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未来の今日の1冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の1冊】過去から現在、そしてこの先の未来へと繋ぎたい平和への祈り

2022年3月7日から3月13日までの絵本「今日の1冊」をご紹介

これまでの歴史の中で、さまざまな戦争や差別や困難を前に、立ち上がった人たちがいました。今世界では大きな戦争が起きていますが、この先にくる未来に、世界中の人たちが等しく平穏な暮らしが取り戻せるよう強く祈りながら、非暴力と愛と平和の精神を胸に行動した人たちの本を特集します。尚、金曜日の3月11日は、東日本大震災から11年目を迎えます。3月11日の今日の1冊は震災を語り継ぐ本をご紹介します。

3月7日 「子どもたちのために!」ペンで戦い続けたケストナーの不朽の名作

月曜日は『どうぶつ会議』

どうぶつ会議

出版社から内容紹介

第二次世界大戦後、世界平和のために国際会議がひらかれますが、すこしも成果があがりません。それを見ておこった動物たちは、北アフリカの動物会館にあつまって、動物会議をひらこうと決心します。スローガンはただひとつ「子どもたちのために……。」子どもたちの未来を祈るケストナーの絵本。

他にも大型絵本版と単行本版があります。

3月8日 リンドグレーンの信念に満ちた名演説

火曜日は『暴力は絶対だめ!』

暴力は絶対だめ!

出版社からの内容紹介

「子どものしつけに暴力はいらない」――『長くつ下のピッピ』を生んだ児童文学作家リンドグレーンは、1978年にドイツ書店協会平和賞授賞式で力強く訴えました。その提言は世論を動かし、スウェーデンでは世界ではじめて子どもへの体罰を禁止する法律を定めるきっかけにもなりました。

 このたび、その歴史的スピーチが小さな本になりました。40ページにも満たない短い本ですが、そのメッセージは子どもとかかわる方々の胸にきっと響き、お父さん、お母さんにとっては子育てのヒントにもなるかもしれません。

 カバーの装画は2005年にアストリッド・リンドグレーン文学賞を受賞された荒井良二さん。荒井さんが愛情をこめて、素敵なピッピを描いてくださいました! ピッピが生まれて70年でもあり、また戦後70年でもあるこの夏、子どもにとっての平和を考える手がかりになる一冊です。

3月9日 すばらしい子どもの本は、人々が理解しあうためのかけ橋に。

水曜日は『子どもの本で平和をつくる イェラ・レップマンの目ざしたこと』

子どもの本で平和をつくる イェラ・レップマンの目ざしたこと

みどころ

「この混乱した世界を正すことを、
子どもたちからはじめましょう。
そうすれば、子どもたちがおとなたちに、
すすむべき道を示してくれるでしょう」
──── イエラ・レップマン 1945年

戦争で、ボロボロになった町。
ガレキと土くれで散らかったそこに、アンネリーゼと弟のペーターは住んでいました。
ひどい空腹に盗みの誘惑さえ覚え、落ちているオレンジの皮をかじっては、飢えをしのぎます。
食べ物はないかと市場を歩いていたふたりは、ふと、人々がおおきな建物にならんで入っていくのを見つけます。

なにか食べものをもらえるのかもしれない。アンネリーゼは、ペーターの手をとって建物のなかに入りました。
ところが、そこに食べ物はありませんでした。代わりにあったのは、たくさんの本! それも、様々な国の、様々な言葉で書かれた、世界中の「子どものための本」です!
イタリアの「ピノッキオの冒険」。スイスの「アルプスの少女ハイジ」。スウェーデンの「長くつ下のピッピ」。

大広間ではひとりの女の人が、子どもたちに本を読み聞かせていました。
彼女の名前は、イエラ・レップマン。「子どもの本」が、世界を変えると信じた女性です。

本作は、第二次世界大戦後のドイツを舞台に、悲惨な経験と飢えに苦しむアンネリーゼとペーターを通じて、イエラ・レップマンのつらぬいた理念を伝える一冊です。

「すばらしい子どもの本は、人びとが理解しあうための“かけ橋”になる」と信じ、子どもには食べものと同じように本も必要だと考えていたイエラ・レップマンは、のちに国際児童図書評議会を創設し、世界初であり世界最大の子どもの本の図書館、ミュンヘン国際児童図書館を作りました。

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こちらも合わせて。

3月10日 絵本で読む中村哲医師が目指したものとその功績

木曜日は『カカ・ムラド~ナカムラのおじさん』

カカ・ムラド~ナカムラのおじさん

出版社からの内容紹介

2019 年12 月4日、中村哲医師は支援先のアフガニスタンで、銃で撃たれて亡くなりました。 この本は、中村さんに助けてもらったことを後世に語り継ぐために、アフガニスタンで出版された2冊の絵本、『カカ・ムラド ~ナカムラのおじさん』と『カカ・ムラドと魔法の小箱』に解説を加えてまとめたものです。
『カカ・ムラド~ナカムラのおじさん』は、中村さんがアフガニスタンで行ってきたこと、事実をもとに描かれた創作です。『カカ・ムラドと魔法の小箱』は、作者のイメージする中村さんが登場するファンタジーです。 診療所を建てて病気を治したり、日照りが続いて乾いてしまった土地に水をひいて緑に変えたり――。
中村哲さんの志を受け取ったアフガニスタンの人々の思い、またアフガニスタンに寄せられた日本からの思い、2つの思いがひとつの形になった1冊です。

3月11日 震災から11年。震災を知らない子どもたちへ

金曜日は『きみは「3.11」をしっていますか? 東日本大震災から10年後の物語』

きみは「3.11」をしっていますか? 東日本大震災から10年後の物語

みどころ

豊富なカラー記事とデータが満載。表紙を見て、一見、難しいのかな? 長いのかな? と思った子もいるかもしれませんが、本を開いてみると文章がひとりひとりに優しく語りかけるように紡がれていく、とても読みやすい1冊です。
「この本を手に取ってくれたきみへ」のメッセージの中に、「2011年の3月11日に大きな地震と津波が起こりました。その時きみは、何歳だったかな。」の語りかけがあり、この本が小学生や中学生に向けて書かれたことが分かります。ソフトカバーで軽く、難しい内容はほとんどありません。ひとりで読むとしたら、小学校4年生ぐらいからでしょうか。すべての漢字にルビも振られています。

本書は5章に分かれているのですが、第1章は、宮城県石巻市にある「石ノ森漫画館」での3.11からの5日間がまんがで描かれています。まんがを描かれているのは、漫画家の細野不二彦さん。最初がまんがから始まるので、本を読むのがちょっと苦手という子でも、無理なく読み進めていけそうです。

つづく第2章は、津波で大切な娘さんを失った中学校教師の平塚真一郎さんの「天国の笑顔のために」。とても胸が詰まり、読み進めるのがつらい場面もありますが、ここに書き紡いで下さったことに感謝すると共に、心に残ることばとたくさん出会うことができます。

第3章は、東北を代表する新聞社「河北新報社」が集めた被災地の「声」。41人の方それぞれの震災体験とそこからの日々のこと、読者へのメッセージが伝わります。それぞれに大きな困難や悲しみに見舞われながらも、周りの人々に支えられ、前に進んできた歩みが力強く感じられます。

第4章は、〇〇で見る3.11ということで、「新聞で見る3.11」「地図で見る3.11」「数字で見る3.11」「写真で見る3.11」……というように、とても分かりやすく震災に関するデータがまとめられています。

そして最後の第5章は、観光学者の井出明さんによる「死の意味と復興の力強さ」と題したまとめが語られます。
この章では「なぜ震災を学ぶのか」、その理由がストンと胸に落ち、さらに防災の世界でしばしば語られるという「2度目の死」ということについてじっくりと教えて下さいます。

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3月12日 貧困や病に苦しむ人々の救済に捧げた生涯とは

土曜日は『マザーテレサ』

マザーテレサ

出版社からの内容紹介

マザーテレサは、こまっている人や動物をみかけるとたすけてあげるやさしい女の子。インドでまずしい人たちをささえてきた神父さんの話をきいて、自分も同じことをしたいと思っていました。そして、18さいのときに家族とわかれ、世界へと旅立ったのです……。ノーベル賞平和賞を受賞し、今なお多くの人々をみちびくマザーテレサ。その生涯をやさしい言葉と親しみやすい絵で伝える。子どものころの夢や思いをむねに、よりよい世界を目指して活動した人たちの物語。はじめてよむ伝記えほん。

3月13日 勇気と希望の言葉は今も私たちを励まし続けます

日曜日は『キング牧師の力づよいことば』

キング牧師の力づよいことば

出版社からの内容紹介

世界をうごかし、今もわたしたちをはげましつづけるキング牧師の力づよいことばと、愛と勇気にみちた生涯を、詩のように簡潔な文体と、才気あふれる大胆なコラージュで描き出す。2002年全米図書館協会選定コレッタ・スコット・キング・オナー賞、2001年ニューヨークタイムズブックレヴュー優秀絵本選定、2002年コールデコット・オナー賞受賞。

激動の時代の中で、自由と平和を希求し行動した先人たちからの時を超えたメッセージ。今大きな困難の前にいる私たちの力強い道しるべとなることを願います。

 

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

 

 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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