春に読みたい♪『かもさんおとおり』 子育てって大変で楽しい!
この連載記事は、絵本ナビから生まれた絵本ガイドブック『幸せの絵本ー大人も子どももハッピーにしてくれる 絵本100選』の内容を期間限定でご紹介していく企画です。
読むと幸せな気持ちになれる絵本を、絵本ナビに寄せられたみんなのレビューでご紹介しています。
ベストセラー絵本ガイドブックをまるごとお見せする太っ腹企画をお楽しみください。
家族いっしょにいる幸せ
家族って、何でしょう。
血がつながっていること?いっしょに住んでいること?
いえいえ、家族いっしょはこんなにも楽しいのです。
巣を作る場所を探してボストン上空を飛んでいた、かものマラードさんとマラードおくさん。チャールズ川の中洲が気に入り、水辺の茂みに巣を作りました。
巣に産んだたまごから8羽のひなが生まれ、マラードおくさんの子育てがはじまります。
ひなが大きくなると、ボストンの公園の池に移り住むことに。
チャールズ川から公園の池まで、仲良しのおまわりさんの助けも借りて、マラードおくさんと8羽のひなたちが大行進です。
<みんなの声から>
かもの子育ても大変です
(はなしんさん 30代・ママ・千葉県市川市 女5歳、男3歳)
かもの夫婦が、子育てのための巣を作る場所を探します。
なるほど、かも達は、こんなことを考えながら、生活しているのか、と興味がもてました。
子育てによい環境を選ぶのが大変なのは、鳥も人間もおんなじなんですね。子供(卵)を生むと、お母さんは、巣から離れられなくなるのもおんなじです。何だかとても共感を覚えてしまいました。
そして、かものお引越し。まだ、飛べない幼い子供を連れての引越しは、交通の激しい車道を渡る、とても危険なものです。そこへ、顔見知りのお巡りさんの親切で、なんなく目的地まで着くことができました。
もう、見ていてドキドキ。娘もホットしていました。子供達の名前が、面白いと言って、そこばかり何度も読まされました。
ほのぼのとして優しい気持ちになれます。
誇らしげにみんなで大行進
(ムースさん 40代・ママ・その他米国 男10歳、女4歳)
カモのマラードさん夫婦・一家のほのぼのぶりが描かれた作品。8羽のコガモをつれたマラードおくさん(お母さん)が、ボストンの街中を公園目指して大行進するところが山場です。途中遭遇するできごとを通した、人々とのふれあいが印象的。
家族とはこうあるべき……というような、古きよき時代の米国の家族観がうかがえる作品でもあります。マラードおくさんの夫に対する話し方からも、時代性、地域性が伝わってきます。たとえば「~のようですわ」「~ありませんわ」などなど。気品を備え、なおかつ、子育てにも信念を持って大奮闘のマラードおくさんが魅力的です。
英語版が家にあるのですが、それほど手にする作品ではなかったので、日本語で読んでみたいとずっと思っていました。娘がカモのパペット(親子)を持っていて、これが結構彼女のお気に入り。なので、これに合わせて絵本が楽しめたらいいなというのがわたしのもくろみでした。結果は予想通り絵本の方もお気に入りに。一羽一羽のコガモたちの表情が好きみたいです。もちろん、ジャック、カック、ラック、マック、ナック、ウァック、パック、クァックという名前も。近所で野生のカモの夫婦を見かけたのは、5・6年前が最後だったでしょうか。最近、また新しい夫婦が来ているようですが、わたしはまだ見かけていません。
それにしても、こんな名作絵本に地図入りで登場するボストンの街がうらやましい。いつか子どもと一緒に訪ね、ビーコン通りやマウント・バーノン通りなど、カモたちが歩いた足跡をたどってみたいなと思いました。
<作者紹介>
ロバート・マックロスキー
1914年、アメリカ オハイオ州生まれ。1940年より絵本の出版を開始。「かもさんおとおり」でコルデコット賞受賞。1957年「すばらしいとき」(福音館書店刊)で二度目のコルデコット賞を受賞。「サリーのこけももつみ」(岩波書店刊)などの作品がある。
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※校正前の原稿を元に掲載していますので、実際の本の内容と異なる部分があります。
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