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幸せの絵本ー大人も子どももハッピーにしてくれる 絵本100選

『くんちゃんのだいりょこう』 可愛い子には、旅をさせよ…の絵本!

この連載記事は、絵本ナビから生まれた絵本ガイドブック『幸せの絵本ー大人も子どももハッピーにしてくれる 絵本100選』の内容を期間限定でご紹介していく企画です。

 

読むと幸せな気持ちになれる絵本を、絵本ナビに寄せられたみんなのレビューでご紹介しています。

 

ベストセラー絵本ガイドブックをまるごとお見せする太っ腹企画をお楽しみください。

家族いっしょにいる幸せ

家族って、何でしょう。
血がつながっていること?いっしょに住んでいること?
いえいえ、家族いっしょはこんなにも楽しいのです。

 

子どもならではの無理そうな挑戦。
親としてはついうっかり「そんなこと無理なのだから、やめておきなさい」と行ってしまいますが…
可愛い子には旅をさせよ、お子さんの挑戦、成長を見守る両親のやさしさと強さ、そして子どもたちのたくましさがまぶしい一冊です。

冬も近いある日、子ぐまのくんちゃんはおかあさんとおとうさんと散歩に出かけました。
木の上の鳥に話しかけたくんちゃんは、鳥達が暖かい南のくにへ飛んでいくことを知ります。
くんちゃんはおかあさんに聞きます。
「ぼくも みなみのくにへ いっていい?」
くまは冬は眠るのですとおかあさんはたしなめますが、くんちゃんはききません。
おとうさんは、
「やらせてみなさい。」
そうしてくんちゃんの大旅行が始まります。

<みんなの声から>

子どもらしい発想がたまらない


(ムースさん 30代・ママ・その他米国  男9歳、女3歳) 


 南に渡って行く渡り鳥たちに触発されて、自分も南の国へ行ってみたくなったくまのくんちゃん。お父さんとお母さんに許可を得て丘に登ります。丘の上に到着すると、お母さんにさようならのキスをするのを忘れたことを思い出し、キスをしに家に戻ります。再び、丘に登ると遠くの空で点のように小さく見える渡り鳥たちを見て、双眼鏡が必要なことを思い出します。再び家に戻り、おかあさんにキスをして、双眼鏡を左の肩にかけて丘に登ります。双眼鏡で川を見たことから、つりざおが必要と思ってまたまた家に戻り……。

 

大旅行って、どんなことするのかな……と思っていたら、くんちゃんらしい、可愛らしい大旅行でした。丘と家の間を何度も往復して、最後は疲れ果てて、コテン! 何気ない発想と行動がとても子どもらしくて、静かに感動してしまうのがくんちゃんのお話。9歳の息子も、クスクス笑いながら楽しんでくれました。いたずら好きな彼のこと、くんちゃんの気持ちがとってもよくわかるのでしょう。くんちゃんのお話を楽しむ彼の姿にわたしもホッとしてしまいました。くんちゃんの魅力がわかる限り、まだまだママと一緒だよと、わけのわからない連帯感を抱いています。

 

子供の成長の過程が、垣間見えます


(魔女アイコさん 30代・ママ・北海道札幌市  女5歳)

 

 子供の冒険って、こんな風に始まるんだったなぁと、思い出したり、感心したり。
自分の幼い頃を、思い出して、なんだかくすぐったくって、暖かい気持ちになりました。
冒険に行こうとして、勇ましくでかけましたが、お母さんが気になって、戻ってくる。
また、出かける、戻ってくる、出かける・・・の繰り返しは、子供が大人になるまでの成長の過程のようです。
私も、くんちゃんのお母さんのように、何度も出かける度に、キスをして、暖かく見守ってあげたいな。

 

くんちゃんにとっての、大冒険。


(はなしんさん 30代・ママ・千葉県市川市  女6歳、男4歳)

 

大旅行というので、世界一周でもするのかと思いや・・・、とてもとてもかわいらしく、微笑ましくなる、だいりょこうでした。
でも、子供の頃、自分では、すごく遠くまで大冒険したなー、と思っていた距離も、大人の今となっては、全然たいした距離じゃなかったりすること、私の思い出の中にも確かにあります。
このお話も、はたから見ていると、忘れ物ばかりして、何度も家に帰っているし、近所を行ったり来たりしているだけだけれども、本人のくんちゃんは、きっと一生懸命なのです。
こうやって、子供は少しづつ、冒険を繰り返しながら大きくなるんだろうな。
くんちゃんの両親のように、私も温かく見守り、のびのびと育ててゆきたいです。

<作者紹介>

ドロシー・マリノ


1912年アメリカ オレゴン州生まれ。カンザス大学で絵を学んだ後、ニューヨークで働きながら絵の勉強を続け、絵本をつくるようになった。「くんちゃんとはじめてのがっこう」、「くんちゃんとふゆのパーティー」(以上ペンギン社刊)などの作品がある。

http://www.ehonnavi.net/shopping/category.asp?n=6431
掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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