【今週の今日の1冊】行き道、帰り道、さんぽ道。さまざまな道の絵本特集♪
2022年4月11日から4月17日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
いつも歩いている道はどんな道ですか? 通いなれた道? それとも新しく通うようになった道?
通いなれた道でもいつ通るか、だれと通るかで見えるものが変わってきそうですし、それが新しい道となったら、新鮮な驚きや発見がたくさんありそうですね。また今の時期は、外をお散歩するのにもとってもいい季節! ということで、今週は「道の絵本」を集めてみました。さあ、どんな道に出会えるでしょうか。
4月11日 子どもの視線でたどる、保育園に行って帰る一日
月曜日は『いってらっしゃーい いってきまーす』
出版社からの内容紹介
なおちゃんは、朝、お父さんと自転車に乗って保育園にいきます。かどのたばこ屋のおばあちゃんが手をふってくれます。保育園で友だちとあそび、昼ご飯を食べ、お昼寝をすると、夕方にはお母さんがお迎えにきます。お母さんと夕飯の買い物をしながら歩いて帰るなおちゃんは、たばこ屋のおばあちゃんに、ただいまをいって……。なおちゃんの一日を、子どもの視線で丁寧に温かく描きます。
4月12日 園からの帰り道、どんなおしゃべりするのかな?
4月13日 道路の白い線から落ちずに無事に帰れる?
水曜日は『ぼくのかえりみち』
みどころ
「この白い線から落ちたら 大変なことになるんだ」
学校からのかえりみち。道路の白い線だけを通って家に帰ることを決意するそらくん。
落ちないように、ゆっくりゆっくり、そろーりそろーり・・・
出発したその瞬間、そらくんのまわりは異世界に!大冒険にのぞむ男の子の姿が浮かび上がってきます。
すさまじい断崖絶壁、大きくてっちょっと危険な敵。さらにむかえる難関は・・・?
誰もが「あ、同じことやったことがある」という感想を持ちながら、あっという間にこの絵本の世界に引き込まれ、思わずドキドキしてしまうのがこの絵本のすごさ。子どもたちにとって、手に汗にぎりながら見たそれぞれの場面はずっと忘れることなく頭の中に残っていくんじゃないかな。
それにしても、最後のそらくんの表情は最高にいいなぁ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
4月14日 学校からのかえりみちは、冒険でいっぱい!
木曜日は『アブナイかえりみち』
みどころ
学校のかえりみち。本部での会議を終えた、ぼくたち「ほうかごスペシャル探検隊」は目的地目指して出発だ!
冒険の始まりは校門前の商店…ではなくて「ンラズスとりで」。凶暴な部族に襲われないように無事に通り抜ければ、今度は「地獄の平均台」。左に落ちれば激しい川に流され、右に落ちればジャングルに。「ひゃあーー!!」4号が落ちてしまった。慌てて駆けつける隊員たち。「チマンホいちば」では2号がオババーンぞくに囚われた。そして、みんなは逃げ出して…!
きみたち、こんな感じでちゃんと目的地「チンダ・ダラハ」に到着できるの?
突然何を言っているのか理解不能に陥っているお母さま方。
これが小学生男子の妄想ワールドなのだそう。
男子の手にかかれば、退屈な帰り道なんて存在しません。どう猛な怪獣や敵がいつ襲ってくるかわからない危険な道を進みながら、時には仲間を助け、裏切り(?)、みんなで目的地へ向かうのです。
最近読んだ本の影響?テレビ?漫画?
なんだって構いません。男子の妄想力はこんなところでたくましく育っていくのかもしれません。
真剣な顔、泣きそうになっている顔、いよいよって時の顔。男子らしく生き生きとした表情を見せてくれています。
探検が終わった後の一言「さあ かえろう」が、やけにかっこよく響いています。
こんなハチャメチな世界を、男子の頭の中に忠実に描き出しているのは、人気絵本作家山本孝さん。
実際の帰り道と、大冒険の世界を見比べれば見比べるほど笑ってしまいます。
見立て方はダイナミック、そして細かい。山本さんも男子ですからね、熱さが伝わってきます。
一体「チンダ・ダラハ」とはどこだったのでしょうか。
そういえば、毎朝「すごい夢をみた…」と呆然とした顔で起きてくる我が家の息子。
夢の中でこんな冒険を繰り返しているのか。忙しいはずです(笑)。
今度詳しく聞いてみよう!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
4月15日 女の子の目線で進む、愛しい日常の「みち」
4月16日 絵本をめくってお散歩へ。「さあ おそと いこう!」
土曜日は『おさんぽ』
出版社からの内容紹介
「くっく はいたよ さあ おそと いこう!」よちよち歩きをはじめたお子さんが、お散歩に出かける前や出かけたあと、お散歩できない雨の日にも!お散歩に出かけたようにページをめくれる“体験型お散歩絵本”。
「たんぽぽ・だんごむし・ちょう・ねこ・いぬ・きんぎょ・あり・チューリップ・すずめ」など、お散歩で出会える植物や動物、昆虫や魚類、鳥類まで、さながら図鑑のようなリアルさで、丁寧に描かれています。
出会ったときには、さっと逃げていってしまったねこにも、絵本の中ではリアルなイラストで再会できるので、じっくり観察できます。
「たんぽぽの種、フーッしてみよう」「この、丸まっちゃった虫はなんでしょう?」「明日も金魚に会えるかな?」など、お散歩前後の親子のコミュニケーションが、ぐんと広がるので、自然と、モノの名前を覚えるきっかけにもなるファースト絵本です。
4月17日 五味太郎さんデビュー作。いろんなみちを探そう!
いかがでしたか。
これまで通ったいつかの道を思い出したり、今通っている道のことを考えたり、あるいは、行ったことのない道について想像してみたり……、絵本を眺めながらあれこれ思いを巡らせてみるのも楽しそうですね。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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