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「新宿絵本日記」

見ているようで、見ていない? 2018年1月31日

 

いつだって自分の息子は可愛い。
できればずっと観察していたいし、見守っていたい。

 

好きなものを沢山食べてほしいし、
友達とは仲良くやってほしい。

 

夢中になれるものに打ち込んでもらいたいし、
出来れば、ちょっとモテて欲しい。

 

「え、足が痛いの? それは大変、大変」

 

だから今日だって、仕事に行く前に急遽一緒に病院に連れていきます。
心配だもの。じゃあ、駅前のコンビニで待ち合わせね。


……あ、こんな時間。
大変、早く電車に乗らなきゃ遅刻、遅刻。

 

…ん…あれ?
私、息子と待ち合わせしていたんだった!!
へへへ、ごめんごめん。忘れていたわけじゃ…ないよ。
んーー正確に言うと、一瞬だけ忘れていたかな。

 

いつだって、しっかり見守っているつもり、なんだけどねえ。

きみはしっている

きみはしっている

1979年初版の五味太郎作品、デザインを一新し復刊!
さまざまなタイプの本をつくっている五味太郎さんですが、中でも、絵になぞときを仕掛けた作品は傑作ぞろい。
本書はいかにもそんな五味さんらしい作品です。

「いいかい!? このほんを いま よんでいる きみ! これは ぼくのにくだぞ。」
いきなり呼びかけられて、絵本をのぞきこむ子どもたちは、「ん? だれのこと?」と一瞬戸惑い顔。

荒野にまっかなおひさまが沈む頃、岩かげに肉をかくそうとしているのは……コンドル?
そう、ぎょろっとした目に、頭には毛が二本。
ちょっぴりこわそうで、ちょっぴりまぬけそうなコンドルくんです。
絵本の中のコンドルくんは、明日またお肉を食べるから、残りを大事にかくしておくんだそうです。

「ここに かくして おいたことを、よく おぼえておいて くれたまえ。」
「よく みはってて おくれよ。それじゃあ たのんだよ、きみ!」
コンドルははばたいてねぐらにむかって飛んでいき……あやしいきつねがあらわれます。

さて、ストーリーは、コンドルくんがひたすら自分がかくしたはずのお肉をさがしまわるお話。
犯人はあやしいきつね? それとも……?
「はんには おまえだ!」
コンドルくんに決めつけられて、荒野の生き物たちは「ちがうってば」「ばかいうなよ」「しらんね」と迷惑顔。
いったい誰が「はんにん」なのか、最初から見ていた「きみ」! おしえておくれよ、というのですが……?
さあ、みなさんは絵本を見てすぐわかるでしょうか?

けっこうむずかしいんですよ、この答え。
一生懸命「はんにん探し」をはじめたら、もうあなたもわたしも五味太郎ワールドの虜です。
だまされずに答えを当てられるか、挑戦してみてくださいね!

(大和田佳世  絵本ナビライター)

https://www.ehonnavi.net/ehon/111109/%E3%81%8D%E3%81%BF%E3%81%AF%E3%81%97%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B/
https://www.ehonnavi.net/ehon/111109/%E3%81%8D%E3%81%BF%E3%81%AF%E3%81%97%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B/

見ているようで、見ていない。
わかっているようで、わかっていない。
信頼しているようで、疑っている!?

 

まあ、息子よ。お互いさまだよね。同じ人間ですから。

 

「…ところで、今日、お弁当なんですけど。」

えっ!?

「五味太郎クラシックス」シリーズ

磯崎 園子(絵本ナビ編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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