【今週の今日の1冊】冬の名作を楽しもう♪
1月18日~1月24日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
寒い日が続いていますね。今年は例年以上の寒さや感染症のニュースに気持ちが沈むこともあるかもしれませんが、そんな時には、冬の楽しさを思い出すべく、懐かしの名作に触れてほっこりしてみませんか。今週は、冬の景色や冬ならではの楽しさが感じられる冬の名作をお届けします。
1月18日 長く読み継がれる、変わらない冬の名作
月曜日は『てぶくろ』
みどころ
降りつづく雪の中、ぽつんと落ちていたのは片方だけの暖かそうな手袋。最初に見つけたのは小さなねずみ。彼女は中にもぐり込み、言うのです。
「ここで くらすことに するわ」
確かに、ねずみが暮らすのにはいい大きさ。居心地も良さそうです。そこへやって来たのは、かえるさん。中に入りたいと言います。手袋の中にはねずみとかえるの二ひき。確かにこれも悪くない。ところが今度はうさぎがやってきて、言うのです。「ぼくも いれてよ」あっという間に三びきです。大丈夫かしら…。これで終わることなく、さらにやってきたのはきつねです。さらにさらに、おおかみも、いのししも、しまいには驚くほど大きいあの動物まで! いったい、そんなことって可能なの!?
ウクライナ民話から生まれた絵本『てぶくろ』は、日本でも1965年に内田莉莎子さんの翻訳で発売され、今でも変らず子どもたちに読み継がれている傑作です。
その魅力はいくつもあります。
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読者の声より
おじいさんの落とした手袋に、森の動物たちがお家にして同居の居候を始める…。ただそれだけのお話なのに、なんと想像力が書きててられ、自分もその中にいるような気持ちになれる絵本なのでしょうか。
こっそり住み始めた動物たちが声を掛け合う繰り返しの会話も思わず覚えてしまう。
少しずつ大きくなっていく動物たちにハラハラしてしまう。
手袋に窓やハシゴが次々につけられていくので、前と違うところを探してみたり。
違うところから顔を出した動物さんがいたり。
どれだけ大きな手袋なんだろう!とともわずわらいたくなってしまったり。
最後に手袋から逃げた動物さんたちの行方を想像してみたり。
古くて堅い絵の絵本ですが、だからこそ現実と想像の世界の
狭間に自分もいるような気持ちになれます。
想像力が膨らむ絵本だと思います。
(ゆりさくママさん 30代・ママ 女の子2歳、女の子0歳
1月19日 ユーモアたっぷりの優しいお話が5つ
火曜日は『ふたりはいつも』
出版社からの内容紹介
がまくんとかえるくんのユーモラスな冒険物語が5編。「そりすべり」「アイスクリーム」「クリスマス・イブ」など春夏秋冬、一年間のふたりの生活が盛りこまれています。
読者の声より
がまくんとかえるくんシリーズはどれもはずれがなく、
どのお話もあたたかくて、笑えて、
読み終わった後、ほっこりした気持ちになれます。
息子も表紙を見ただけで、
「やった~!このおはなし好き」
と喜び、決して途中でやめさせてくれず、
最後まで笑いながら聞いていました。
なかでも、「アイスクリーム」のお話は
親子で大笑いしました。
(まことあつさん 30代・ママ 男の子6歳、男の子4歳)
1月20日 雪で遊ぶ一日の、新鮮な感動と喜び
水曜日は『ゆきのひ』
出版社からの内容紹介
キーツの作品の中でも貼り絵の技法がひと際効果的な、シンプルだけどとても印象に残る美しい絵本です。雪の中に立ったときのピーターのわくわくした気持、とめられない好奇心などが画面から直接伝わってきます。小さい子や大人も関係なく雪の美しさに感動するでしょう。
読者の声より
キーツが描いた絵本の中でも特に好きな一冊です。
雪が降った朝、道も木も家も白一色になっているのを見た時のドキドキした高鳴りや、雪の中へ足を踏み入れていくワクワクするうれしい気持ち。そんな男の子の気持ちが画面から聞こえてきそうなほど、臨場感があります。
コラージュによる絵もとても素敵。雪の白をバックに映える男の子の赤いマント姿に、何度読んでも目を奪われてしまいます。
(クッチーナママさん 30代・ママ 女の子10歳、女の子7歳、男の子5歳)
1月21日 おとうさんから、そりをもらったウーフは大よろこび
木曜日は『くまの子ウーフのおはなし(3) あかいそりにのったウーフ』(2021年刊行の新装版)
出版社からの内容紹介
好奇心の強いくまの子ウーフが日々の暮らしの中で出会う疑問をテーマにした「くまの子ウーフの童話集」(全3巻)は、ウーフが一生懸命考える姿を通じて生きることの本質と喜びを鮮やかに描き出し、ロングセラーとして世代をこえて愛読されてきました。
このウーフの物語を、小学校低学年の子どもたち向けて、親しみやすい幼年童話の形でお届けします。
各巻2話収録、オールカラーの挿絵で、初めての一人読みに最適です。
本書は、「あかいそりにのったウーフ」「まいごのまいごのフーとクー」を収録。
1月22日 ある夜、ゆきおんなは人間の家を見つけて‥‥‥
金曜日は『あたし ゆきおんな』
みどころ
笑いが止まらなかった第一作目『わがはいはのっぺらぼう』とはうって変わって、自然界の美しさとおそろしさを感じる「怪談えほん」です。
でもそこは飯野和好さんの絵と富安陽子さんの文!
おそろしいんだけど美しい、口をとがらして踊る様子はなんだか可愛いゆきおんな。
春が来るといつしか消えてしまうゆきおんな。
ほうら、もう ぎんいろにかがやく ながいかみの
ひとすじまで くっきりとみえるよ
しろいきものに、きんのおび。
つめたいひとみは あおくかがやき、
くちびるは、ゆきにさく さざんかみたいにあかい。
そうさ、これがゆきおんなというものさ。
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読者の声より
雪の季節になると、ゆきおんながうまれて…、正確に言うと沸いてくる感じ?
うまれてきたゆきおんなが、どのように過ごしているのか、人間とはどうかかわっているのか、季節が終わるとどうなるのか…。
いろいろと驚きでした。
こわさよりも、すべてを凍てつかせる空気みたいなものを感じました。
風の音、雪の冷たさ、とってもいい雰囲気。
これからの季節にピッタリの一冊です。
(しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子10歳)
1月23日 1つのかぶが、うさぎからろばへ、ろばからやぎへ
土曜日は『しんせつなともだち』
出版社からの内容紹介
食べものがない寒い冬のことです。お腹がすいたうさぎが、かぶをふたつ見つけました。ひとつだけ食べて、もうひとつを同じようにお腹をすかせているろばに届けますが、ろばは留守でした。うさぎはろばの家にかぶをおいていきます。家に帰ってきたろばは、かぶにびっくりします。ちょうどさつまいもを手にいれたばかりだったろばは、かぶを今度は山羊に届けます。思いやりの心をのせたかぶが、動物たちのもとをめぐる「ぐるぐる話」。
読者の声より
1965年発行ということで、今も読み継がれているだけあり、読んでいて非常に安定感を感じます。
まずは、絵。何を考えているのだろう?って考えさせる動物たちの表情にとってもひかれます。やぎさんは特に秀逸。一見、こわいのですが、やっていることは優しさからくるもの。だから、受け入れられるんですね。
友達想いの動物たちの気持ちが手渡しのようにぐるっと一周して、また戻ってくる。なんてすてきなんでしょう。優しい心がつながっているのを感じて、友達っていいなあ!って思わせてくれます。
寒い今の時期に読むと、心がほかほかあたたかくなりますね。
(けいご!さん 40代・ママ 女の子14歳、男の子10歳)
1月24日 冬眠中に起きてしまったムーミンが見た景色とは?
日曜日は『ムーミン全集 新版(5) ムーミン谷の冬』(2020年刊行の新版)
出版社からの内容紹介
見えるものだけが、すべてじゃない。
ムーミントロールは、冬眠中に、たった一人で起きてしまいました。まったく知らない世界が広がっていて、しかもだれひとり心を開いてくれないことに落ち込みますが……?
うつくしい冬の情景、おしゃまさんの含蓄ある言葉、ムーミントロールの心の変化など、名作と評される1冊です。
1964年に翻訳出版されてから、55年もの間愛され続けてきた「ムーミン」の物語。大人気のキャラクター「ムーミン」は、この全集が原典となっており、今なおその魅力は増すばかりです。
この度、今の時代により読みやすくするべく、改訂を行いました。
初めての方も、ムーミンのことなら何でもご存じの方も、楽しんでいただける[新版]として、順次刊行して参ります。
1現代的な表現、言い回しに整え、読みやすく
2クリアなさし絵に全点さしかえ
3原語最終版に基づき、より細部にこだわった表現に
4フィンランド最新刊と共通のカバーデザイン
5四六判ソフトカバーでコンパクトに
こどもから大人も楽しめる、大注目のシリーズです!
秋山朋恵(絵本ナビ編集部)
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