【絵本クラブ】vol.3 子どもが本好きになるために、親ができることって?
「お子さんが絵本に興味を示さない」とお悩みの方へ
絵本を読んであげたときのお子さんの反応はいかがでしょうか?
ものすごく喜んで何度も読んでとせがんでくれると親も俄然やる気が出るものです。でも反応がいまいちのとき、ありますよね?お子さんの心は外からは見えません。いったいどういう風に感じているのかなかなかわかりませんが、そこには必ず何かの反応が起きているはずなのです。
お子さんが遊ぶうえで、最初から反応がいいとか、すぐに答えがでるとか、結果がわかるというものが好まれることがあります。あるいは向こうから勝手にやってきてくれるとか自動的に動くとか・・・。こういうものは刺激が強いということと多くの点において重なっていることが多いものです。
さて、絵本とはどういうものでしょうか?
自分からは動かないし、しゃべってもくれない。特に字を自分で読めないお子さんにとってはそこにおいてあるだけだと、何も始まらない地味なものです。 でも、効率やスピード、刺激の強さ、といった軸だけで子育てを考えると、何か大事なものを見過ごしてしまうのではないでしょうか。
どんなものを見て、聞いて、感じているのか。それぞれの育ちの環境も、情報の吸収のスピードももちろんさまざまです。
私たちは、「絵本は遅効性のメディア」と考えています。
絵本はたしかにそこにあるだけでは、何も生み出すようには見えません。でも、一番身近にいる大人が、その声でお話を語ってあげることで伝わるものは、安心と信頼といったものだけではありません。それ以外にも本当にいろいろなことを感じているはずなのです。お子さんは毎日いろいろなことを吸収して成長していく中で、その何かと何かがつながったり、思い出したり、そういう繊細で、とても微妙な反応の蓄積がお子さんの興味を広げ、心を豊かなものにしていくのです。
これが「遅効性のメディア」の説明です。
非効率で速効性はなく、刺激はゆっくりと進みます。しかし子どもの育ちにはこのプロセスが絶対に必要なのです。
子どもが本好きになるために、親ができること
「子どもには本好きになって欲しい」というのは、多くの親の願いではないでしょうか。きっと本から多くのことを経験し、学んでくれることでしょう。
本を好きになることは、人類が築きあげてきた膨大な知識と知恵の世界へのフリーパスを手に入れるようなものと言っても過言ではないでしょう。では、子どもが本好きになるために親ができることは何でしょうか?
親子で絵本を読む時間を楽しむこと。
本の世界にスムーズに入っていけるかどうかは、親子で楽しく本を読む時間にかかっています。
ひざの上で、となりに並んで、寝る前に横になりながら、大好きなママ・パパにお気に入りの絵本を読んでもらう時間は、子どもにとって至福のひとときになることでしょう。
この「幸せな時間」の積み重ねが、親との信頼関係や、本への愛着を育んでいくのです。
手を伸ばせば、珠玉の絵本がすぐに読める環境を用意すること。
絵本には、ずっと時代を超えて愛されている名作から新進気鋭の作家が描く今の時代の傑作まで、面白い作品が実に数多くあります。親子のコミュニケーションを促してくれたり、美しい絵で楽しませてくれたり。ハラハラドキドキの冒険物語、腹を抱えて笑っちゃうナンセンス絵本、知的好奇心を刺激してくれる作品、感性を揺さぶる力作・・・。
これらの素晴らしい作品に「手が届く」環境を用意することが大切です。図書館に行ってたくさんの作品に触れることはよい選択肢のひとつですが、「自分の絵本」がおうちに揃っていて、いつでも手にとれる環境を作ってあげられたら最高です。
絵本クラブを0歳から小学6年生まで継続すると、約300冊の絵本・児童書がそろいます。 絵本のある暮らしは、きっと、お子さんにとって一生の宝物になることでしょう。
【word by 金柿秀幸(絵本ナビ代表)】
絵本クラブでは、コース毎の配本内容をすべて公開中です。
ぜひ、お子さんと一緒に見てみてください。意外なところで興味を示してくれることがありますよ!
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