『モチモチの木』-子どものころは怖かったけれど
絵本ナビに日々寄せられてくるのは、ユーザーからのたくさんの生の声。実際に絵本を読んだ時の子どもたちの反応やエピソードからは、ストーリーを超えた魅力まで伝えてくれます。
「どんな絵本を選んだらいいのかわからない」「購入するかどうか迷ってしまう」
そんな方のために、絵本ナビユーザーがおすすめする絵本をレビューとともにご紹介します!
今回は『モチモチの木』を取り上げます。
『モチモチの木』子どもを勇気づける、優しさにあふれています
図書館で、見慣れた表紙のこの『モチモチの木』絵本を見つけました。
絵本の内容はほとんど覚えていませんでしたが、この絵の迫力に「怖い」というイメージだけがありました。
可愛いもの好きで、怖い絵本は苦手な娘には、受け入れてもらえないかな、とずっと様子を見ていました。
5歳になり、面白くて楽しい絵本以外も、受け入れられるようになってきたこともあり、借りてみました。
私が子どものころには、不気味で怖いと思っていたモチモチの木。こんなにも美しかったんですね。そして「じさま」は優しく、大切なことを教えてくれていたんですね。
豆太のように臆病な娘ですが、この絵本の中で、豆太が痛くて寒くて、泣きながらも助けを呼びに走る場面、「だいすきなじさまの しんじまうほうが、もっとこわかったから」という文章に、うなづきながら、真剣に聞いていました。
最後のじさまの言葉は胸に響きます。
子どもを勇気づける、優しさにあふれています。
(solicaさん 30代・ママ 女の子5歳、女の子2歳)
淋しさ・貧しさ・寒さが空気として感じられ
『モチモチの木』やっぱり日本が世界に誇れる名作ですね!
斎藤・滝平作品をまとめて、お話会で読んでみたくなりました。
この作品の中に漂う祖父と孫の二人暮しという淋しさ・貧しさ、そして、霜月という寒さが、空気として感じられます。
片寄せあい思いやりを持ち合い暮らしている二人。
どうにも夜になると仕様もなく臆病風に吹かれてしまう豆太。
それを寛容に受け止めるじさま。
この先わが身に何かがあればと、豆太の行く末を考えるとやるせない日もあることでしょう。
モチモチの木に灯がともる霜月二十日の丑三つ時は、山の神様のお祭りの日。
たった一人の勇気のある子どもだけが、見ることのできる“モチモチの木にともる灯”。
豆太のなくなったおとゥもじさまも子どもの頃に見たというのに、今年も臆病な豆太には、無理のよう。
ところが、真夜中に腹痛で苦しむじさまのために、豆太は・・・。
豆太の優しさが豆太を突き動かし、勇気ある行動へ。
そして、豆太と一緒に読者の皆さんも息を呑み“モチモチの木にともる灯”の美しさに感動すると思います。
滝平先生の切り絵が、とにかく素晴らしい。
モチモチの木の昼と夜の表情の細やかな違いは圧巻です。
本当に何度読んでも味わい深い作品です。
これから先の時代の人たちにも、読み継がれていく事でしょう。
(アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子12歳)
みどころ
幼い豆太とやさしいじさまの心温まる物語。臆病豆太が勇気を奮い立たせるできごとがあり、本当のやさしさ・思いやりの意味が伝えられます。霜月二十日の晩、モチモチの木に灯がともるという言い伝えは、夢のような美しいイメージを加え、豆太の勇気をたたえます。
家の横に立つ「モチモチの木」は豆太が命名したもの。秋になると実をつけ、実を粉にしておもちにするとほっぺたが落ちるほどおいしいそう。どんなにおいしいのか、食感をそそりますね。切り絵が美しい名作絵本です。
――(ブラウンあすか)
出版社からの内容紹介
豆太は、夜中にひとりでおしっこにもいけない弱虫。でも,大好きなじさまのために・・・。真の勇気とは何かを問いかける感動の絵本。
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