【今週の今日の1冊】そろそろ夏‥‥‥? 夏のはじまりを絵本で楽しむ1週間
7月20日~7月26日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
7月下旬。暦の上ではすっかり夏ですが、まだまだ雨の多い毎日。
今週は4連休もあり、カラリと晴れた夏が待ち遠しいですね。
「夏」といえば、海、山、キャンプ、水遊び、虫とり、スイカ、かき氷、そうめん、ひまわり、あさがお、花火‥‥‥と、夏ならではの楽しみが盛りだくさん! 今週は、ひと足先に、絵本の中で夏をたっぷり感じてみませんか。
7月20日 日本の夏の風景がここに
月曜日は『夏がきた』
みどころ
「ことしも あえた なつのおと」
目が覚めると元気なセミの声。窓際では風鈴の音が鳴り、食卓のお茶が麦茶に変わってる。ああ、夏が来たんだな、と感じる朝。
「あーそーぼー」
青々と茂った草の道を通り、堤防を走り抜け、遊びに行くのは、もちろん海! 待ちに待ったぼくらの季節! 海開きまではあと少し。海の家の開店準備を手伝って、スイカとおにぎりをごちそうになってくると、とたとた、とたたん…夏が雨をつれてきた!
どこまでも広く澄みきった「夏の青い空」。この景色を見ているだけで圧倒されそうになるのだけれど、強い日差しにどっしりと構えた古くて大きな民家、走ればすぐに見えてくる海と立ち並ぶ迫力の松の木、そこに描かれているのは豊かな自然の残る四国の夏。行ったことはなくても、どこか懐かしさを感じてしまうのは、とても具体的で魅力的な絵だからでしょうか。
さらに耳を澄ませば、氷の入ったコップの音や道を駆けていく少年たちの足音が聞こえ、絵を眺めれば、ちりんちりりんと鳴らす風や汗ばむ程の暑い空気を感じることができて。徳島に在住されている作者羽尻利門さんがあざやかに切り取った夏の一日は、子どもの目にも大人の目にも眩しく、読むたびに胸が高まるのです。
「夏がきた!」
今年もまた、そう思わせてくれる日本の夏の絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
自分にはとても懐かしい夏の風景です。
今の子どもたちにはあまりピンとこないかも知れませんが、共有したい絵本です。
風鈴、麦茶、夏休み。
海の家、夕立、線香花火。
そんなあれこれを包んだ、夏の空。
子どもたちに、夏のきらめきを届けたい気持ちが膨らんできました。
(ヒラP21さん 60代・パパ)
7月21日 うなぎについて学んでみよう!
火曜日は『うなぎのうーちゃんだいぼうけん』
みどころ
土用の丑の日といえば、誰もが思い浮かべる「うなぎ」。大昔から日本の食文化に根付いていますが、どこで生まれてどう成長するのか等、長らく謎のままの魚でした。
2009年の夏、日本のうなぎ研究グループが、世界で初めてうなぎの産卵場を確認しました。それは日本からはるか遠く、マリアナの海でした。「日本の魚」というイメージが強いうなぎが、海を渡って、こんなにも長い距離、日本まで旅してきていたなんて・・・。
この絵本の、うなぎのうーちゃんのお話は、この発見をもとに作られました。
南の海で生まれ、日本の川へやってきて、そしてまた産卵場へ戻るまで、うーちゃんと一緒に旅をして、うなぎの生態を学びます。
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読者の声より
小学一年生の息子が夢中になって読みました。
生き物の本能というか神秘性についてだんだん気づいていている
息子にとってはうなぎという身近な生き物までもが
一生懸命に海から川に来て
安心安全に過ごしているのに
10年たってまた敵がおおく過酷な遠い遠い海に向かうという
神秘に魅了されました。
そして卵をうんで死んでいくのです。
「なんでだろう」ということが多く子供にはいい刺激だったようです。
大人にとっても不思議で楽しかったです
(らずもねさん 30代・ママ 男の子7歳、男の子5歳)
7月22日 ひやむぎ、そうめん、おそば、マカロニ、大集合!
水曜日は『つるつるプール』
出版社からの内容紹介
暑い日には、プールに行くのがいいですね。ひやむぎ小学校のこどもたちもプールにむかいます。引率は、みどり先生とぴんく先生です。ぜんぶで30本のひやむぎのこどもたちがぎょうぎよくならんで歩いていますが、なかにはうれしくてくねくねしてしまうこもいます。
つるつるプールにつくと、プールはそうめんさん、おそばさん、マカロニさんなどで大混雑です。「遊ぶのは流れるプールだけですよ。1本だけでべつの場所に行かないように。はしゃいで、ほかのめんとからまらないように」と、ぴんく先生は注意しますが、こどもたちはちっとも聞かず、おおはしゃぎ。そして、みどり先生が人数を確認すると、こどもが28本しかいません。たいへんです、2本のひやむぎが迷子です。すると、そうめん小学校の先生が1本のひやむぎくんを連れてきてくれました。でも、あともう1本たりません……。
こどもたちの好きな麺がたくさん登場する、夏にぴったりのお話。
読者の声より
表紙の細長いものがなんだかわからないまま、図書館から借りて
きました。読んでいるうちに、ひやむぎだとわかって、なるほどと
納得した私でした(笑)
ひやむぎ小学校のみんなが、みどり先生とぴんく先生の引率で
一列に並んでつるつるプールに行くお話でした。
プールでも注意事項が守れなくて、点呼をとったらひやむぎの
こどもたちが、2本足りなくて大変だったけれど、そんなことも
よくある話だなあと思いました。無事、見つかってよかったです。
先生二人が「お疲れ様でした!」「また行きましょうね」と、枝豆
をつまみに生ビールを飲んでる場面が、最高でした!
夏は、なんといっても生ビールですよね!
(押し寿司さん 60代 じいじ・ばあば)
7月23日 「おーい! うみ」
読者の声より
泳ぐ時はトプトプ トプトプ、マンタはトトーン トトーン、ソフトクリームはハムン ハムン、スイカはジャブリ ジャブリ。耳慣れないオノマトペが沢山出てくる絵本です。
言葉は少ないのに、夏の日差しや、激しいスコール、海の透明度まで、まるでその場に自分もいるような気がするくらい伝わってくるのが不思議です。
何もしないで昼寝する贅沢は、大人の方が理解出来るかもしれません。こんな風に静かに、そして気ままに1日過ごせたらなぁ。
(miki222さん 30代・ママ 男の子5歳、女の子3歳)
7月24日 夏は、はだしを楽しもう♪
金曜日は『はだしになっちゃえ』
みどころ
「はだしに なっちゃえ」
そう言って、背景には砂の上にはだしで立っている子どもの足。
もう、表紙をひと目見ただけで、真夏の海を思い出しワクワクします。
そうです、子どもたちは裸足になっちゃえばいいのです!
水着を着込んで、浮き輪は肩にかけ、ビーチサンダルをはいて、
思いっきり駆けていく先に待っているのは…広い海!
波しぶきが見えるところまで来たら、ビーチサンダルは「えいっ」。
脱ぎすてたら、ここから裸足で走ります。
「あっちっち」「あっちっちい」
海の水を含んだ砂までくれば、ひんやり。
あ、大きな波がきたーー!
波と一緒にひいていく砂がずずうー。なんだかくすぐったい。
(続きはコチラ>>>)
読者の声より
『はだしになっちゃえ』という、気持ちのよいタイトルに惹かれて手に取りました。
夏の海の砂浜で、小さい子供がはだしになって遊びます。子どもたちが初めて砂浜に行った時に、普段の感覚と違うからか大泣きしたことを思い出しました。ページをめくるだけで、砂浜の、思ったよりも熱かったり、貝殻を踏んだり、波にすくわれる感覚を感じられます。
今年の夏はまだ海に出かけられていませんが、この絵本を読んで、急に行きたくなりました。
(クッチーナママさん 30代・ママ 女の子10歳、女の子7歳、男の子4歳)
7月25日 暑くなると恋しくなる、キーンと冷たい夏の甘味
土曜日は『ちしきのぽけっと(20)かき氷天然氷をつくる』
みどころ
暑くなると恋しくなる、キーンと冷たい夏の甘味、かき氷!
中でも「天然氷のかき氷」というと、特別な響きがしますね。
天然氷がどのように作られているのか、皆さんはご存知ですか?
「天然氷は、自然の冬の寒さを助けに、ほとんどが人の手間でつくられるのだ。」
この絵本は、1995年〜2015年の間埼玉県長瀞の阿左美冷蔵を取材し、その内容をもとに作られたフォトドキュメント絵本。
長瀞では、明治時代から氷池を使って天然氷が作られてきました。
今では天然氷を作る氷屋さんは全国で数件、埼玉県では阿左美冷蔵だけだそうです。
代々工夫されてきた道具や、のこぎりで切った氷の荒々しく美しい断面など、興味深い写真がたくさん紹介されています。
また、落ち葉を取り除く毎日の丁寧な作業や、天気のタイミングをみた氷の切り出し作業など、良い氷を作るためのたくさんの手間をかけた作業の様子がわかります。
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読者の声より
数年前からちょっと話題になっている,天然氷を使ったかき氷。
天然氷の作る過程が写真と共に書かれている絵本で,とてもよい勉強になりました!
その技術と職人さんの日々の努力に思わず拍手を送りたくなる絵本です。
最後のページは12ものかき氷の写真がずらり。
「これが食べたいな~」と見入ってしまいました(笑)。
暑い暑い夏に読みたい絵本ですね!
そしてこの絵本を読んだ後はかき氷を食べたくなってしまうでしょう。
(まゆみんみんさん 30代・ママ 女の子4歳)
7月26日 そろそろ夏の風物詩たちの出番!?
日曜日は『夏のおとずれ』
出版社からの内容紹介
気象予報士のかたつむりが「梅雨明けはもうすぐでしょう」と伝えました。すると太陽が「もうすぐ梅雨明けですか。そろそろみんなに知らせますか」と立ち上がりました。
まず、メロンとスイカが誰かに呼ばれたような気がしました。それに続いて、セミ、カブトムシ、かきごおり、ソフトクリーム、せんぷうきとひまわりも呼ばれたようです。いよいよ夏の風物詩たちの出番になりました。
みんなは、夏に向かってまっしぐらに走っていきます。すると、かとりせんころうさんや、とうもろこしぞうさんが一緒に連れていってと走ってきました。そして、きんぎょばちかさんに、うきわのすけさんも合流します。全員がそろうと、目の前に大きな大きな黒い雲が見えてきました。一瞬にして、大雨が降り、雷が鳴り響き、突風までおこりました。そしてながしそうめんのじっちゃんに会うと……。さあ、夏はもう目の前です!
梅雨明けから夏までをユーモアいっぱいに描いた一冊。
読者の声より
ユーモアたっぷりな夏の訪れのお話。
すごく勢いがあって、
やったー!夏が来るぞー!!
という気持ちになる、とても爽快なお話です。
カタツムリの天気予報士がもうすぐ梅雨明けと伝えると、
ソフトクリームやかき氷、蚊取り線香に浮き輪などなど、
夏の風物詩ともいえるものたちが一斉に夏に向かって走り出します。
最後は太陽に飲み込まれ、人間の世界へ。
大人になると子供の時ほど夏が楽しみではなくなっていましたが、この絵本で、無条件な夏のワクワクを思い出しました。
(tori・madamさん 30代・ママ 女の子6歳、女の子3歳)
いかがでしたか。
どうか今年も、それぞれに楽しい思い出が残る夏となりますように。
秋山朋恵(絵本ナビ)
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