵とともに…
火曜日は『シャーロットとしろいうま』
シャーロットのほしがっていた子馬が生まれました。
心をこめてやさしく子馬の世話をするシャーロット。 詩情あふれる絵物語。
センダックが本領を発揮した最初の作品です。
読者の声より
馬の名前は「あまのがわ」。シャーロットが欲しかった子馬でした。足がぶるぶる震えて、なかなか立てないあまのがわに「さあ、たってごらん、かわいいこ。外に出ましょうよ。」ってシャーロットはやさしくささやきます。ずいぶんたって、立派に立てるようになったあまのがわを、いい競馬馬になれそうもないからと、おとうさんが売ってしまおうと言いますが、シャーロットは売らないでとおとうさんにお願いします・・・。淡い色調が印象的な、小さな絵本です。シャーロットのやさしい気持ちが子供にも伝わるようです。うちでは、娘のお気に入りです。
(かあぴいさん 30代・ママ 男の子11歳、女の子9歳)
1月7日 馬が走ると草木は緑になり、花が咲いて…
水曜日は『しろい うま』
ぼくの部屋に白い馬の絵があります。白い雪山に立つ、気品ある馬。その馬がある日突然、絵の中から飛び出しました。ぼくは馬の足跡を追いかけ、山を登ります。
白い馬が走った跡は、草も木も緑色になり、雪が溶けて花が咲きます。雪は白いひつじとなり、花からちょうが生まれ、ちょうが星になりました。リズム良く塗り替えられるシーンは、だんだんと色鮮やかになり、幸福な雰囲気がどんどん広がっていきます。
こちらはアンパンマンの生みの親、やなせたかしさんの46年前の作品です。やなせさんの温かいお人柄をそのまま映したような優しく美しい世界。今の子どもたちにも、そしてかつて子どもだった大人にも夢と希望を与えてくれるでしょう。
やなせたかしさん没後10年にあたり、読み継がれている普及の名作が次々とリニューアルされます。「やなせたかしの名作えほん」シリーズとして、本作に続き、『やさしいライオン』『さよならジャンボ』『チリンのすず』と刊行される予定ですので、ぜひチェックしてくださいね。
(出合聡美 絵本ナビライター)
読者の声より
絵から飛び出したしろいうまと一緒に春をさがす旅です。
やなせたかしさんのやさしさがいっぱいのファンタジーです。
お話と絵の美しさにうっとりしてしまいました。
心が寒くなったときに、温めてくれそうなしろいうまでした。
(ヒラP21さん 60代・パパ)
1月8日 大好きなウマになったらやってみたいことは…
木曜日は『ウマに なれたら いいのにな』
もしもウマだったら、一日中走りまわっちゃうし、行きたいところに行くし、妹を背中に乗せてあげたいな。水泳大会では、きっとひっぱりだこ!
どろんこの中を転げまわっても、おふろになんか入らないし、洋服だって着ない。……パレードの時以外はね。
ああ、大好きなウマになれたら、いいのにな。
純粋な子どもの夢を、画面いっぱいダイナミックに描ききったこの絵本。自由に走りまわったり、家の中で好きに過ごしたりするウマの姿の迫力といったら! 幸せそうな表情といったら! 体の動き一つ一つから喜びが伝わってきます。
けれど、丁寧に描かれた背景の絵や、主人公の気持ちのこもった言葉一つ一つをかみしめているうちに、この子がウマに憧れる気持ちの理由を知り、ハッと胸を突かれます。プールサイドに置かれた車椅子。いつもは泳いでいる子を応援するばかりなのです。
自由でいたいこと。それだけでなく、妹をもっと喜ばせたいし、おにいちゃんをもっと驚かせたい。開放的な外の景色にくらべ、細やかに描かれる家の中の様子や、さまざまな絵やポスターが飾られた部屋のすみずみ。じっくり見れば見るほど、彼女を取り巻くたくさんの物語が浮かびあがってくるようです。
作者は、 コールデコット賞を二度受賞しているオーストラリア生まれの画家ソフィー・ブラッコール。その絵は一度見たら忘れらないほど美しく繊細で印象的。中でもこの作品からは、特別な思いが伝わってきます。
絵本をとじた後、もう一度考えてみて。もしもあなたがウマだったら……って!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
ソフィー・ブラッコールの絵本が好きなので、新刊としり、楽しみに読みました。ウマになれたら……という想像がひろがって、わくわくするお話。そして、なんといっても絵が美しいです。のびやかで、迫力があって、ページをめくるたび見入ってしまいました。来年は午年なので、おすすめしたい一冊です。
(あんじゅじゅさん 50代・その他の方)
1月9日 キャリコと5人の悪者の、追いつ追われつの大活劇!
金曜日は『名馬キャリコ』
名馬のキャリコは,仲よしのカウボーイの少年ハンクといっしょに,牛をぬすんだ5人組の悪漢どもを相手に大活躍.追いつ追われつの大活劇がスピーディーに展開する,コマ・マンガふうの楽しい絵本.
読者の声より
まず最初手に取ったときに、イラストが白黒で地味な印象を受けました。何気なく手に取り何気なく読んでみたら‥‥期待をはるかに超える名作で、お気に入りの一冊になりました!すぐさま夫にも「読んでみて!」とすすめるほど。
名馬キャリコがとにかく賢くて頼りになる!ストーリーとしては、キャリコの活躍で悪者たちを捕まえてめでたしめでたし。というストーリーなのですが、最後にさらにホッコリする展開に、胸があたたかくなりました。
9歳の娘に読んでみましたが、娘も最初は絵を見たときからあまり期待せずに聞いていたようですが、次第に夢中になり、声を出して笑って最後まで楽しめました。読み終わったあとには「おもしろかった!」と言ってくれました。
読み終わって気付きましたが、作者はバージニア・リー・バートンなのですね。面白いのも納得です。
隠れた名作だと思うので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。
(げがんさん 30代・ママ 女の子9歳、男の子6歳、男の子4歳)
1月10日 「マハバット」とはキルギス語で「愛」の意味
土曜日は『こうまのマハバット』
世界を旅する絵本作家・市川里美さんが中央ユーラシアの内陸国、キルギスを描いた愛らしい絵本。
キルギスの村に住む少女・ジャミーラが、山の祖父母と過ごすひと夏のおはなしです。
馬に乗って迎えに来てくれたおじいちゃんと一緒に、ジャミーラは山の大草原へやってきました。
雪におおわれた山並みと、遊牧民のテントとたくさんの馬たちが見えます。
テントの中ではおばあちゃんが料理の最中。
おばあちゃんから「ちいクロが帰ってこない」と聞いたおじいちゃんはすぐに飛び出していきます。
「ちいクロ」と呼ばれるその子馬は、ジャミーラを迎えに来た白馬の子で、足をケガしていました。
山に着いた翌朝から、ジャミーラは子馬の世話をしながら、もっとぴったりの名前はないかと考えます。
そして……「おまえをマハバットってよぶことにしよう! キルギスの言葉で『愛』といういみよ」と言うのでした。
キルギスの広々とした草原。
テントの中で味わうひつじのスープやパン。
しぼりたてであたたかい馬のミルク。
雪山から流れてくる冷たい水や、太陽のまぶしさ。
キルギスのおおらかな自然とひとびとの暮らしがつたわってきます。
ケガをした子馬と一緒に歩く練習をし、一緒に横になって休むジャミーラの姿が微笑ましい。
子馬のぬくもりに、小さな体いっぱいで寄り添う少女の喜びが伝わってきます。
見返しに描かれた可憐な草花にも、キルギスの夏の草原をたずねたくなります。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
読者の声より
キルギスの少女ジャミーラが、山に住む祖父母宅で過ごしたひと夏の様子を描いてあります。
放牧民のテントでの生活も興味深いですが、
メインは、黒い子馬との出会いです。
けがをしていたので、おじいちゃんを手伝いながら、ジャミーラも一生懸命世話するのです。
キルギスの言葉で「愛」という「マハバット」という名前を付けるなど、
ジャミーラの愛情が伝わってきます。
もちろん、マハバットは無事回復しますが、そこまでのジャミーラの献身あってのこと。
すごい、すごい。
だからこそ、ジャミーラが帰る際も、絆があるので、しんみり、ではないのです。
この絆、愛おしいです。
(レイラさん 50代・ママ)
1月11日 馬とコミュニケーションをとるための秘密とは!?
日曜日は『ウマと話すための7つのひみつ』
「動物と話してみたい」そんな子どもたちの願いにこたえる「馬語」の入門書。馬とコミュニケーションをとるための秘密が書かれた絵本です。
日本のはしっこ、与那国島で馬を相棒に暮らす著者が、馬の世界に入りこんで発見した7つの秘密を子どもたちに伝えます。
そこには生き物や自然と向かい合うための豊かなヒントがあります。
馬と話すことができれば、きっとこの世界の美しさが新たに見えてくるでしょう。
読者の声より
タイトルにひかれ、手に取りました。
ウマと話すために必要なことを、わかりやすく教えてくれる本です。
ウマは体の動きで今の気持ちを伝えているのだとか。落ち着かない時には耳をあちこちに向けながら動かし続けるとか、怒っている時は耳を引き絞るように後ろに倒すなどと教えてくれます。
自分が馬と話すなんて、想像したこともなかったけれど、ウマ語がわかったら楽しいだろうなと思いました。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子16歳、男の子13歳)
いかがでしたか。
新しい年のはじまりに、2026年の干支・午(うま)の絵本をご紹介しました。幸運や前進の象徴とされてきた馬の姿は、これから始まる一年をそっと後押ししてくれるような気がします。皆さまにとって2026年が健やかで明るい一年となりますように。
秋山 朋恵(絵本ナビ副編集長)
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