おはよう都庁。 2017年5月30日
朝、天気が良い日は、新宿駅からの長い通路を抜けた時に見上げます。これは、新宿が好きになってきた最近の新しい習慣。新宿のビルって、快晴の空がよく似合うのです。ほら。
「おはよう、都庁。」
なんて、つぶやいてみたりして。その位爽やか。
そして左を向いて我が三角ビルに吸い込まれていく自分です。
仕事、仕事。
それにしても。
都庁って…今にも動き出しそうじゃありませんか?
見上げるたびに思い出す絵本があるのです。それが、これ。
兄ちゃん、どストライクでした。
親友だと思ってた友達に殴られて、
思わず泣いてしまったおれ。
「おまえ、かっこつけんなや」
そうなんだね、男の子ってそういうことあるんだろうね。
先生に褒められた、女の子から人気があった、ほんのちょっとした
きっかけで、一方的に殴られちゃうなんて。
しかも、理由は全く分からない。
悔しい気持ちでいっぱいだけど、それは「殴られた」からじゃなくて
「何もできなかった」から。
どうする?どうする?と自分のことのように真剣な顔で
兄ちゃんは一人で読んでいます。
泣きながら家に駆け込んで、向かった先は、部屋の押入れ。
「ウチロボ、はっしん!」
兄ちゃん。すっげ~!!とつぶやきつつ、ページをめくります。
こうたくさんのあの濃い絵と細かいしかけで大興奮の兄ちゃん。
ウチロボの迫力に大興奮でしたが、一番最後のページをめくる時。
「そうだよな、ちゃんと対決しなきゃ」と言ってました。
いつか、こんな時が来たら。これ読んで頑張るんだぞぉ~!!
(わにぼうさん 40代・ママ 男の子10歳、男の子6歳)
ガシャン、ピーッ!
ガシャン、ガシャン!
ガシャガシャ ガシャガシャン、ピーッ!
都庁を見上げながら、こんな音が聞こえてきてしまうなんて、中学生の息子に脳が侵略されているのかもしれない。だって、「ウチロボ大図解」なんてページを見てしまったら、大人だって、やっぱり妄想がとまらなくなってしまいます。
でも、この絵本。最後はロボの力なんてかりないで、自分の足で立ち向かいます。えらいぞ、男子。自分の弱さから逃げ出さないってことも、時にはとても大事なことです。
…ということで、仕事、仕事。
磯崎園子(絵本ナビ編集長)
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