2026年の課題図書、どれを読む? 小学5年生、6年生の本選びと感想文を書くヒント
課題図書(高学年の部)の本の選び方と感想文の書き方
今年も課題図書の季節がやってきました!
高学年の読書感想文は、これまで感想文に取り組んだ経験があったとしても、さらにしっかりした内容の感想文を求められるもの。本の内容もぐっと読み応えのあるものになっていきます。しっかり読んで、「自分なりの意見」や「社会への視点」を入れた高学年らしい感想文を仕上げるにはどんな風に進めていけば良いのでしょう。
5、6年生の読書感想文で大切なのは、視野を広げて、社会の問題に対して自分の意見を持つことです。
この記事では、2026年の課題図書(高学年の部)全4作品を、さまざまな観点から解説。興味関心や課題意識に合わせてどんな本を選んだら良いのか本選びのコツと、自分の考えを自分の言葉で表現するための書き方のヒントをお伝えします。
一番はじめに考えたい大事なこととは?
「高学年だからしっかりとした文章を書かなきゃ……」本も厚くなり、テーマも深くなる5、6年生の読書感想文。子ども自身も親御さんもまず不安を抱くのは、高学年らしいしっかりとした感想文が仕上げられるかといった「書き方」ではないでしょうか。
でも実は、小学生の感想文において、書き方よりもずっと大事なことがあるんです。
それは「本選び」。
社会への視野が広がるこの時期、ニュースや日頃の疑問とリンクするテーマの本に出会えると、感想文への向き合い方が「原稿用紙を埋める作業」から、「自分の想いを言葉にする喜び」へと変わります。思わず自分の意見を言葉にせずにはいられない一冊さえ見つかれば、構成は後から自然とついてくるもの。
もし本選びでつまづいてしまった時には、周りにいる大人と会話しながら「今、気になっていること」を探してみてください。心の中にある問題意識と「本との接点」が、原稿用紙を埋める力になります。
※小学校高学年の部(5、6年生)の文字数は本文 1200字以内で、400字詰め原稿用紙3枚分になります。
第72回青少年読書感想文全国コンクール課題図書:高学年の部に選定された4作品はこちら
2026年の課題図書は、2025年の1年間に出版された本の中から本の専門家たちが18冊を厳選したものです。今この時代に必要な視点や、未来をつくる子どもたちに知ってほしいことをテーマにした優れた作品ばかり。そのうち高学年の部に選ばれた4冊を詳しくご紹介します。これまでの経験や悩み、また普段から気になっている社会の関心事や問題意識と繋がる作品はどれか? という視点で選ぶのがおすすめです。
『ポジション!』(高田 由紀子/作、岩崎書店)
【どんな本?】
ページ数は288ページ。高学年の部の課題図書の中では一番長い作品です。しかし物語が4章に分かれていて、1章ごとに語り手が変わるので読み進めやすいでしょう。日本の学校が舞台となり、友だち関係が描かれるので、身近に感じられる物語です。
【中を少しのぞいてみよう!】
全体が4章に分かれていて、1章ごとに語り手が変わります。
主人公は、朝丘芽吹。髪の毛がふわふわで穏やかな性格からアルパカに似ていると言われたりも。
本文はこのぐらいの字の大きさで、読み応えがあります。
【どんな子におすすめ?】
※ □にひとつでもチェックが入ったら、読んでみよう!
□運動部・文化部問わず、クラブ活動で、現在チームで活動しているものがある。またチームで活動したことがある。
□クラス内や、友だち関係において、自分の居場所はどこにあるのだろう? と考えたことがある。
□自分がまわりからどう見られているかがとても気になる。
□本を読むのが好き。長いお話を読みたい。
【どんな内容?】
主人公は、学校で居場所がないと感じている六年生の朝丘芽吹。スポーツは苦手なのに「背が高いから」という理由だけで、クラスメイトの百田に、ミニバスチームに誘われます。クラスでも目立たない存在で小学校生活最後の行事にプレッシャーを感じていた芽吹は「なにかが変わるかもしれない」と期待して入団を決意します。しかしその後、五年生の新平の入団で早くも戦力外の目で見られ、自信をなくしてしまいます。そんな時、四歳年上のルイと再会し、車いすバスケで努力を重ねるルイの姿に勇気をもらう芽吹。芽吹は、チームの役に立ちたいと願いながら、チームメイトとの関わりやバスケットボールを通して何を見つけていくのでしょうか? またミニバスチームのキャプテンで人気者の百田、バスケは上手いけれどひとりよがりのプレーで周りを気遣う余裕のない結人、ベストメンバーに入れないことに不満を持つ五年生の新平など、チームメンバーそれぞれが、悩み、挑戦しながら、自分のポジションを模索していきます
また本書では、車いすバスケに関わる人たちも生き生きと描かれます。車いすバスケの魅力にも注目しながら読んでみてください。
【『ポジション!』で感想文を書く時のヒント】
本の中のどこに注目して書いたら良いかのヒントを伝えます。
この本に出てくる「ポジション」には、バスケットボールでの立ち位置だけではない、他の意味も隠されています。登場するメンバーそれぞれが、バスケのポジションに加えて「学校や人間関係でのポジション」でも、ぶつかったり悩んだりしています。感想文を書くときは、「本の中で、自分の立ち位置や居場所に悩んでいる姿が一番心に残った人」を一人選んで、なぜ気になったのかの理由も含めて、思ったことを書いてみましょう。
- 本の中で、心に残ったセリフや場面から感想を広げてみましょう。
- 車いすバスケについて、はじめて知ったことや感じたことを書いてみましょう。
【感想文をさらに生き生きとさせるコツ】
本の世界と「自分のこれまでの体験」「本をきっかけに体験してみたこと」を繋げてみよう!
物語を読みながら、「これって私のことかも」と思う場面はありませんでしたか? チームの「ポジション」以外にも、自分のまわりにはたくさんの「ポジション」があるはずです。
*クラスの中でのポジション:クラスをまとめるタイプ? 目立たないタイプ? まわりに合わせてしまうタイプ? ……
*友だちの中でのポジション:聞き役? まとめ役? 調整役? ……
*家族の中でのポジション:しっかり者の兄姉タイプ? それとも弟、妹タイプ?……
そんな自分自身の「ポジション」を見つめながら、もっと本当はこんなポジションになりたい、など自分にとって居心地の良いポジションについて、物語と繋げて考えてみませんか。
芽吹をミニバスチームに誘ってくれた百田のように、これまで自分のポジションを変えてくれた人、ポジションが変わった体験などがあったら、それを書いてみましょう。
- 車いすバスケに興味を持った人は、車いすバスケやパラスポーツの試合をTVで見たり、実際に見に行ってみたりして、その時感じたことを感想文に加えてみるのもおすすめです。
『リヒト!』(イノウエミホコ/作、文研出版)
【どんな本?】
ページ数は176ページ。物語は13章に分かれていて、1章が短めなのでテンポ良く読み進めていけるお話です。オランダやドイツなど日本から離れた国が舞台の中心となっているため、主人公と一緒に旅をしているような気分になれる一冊です。また祖母から預かった封筒の謎が気になって、先へ先へとページをめくりたくなることでしょう。
【中を少しのぞいてみよう!】
理人が旅した場所の地図。読む途中でときどき辿ってみよう。
印象的な一文からお話が始まっていきます。
【どんな子におすすめ?】
※ □にひとつでもチェックが入ったら、読んでみよう!
□旅をするのが好き。行きたい国がある。
□未来のために、たくさん勉強したいと思っている。
□探偵物語やミステリーなど謎を解く本にワクワクする。
□人の名前の由来について興味がある。
□本を読むのがそこまで得意ではない。長いお話は苦手。
【どんな内容?】
「ぼくは正しい大人になりたい。」そんな印象的な一文からはじまるこちらの物語の主人公は、小学六年生の理人。受験を前にどんな時でも勉強を怠りません。理人には正しい大人になるためのお手本となる人がいました。それは祖母の節さん。その節さんの写真を受験のお守りにしていたのに、お葬式の後、節さんの双子の姉レイさんがドイツから帰国し、大事な写真を持ち帰ってしまいます。理人はその写真を取り戻すため、さらにもう一つ、節さんからレイさんへと預かった封筒を届けるため、ドイツに向かうことに。同行するのは、節さんの甥っ子のマサムネ。マサムネは、四角四面に物事をとらえがちな真面目な理人とは真逆の成り行き任せの性格で、旅の道中は想定外のことだらけのドタバタ旅になります。
そんな中、理人は節さんに託された封筒には何が書かれているのか、またどうして自分に託されたのか、という謎について考え続けます。はたして節さんが伝えたかったこととは? そして節さんを取り巻く家族の秘密とは……? 旅で訪れた歴史ある建造物、美しいクリスマスマーケットの景色、マサムネとの交流、レイさんとの出会いが、狭まっていた理人の世界や考えを広げていきます。
【『リヒト!』で感想文を書く時のヒント】
本の中のこんなところに注目してみよう!
- 主人公の理人は真面目で、常に正解を求めて生きています。受験生ということもあり、せっかくの旅でもいつも勉強のことを考えていて、空いた時間があれば勉強をしています。そんな理人をどう思いましたか? 共感する、共感しない、そう感じる理由も合わせて、書いてみましょう。
- 理人が旅した場所の中で、自分も行ってみたい! と思う場所はありましたか? 理由も含めて書いてみましょう。
- タイトルにもなっている理人(リヒト)の名前。そこにはどんな思いが込められていたのでしょう? 物語を読んで感じたことを書いてみましょう。
- 祖母の節さんから双子の姉、レイさんへと預かった封筒。そこにはどんなことが書いてあると思いましたか?
- 理人は、ドイツの旅から戻ったら、どんな風に変わっていくと思いますか?
【感想文をさらに生き生きとさせるコツ】
本の世界と「自分のこれまでの体験」「本をきっかけに体験してみたこと」を繋げてみよう!
- 自分が絶対正しい! と思っていた考えが変わるような体験をしたことはありますか? それはどうして考えが変わったのでしょう。思い出して書いてみましょう。
- これまで、家族や親戚、友だちの思ってもみなかった意外な一面を知った、というような体験があったら書いてみましょう。
- 普段生活している場所を離れて旅をした時、遠くに出かけたからこそ気づけた、というような体験があったら書いてみましょう。
『ミシュカ』(エドワルド・ファン・デ・フェンデル、アヌッシュ・エルマン/作、静山社)
話したかったのは、知ってほしかったのは、自分たちの長い長い旅の物語でした。
【どんな本?】
高学年の部4冊のうち、唯一翻訳作品(海外のお話)になります。165ページの本ですが、文字も大きめで行間がゆったりしています。章が31章に分かれていて1章の長さが短いので、1章読み終えるごとに達成感を得ながら読んでいけるでしょう。ページをめくっていくと、カラーの挿絵が片面にまるまる1ページ入っている箇所がたくさんあり、絵本のように絵を楽しめ、絵からもさまざまなことを感じ取れる一冊です。9歳の女の子ロヤの気持ちの変化を丁寧に追いながら読んでみてください。
【中を少しのぞいてみよう!】
目次のところに、主人公のロヤと3人のお兄さんの姿が紹介されています。
片面いっぱいにカラーの挿絵が入った箇所がいくつかあり、絵の楽しみもあります。
【どんな子におすすめ?】
※ □にひとつでもチェックが入ったら、読んでみよう!
□ペットを飼っている。
□ペットがいなくなって探した経験がある。
□自分の気持ちをうまく伝えるのが苦手。
□難民について、もっと詳しく知りたい。
□日本の物語よりも外国の物語が好き。
【どんな内容?】
ロヤは、パパ、ママ、3人のお兄さんと暮らしている9歳の女の子。アフガニスタンで生まれて首都のカブールに家がありましたが、3歳の時に全てを捨てて国から逃げなければならなくなります。飛行機、列車、バス、そしてひたすら歩く過酷な旅。ようやくたどり着いた国でも、「ここで暮らしていい」という許可が出るまで、「難民申請者センター」で五年間過ごしたり、違う場所に移ったりと苦労が続きます。そうしてようやく自分たちの家で過ごせるようになったロヤと家族は、ロヤの提案で、1匹の小さなウサギを飼うことにしました。名前は「ミシュカ」。ミシュカはたちまち家族の人気者になり、ロヤはミシュカに自分のはなしを聞かせます。それはロヤが誰にも話せずにいた、これまでの長い長い旅の物語でした。ところが、ある日突然、ミシュカが小屋からいなくなってしまい……。
ミシュカの存在によって心の奥に沈んでいたさまざまな思いを解放していくロヤ。まだ幼かったロヤを心配しながらも、自分たち自身のつらい記憶に向き合えずにいたパパやママ、お兄さんたちも、ミシュカのおかげで、もう一度家族の思い出と向き合えるようになっていきます。ミシュカの存在が家族をもう一度強く結びつけ、幸せを運ぶあたたかな愛の物語です。
【『ミシュカ』で感想文を書く時のヒント】
本の中のどこに注目して書いたら良いかのヒントを伝えます。
- ロヤはなぜ、ウサギのミシュカにだったら、つらかった過去をお話できたのでしょう。自分なりに考えたことを書いてみましょう。
- ロヤの家族ひとりひとりに注目して、気になったこと、感じたことを書いてみましょう。
- ミシュカがいなくなった場面、ミシュカを見つけたかもしれない婦人とのやりとりの場面について感じたことを書いてみましょう。
- ロヤが学校のみんなにはじめて自分の過去を話したとき、いったいどんな気持ちだったのでしょう。ロヤがなぜ話せるようになったのか、ロヤの気持ちを想像して書いてみましょう。
- 「難民」という言葉の裏には、一人ひとり、ひと家族ごとにちがう、さまざまないきさつや事情があります。ロヤの家族の物語に触れた後、「難民」に対する理解が深まったところがあれば、具体的に書いてみましょう。
【感想文をさらに生き生きとさせるコツ】
本の世界と「自分のこれまでの体験」「本をきっかけに調べてみたこと」を繋げてみよう!
- ロヤと同じように、ペットに秘密の話をしたりしたことはありますか? もしあったら、その時の自分の気持ちとロヤの気持ちを繋げて書いてみましょう。
- なにか悩んでいることや悲しいことがあったとき、誰かに話すことで気持ちが楽になったことはありますか? 言葉にして誰かに話すことの大切さを感じた体験などがあったら、感想文に加えてみましょう。
- 家族で何かを乗り越えたことや、ペットと家族にまつわるエピソードなど、この物語と自分の「家族の思い出」を繋げて書けそうなテーマがあったらそれを書いてみるのも良いでしょう。
- あとがきに「難民」について詳しく知りたい方へのリンクが紹介されています。難民のことをさらに調べて、分かったことや感じたことを感想文に加えてみませんか。
『キミの一歩 アフリカ ゾウを食べるにはひと口ずつ』(味田村 太郎/文、あかね書房)
アフリカの子どもたちの目標や夢への一歩を知り、自分の世界を広げるきっかけに。
【どんな本?】
ページ数は175ページ。高学年の部の4冊のうち唯一、物語ではなくノンフィクション作品です。NHKの記者である味田村太郎(みたむら・たろう)さんがアフリカに滞在していた時に、アフリカ各地で出会った子どもたちのことを写真と共に伝えてくれます。それぞれどんな暮らしをしていて、どんな目標や夢があるのか。知らなかった暮らしに触れること、世界のさまざまな人たちの生き方を知ることは、読む自分自身が世界を広げる「一歩」や、社会の問題に向けて歩みを進める「一歩」に繋がります。
【中を少しのぞいてみよう!】
「【第一章】いま夢中になっているものは?」より「ボクシング」についてのページ
「【第三章】地球の未来のために」より、古着問題を考えるページ
【どんな子におすすめ?】
※ □にひとつでもチェックが入ったら、読んでみよう!
□世界で起きている様々な問題やニュースに対して、何かできないかと考えたことがある。
□自分とは違う暮らしや文化をのぞいてみたい。
□違う国で暮らす子どもたちのことを知ってみたい。
□物語作品よりも、実際に起きている出来事やニュースに関心が強い。
【どんな内容?】
この本には、NHKの記者、味田村太郎さんが、アフリカに滞在していた時にアフリカ各地で出会った子どもたちのことが写真と共にたっぷり紹介されています。本は、【第一章】いま夢中になっているものは?【第二章】子どもたちに生きる力を【第三章】地球の未来のために【第四章】教育がアフリカの将来を変える、といった四章に分かれていて、全部で大きく9の暮らしや問題、夢…が紹介されていきます。その9個をキーワードで紹介すると、「チェス」「ボクシング」「折り紙」「貧しい子どもたちへの支援」「エイズによる孤児問題」「古着のゴミ」「野生動物の保護」「学校支援」「虐殺の歴史の先の平和学習」です。アフリカで出会った子どもたちそれぞれがどんな問題を抱えていて、どんなきっかけでこれらと出会ったのか、そしてどんな一歩を歩んでいるのかを知ることで、読む前よりもずっとアフリカを身近に感じることができる一冊です。
【『キミの一歩 アフリカ ゾウを食べるにはひと口ずつ』で感想文を書く時のヒント】
本の中のどこに注目して書いたら良いかのヒントを伝えます。
- 内容のところに書いた通り、この本の中にはさまざまなテーマが存在しています。9つのテーマについて全て感想を書くよりも、とくに関心の高いテーマひとつに絞って書くと、感想文がまとまりやすいでしょう。
- 一番気になったテーマについて、「なぜ気になったのか」「そのテーマについて知っていること、あらたに調べたことを追加する」「自分にもできることはないか」ということを書いてみましょう。
- ひとつのテーマについて掘り下げた後に、全体を通して、この本で始めて知ったこと、びっくりしたことなどの感想を加えても良いでしょう。
【感想文をさらに生き生きとさせるコツ】
本の世界と「自分のこれまでの体験」「本をきっかけに体験してみたこと」を繋げてみよう!
- 本のサブタイトルになっている「ゾウを食べるにはひと口ずつ」という言葉。えっ?どういうこと? とびっくりした人も多いのではないでしょうか。これはアフリカのことわざだそうで、本を読むとその意味をしっかり理解することができます。本全体を読み終えた後、このことわざの意味をどう感じたかを書いてみましょう。
- 「ゾウを食べるにはひと口ずつ」のことわざのようなことに今取り組んでいることがあればそれを、もし特にない場合には、これから取り組んでいきたいこと(夢や目標)を考えて書いてみましょう(締めの文にするのにおすすめです)。
- 本の中の9つの「テーマ」について、実際に見たり、聞いたり、やってみたり、など実際に体験したことはありますか? 「折り紙」「チェス」「ボクシング」あたりはもしかしたら体験したことがある人がいるかもしれませんね。実際にやってみた時のことを思い出しながら、感想文に入れ込んでみましょう。また「ゴミ問題」についても、普段から何かゴミを捨てる時に気をつけていたり、学校でリサイクルに取り組んだ体験のある人もいるのではないでしょうか。その体験や心がけていることなどを感想文に入れながら、自分にどんな「一歩」が踏み出せるかを考えてみるのがおすすめです。
読書感想文の書き方のポイント
最後に、読書感想文全体を通して、書き方のポイントをご紹介します。
(こちらについては7月の中旬にさらに詳しい「読書感想文の書き方」の記事を公開しますので、そちらもお楽しみに…。)
ポイント① あらすじは短くて良い。
読書感想文を書く時についやってしまいそうなのは、本のあらすじをたくさん説明しすぎてしまうこと。あらすじをまとめる作業にエネルギーを使い果たして、肝心の「感想」までたどり着けない……というのは、よくあるお悩みです。
実は、あらすじというのは、本の感想を読んでいるだけでもだいたい伝わってくるもの。ですので、「いつ・どこで・だれが・何をした」という概要+「〇〇というお話でした」という一言だけでも十分伝わります。
目安: 多くても原稿用紙の半分ぐらいまで!
コツ: あらすじは早めに切り上げて、自分の「心」が動いた場面を書くことに重点を置いてみましょう。
ポイント② 主役は本ではなく「自分(ぼく・わたし)」
感想文を読む人が一番知りたいのは、本の内容ではなく、「その本を読んだあなたが、どう感じたか」です。同じ本を読んでも、一人ひとり心に残る場面が違うからこそ、感想文は面白いのです。
「この場面で、昔体験した〇〇なことを思い出した」
「自分だったらとてもできないけど、主人公の○○はすごい!」
「このやりとりを読んで、なんだかホッとした」
本を読みながら浮かんできた、自分(ぼく・わたし)だけの思い出や考えを、たくさん詰め込んでみましょう。
ポイント③ 「読む前」と「読んだ後」の変化を宝物に
本を読む醍醐味は、自分の世界が広がること。
「これまで知らなかったことを知ることができた」「考え方が変わった」「登場人物に勇気をもらって、明日から〇〇に挑戦したくなった」など、本を読む前と後での「心の変化」を書き留めてみましょう。
一冊の本を通して自分がどう変わったのか。その体験を言葉にして残しておくことは、あとから読み返した時、かけがえのない「宝物」になるはずです。
迷ったらこれ! 感想文の大まかな構成
ポイントはわかったけれど、どう組み立てればいい?」というときは、以下の流れを参考にしてみてくださいね。
- きっかけ: なぜこの本を選んだの?(表紙が気になった、似た経験があるなど)
- 短いあらすじ: どんなお話だった?(ポイント①を活用)
- 心に残ったこと: どこに驚いた? どこに共感した?(ポイント②を活用)
(ここをメインに膨らませる) - 自分自身の変化: 読み終わって、これからどうしたいと思った?(ポイント③を活用)
それでも困ったら……フォーマットを賢く使おう!
最近は、読書感想文用のテンプレートや書き方の本もたくさん出版されています。「これなら書けそう!」と思うフォーマットを選び、内容を埋め込みながら書いていくのもおすすめです(ここでのポイントは、これなら書けそう!という自分が書きやすそうなフォーマットを選ぶことです)。
<きみの書いた感想文が表彰されるかも!?課題図書で挑戦してみよう>
おわりに
いかがでしたか。
こちらの記事では、小学生の皆さんとサポートする親御さんの読書感想文に向かう気持ちが少しでも楽になるよう、課題図書それぞれの読み解き方や、感想文の書き方についてお伝えしました。
感想文は「本」を通して「自分のこと」や「自分の思い」を書くもの。もし日頃から気になっている社会の問題があったり、このことについて意見が言いたい! ということがあったら、感想文を自分の意見を伝える場としてぜひ活用してみてくださいね。
秋山朋恵(あきやま ともえ)
絵本ナビ 副編集長・児童書主担当
書店の児童書担当、小学校の図書室司書を経て、「絵本ナビ」に勤務。子どもが本と出会うハードルを下げ、お気に入りの一冊と出会える紹介方法を日々模索している。
私生活では小学5年生の息子の母。毎年、読書感想文という高い壁に親子で挑みながら、現場の知見と親としての実感の両面から、大人ができる心地よいサポートの形を現在進行形で研究中。編著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)。
アンケート募集のお知らせ
記事へのご感想や、読書感想文のお悩みなどございましたら、お聞かせください。
(次回以降の記事作成に役立てさせていただきます)
Q1.属性(可能な範囲で)例:小学生、父、母、祖父、祖母、先生、司書、その他等 *
Q2. 記事へのご感想や、読書感想文へのお悩みがありましたら、お聞かせください(記事での紹介の可否もご記入ください)。 *
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