【今週の今日の一冊】「今日は何の日?」 記念日から広がる絵本の世界!
いよいよ今週の半ばからGWに入りますね。お出かけの予定を立てている方も、おうちでゆっくり過ごす準備をしている方も、なんとなくカレンダーを眺める機会が増える時期ではないでしょうか。カレンダーをよく見てみると、実は毎日、何かしらの「記念日」が設定されています。歴史を感じるものから、思わず「へぇ~!」と声が出そうな意外なものまで、そう考えると365日は全て特別な一日だと感じます。
そこで今週は、一つのテーマに絞るのではなく、「今日は何の日?」をテーマに、4月27日から5月3日までの各記念日にちなんだ絵本を日替わりでご紹介します。記念日から広がる絵本との出会いをお楽しみください。
2026年4月27日から5月3日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
4月27日 【哲学の日】小さな子から読める哲学絵本シリーズ!
月曜日は『かんがえるカエルくん』
かんがえこむカエルくんとネズミのお話
カエルくんは、枝に座って、いろんなことを考えています。ネズミくんもやってきて、一緒に考えます。「シジミの顔はどこ?」から考えがはじまり、いろんな虫たちの顔をのぞきこみます。すると、ミミズさんがやってきました。「ミミズに顔はあるの?」とカエルくんとネズミくんはまた考え込みます……「かお」のほか、「そら」「ぼく」の3編で展開。コマ割り絵本とも呼べる斬新さで、ゆっくり笑え、そして考えさせられることでしょう。
読者の声より
考えるということを最近私は、なにかをやりながらしています。それは、時間がないからだったり、たいしたことを考えていないためだったりします。
でも、カエルくんは、考えるためだけに考えていて、その時は考えることだけをしているんですよね。なんという豊かな時間の過ごし方でしょうか。
カエルくんの考えていることは、みんな自分の身近なこと。背伸びしなくても、高望みしなくても身の回りには考えるに値することが沢山あるのですね。
そして、カエルくんの考えを深めてくれるのが、友だちのねずみくん。ねずみくんがいるから、いろんな考えになり、ネズミくんがいるから、きみとぼくの関係もわかる。
子供と一緒に考える時間を大切にしたいな、と、気づかせてくれた絵本です。
(えっこさん 40代・ママ 男の子11歳、女の子8歳、女の子4歳)
4月28日 【象の日】違っていることがエルマーの魅力!
火曜日は『ぞうのエルマー』
体中、あふれるばかりの色でいっぱいのエルマーはジャングルの人気者。自分だけまわりと違うことに悩み、なんとか同じになろうと試みます。違っていることが個性であり魅力であることに気づかず、まわりに同化しようとするエルマーの姿はちょっぴり悲哀的。けれども、本来の明るい性格が仲間たちとの融合を招き、みんなで一緒に「違い」をお祝いする「エルマー記念日」がお話の最後を飾ります。お互いがお互いを認め合い、楽しく晴れやかな気分でお祭りのパレードするぞうたちの姿には、個性の尊重が象徴されているとも言えるでしょう。
カラフルなエルマーは、小さな子供たちの人気者になること間違いなし。いろいろな模様の、いろいろな色のぞうが登場する「エルマー記念日」。これを祝うぞうたちの表情がすてきです。
(ブラウンあすか)
読者の声より
表紙のカラフルなぞうがインパクトのあるお話でエルマーってどんなぞうなんだろうと読みすすめましたが、みんなと違っていたのは見た目だけでなく、キャラクターも素敵でした☆
みんなに笑顔や笑いを与える、太陽のような性格。
エルマーも自分はへんだと思ったりしますが、やはりこのぞうたちの中ではいなくてはならない存在。
最後のエルマーの日はみんな違って、みんな良いを表す日ですね☆
(なりおママさん 30代・ママ 男の子6歳、男の子3歳)
4月29日 【昭和の日】どこか懐かしい商店街を散歩してみよう
水曜日は『まんぷくよこちょう』
今日はおじいちゃんとわたし、ふたりでお買い物。
おじいちゃんちのご近所にある「まんぷくよこちょう」に行くんだよ。
「どなたも いらっしゃい いらっしゃい!」
店がぎっしり、人もたくさん。
焼き鳥におでん、くだものにお惣菜、ぷっくりふとったたぬきやき」も。
ああ、なんて美味しそうなものにあふれているのでしょう!
29日は「ふくのいち おおうりだし」の日なんだって。
おじいちゃんがいつもの「いもがら」を買った後、歩く通りには、ラーメン屋にカレー屋に肉まん屋さんにパフェが飾ってある喫茶店! ここは夢の国でしょうか。「今日はいいのがそろってるよ」おしゃべりもいっぱいなのです。まだまだ奥に行くと、よこちょうを守っているというたぬきの神様がいて……。
どこか懐かしく、でもとても活気のある商店街。行ったことあるような、知らないような。でも「まんぷくよこちょう」は、作者のなかざわくみこさんが、東京の実際にある商店街を散歩しながら見つけた風景なのだそう。商品の一つ一つまで細かく丁寧に描写しながらも、全体的に統一感もあって。狭いけれど、奥深い。商店街の独特な魅力が詰まっていますよね。こんな商店街、私も一度迷い込んでみたい。
密度の高い「まんぷくちょこちょう」おさんぽ絵本。
読み終わってみれば……あーまんぷく、まんぷく。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
昭和感漂う商店街ですが、あとがきによると、れっきとした平成の商店街取材によるとか。
それでも、今どきなかなかレアな存在の商店街だけに、貴重な作品です。
たあちゃんがおじいちゃんと一緒にお買い物、その行き先がまんぷく横丁なのですね。
わあ、なかなか本格的なお店がいっぱい。
調理場の様子が見えたり、個性的な店員さんとの会話も濃くて。
もちろん、そこここたっぷりと描かれていて、見どころいっぱい。
それだけに、たあちゃんが体験したファンタジーも愉快です。
おお、福引、魅力的です。
存外に大人もたっぷりと楽しめそうです。
(レイラさん 50代・ママ 男の子30歳、男の子28歳)
4月30日 【図書館記念日】に不思議な図書館を楽しもう♪
木曜日は『かいぶつのとしょかん』
ファンタジックな魅力たっぷりの絵本。
道を歩いていくのは、ふくろうのような大きな目、鳥みたいな足と口、変な耳、長ーいしっぽで……。
背中のかばんから本をのぞかせ、さらに手に本を持つ、何だかわからないもの。
うさぎの子は「かいぶつだ!」と思います。
かいぶつのしっぽの上で小さな生きものが「おいでおいで」をするのを見て、うさぎの子は追いかけます。
川の飛び石をわたって、森の中へ踏み込んで。
おや、かいぶつは、光が射す、苔におおわれた木の根元に入っていきました。
階段をおりると……扉があって……。
ギィィ。
読者も、うさぎの子と一緒にドキドキしながら扉を押す気持ちでページをめくると……。
そこに広がっていたのは素敵な書庫!
丸く円を描くように並べられた本棚、色とりどりの背表紙、やわらかそうなクッション……。
「ようこそとしょかんへ!」と、かいぶつは腕を広げて迎え入れます。
うさぎの子が驚いたことには、うっかりひらいた本から、「ボボボボボー!」と妖怪みたいないろんな生きものが出てきて、大暴れ!
ここでは本の中の住人たちが、本から出たり入ったりして遊んでいるんですって。
しかも書庫の向こうには、さらにもうひとつの空間があって、幻想的なあかりが灯る木や、池もあるんです。
誰も彼もが自由に生き生きと過ごす、摩訶不思議な図書館。
一匹一匹の姿をじっくり眺めるだけで面白いです。
想像の翼を広げ、たっぷり絵を味わってくださいね。
幻想的な世界観に魅了される、ふくいりえさんのデビュー作です!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
読者の声より
幻想的で不思議な世界観ですね。
ドキドキしながら読み進めていくと、すっかり魅了されてしまいました。
どこかにこの図書館あるんじゃないかなと思わせるような、行ってみたいな!と思うような素敵な場所ですね。
出てくるかいぶつたちも、個性的で1匹1匹見入ってしまいます。
本好きな人には、図書館てワクワクする場所なので、こんな図書館があったらと思うと、テンション上がりますね!
(ピーホーさん 30代・ママ 女の子3歳、女の子1歳)
5月1日 【こどもの日】を前にもっと知りたい「兜」の秘密
※5月1日は、「メーデー」「スズランの日」「語彙の日」などさまざまな記念日がありますが、5月といえば「こどもの日(端午の節句)」ということで、今年発売されたばかりの注目新刊『かぶと』を紹介させていただきました。
金曜日は『かぶと』(2026年3月刊行)
五月五日の「端午の節句」、こどもの日のお祝い飾りに欠かせないのが「かぶと」です。そのルーツともなった戦国時代の武将たちの兜には、おどろくような意匠が取り入れられているものがあります。「さる」「ちょう」「うさぎ」「えび」「かに」「さざえ」など。その、ひとつひとつに込められた意味を紐解いてみると……。
郷土玩具や和の意匠への造詣が深い著者が、愛好家にも人気の「変わり兜」を描きだします。単なる戦の防具としてではなく、戦国の時代にあっても美を見いだした感覚や、モチーフとなった生きものたちの特性にあやかろうとする切実さ、さらには兜を必要としない平和な時代についてなど、見た目におもしろいというだけでなく、そこに込められたさまざまな思いを、今の子どもたちに伝える絵本です。
巻末には、新聞紙などで折れば、かぶって遊べる、兜の折り方つき。家族でいろいろな楽しみ方ができる絵本です。
5月2日 【鉛筆の日】鉛筆はどうやって作られている?
土曜日は『いっぽんの鉛筆のむこうに』
鉛筆の完成過程と、それに携わる各国の人々
子どもたちに身近な鉛筆はどのように作られているのでしょうか? その鉛筆ができる過程と、その過程にたずさわる世界中の人たちの様子を詳細に伝えます。スリランカで黒鉛をとる人、アメリカで木をとる人、メキシコから日本に船で荷物を届ける人、日本で鉛筆を作る人など、各国の人びとの労働と生活、考え方を記録したユニークな絵本です。多くの人の支えによって、物ができているということを考えさせてくれるでしょう。
読者の声より
1985年刊行。
子どもの頃にも、読んだ記憶があった。
鉛筆の材料である「黒煙」「樹木」を採取する人、加工する人、運ぶ人、加工して鉛筆に組み立てる人、鉛筆を売る人。
それぞれの工程に関わる人の人生や家族、暮らしや仕事ぶりを写真で紹介している。
私たちが子どもの頃に、一番身近に使った道具の1つであり、大人になるとあまり使わなくなったものだが、実に多くの人が関わっていた。材料も、バトンを渡して繋いでいくリレーのように、外国から日本にやってきて、工場で加工されて、お店で売られて、私のもとにやって来る。実は奇跡の出会い。
こういうことを知ると、モノを大切にしようと思う。
物ばかりではなく、人も大切にしなければならないし、自分自身も大切に、地球も大切にしなければ。
粗末に扱ってよいものなど1つもないのだとわかる。
80年代にできた本だが、今見ても、とても考えさせられる。素晴らしい作品だと思う。
(渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方)
5月3日 【憲法記念日】に。今こそ読みたい、広めたい一冊。
日曜日は『わたしは きめた 日本の憲法 最初の話』
「わたしは きめた」
自由がもたらす恵みをしっかりにぎって、手ばなさないようにすることを。
二どと戦争を、ひきおこさないようにすることを。
平和をあいすることを。
やわらかい言葉の中に凛とした決意の気持ちを感じ、思わず引きこまれていき、するするっと最後まで読んでしまう文章。これは、詩人の白井明大さんが日本国憲法の前文を詩に訳したもの。だれもが自由で、健やかで、文化的に生きられる国にしよう、戦争をしない平和な国を築くんだ、という理想や決意、誓いや希望に満ちあふれている日本国憲法の前文を、長く残せる形に、そして子どもたちの手にもわたる形にしたいという思いがつながり、この絵本が誕生しました。
画家であり絵本作家の阿部海太さんが描く、美しいひかりの中の世界にたたずむ子どもたちの眼差しや、のびのびと過ごす生きものたちの姿、輝かしくもどこかつかみどころのない風景。それらを眺めているうちに、どこかひとごとのように感じていたかもしれない自分に、理想を目指すことの大切さを、決意した道を歩んでいくことの尊さを、改めて突きつけられたような気持ちにもなるのです。
「わたし」はあなたであり、「あなた」はわたしであり。だれもが自分自身に誇りを持ち、だれもが大切にされる権利がある。ひとりひとりの人間を大事にする精神の上に成り立っている、日本国憲法。
巻末には白井明大さんによる解説が、QRコードからは絵本の朗読を聞くことができます。子どもたちに長く読み継がれることになっていくであろう、この絵本。大人の心にも、しっかりと響いていくのではないでしょうか。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
365日、それぞれの「今日は何の日?」を調べてみると、興味深い記念日がたくさん出てきます。今日は何の本を読もうかな? と迷った時は、その日の周辺の記念日にまつわる絵本を読んでみてはいかがでしょうか。
選書・文:秋山 朋恵(絵本ナビ副編集長)
|
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |
絵本・本・よみきかせ 












あそび