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私が今ハマっているこの絵本3冊!

vol.2 自分に合うのは、声に出して読んで伝わる絵本

連載2回目に登場してくれたのは、会員事業部部長の奥平です。

 

絵本ナビでは会社全体を見ながらの仕事も多く、スタッフの相談役としても親しまれている奥平さん。実は、絵本ナビに入社する前は、某大手書店の経理部として長く活躍してきました。好きな本に関してはちょっとうるさいのです。家庭では二人の小学生のお子さんのパパでもあります。最近ではお子さんの小学校や地域の場で「絵本の読み聞かせパパ」としても忙しい様子で…今の生活の中で絵本との関わりが多い奥平さん。あの質問の答えには必然的に興味が膨らんでしまいますよね。

読んで聞かせることが楽しい、これが軸!

―― 何しろ会社イチ声が大きいと評判の奥平さん(笑)、今はご家庭だけでなく地域のいろいろな場所で絵本の読み聞かせをされています。さぞかし子どもたちは喜ぶのでしょうね。

 

子どもたちの反応を見ながら絵本を読むのはすごく楽しいです。僕はもともと児童書とは関係ない部署で働いていたので、絵本との出会いは子どもが生まれてから。でも今では家にもたくさん絵本があるし、読み聞かせで盛り上がる「十八番絵本」も増えてきましたよ。ベストは『おふろやさん』(作:西村繁男 福音館書店)!

 

―― そんな奥平さんに質問します。「最近ハマっている絵本3冊はなんですか?」

 

もうね、1冊目はこれです。

あかにんじゃ

あかにんじゃ

赤忍者は真っ赤な忍者。お城に忍び込みますが、真っ赤な姿はすぐに見つかってしまいます。おいつめられてドロンドローン。変身上手な赤忍者が活躍する痛快娯楽活劇!

穂村弘さんがもともと歌人として大好きで、昔から読んでいたの。(自前のお気に入り著作本を並べながら)短歌の面白さを教えてくれた人なの。その穂村さんが絵本を描いた! 読んでみたらこれが素晴らしい。「あかにんじゃ」が早変わりしながら逃げて行くんだけれど、その突拍子もない飛躍の仕方がすごくて。あり得ないような世界のつながりを飄々と越えていくんだよね。きっと穂村さんは子どもの心をもったまま大人になった人なんだろうな、と。

 

だから、出会いのきっかけは穂村さん。でも、絵がまたすごくて!場面ごとの緊張感が伝わってきて、何度読んでも飽きない。だから、最近では読み聞かせの時はこの絵本を読んでいます。特にお気に入りはここ。

最後の信号機のページ。その前の「あかいそら」のページで、いったんページをめくるのを止めるの。そうすると、子ども達が「にんじゃ、どこにいっちゃたんだろう」って思うよね。そこで最後のこの信号のページを見せるんです。みんな「あ!」って指をさす。

 

これを保育園で読んだら、園長先生からメールがあって、お散歩に行ったら信号機を見て動かなくなった子がいるって教えてくれて。絵本ってすごいですねって。この見せ方は本当にすごいよね!!

―― 確かに! この発見は、くり返し読み聞かせをしているからこそですね。
では続いて2冊目を教えてください。

2冊目はこれ。落語ものが好きなんです。特に志ん朝が大好き。好きな話もたくさんあるんだけど、何が好きって江戸弁の言葉の表現や響きが好きなんだよね。絵本なら、それを読むだけでなんだか落語家になった気分になれるんだよ。

落語絵本2 まんじゅうこわい

落語絵本2 まんじゅうこわい

長屋の若い衆が集まって「きらいなもの」の話に。へび、たぬき、クモ、こうもり、毛虫、アリ…。でも松つぁんだけは、きらいなものがないらしい。
おっと、ひとつだけ…名前を聞くのも言うのも見るのも、こわいのが、なんと「まんじゅう」?!みんなで、まんじゅうを集めて、松つぁんをおどかすことに…。

小1くらいだとオチがわからない、という事もあるんだけど、このお話ならわかりやすいし想像しやすい。登場人物が4、5人っていうのも丁度いい。会話のリズムがね。

 

―― やっぱり、基本的には、声に出してみてお気に入りが決まるんですね。今はどのくらいの頻度で読み聞かせをしているんですか?

 

人前で読み聞かせをやるようになってから8年位経つんだけど、平均月2回は絶対やっているかな。そうやって、声に出して読んでみて伝わる絵本っていうのが自分にあっているみたい。

―― では、3冊目をお願いします。

 

最後の1冊に選んだのは、自分が大好きなこの絵本。三国志の絵本なんだけど、絵が最高に素晴らしい!! ちひろ美術館の原画展で初めて出会って、そこで見惚れちゃった。

三国志絵本 十万本の矢

三国志絵本 十万本の矢

戦乱に明け暮れた中国の三国時代、呉の周瑜は、蜀の孔明の才気をねたみ、命をねらっていた。その挑戦をうけて、わずか3日間で10万本の矢を用意する約束をした孔明。夜明けの深い霧の中、長江に船出した孔明がえがいた計画とは? 中国古典の名作『三国志演義』の痛快なエピソードを絵本化。

―― 他の2冊とは、ちょっと趣がちがいますね。

 

絵本を通して世界を知ることができる、という作品にもすごく興味があります。韓国や中国、アフリカの絵本とか、文化を知ることができるのが面白い。家用に買う時には、そういうチョイスが多いかもしれないです。自分用に選ぶ時には、画集を買う感覚で、もっと趣味にはしるかも。

 

僕が絵本を選ぶ時の動機は、比較的はっきりしていると思う。まず「読んで聞かせることが楽しい」というのが1つの軸。もう1つは「自分の知りたい知識が絵本の中にある」こと。そういう絵本は子どもも結構好きだけどね。

 

―― 奥様はどうですか?

 

僕とは選ぶ絵本は全然違うと思う。奥さんは、結構名作と言われる絵本をおさえてくれるから、僕が買うのは変化球ばっかりかな。だから、タイトルは知っていても読んだことのない絵本も結構あります。

 

―― 絵本はどうやって探すことが多いですか?

 

それこそ絵本ナビのインタビュー記事やメルマガ、レビューとかで気になったものとか。ユーザーさんと全く同じ目線です(笑)。選び方に関しては全く慎重ではなくて、いいと思ったらすぐに買っちゃう。そうやって、気に入って買うという行為が好きみたい。だからいいお客様なんです、僕。
だけど僕のいいところは、そうやって気に入ったも絵本は絶対に捨てないこと。どれも買うときの理由や流れが明確にあるからね。

 

―― なるほど。なんだか明快な理屈!(笑)。納得しちゃいました。

奥平さん、ありがとうございました!

 

普段から話し上手な奥平さんは、ハマっている理由もとってもわかりやすくて面白いですよね。父としての視点、男性としての視点がとっても新鮮なセレクトでした。


…それにしても、選んでくれた3冊、これから後何回くらい読むのでしょうね。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部