【今週の今日の1冊】時間を学ぼう、時間の不思議を感じよう ~6月10日「時の記念日」によせて~
6月8日~6月14日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
6月10日は「時の記念日」。日本で初めて時計装置が使われた日を記念して1920年(ちょうど100年前ですね!)に制定されたとのことですが、「時の記念日」という名前がとても素敵なので、今週はこちらの記念日に合わせて、時間について考えたり、時間の不思議を感じるお話を集めてみました。
動物たちは一生の間に何をどれくらいするのか? 動物にはそれぞれ独自の「時計」がある? 地球に生命が誕生してから今この瞬間までの壮大な時間を感じることのできる1冊、1時間の中で生まれるさまざまな物語‥‥‥など、時間にまつわる科学絵本や物語をご紹介していきます。
6月8日 時計がなくなったらどうなる?
月曜日は『とけいのおうさま』
出版社からの内容紹介
あるところに、時計の国がありました。
時計の国には、時計のおうさまが住んでいます。
おうさまの顔には、針が2本ついていて、チ、チ、チ、チ……と動いています。
おうさまの時計は、いつも正確に時間をきざみ、国中の時計はすべて、その時計のとおりに進みます。
朝、おうさまの時計の針が6時をさすと、王冠の中から時計鳩が飛び出し、
「ぽぽぽー! 6時だよ! 朝だよ! 体操の時間だよー!」とさけびます。
すると、国中の人たちが一斉に朝の体操をはじめます。
7時は朝ごはんの時間、10時は散歩の時間、2時は運動の時間。
時計の国では、時間がなによりも大事。時間を守らないものは牢屋に入れられました。
ところがある日、のんびりやのおうさまは時間にしばられることがいやになり、時計の針をかくしてしまうことに!
時間のなくなった時計の国は、一体どうなってしまうでしょうか?
色彩豊かな世界の中で、時間について楽しく学ぶこともできる一冊です。
読者の声より
時計や時間について考えられる作品です。
時計の国は、時計の王様の顔にある時計通りの生活が義務付けられているのですね。
なかなかなビジュアルですが、意外に親しみやすい造形が見事です。
ところが、王様がのんびり屋だったことからの騒動ですね。
時間に縛られず、自由に伸び伸びしたいというのは、共感ポイントですが、
同時に、時間が決められていることで、安心できる部分もあることがわかりますね。
キュートな絵が、テンポよく物語を進めてくれます。
時計に関心が向くと思います。
幼稚園児くらいからでしょうか。
(レイラさん 50代・ママ )
6月9日 一生の間に、みんなは「何をどれくらい」するの?
火曜日は『ライフタイムいきものたちの一生と数字』
みどころ
「世界は数字であふれている!」
一生のあいだに、みんなは「何をどれくらい」するのでしょう。
考えたことがありますか。
この絵本は、とてもユニークな数字の科学絵本です。
生き物に興味深々の子どもたちは、その生涯にかくされた数字を知って驚いたり、ショックを受けたり、感動したりするかもしれません。
気になる動物たちの「何をどれくらい」の統計をとって計算した平均の数字。
例えば、この絵本に登場するクモは一生のあいだに「1つ」だけタマゴを包むうすい袋を作る。
例えば、この絵本に登場するワニは一生のあいだに「22こ」の巣をつくり「550」このタマゴを産む。
数字になったとたんに、見えてくるものがあります。
説明をしなくても、きっと心は何かを感じることができるはず。
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読者の声より
ひらく前からどきどきわくわくした本は、久しぶりです!!
いったいどんないきものがでてきて、それらにどんな数字が
関係してくるのか・・・。
身近ないきものがたくさん出てきますが、そこに出てくる数字は
驚きの数字ばかり。
知らなかったことがたくさん書かれているので、ぐいぐいとひき
こまれていきました。
娘はタツノオトシゴのページにくいついていました。
私もこのページが大好きです♪
こういった絵本に幼い時に出会えるということは、本当に幸せ
ですよね♪
もっと知りたいという思いがふつふつとわきでてきました。
これからもいろんな世界を娘と共有していきたいなと思わせて
くれた絵本です。
(スケボウさん 30代・ママ 女の子4歳)
6月10日 動物にはそれぞれ独自の「時計」がある
水曜日は『絵ときゾウの時間とネズミの時間』
出版社からの内容紹介
大きくてゆったりしたゾウ。小さくてチョコマカしてるネズミ。でも、一生に心臓がうつ回数を調べると、アレ? 意外な事実の積み重ねから、動物たちの生き方がくっきり見えてきます。
読者の声より
この本を読むと、とてもためになる大学の講義を一つ受けたかのような気分になりました。
小2の娘は、最初の計算の部分で、ギブアップでしたが、もうすこし大きくなってまた読んでもらいたいです。
ゾウは寿命が長く、ネズミは短い。でも、一生にうつ心臓の拍数は同じなんですって。人生も同じ。あくせく生きるか、のんびり生きるか、どちらにもいいことあり、わるいことあり…考えさせられますねえ。
生き物は、それぞれで、一生を懸命に生きている。そのことを知るだけでも、充分意味のある本です。また、忘れたころに読み返したくなる本になると思います。
(けいご!さん 30代・ママ 女の子8歳、男の子4歳)
6月11日 地球が生まれてから今この瞬間までの命のリレー
木曜日は『せいめいのれきし改訂版』
出版社からの内容紹介
あのロングセラー絵本が、進化しました!
1964年の刊行から半世紀もの間、たくさんの子どもたちに愛されてきた絵本『せいめいのれきし』。このたび現在の知見に照らし合わせ、本文をアップデートしました!
監修は恐竜研究の第一線で活躍中の真鍋真先生。これからも世代を超えてたくさんの方に愛されますように――そんな願いのこもった「改訂版」の誕生です。2009年にアメリカで刊行されたUpdated Editionをもとに、「宇宙」「地球」「生き物の進化」の歴史など、適宜改訂を加えました。石井桃子さんの名訳も活きています。
地球に生命が誕生してから、今この瞬間までのお話をお芝居形式で語る壮大な絵本。最後には、生命のリレーのバトンは本を読んでいるあなたに手渡されます。生きるよろこびに満ちあふれた、ユニークで美しい絵本です。
8年もかかって作り上げたバートンの絵には、たくさんの楽しい仕掛けがほどこされています。何度読んでみても、あたらしい発見がありますよ。
読者の声より
小学校1年生にはちょっと長いし難しいです。
でも国立科学博物館のコンパスの中に置いてあるのを見てからすぐに購入したいと思っていました。
この本はとにかく絵が素晴らしい!
温かく柔らかいタッチで宇宙や地球の生命の進化が描かれていて、難しい話しのはずなのになんだか親しみやすさを感じます。
文章のあるページに描かれてる絵が以外とわかりやすく、8年もかけた作品ということに深く納得。
細部にわたるまでかなり細かく作りこまれています。
もう1つの絵だけのページだけでも小さい子は十分楽しめるかと思います。うちの子はページをめくる度に間違い探しのようなことをしたり、ここにいるのは何の生き物かなー?興味津々で絵を眺めてました。
いっきに読んでもいいですが、1ページづつじっくり読みたい作品です。
(かかまかさん 20代・ママ 女の子6歳)
6月12日 1時間目から6時間目・・・夜まで続くふしぎなお話
読者の声より
いつもと同じように朝起きて、学校へ行って、塾へ行って。そんな毎日の中にもちょっとした隙間になんだかいつもとちがうことがある。そんな隙間をお話にした本です。短いお話なのに、ぞくぞくっとしてわくわくっとする。日常の中にこういう不思議を見つける力は、生きる力につながっていく??つなげてほしいです。本を読むのが苦手な人でも読めると思います。
(とらのさん 40代・その他の方)
6月13日 一時間で起きるさまざまな物語
土曜日は『タイムストーリー1時間の物語』
出版社からの内容紹介
まはら三桃、廣嶋玲子、宮下恵茉、佐藤まどか、山本 弘、五人の作家による「一時間」にまつわる物語集。日本児童文学者協会との共同企画。
読者の声より
「一時間」をテーマにいろいろな作家さんのいろいろな一時間のお話を読むことができます。
まはら三桃さんの「その先にあるもの」。青春です。前を向いていくって素晴らしい。
廣嶋玲子さんの「ゲテモノハンター」。他の課の者たちが嫌がった仕事を受けるのがゲテモノハンター。コンゴウは仕事をこなしてしまえるから逆に不幸なのかも?人員増えたり、配置換えはあまり期待できなさそうね(笑)。
宮下恵茉さんの「魔の水曜日」。パパとぎくしゃくな娘。それには理由があって…。互いの思いってわかった気になっていても実際は違うってことあったりします。
山本弘さんの「ぼくは脱出できたのか?」は考えさせられてしまいました。親とは違う人生を歩みたいと考えた「ぼく」でしたが…?
(みちんさんさん 30代・ママ 女の子4歳、女の子2歳)
6月14日 時間の大切さに気づく名作といえば……‥
日曜日は『モモ / 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語』
みどころ
赤ちゃんからお年寄りまで、すべての人間が平等に持っている24時間。自分の時間を自由に使えるのは当たり前? でも、もし、あなたの時間が、知らないあいだに盗まれていたとしたら……?
どこからともなくやって来て、町の円形劇場の廃墟に住みついたモモ。みすぼらしい服装に、ぼさぼさの巻き毛をした小さな女の子モモは、豊かな想像力と、特別な力を持っていました。モモに話を聞いてもらうと、ふしぎなことに悩みがたちどころに解決してしまうのです。
ある日、町に灰色の男たちが現われてから、すべてが変わりはじめます。「時間貯蓄銀行」からやって来た彼らの目的は、人間の時間を盗むこと。人々は時間を節約するため、せかせかと生活をするようになり、人生を楽しむことを忘れてしまいます。節約した時間は盗まれているとも知らず……。異変に気づいたモモは、みんなに注意をしようとしますが、灰色の男たちに狙われるはめになります。
不気味で恐ろしい灰色の男たちに、たったひとりで立ち向かうモモ。彼女をひとりぼっちにしようとする時間泥棒たちのずるがしこい作戦の数々! いったいどうなっちゃうの? と、予想できない展開にハラハラドキドキ、目が離せません。
(続きはコチラ>>>)
読者の声より
児童書だけど、大人も楽しめます。読めば読むほど深いです。
モモと時間泥棒とのやりとりにはハラハラするところもありとっても面白いです。
時間という目に見えないものはいったい何なのか。。。
現代の生活はどんどん便利に、時間を短縮するできるようになってきていますが、たまにはモモのように時間をゆったりと使ってみたいですね
(みにぃさん 10代以下・その他の方)
いかがでしたか?
今年は、どちらかというと「時間」を長く感じることも多かったのでは? 状況により、また性格によっても感覚が違ってきそうですが、「時間」に支配されずに、うまくつきあっていきたいものですね。
秋山朋恵(絵本ナビ)
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