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未来の今日の1冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の1冊】新しい出会いを応援する引っ越しの絵本

2022年3月14日から3月20日までの絵本「今日の1冊」をご紹介

3月は卒業や就職、異動などのタイミングで、引越しの多い季節ですね。まだ小さな子どもたちも家族の変化によって、初めての別れと出会いの経験が増えることでしょう。今週は、引越しをする側、見送る側、両方の立場の子どもたちのさみしさや不安に寄り添いながら、さまざまな新しい出会いを応援する引越しの絵本をご紹介します。
 

3月14日「とんことり」ふしぎなお手紙をくれたのはだあれ?

月曜日は『とんことり』

とんことり

みどころ

かなえは引越しで知らない街にやってきました。
荷物の整理を手伝い、疲れて座っていると、玄関の方で「とん ことり」とちいさな音がします。
引っ越してきたばかりで郵便がくるはずがありません。
かなえが見に行ってみると、郵便受けの下にすみれの花束が。
次の日は音とともにたんぽぽが3本、その次の日は音とともに手紙が。
そして次にあの音が聞こえたとき、かなえは「まって、まって!まってよう!」と叫んで玄関のドアを開けます。

新しくやってきた子も、受け入れる側の子も、なんともいえないモジモジした気持ちになる季節。
そんな繊細な子どもの心の動きを実に見事に描写しています。
少しの優しさ、少しの勇気で新しい関係が生まれる。
大人の心も温かくしてくれる絵本です。

(金柿秀幸  絵本ナビ事務局長)

読者の声より

とんことり、て何だろう?と思い手にとった絵本です。

知らない町に引っ越して来たばかりのかなえ。
お母さんは荷物の整理に忙しくかまってもらえません。
そんなとき、とん ことり、と小さな音がします。
郵便受けを見ると、すみれの花が。
次の日も、その次の日も、お花やお手紙が。

一体誰が?これが気になって気になって読み進めました。

心温まるラストがいいですね。
林明子さんの絵が女の子の気持ちをよく表していると思います。
(tori.madamさん 30代 ママ 大阪府 女の子6歳、女の子3歳)

3月15日 引っ越した新しい町で、商店街のお店を探検だ!

火曜日は『げんくんのまちのおみせやさん』

げんくんのまちのおみせやさん

出版社からの内容紹介

新しい町にひっこしてきたばかりのげんくんは、家のそばの商店街のお店を探検することにしました。
さかな屋さんにおそば屋さん、おいしそうなコロッケを揚げている肉屋さん。げんくんと同い年くらいの女の子のいる、パン屋さん…。げんくんのあとをずっとついてくる子犬は、どのお店の犬でしょう…? 
ページをめくるごとに、細かく描きこまれたいろんなお店の絵が楽しい絵本。
お引越しシーズンの春にぴったりの、さわやかな一冊。

読者の声より

商店街で出会う人々との触れ合いとまゆちゃんとげんくんとのやりとりがおかしくて、何度も読み返しました。
おなかがすいたげんくんが、商店街でコロッケを買う場面を読んで、思わず夕食のおかずにコロッケを作ってしまいまいした。
新しい環境に変わることを不安に思わず、新しい出会いに期待を持たせてくれる絵本です。
 (森の小人さん 40代・ママ)

3月16日 しょんぼりしていた女の子が出会ったのは……

水曜日は『なかよしの犬はどこ?』(2022年2月発売の新刊)

なかよしの犬はどこ?

出版社からの内容紹介

ペニーはお父さんといっしょに
新しい家にひっこしてきたばかり。
遊べる友だちがいなくて、しょんぼりしています。
「庭で木のぼりをしたらどうだい?」と、お父さん。
ペニーは、木の下にすわりこみ、
つまらないなあ、と思っていました。
すると、いけがきの中から、
一ぴきの犬があらわれました。
犬はとても人なつっこくて、
ペニーは一日じゅう、犬といっしょに、
遊んで遊んで、くたびれるまで遊びました。
「あしたも遊べる?」とペニーがきくと、
「ワン!」と犬はこたえました。
ところが次の日、
犬はいなくなっていました。
がっかりしているペニーに、
お父さんがいいます。
「これから、近所のお店に行って、
その犬のことをきいてみようよ」
そこでふたりは、
新しい家のまわりのお店や、公園を
たずねてまわることになりましたが…?
女の子の気もちによりそって描かれた、
やさしく暖かい絵本です。
お引越しや入園入学で、
新しい環境に入っていく子どもたちへの
プレゼントにも最適!

3月17日 小さな「うそ」が新しい友だちを連れてきて

木曜日は『コレットのにげたインコ』

コレットのにげたインコ

みどころ

都会の真ん中で新しい生活がスタートするコレット。

「ふん!」「いーだ!」

怒っているのは、ペットがほしいのに飼ってもらえないから。
仕方なく、家のまわりを散歩してみようとそっと外に出てみると、男の子がふたりやってきて。

「なにしてんの?」
「ええと……あの……飼っていたインコがいなくなっちゃって」

子どもたちの不安定で繊細な世界でのやりとりを埋めてくれるのは、時にはこんな小さな「うそ」。
いなくなったのは、インコ。青くてほっぺは黄色。
名前はマリー・アントワネットで、ピルルルルルルって鳴いて。
みんなが心配して一緒に探してくれるから、
コレットの「うそ」はどんどん大きくふくらんでいき……。

 

日本でも絵本『アンナとわたりどり』『きょうは、おおかみ』などの作品で注目を集めるイザベル・アルスノーが初めて作・絵を手掛けたこの作品。コマ割りの表現で、テーマは「うそ」。痛みのともなうヒリヒリしたお話かと思えば、全然そんなことはありません。コレットの話がふくらめばふくらむほど、まわりの子どもたちが驚きと憧れの表情に変わっていくのが印象的。つまりこの絵本の中では「うそ=いけないこと」なんていう簡単な解釈をせず、その豊かな想像力によって、みんなの日常の景色を照らす「物語」へと昇華していく瞬間を描いているのです。

この絵本に添えられたキャッチコピー「うそつきはともだちのはじまり!?」の通り、時には「うそ」が新しいともだちを連れてきてくれることがあるってこと。世界の広がり方なんて、いろいろですよね。
大人がわかったつもりになって、閉じ込めてしまってはいけないのです。コレットが教えてくれますよ。
(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

3月18日 はじめてのお別れの気持ちに寄り添う絵本

金曜日は『また あえるよね』

また あえるよね

出版社からの内容紹介

だいの仲良しのなつきちゃんがひっこしすることに。
作家の娘さんの実話から、子どもたちを愛しく、桜を美しく、
こみねゆらさんが初めて水彩画で描く絵本。

読者の声より

4さいの娘に読んであげたら、毎日のように寝る前には
「よんで~」と。
つい最近園の仲の良かったお友達がお引越しをしました。
そのこともあったのかな。自分と少し似てるな、とかんじたのか、何度も読まされました。
初めての園で、お友達というものができて初めてお別れということに出会って・・・母親の私は、この子はお引越しというものがわかってるのかなーと半信半疑でしたが、子供なりに小さな胸の中で感じるものがあったんだなあと、少し考えさせられました。
そういうひとつひとつの経験の積み重ねの中で、どんどん成長していくのですね。
この本に出会えたことにまたまた感謝。絵も、ものすごく自然な感じでやわらかいタッチでよかったですよ。
(コリンクさん 30代・ママ 男の子7歳、女の子4歳)

3月19日 自分の居場所を見つけるまでの、ドキドキとワクワク

土曜日は『あたらしいおうちにひっこしたけれど・・・・・・』

あたらしいおうちにひっこしたけれど・・・・・・

出版社からの内容紹介

不安な気持ちにさようなら!新しい自分の居場所を探す物語が、バイリンガルで登場!
本書は親しみやすいイラストが人気の絵本作家、マルタ・アルテスが紡ぐ引っ越しにまつわる物語。引っ越し先で自分の居場所を見つけるまでの、ドキドキとワクワクを画面いっぱいに表現しています。英語のテキストを併記したバイリンガル版なので、英語の勉強にも最適です!

読者の声より

新しいお家に引っ越して・・・・ぜんぜんおちつかない・・・
不安がいっぱい こわい 心細い 新しい学校へ行くとみんなが楽しそうに遊んでいるけれど仲間に入れない・・・・
だれもが感じる新しい環境の不安な気持ちが良く分かります
お父さんは心配ないて言うけれど・・・・ 
でも! 今までにない楽しみが見つかったのです!
心細さも消えてワクワク ラッキーだな・・・ こんなふうになれたらホント幸せですね! 
かわいいイラストでバイリンガルも楽しめるなんてとってもラッキーな絵本ですよ
 (にぎりすしさん 60代・その他の方)

3月20日 さよならの先にあるものとは……

日曜日は『せいちゃん』

せいちゃん

みどころ

「しゃりんくしゃりんく ちりんちりん」
毎日自転車に乗ってぼくのうちに遊びにくるのはお隣のせいちゃん。ぼくとせいちゃんはいつもいっしょで、これからもずっーといっしょ。だけど、せいちゃんは夏になったら引っ越しをするという。それってどういうことだろう。引っ越しのことなんか忘れかけていた頃、その日は本当にやってきた。ぼくはせいちゃんにもらった自転車に乗って、必死に追いかけたけど……。

絵本『せいちゃん』の中で、友だちとの突然の別れの知らせにとまどうぼく。自転車に乗りながら涙を流すぼくの顔を見ていると胸がつまります。でもその後、せいちゃんから手紙が届くのです「はるに なったら いきます」。この約束が、再会が、悲しいだけだったぼくの時間を変えてくれます。一人で遊ぶのは寂しいけれど、時には忘れちゃうことだってあるけれど、いつかまたせいちゃんに会いに行こう。

お別れの先にあるものを知った時、子どもの心はまた前を向いて歩いていけるのかもしれません。大人になった私は、忘れていたような気がします。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

読者の声より

しゃりんくしゃりんく ちりんちりん
ぼくとせいちゃんはずっといっしょでこれからもずっといっしょ。
自転車でやってきて、毎日遊んでいたのに、ある日、ひっこしのお知らせの手紙を持ってきたのです。

当たり前の、変わらない毎日のはずが、ある日やってきたお別れの日が全て変わってしまったことに、動揺し、悲しむ気持ちが、痛いほど伝わってきました。
また、自転車をこぐ音の表現も、心に響きます。
ひっこしのお手紙をもらってからの気持ちの変化、そして、ひっこしの日。そして、そのあとに起こった出来事と、その時々での気持ちの変化に注目してみてはどうでしょうか。
転勤族の我が家にとって、子どもたちが何度も繰り返し味わった気持ちを改めて思い起こすきっかけになりました。
(おしんさん 40代・ママ 男の子23歳、女の子21歳、男の子18歳)

いかがでしたか。たくさんのレビューを読んでいると、お子さんやご自身の子どもの頃に引っ越しにまつわるさまざまな体験をしたことが伝わってきますね。仲良しのお友達とはなれるというのは、子どもたちにとってはそれはもう一大事。そんな子どもたちの気持ちに丁寧に寄り添ってくれる絵本のなんと頼もしいことでしょう。そして大人も……新しい環境に飛び込む時に読むと大いに励まされるかもしれません。

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

 

 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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