絵本ナビスタイル トップ  >  ライフスタイル   >   親子で楽しむハーブのある健やかな暮らし by Yomeishu   >   小児科医が教える!ママのために効果的な“イヤイヤ期”対策法
親子で楽しむハーブのある健やかな暮らし by Yomeishu

小児科医が教える!ママのために効果的な“イヤイヤ期”対策法

1歳半から3歳頃は「魔のイヤイヤ期」とも言われるように、駄々をこねたりあまのじゃくな返答をしたりと、ママにとっては頭の痛い時期ですよね。悩みを抱えるママ・パパは多いものです。でも実は、「がんばる」のではなく「かわす」技をもつことがこの時期をうまく乗り越える秘訣!イヤイヤ期の子どもの面白さも見逃さないように、心の余裕や気分転換できる技を身につけてみませんか?

イヤイヤ期のストレスをうまくかわす技を教えてくれるのが、緑蔭診療所 橋口玲子医師です。神奈川県・南足柄市中部公民館でのセミナー内容から、今スグ実践できるハーブとアロマの香りを活用した対処法を中心に、お伝えしていきます。

教えてくれたのは、橋口玲子先生

神奈川県にある緑蔭診療所で現代医学と漢方を併用した診療を行っている。循環器専門医、小児科専門医、認定内科医、医学博士。高血圧、脂質異常症、糖尿病、アレルギー性疾患、およびメンタル不調などの診療のほか、ハーブ療法やアロマセラピーを用いたセルフケアの講演、執筆活動も行っている。『医師が教えるアロマ&ハーブセラピー』(マイナビ)、『専門医が教える体にやさしいハーブ生活』(幻冬舎)などの著書、監修書がある。

※記事内の情報は全て、南足柄市幼児期家庭教育学級カンガルー・コアラ学級において、2017年6月29日に行われた橋口玲子先生による講座「ストレスをかわして育児を楽しもう~アロマ・ハーブの活用法」から引用しています。

イヤイヤ期の育児は「がんばる」のでなく「かわす」

玲子先生:
「1歳半~3歳のイヤイヤ期は、親にとっては大変ですが、子どもには必要な成長の過程でもあります」

1歳半~3歳はギャング・エイジ ママは振り回されてばかり

『自意識・好奇心の芽生え』の時期

  • 何でも自分でやりたがるので余計に手がかかる
  • 「これ、なあに」、「ヤダ、ヤダ」が延々と続く
  • 誤飲・飛び出しなどの事故の心配

『ママから離れ始めるが、不安』の時期

  • いたずらは「ママ、こっち見て」サイン
  • 下の子が生まれると赤ちゃん返り
  • 思い通りにならないと駄々をこねる

玲子先生:
「まじめなママ・パパほど、悩んで怒ってばかりで自分が嫌になる、みんなもっとがんばっている、もっとちゃんとやっていると思い込んで自分を追いつめがち。でも実はみんな大変で疲れている。煮詰まらないためには「がんばる」のではなく、気分転換で『かわす』ことです」

一所懸命な生まじめママの思い込み

みんな、もっと頑張っている』
みんな、もっとちゃんとやっている』
『育児だけでなく家事も仕事も、みんな、こなしている』
『子どもがいうことを聞かないのも、よく風邪をひくのも、私の育て方が悪いから』
実は、みんな大変で、みんな疲れている

玲子先生:
「まだまだ言葉が不自由な年齢には、五感へはたらきかけるのが一番。香りをかげば『イヤイヤしたい気分』から抜け出せる可能性が高いので、試してみて」

「子どもが騒ぐとついスマホ」 スマホ以外に子どもの気分を変える技を持とう

子どもが興奮しているときは

  • 子どもより小声で静かに話す
  • 説明・説得は子どもが落ち着いているときに
  • 心に余裕のない時は、いったんその場を離れよう

子どもが心細そうなとき、落ち着かないときは

  • 手をつなぐ、頭をなでる、抱きしめるなど言葉よりボディコンタクトを
  • 子どもの気をそらし、興奮を鎮める手遊び、歌、お絵かき、お話しなど、ママの得意技を作っておこう
  • 精油のエアフレッシュは気分転換の即効技!

かわす手段の一つとして、アロマやハーブが活用できるそうです。理由は「脳に直接作用するから」。どんなしくみなのでしょう?

気分転換に一瞬で効く!香りの作用

人間が香りを感じるとき、脳内では決まった道すじで伝達がおこります。鼻の奥でキャッチされたにおい分子は、電気信号となって扁桃体という場所へ。そして海馬を通り、最後に視床下部へ伝えられます。視床下部は体の自動調節機能をつかさどる場所で、よい香りを感じれば体へリラックスするよう命令が出されます。におい分子のキャッチから命令までは、ほんの一瞬。何かの香りをかいでほっとしたり、思い出がよみがえったりするのは、このメカニズムによるもの。
だからダイレクトに脳へ作用する香りの効果は、ママはもちろん子どもにもリラックスやリフレッシュ効果が期待できるのです。

香りの効果を試してみよう!ゼラニウムとローズマリーのエアフレッシュ

ゼラニウムはローズに似たほっとする甘い香り、ローズマリーは清涼感のある香りが特徴。混ぜれば、気分転換に最適。

 

●用意するもの
スプレー容器(30ml大)、無水エタノール5ml、ゼラニウム精油、ローズマリー精油、精製水15ml

 

●作り方
①スプレー容器に無水エタノールを入れる。
②ゼラニウムとローズマリーの精油を各2滴おとし、振り混ぜる。
③精製水を加えて混ぜ、完成。使う際は、都度振ってから手首や足にスプレーする。

手作りのエアフレッシュは手首や足にひとふき、ママも子どもといっしょにお試しください。外出時なら脱脂綿にしみこませて小瓶に入れておき、いざという時に開けて嗅がせるだけでOKです。また顔に向けてスプレーしないように気をつけましょう。

ペアレントトレーニングを知ると楽になる

駄々を叱りつける、できたことをほめ忘れる……。そんな親自身の行動が、イヤイヤ期をますますストレスフルにしていることも。親の接し方もコントロールを意識するのが望ましいと、玲子先生は言います。

①増やしたい行動はすぐほめる
大きな身振りで、1秒以内にその場でほめる。
・マイナスの行動をしなかった時もほめる
・約束に従ってご褒美(ママの料理や遊びの約束程度)

 

②減らしたい行動は相手にしない
・駄々や挑発にのらない、ご褒美でつらない
・注意が必要なら3秒待って、感情を鎮めてから。


③絶対に許せない行動はすぐに止める
・けがにつながるような許容できない行動は、すぐに止める。


④できない行動は手助けする

玲子先生:
「ペアレントトレーニングはアメリカ発の考え方です。特に①と②はまとめて『1秒3秒ルール』と覚えましょう。ちょっとしたことでも『すごいね』『えらいね』と、すかさずほめること。逆に友達をたたくなどしたら、感情的にならないよう3秒待って行動自体を注意します」

「子どもは親を見習うもの。ママやパパが日ごろから感謝やねぎらいを伝え合う姿を意識的に見せましょう。否定的な感情表現が子どもからも少なくなりますよ」

人生で一番風邪をひくイヤイヤ期におすすめのハーブティー

イヤイヤ期は「人生でもっとも風邪をひく時期」といわれます。看病の回数が多いのも、ママ・パパのストレスの一因です。9割はウイルス性、抗生剤では効きません。
ひいてしまったら、安静・保温・水分補給・加湿をするのが基本。熱があっても遊びにいきたいのが子どもですが、自宅で静かに過ごす練習を日ごろからするのも大切です。
また、ジャーマンカモミールやエルダーフラワーのハーブティーもぜひ利用してみましょう。赤ちゃんでも飲め、即効性があります。

赤ちゃんや子どもが飲んでも安全なハーブティーで

ジャーマンカモミールは「万能ハーブ」ともよばれ、抗炎症作用や抗ウイルス作用など。リラックス・安眠効果や体を温める作用もあるため、風邪以外に活用してみても。
エルダーフラワーには同様の作用のほか、発汗や解熱、利尿作用が。

 

●いれ方
乾燥ハーブ(ジャーマンカモミールまたはエルダーフラワー)適量を急須に入れ、熱湯をそそぐ。お湯200mlにハーブ2~3g(ティースプーン1杯程度)2~3分蒸らして香りをゆっくり嗅いで飲む。

ミルクティーにすれば子どもにも飲みやすいとのことで、編集部でも試してみました。清涼感のある香りが牛乳によってやわらかくなり、紅茶をミルクティーにするのと変わらない感覚で楽しめました。

ジャーマンカモミールのミルクティー

ほかにもセミナーでは、体内時計を幼児期から整える大切さなどが話されました。デジタル漬けにならない工夫にも触れ、そのうちの一つには「絵本を取り入れる」ことも。
ゲームやスマホにかわる遊びとして、幼児期から絵本に親しむ機会を多くもつことが大切だと玲子先生。そこで編集部は、イヤイヤ期の子どもたちが、日ごろの自分を見るように楽しめる絵本をピックアップしました。
取材協力/寺島知春(ライター/こどもアプリ研究家)

絵本の紹介

おばけのやだもん

やだやだ、だだっこは、やだもんがくっついておばけにしちゃうぞ!おばけのやだもんは、今日もだだをこねる子を探しているよ。そんなやだもんが歯を磨かないさっちゃんに会うと・・・

どんなきもち?

いま、どんなきもち?

自分のきもちを言葉にするのって、けっこうむずかしい。
わくわく、もじもじ、むしゃくしゃ、どきん。
カラフルなおさかなたちが感情を言葉で表現するお手伝いをしてくれるよ。

子どもたちが、きもちを素直につたえるための“こころ絵本”第2弾!

きもち

感情の種類を知って自分を客観視できるための本。

なんでも「ムカつく!」の一言で片付けて主観的な感情に埋もれてしまうのではなく、自分を客観的に見つめるために感情に名前をつけてあげましょう。「私は今、怒りを感じている」とか「今、幸せを感じているんだ」とか。子どもたちが、一歩外から自分を見つめるための絵本。特別支援教育にもどうぞ。

橋口玲子先生の書籍紹介

専門医が教える体にやさしいハーブ生活

疲れた心と体には、おしゃれでおいしいハーブがおすすめ。症状・体質から自分にあったハーブがひけるガイド集。医師が教えるブレンドティー&料理レシピも満載。暮らしに役立つハーブ活用法。

http://www.ehonnavi.net/ehon00adv.asp?no=12105 「未病セルフケアブック」より

ハーブやアロマテラピーなども取り入れた医療を実践されている玲子先生が監修の【医師が教える病気になりにくい体のつくりかた「未病セルフケアブック」】を抽選で10名様にプレゼントします。ぜひ、ご応募ください!

養命酒製造では、経営理念の『生活者の信頼に応え、豊かな健康生活に貢献する』のもと、日々のよくある体の不調の解決に向けて、健康支援活動を行っています。
ライスタイルや環境の変化により、“病気とまではいえないが健康を保てず、病気に向かいつつある状態”東洋医学でいう「未病」にあたる人が増えています。東洋医学の知見から、この「未病」の予防と対策、衣食住や運動、心身も含め健やかなライフスタイルの提案と普及活動をセミナー、イベント、ウェブサイトを通し、生活者の皆さまへ日々、健康情報を発信しています。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
Don`t copy text!