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未来の今日の1冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の1冊】戦後75周年を迎える2020年の夏に。平和について考え、祈る1週間

8月3日~8月9日までの絵本「今日の1冊」をご紹介

2020年は、戦後75周年を迎える年。そして今週は、8月6日に広島平和記念日、8月9日に長崎原爆忌と平和を強く願う記念日がやってきます。今週は、新しい本を交えながら、さまざまな形で表現される、戦争を伝える本や平和について考える本をご紹介します。
 

8月3日 平和について考えるきっかけに。

月曜日は『日・中・韓平和絵本 へいわってどんなこと?』

日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?

みどころ

「平和」というのは日常の本当にさり気ない瞬間に存在しているのだと改めて思います。
おいしいごはんが食べられて、夜ぐっすり眠れる。
当たり前だと思っているのは幸せなことだけど、やっぱり本当は当たり前のことじゃない。
いやだという意見が言えたり、ごめんなさいとあやまること。
これだって小さな事に思えるかもしれないけど、実はこれができないと大変なことになる。
そして何より大切なのは・・・。
戦争の場面もいくつか登場します。でもこれは怖がらせるためではなく、こどもが自分達の意思で平和な世界というものをつくっていけるんだというメッセージも込められているようです。
作者は『あやちゃんのうまれたひ』や『ぼくのかわいくないいもうと』など、温かな目線で家族や子ども達を描き出している浜田桂子さん。
 日本、中国、韓国三カ国の絵本作家とともに平和を訴える絵本シリーズの第一作として練られてきた作品ですが、読んでみればやっぱり子ども達への深い愛情を感じてしまいます。親子で読みながら、会話をしながら、平和について考えるきっかけになってくれればいいですよね。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

読者の声より

平和ってどんなことなんだろう。
戦争をしないこと。
爆弾を落とさないこと。
作者は平和に対する考え方を、今の子どもたちの視点で掘り下げていきます。
戦争を知らない世代にとって、平和が身近すぎるようです。
こんなことも平和なんじゃないか?
そんな世界に私達は生活しているのです。
みんなが勉強できることも、歌えることも、食べ物に困らないことも平和なのでしょう。
そう考えると、貧困や差別も平和と相対する事柄なのでしょう。
作者は、様々なイマジネーションの中で、平和を維持するためには何が必要か。
子どもたち身近なところからも発想します。
悪いことをしたら謝ること。
嫌なことは嫌だといえること。
様々なことが平和につながると思ったら、平和という言葉が他人事ではなくなってきます。
見開き毎の絵に思いを込めて、浜田さんのこの絵本に込めるのは、子どもたちへの願いと教育でしょうか。
(ヒラP21さん 50代・パパ)

8月4日 けんかはするけどせんそうしない

火曜日は『せんそうしない』

せんそうしない

みどころ

ちょうちょと ちょうちょは せんそうしない
きんぎょと きんぎょも せんそうしない
くじらと くじらは せんそうしない
すずめと かもめは せんそうしない
すみれと ひまわり せんそうしない
・・・

同じ種同士でも、たとえ種が違っても、にんげん以外の地球上の生きものはだれもせんそうしません。その中で、なぜにんげんだけが、にんげんの大人だけが、せんそうをやめられないのでしょうか。

日常の中で、子どもたちに戦争のこと、平和の大切さを伝えていくことはなかなか難しいことかもしれません。事情が複雑すぎていたり、身近に実際の体験者が少なくなっていたり、歴史上の出来事があまりにも残酷なために、どこから、どんなことばで伝えたら良いのか迷ってしまうことも多いのではないかと思います。

けれども本書を読むと、伝えるべきことは、ほんとうにシンプルなことなのだと気づかされます。

(続きはコチラ>>>

8月5日 「次世代と描く原爆の絵」プロジェクトとは?

水曜日は『平和のバトン』

平和のバトン

出版社からの内容紹介

原爆が投下されてから、75年近くになろうとしています。やがて、被爆者がこの世からいなくなれば、記憶は失われていくでしょう。

「このままでは、原爆のことが忘れられてしまう」と、勇気を振りしぼって話しはじめた被爆者の声を、そして見た光景を、美術を学ぶ高校生が絵にして記録する「次世代と描く原爆の絵」プロジェクトが、2007年にスタートしました。

証言者と高校生が何度も会って、一年をかけて一枚の絵にしていきます。戦争も、原爆も、高校生にはまったく想像ができない状況であるがゆえ、証言者は絵にすることの難しさに何度も直面します。また、事実を正確に描くことが求められるので、高校生が勝手な想像で描くことができません。それでも高校生には知らないこと、わからないことだらけです。また証言者は、体験が衝撃的すぎたがゆえ、覚えていないこともたくさんあります。まさに二人三脚で、絵が描かれていくのです。

これまでに、40名の証言者の話を、111名の高校生が134点の絵にしてきました。この本では、その中から4組の証言者と高校生を取材しています。証言者と密に接することで、平和な広島で今を生きる高校生たちが戦争や原爆を見つめなおす姿は、まさにバトンが手渡された瞬間なのです。

8月6日 家族のアルバム写真が語りかけてくる多くのこと

木曜日は『ヒロシマ 消えたかぞく』

ヒロシマ 消えたかぞく

出版社からの内容紹介

原爆投下前、戦争中であっても、広島の町には笑顔にあふれた家族の日々の暮らしがありました。散髪屋さんである鈴木六郎さん一家の6人家族も、少しの不安はあったかもしれませんが、毎日笑顔で楽しくくらしていました。お父さんの鈴木六郎さんは、カメラが趣味。たくさんの家族写真を撮りためていました。
あの日。1945年8月6日。
一発の原子爆弾がヒロシマのまちに落ちました。
六郎さん一家は全滅しました。
長男の英昭くん(12歳)と長女公子ちゃん(9歳)は、通っていた小学校で被爆。英昭くんは公子ちゃんをおんぶして、治療所があった御幸橋まで逃げました。衰弱した公子ちゃんを「あとで迎えに来るからね」と治療所にあずけ、英昭くんは親戚の家へ避難しましたが、高熱を出し、数日後に亡くなります。公子ちゃんの行方はわからなくなりました。次男まもるくん(3歳)と次女昭子ちゃん(1歳)は、六郎さんの散髪屋さんの焼け跡から白骨で見つかりました。お父さんの六郎さん(43歳)は、救護所でなくなりました。救護所の名簿には「重傷後死亡」と記録されていました。家族がみんな亡くなってしまったことを知ったお母さんのフジエさん(33歳)は、井戸に身を投げて亡くなりました。 
たった1発の原爆が、六郎さん一家を消し去ってしまいました。
この本を開くことで、原爆の残酷さ、戦争のむごさを、読む人の身に引き寄せて考えるきっかけとなったら、という願いを込めてつくりました。また、愛情あふれるすばらしい家族写真の数々から、幸せにくらす人間の何気ない日常こそが大事であることに気づかされます。それは、幸せな平和を作っていくのは、私たち自身であると訴えかけているようにも思えます。
家族で平和を考えるために、最適の写真絵本です。

読者の声より

お母さんの年は私と同じです。写真から伝わる幸せな写真に言葉が出ないです。この本が課題図書となっているのですね。この本を読む子はこの家族の子どもたちと同じ世代ですよね。大切なことだと思います。私も戦争を知りませんが、幼かった頃に祖父と当時の話をしたことがあります。戦争を知らない子が今は直接聞けない時代になってきています。この切なさ、むごさ…本で伝わっていくことを願います。
(☆うさこ☆さん 30代・ママ 男の子1歳)
 

8月7日 傷ついたのは人間だけではない

金曜日は『戦争にいったうま』

戦争にいったうま

出版社からの内容紹介

マツさんの家にかわいい子馬がやってきました。栗色の毛の子馬です。目と目の間から鼻すじ、口まで真っ白、右の後ろ足も真っ白。その姿がかわいくて、家族はかわるがわる馬小屋をのぞいていました。ところがある日、マツさんの家に1通の手紙が届きます。青い紙に書かれたその手紙は――。きずついたのは人間だけじゃない。あの日、やさしい目にいっぱいの涙をうかべたこの馬は、何を見ていたのでしょう。戦後75年をむかえたいま、平和への願いをこめておくる、奇跡といわれたある馬の物語。

8月8日 難民理解の第一歩に。

土曜日は『せんそうがやってきた日』

せんそうがやってきた日

出版社からの内容紹介

戦争がやってきた日、窓辺には花が咲き、お父さんは弟に子もり歌をうたっていた。午前中の授業で、火山のことを勉強した。おたまじゃくしの歌をうたった。鳥の絵をかいた。そして、ランチタイムのすぐあとに戦争がやってきた。
日常に突如襲いかかり、すべてを破壊し、心の中にまで入り込んでどこまでもつきまとう戦争。その戦争を振り払ってくれたのは、子どもたちの優しさに根ざした行動でした。
2016年春、イギリスで、3000人の孤児の難民の受け入れが拒否され、同じ頃、座るイスがないという理由で難民の女の子が学校への入学を断られました。そのことを聞いて作者が書いた詩が、この絵本の元になっています。この詩がウェブに掲載されると、#3000chairsというハッシュタグをつけた椅子の様々な絵が、世界中からツイッターに投稿されました。椅子は、教育を受ける機会のない子どもたちとの連帯のシンボルになったのです。

8月9日 あなたにとって、平和とは?

日曜日は『PEACE AND ME わたしの平和』

PEACE AND ME わたしの平和

出版社からの内容紹介

あなたにとって、平和とは?
人権と平和の実現に尽くしたノーベル平和賞受賞者12人を見開きごとに紹介。
「だれもに住む家があること」「人をゆるす方法をみつけること」など、それぞれの生き方から平和を個性的に語る。鮮やかでデザイン性の高い絵が魅力。

秋山朋恵(絵本ナビ 編集部)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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