親子でハマる! 言葉と遊んでセンスを磨く、イマドキ「言葉遊び絵本」特集
絵本で磨こう! AI時代の言語化力
AIが普及するなか、「言語化」という言葉が注目を集め、『小学生でもできる言語化』(ダイヤモンド社)など、小学生向けの入門書まで登場しております。でも、その力の種はもっとずっと早く、言葉と遊ぶ幼い日々の中に宿っているかもしれません。 言語習得において、動機付けはとても大きな役割を果たします。言葉遊びは、言葉を「楽しいもの」として体験させてくれる貴重な機会です。その積み重ねが、語彙を増やしたい、本を読みたい、誰かと話したいという気持ちを、自然と育んでいくものではないか……、と存じます。 大人になってから「うまく言葉にできない」と感じる背景には、さまざまな要因があるものの、幼い頃に言葉を楽しんだ経験が少なかったことも、一つの遠因になっているかも……でございます。
偉そうなことを申しましたが、まずは言葉を楽しんでもらう、言葉というものに少しでも関心をもっていただけたら……そんな思いから、数ある言葉遊び絵本のなかから、今回はイマドキの言葉遊び絵本をご紹介させていただきます。
まずは、昨年10月に出版されたこちら。
相撲の「のこったのこった」が、「おこったおこった」、さらに「にこったにこった」と、どんどん変化しながら相撲の取り組みが進んでいく、まさに、おおなりさまの真骨頂! ナンセンス言葉遊び絵本でございます。中川学さまの絵もとってもマッチしております。読み聞かせが盛り上がること間違いナッシングでございます。
相撲といえば、こちらも相撲を舞台とした人気言葉遊び絵本でございます。昨年5月にはシリーズ第二弾の『かけています』が出版された、人気絵本作家・市原淳さまの『とっています』(いずれも世界文化社)でございます。
第3回「親子で読んでほしい絵本大賞」にも選ばれている本作。『のこったのこった』と同じナンセンス絵本ですが、こちらは「同音異義語」がテーマでございます。土俵の上で、ちょうちょうをとっていたり、バランスをとっていたり、しゃしんをとっていたり……、いろんなものをお相撲さんが「とっている」姿が描かれます。ちなみに、第二弾の『かけています』も、同じく同音異義語を楽しめる作品でございます。
そしてこちらは、今年3月に出版された『わにおのわのじはどうかくの』(福音館書店)でございます。
ひらがなを書く楽しさと嬉しさが詰まった1冊
ある日、さるのすけは自分の名前をひらがなで書いて、わにおに見せにいきました。すると、わにおも自分の名前を書いてほしいとさるのすけに頼みます。でも、まだ自分の名前しか書けないさるのすけは、わにおと一緒に町にひらがなを探しにいくことにしました。看板を見ながら、文字を探します。最後には、わたあめの「わ」、肉まんの「に」、おにぎりの「お」と全部見つけて、大満足! ひらがなを書く楽しさと嬉しさが詰まった1冊です。
「うろおぼえ一家」シリーズ(理論社)でもお馴染みの、今話題の人気絵本作家、出口かずみさまが、これまた人気絵本作家の乾栄里子さまとタッグを組んだ言葉遊び絵本でございます。出口さまのとぼけたユーモラスな絵が、とてもいい味をだしております。内容はというと、サルのさるのすけくんと、ワニのわにおくんがお目当ての文字(ひらがな)を町に探しにいくというお話でございます。子どもが楽しく「ひらがな」(言葉)に興味をもつきっかけになる、ユニークなアプローチの絵本でございます。
そして、ワニといえば、こちらもワニが主人公の人気言葉遊び絵本『ワニはどうしてワニっていうの』(小学館)でございます。
思わずクスッと笑ってしまう親子の会話
ワニの親子がジャングルを散歩しています。「ねえ ねえ。おとうさん。ワニはどうしてワニっていうの?」「それはね、えものをつかまえるとき『ワッ!』っておどろかして、えものがとれると『ニッ!』ってわらうからだよ。だから『ワッ!ニッ!』だ。」「へぇ!じゃあブタはどうしてブタっていうの?」
素直に質問をぶつけてくる子どもに、適当な答えを続けるお父さん。さてどんな結末が待っているのでしょう?
こちらもアプローチがとてもユニークなナンセンス絵本になっております。ワニの子どもが父親に、続々登場する動物の名前の由来について質問するのですが、その回答がすべて言葉遊びになっております。例えば、ワニの名前の由来に対しては、「ワッ!」っておどろかして、えものがとれると「ニッ!」ってわらうからだよ、と回答。動物の名前の由来を通して、言葉の楽しさを体験できるユニークで楽しい一冊になっております。
そしてこちらは、2026年4月に出たばかりの『どうどうどうどうどうぶつえん』(世界文化社)。
つい口ずさんじゃう!クセになる新感覚言葉遊び絵本
「ぱかぱかぱかぱかぱかぱかアルパカ」…。思わず声に出して読んでみたくなる、不思議なことば遊び動物園へようこそ。ページをめくればリズムがはずみ、子どもも大人もつい口ずさみたくなる、読みたくなる。ハムスターやアルマジロ、フラミンゴたちも、ゆかいなオノマトペにのってご来場をお待ちしています。読めば読むほどクセになる、口が勝手に動きだす新感覚絵本。親子で声をそろえれば、楽しさはさらに広がります。読み終わっても、気がつくと「ぱかぱかぱかぱか…」とつぶやいてしまう不思議な絵本です。
ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞をはじめ数々の賞を受賞されている高畠純さまの動物の絵がゴイスーに可愛い言葉遊び絵本です。一番の特徴は、そのリズミカルな「音のループ」がクセになるところです(脳内リピート?)。子どもはもちろん、読み聞かせ役のパパママも気がつけば口ずさむこと間違いナッシンでございます。「すたすた すたすた すたすた ハムスター」「のしのし のしのし のしのし イノシシ」「ぱかぱか ぱかぱか ぱかぱか アルパカ」・・・。まさに音で言葉の楽しさを体験できる言葉遊び絵本でございます。読み聞かせの後、「じーじー じーじー チンパンジー」「ぺんぺん ぺんぺん ペンギン」「ちょうちょう ちょうちょう モンシロチョウ」と、自分でも作って楽しめるテキストになっているところも、この絵本の魅力でございます。
最後は、同じく今年4月に出たばかりの『もりのおく』(光村教育図書)でございます。
こちらは、回文、早口言葉、しりとり、アナグラムなど、「ことばあそび絵本」の第一人者、石津ちひろさまの最新作。石津さまの十八番であるアナグラム(並べ替えことば)による言葉遊び絵本でございます。お話は、誕生日の朝、家の前に、「も」「り」「の」「お」「く」と書かれた5枚のカードを見つけた主人公が森を訪れ、そこで思いもよらぬ素敵なプレゼントとカードに隠された秘密をゲットするというストーリー。石井聖岳さまの温かみのある絵もとても素敵です。
今回、いろんなタイプの言葉遊び絵本を特集させていただきましたが、言葉遊び絵本にもいろんなスタイルがあるんだなぁ、最近はこんな言葉遊び絵本もあるんだなぁと、読み比べていただければと存じます。
N田N昌さんの新刊絵本
読んだら最後、つい口ずさんじゃう!クセになる新感覚絵本
・「ぱかぱかぱかぱかぱかぱかアルパカ」 声に出して読みたくなる、不思議な言葉遊び動物園にようこそ!
・ちょこっと聞こえる次ページの言葉でクイズ遊びができます! ex.おらおら→オランウータン
・動物なりきりごっこで 大盛りあがり!
「ぱかぱかぱかぱかぱかぱかアルパカ」…。思わず声に出して読んでみたくなる、不思議なことば遊び動物園へようこそ。ページをめくればリズムがはずみ、子どもも大人もつい口ずさみたくなる、読みたくなる。ハムスターやアルマジロ、フラミンゴたちも、ゆかいなオノマトペにのってご来場をお待ちしています。読めば読むほどクセになる、口が勝手に動きだす新感覚絵本。親子で声をそろえれば、楽しさはさらに広がります。読み終わっても、気がつくと「ぱかぱかぱかぱか…」とつぶやいてしまう不思議な絵本です。
N田N昌さんの絵本
「じゃあね」「さよなら」
夕方、公園で遊んでいたこどもたちが家に帰っていきます。
「いいなぁ いいなぁ」
遊具のパンダは他の遊具が止めるのも聞かず、ぴょんぴょんと公園外に出ていってしまいました。
「ぼくもいっしょにかえっていい?」「みんなあそぶのやめてまでかえるんだからすごくたのしいことがあるんでしょ」と、一人のおとこのこを背中に乗せて、ぴょーんとその子の家へと向かいます。
「ただいまー」とおとこのこ。
(ただいまってなんだろう)。
パンダはおとこのこが入った家の窓から中をのぞいていると、ごはんをつくるママ。仕事から帰ったパパと三人で食卓を囲む楽しそうな姿が。パンダは急に公園に帰りたくなり・・・。
ふだん何気なくしている、大切なことに気づく心温まるお話。
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