転校の季節に読みたい絵本『とんことり』
この連載記事は、絵本ナビから生まれた絵本ガイドブック『幸せの絵本ー大人も子どももハッピーにしてくれる 絵本100選』の内容を期間限定でご紹介していく企画です。
読むと幸せな気持ちになれる絵本を、絵本ナビに寄せられたみんなのレビューでご紹介しています。
ベストセラー絵本ガイドブックをまるごとお見せする太っ腹企画をお楽しみください。
友達がいる幸せ
気の置けない友達とのおしゃべり、楽しいですね。
そんな相手がいる、あたりまえではありません。
かなえは引越しで知らない街にやってきました。
荷物の整理を手伝い、疲れて座っていると、玄関の方でちいさな音がします。
「とん ことり」
引っ越してきたばかりで郵便がくるはずがありません。
かなえが見に行ってみると、郵便受けの下にすみれの花束が落ちていました。
玄関のドアを開けますが誰もいません。
次の日も小さな音が聞こえます。「とん ことり」
郵便受けにはたんぽぽが3本はさんでありました。
次の日も「とん ことり」と音がして、今度は手紙が入っていました。
これはきっと私に来た手紙にちがいない・・・
そして次にあの音が聞こえたとき、かなえは「まって、まって!まってよう!」と叫んで玄関のドアを開けます。
<みんなの声から>
すてきな響き、とん ことり!
(ぼのさん 30代・ママ・新潟県中頸城郡 男9歳、女6歳、女2歳)
何気ない日常、どこにでもありそうな出来事、なのにこんなに、惹かれてしまうのは、女の子の心の中や表情をていねいに描写している(文章も絵も!)からなのですね。
私自身も大人になってからですが、引っ越しを何度も経験していて、新しい友達(子供にも、自分にも)できるかな~という、期待と不安が入り交じった複雑な心境は、痛いほどよくわかるので共感を覚えます。
そして、ラスト2ペ-ジの女の子たちの、まばゆい表情がすてきですね。
転勤族の娘
(北アルプスの少女さん 20代・ママ・岐阜県中津川市 女3歳、女2歳)
私の家は、転勤族で長女は生まれてから2回引っ越しをしました。今の住所には、今年の春に引っ越してきたばかりです。1回目の時は、長女も小さく何もわからなかった様ですが、2回目の時は、なかなか新しい家を、自分の家だと認めず、友達が遠くなってしまったことを寂しく思っていました。そんな長女にこの本を読んであげると、「私みたいだね」と言っていました。これから、大きくなるにつれて友達と離れる寂しさや新しい友達を作ることの恥ずかしさは大きくなっていくと思いますが、この本を読むことによって、誰かが、自分を見ていてくれること、ほんの少し勇気を出せば、友達と楽しい毎日が送れることを、学び取ってくれたらいいと思います。この本には、その力があると思います。
<作者紹介>
林 明子(はやし あきこ)
1945年東京生まれ。横浜国立大学教育学部美術科卒業。絵本作家として活躍中。「きょうはなんのひ?」(福音館書店刊)で、第二回絵本にっぽん賞受賞。「おふろだいすき」(福音館書店刊)で、サンケイ児童出版文化賞美術賞受賞。
<関連グッズのご案内>
お馴染みのロングセラー作品『こんとあき』から、「林 明子 こんとあき ガーゼハンカチ」登場です。普段使いではもちろん、ご入園やご入学、出産祝い、帰省シーズン、クリスマスの贈り物として、絵本と一緒にどうぞ!
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※校正前の原稿を元に掲載していますので、実際の本の内容と異なる部分があります。
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