小学5年生の子に手渡したい児童書ベストセレクションよりこの3冊をご紹介(1)
より深いテーマの作品にチャレンジ
思春期の入り口にさしかかり、登場人物の微妙な心の動きが理解できて楽しめるようになってきます。
友情、衝突、成長といったテーマの作品にどんどんチャレンジしたいですね。
親にすてられたのに明るく文才のあるヨーニー、母思いのマルチン、力のつよいマチアス、ちびのウリーなど、
個性のちがう少年たちの織りなす、悲喜こもごもの群像をみごとに描きます。
五年生の七子は、坂木町に引っ越してきたばかり。ある日、クラスメイトの鳥羽が、公園でしゃべっているのを見かけた。そばにだれもいないのに、男の人の声が聞こえる。話し相手は、なんとカサツボ。鳥羽は、ものに宿った「魂」、「ものだま」の声を聞くことができ、「ものだま探偵」として、この町で起こるふしぎなできごとを解決しているというのだ…。
100年以上前のアメリカに「ロボ」と呼ばれる巨大なハイイロオオカミがいました。とても賢く、どんな毒入りの罠をしかけても、決してだまされることがありませんでした。
これは、ロボがどんなふうに大地をかけまわり、妻ブランカと情愛で結ばれていたのかを、追いかける人間(作者、アーネスト・T・シートン)の側から記録した物語です。
雨があまり降らない、赤茶けたニューメキシコ(いまのアメリカ南部一帯)の高原。しかし川沿いの低地には緑があふれ、たくさんの羊や牛が放牧されていました。そこに君臨するのが、オオカミ王、ロボでした。牧場主たちがどんなに用心しても、ロボとその仲間は、ねらった家畜を確実にしとめ、ゆうゆうと暮らしていました。
ロボの首には懸賞金がかけられますが、名だたる猟師が挑戦しては、みなことごとく失敗して去っていきます。
友人から話を聞いたシートンは、ロボとの知恵比べに挑みました。くふうをこらした罠をしかけ、足跡を追い、観察し、記録する日々が続きます。そしてついに、本物のロボを目の前にする日がやってきます・・・。
シートン動物記のなかで最も名高い作品『オオカミ王 ロボ』。いくつか訳本がありますが、本書は動物学者の今泉吉晴氏(ムササビ先生)が、様々な資料をもとに、あらたな解釈で訳しなおしたシリーズ「シートン動物記」の中の一冊です。
シリーズデザインは色あざやかな表紙に金泊押しで統一され、小さめのソフトカバーがおしゃれ。前半は読みやすい物語、後半はQ&Aや資料がぎっしりの2部構成。小学生が読みやすいよう、むずかしい漢字にはルビがふられています。
実は100年以上前にこの物語が発表されたとき、作者のもとに子どもたちからの手紙が殺到しました。「あなたは、あんなオオカミたちを殺すなんて、心もない人です」とシートンを非難する10歳の女の子の手紙が、Q&Aで紹介されていますが、それだけ多くの子がオオカミに心をよせたことは、当時、画期的なことだったのです。
時をこえ、オオカミはもはや世界的に激減している現代。『オオカミ王 ロボ』は、貴重な真実であるとともに、野生動物の知恵や存在感をわたしたちにひしひしと伝えてくれます。今なおわたしたちの胸をおどらせることを証明してくれるのです。本書にたっぷり収められた、シートン自ら描いたスケッチや絵は、野生動物を観察するときの心情にあふれて一見の価値あり。興味をもったら他の本(動物)もあわせて読んでみてくださいね。
小学生から大人まで、はるかかなたの動物の王国へ、一気にいざなってくれるでしょう。
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