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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の1冊】大人になるってどんなこと? 成人の日からはじまる1週間

1月11日~1月17日までの絵本「今日の1冊」をご紹介

成人の日、おめでとうございます。
今年は成人式が中止になったり、例年とは違う形での開催となったり、複雑な思いでおられるご家庭も多いことと思います。どうかそれぞれの場所で、20歳という大きな節目をお祝いできますように。今週は、大人と子どもについてさまざまな視点で考えた絵本や、成人を迎える方に贈りたい絵本をご紹介します。

1月11日 新しい扉を開くあなたへ

月曜日は『あなたがおとなになったとき』

あなたがおとなになったとき

出版社からの内容紹介

「あなたがおとなになったとき どんなうたがすきだろう」。
子どもたちに問いかけることばで紡いでいくメッセージ。新しい世界の扉の前に立ち、将来への大きな夢を抱きながら、同時に不安な思いも抱いている、複雑な心を抱えている子どもたちを少しだけ支えてくれるように願いをこめた絵本です。折に触れ読み返したくなる、本棚の片隅に置いておきたい一冊。

読者の声より

「あなたがおとなになったとき 
 この木はどれほど
 おおきくなっているだろう」のシーンと、
「あなたがおとなになったとき
 空はおなじ青さだろうか」のシーンと、
「あなたがおとなになったとき
 いちばん手にとりやすい
 ところにあるのは
 なんの本だろう」のシーン続けて3ページで、主人公の少女は廃墟のような都市をさまよっています。
この世界が、今の彼女が想像する未来なのでしょうか。
その後ページをめくると、一気に彼女の「いま」に戻った印象を受けました。

湯本さんの文も素晴らしいですが、この文に対して広がりを見せてくれるはたさんの絵が、本当素敵だと思いました。
ラストの方で、少女と少年が高い壁を飛び越えるシーンがとても好きです。

進路や未来の自分に悩んでいるお子さんたちに特に手にしてほしい作品です。
(てんぐざるさん  50代・ママ 女の子20歳)

1月12日 毎日がきみのはじまりの日

火曜日は『はじまりの日』

はじまりの日

出版社からの内容紹介

ボブ・ディランの名曲『Forever Young』に、詩人アーサー・ビナードの訳詩と、新たに爽やかな絵が加わって、
希望あふれる絵本になりました!『Forever Young』は、1974年に発表されてから老若男女にうたわれてきた、
子どもを思うあたたかな名曲。これまで正式な日本語訳がなかったこの曲を、アメリカ生まれの日本語の詩人
アーサー・ビナードが歌える日本語訳にしました。ロックの歴史的名曲と絵本の新しい出会いを味わえる絵本。

読者の声より

昔、どこかで書評を読んで興味を持ち、すぐに探して購入しました。
子育てをする上で重要な視点に満ちた内容です。
子ども自身、そして大人たちにとっても、生きていく上で大切な姿勢を示してくれています。

扉にある「DIG YOURSELF」と書かれたカードを持つ男の絵に「ひとりをたのしめ」という訳がつけられています。
それを見た時、訳者の言葉選びのセンスに感嘆しました。
世界的に外出が制限され、今まで当たり前にできていたことができなくなった世の中で、一部の人間が他者に対して暴力的な心を剥き出しにして攻撃をしているのを目にすることが多くなりました。この文章を書いている現在の状況はこのような感じです。
残念ながら、ひとりでいる時間の豊かさ、内省のひとときが人間にとってどれほど大切で喜びに満ちた時であるかを知らない人がたくさんいるのだということを思い知らされています。
読みかたりの時に、この部分も必ず解説していましたが、DIG YOURSELFを「ひとりをたのしめ」と訳した訳者のそのメッセージを大切にしようとますます強く思うようになりました。

ところで、この絵本は6年生のクラスの最後の読みかたりの日などによく持っていく本です。
文章の素晴らしさももちろんですが、アメリカの音楽史に精通した画家の絵や、文章がそのまま歌える
形になっている点も魅力的です。
いつか読みかたりにギターを持ち込んで歌える人を連れていきたいと思っています。
難しいと感じる子どもたちもいるようですが、シンプルで力強いメッセージは、何らかの形で子どもたちの心に届いていることと思います。
(てんちゃん文庫さん 40代 ママ 佐賀県 女の子18歳、男の子15歳、女の子10歳)

1月13日 年をとってれば大人なの? 深く考える哲学絵本

水曜日は『大人ってどんな人?』(2020年の新刊より)

大人って どんな人?

出版社からの内容紹介

NHKのEテレで放送された番組の書籍化。人形のQくんと、ぬいぐるみのチッチの掛け合いで、物語が展開します。この巻のキーワードは「どんな?」。どんな人を大人と思うか、いろいろ考えてみると、おもしろい答えが見えてきます。画像やイラストもたくさん入り、楽しく読みながら深く考えることができる本になっています。道徳の教材にも使えます!

1月14日 どんなひとのなかにも、 こどもがいるって知ってた?

木曜日は『おとなのなかのこども―おとなになるってどんなことなのかをしりたいこどものみなさんへ―』(2020年の新刊より)

おとなのなかのこども―おとなに なるって どんなことなのかを しりたい こどものみなさんへ―

みどころ

「やあ、みんな! みんなは、どんなおとなにも、なかにはこどもがいるってこと、しってたかな?」

おとなになったって、怖いものは怖い。イジワルな人もいる。泣き出したくなることもある。
子どももおとなも、ほんとはおんなじ!
でも──

「おとなたちは忙しくって、もうくたくただってふりをして、自分の中にいるこどもを隠しているんだよ。でもね、そんなことはできっこない。おとなの中のこどもたちは、遊びたくってたまらないから、ときどき外に飛び出しちゃうんだ!」

おとなになるって、どんなことなのかを知りたい、子どものみなさんへ、伝えたいこと。
そして、子どものままでいるって、どんなことなのかを知りたい、おとなのみなさんへ、伝えたいこと。

おとなだって、むかしは子どもだったんだ!
それに、もしかしたら今も──?

(続きはこちら>>>

1月15日 ページのすみずみまで広がる「幸せを願う気持ち」

金曜日は『いつかあなたがおおきくなったら』

いつか あなたが おおきくなったら

出版社からの内容紹介

2015年にアメリカで発売されて以降、口コミで広がり続け、160週以上にわたってNYタイムズのベストセラーリストにランクインするなど、子育て中のママ・パパの間で話題沸騰の絵本が、待望の日本語版になりました。

 

「この せかいに 
やってきたばかりの あなたは
これから どんな
すてきなことを するのだろう――」

 

あたたかいまなざしが込められたメッセージと、希望にあふれる子どもの姿を鮮やかに捉えたイラストが重なり、ページのすみずみまで「幸せを願う気持ち」が詰まった絵本です。

「やさしい絵と言葉に癒されました」(20代、男性)
「最初のページからウルっときてしまって、涙なしに最後まで読めませんでした」(30代、女性)
「入学のお祝いとして、子どもにプレゼントしたいです」(40代、女性)
「初めての子育てで抱えていたモヤモヤがスーッと消えました」(30代、男性)
……など、感動の声も続々!

 

出産や門出のお祝いとして、誕生日プレゼントとして、さまざまなシーンで開いてみてほしい1冊です。

読者の声より

優しい絵と希望にあふれた温かなメッセージが、心に沁み込んできます。
笑ったり泣いたり、いろいろなことを共に経験しながら、かけがえのない家族になっていく。
子どもたちが小さな頃も、大人になった今も、願いはただ一つ。幸せになりますように…。
今日も笑っていますか?楽しい一日でしたか?なりたい自分になれましたか?あなたを生きていますか?
面と向かっては照れくさくて言葉にできないその想いを、この絵本は見事にストレートに届けてくれます。
遠くで一人で頑張っている娘へのバースデープレゼントにしたいな・・・と思いました。
いろいろな立場の人が読んでも、きっとそれぞれに、心揺さぶられる素敵な絵本だと思います。
(あさみーこさん  50代・その他の方)

1月16日 大人へと成長する過程で出会いたい詩とは

土曜日は『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』

ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集

出版社からの内容紹介

きみはいつものように、あけっぱなしの玄関から、どんどんぼくの部屋にあがりこみ、ランドセルをおろしながらこういった。「せんせいが、おまえは本を読めっていうんだ。ことばがなってないから」。ぼくは一冊の詩集をきみに手渡す。「ここんとこ、読んでみな」。詩は、おもしろい。そして、詩はことばを自由にし、ことばはわたしたちを自由にする。20篇の詩を通して、詩人斉藤倫と楽しみ、考える、詩のことそしてことばのこと。

読者の声より

長いタイトルに、不思議なシチュエーション。
詩集といいながら、物語?
あちこちの書評で取り上げられていて気になっていました。
表紙の絵も意味深です。
ランドセルの少年がどこかの家に上がり込んでいるようですね。
物語は唐突に始まります。
ぼくの家に上がり込んだきみ。
会話のやり取りから、おじさんと近所の小学生の会話のよう。
カップ麺や焼きそば、枝豆などを食べようとした時にやってくるタイミング自体、
なんだかおもしろいシチュエーション。
会話の中から、二人は、家の中の本の詩を読んでいくのです。
そのラインナップは千差万別。
その中で、詩とは何か、ということがなんとなく感じられる構成なのです。
そしてそれ以上に、だんだんとほどけていく、ぼくときみの関係性。
二人を繋ぐ詩の立ち位置が明らかになります。
不思議な読後感です。
小学校中学年くらいから大人まで、言葉考としても。
(レイラさん 50代・ママ )

1月17日 おとなになることが楽しみになる!

日曜日は『もとこども』

もとこども

みどころ

「世の中は、〈こども〉と〈もとこども〉でできている」

ぼくのおじいちゃん、わたしのママ、はたまたむかいのおねえちゃん。
先生だったり、看護師だったり、はたまた大工をやってたり。
今はいろいろ、でももっとむかしは、みーんなみんな―

〈もとこども〉!

元パイロットのおじいちゃんはかつて、空にあこがれる〈もとこども〉。
お化粧しているおねえさんはかつて、おしゃれが大好きな〈もとこども〉。
ニワトリやチョウや、強そうなトラも!?
やっぱりみんな、〈もとこども〉!

(続きはこちら>>>

読者の声より

おじいちゃんも、おかあさんも、むかいのおねえさんも、むかしはみんなこども。

尊敬する人や大好きな人たちにも、こどものころがあったんだ。
こどものころをみてみると、なんだ、じぶん達と一緒だね!

私たちにも、こどものころがあったよね。
今はできること、今はしないこと、こどものころは逆だった。

おとな達の過去に遡ることで、こどもは、じぶんの未来へ希望を感じ、おとなたちは、じぶんもこどもだったことを思い出す、そんなお話でした。
(しゅうくりぃむさん  40代・ママ 女の子10歳)

秋山朋恵(絵本ナビ編集部)

 

掲載されている情報は公開当時のものです。
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