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「新宿絵本日記」

絵本をもらった話。 2017年7月4日

 

先日、会社の後輩の結婚式に出席してきました。
その時に、新郎新婦が好きな絵本を数冊選び、招待客それぞれに「渡したい絵本」というのを贈ってくれたのです。

 

私がもらったのは『ハグタイム』という絵本。読んですぐ、まわりの人たちみんなに愛されながらも、どこか凛として、しっかりと自分の思いを実行していく主人公の姿が彼女と重なってきます。

 

世界中の人たちを思いながら、自分の近くにいる人たちのことも大切にしたい。そんなまっすぐな思いが伝わってきます。

 

聞けばこの絵本は彼女にとって、座右の銘ならぬ「座右の絵本」だという。
納得です。

 

では、もらった私はどうなんだろう。
こんな風に、世界の人たちのことも、まわりの人たちのことも、同じ熱で接することなんてできるかな。思い立ったらすぐに行動、なんてちょっと苦手かもしれない。真似することだって、難しいかもしれない。

 

でも、そこで自分に落ち込んだりはしません。
じゃあ私には何ができるかな、と考えることができます。どうして私にこの絵本を贈ってくれたのかな、って思いを馳せることができます。これから、この絵本を通して彼女のことを見てみようかな、と興味を持つことができるのです。

 

 

いい贈り物です。

ハグタイム
ハグタイム

「せかいをまるごと だきしめたい」

そう思っているのは、このお話の主人公の子猫ジュール。ジュールは、小さな身体を大きな愛でいっぱいにして、その決意を一緒に住む女の子ドージィに伝えます。ドージィは、ジュールにセーターを着せて、旅に送り出してあげます。

ジュールの計画は念入りです。
「ハグめいぼ」を作り、2回チェックします。その後、親友たちとハグを交わし、いよいよ船に乗り、旅へと出発するのです。さて、ジュールはどこへ向かい、だれとハグをしたのでしょうか。「せかいをよくする」ことはできたのでしょうか?

小さなジュールが旅の途中に身をもって感じたことは、意外にも…「ひとりぼっち」の心細さ。だけど、その時ジュールはかけがえのない出会いをするのです。それは?

この絵本を読む人に、ジュールは「せかいをよくする」ために一番大切なこと、私たちでも出来る一番簡単なことを教えてくれますよ。
さあ…「ハグタイム!」。
思わず誰かに贈りたくなる、愛しさにあふれた一冊です。

 

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

http://www.ehonnavi.net/ehon/23382/%E3%83%8F%E3%82%B0%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0/

本を人に贈るって、結構むずかしい。
もらった方は読みながら「共感したいのかな」「この内容を伝えたかったのかな」「気まぐれなのかな」…なんて、その人と、本と、自分について色々考えちゃったりします。だから面白いのかもしれませんね。

 

ちなみに、私の座右の絵本は『やっぱりおおかみ』。…なので、人に贈るというのはどうだろうか、とか思ったりしています。

磯崎 園子(絵本ナビ編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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