【news】日本初!フィンランドの小学校教材採用された起業体験ボードゲーム
塾も、受験もない。
日本のような競争型とは真反対の教育を実践しながら、世界トップクラスの成績を保つ教育先進国・フィンランド。
その教育現場で、日本のとある協会が制作したボードゲームが、教材として採用されることになりました。
一体どんなゲームなのでしょう…気になるその内容をご紹介します!
フィンランドの小学校教材に!企業キッズ体験ゲーム「森の社長さん」
2017年10月からフィンランドヘルシンキ郊外にあるヴェイッコラ基礎学校小学5年生の授業にて教材として採用されることになったのがボードゲーム「森の社長さん」。
このゲームをオリジナル制作したのは、コミュニケーション教育事業を展開するフィンランドエデュケーション協会です。
塾も受験もないフィンランド。
子ども同士で競争させない教育をしながらも世界トップクラスの成績を保っています。
その教育方針の中あるのは、遊びを授業に取り入れながら子どもの自主性を伸ばす、そして全ての授業に起業家精神育成教育を盛り込むこと。
フィンランドエデュケーション協会は、日本の子どもたちの学びの場にもその方針を取り入れたいという思いで、オリジナルでフィンランド式キッズ企業体験ボードゲームを制作したそうです。
ゲームは、ボードを広げて子どもたちが4人でカードをめくりながら始まります。
このゲームの学習目標は2つ。
1つは起業を体験することによって社会の仕組みを学ぶこと。
そしてもう一つは、他者との対話力を伸ばすことです。
いずれも日本では、2020年学習指導要領改訂により子どもたちへの育成を目標として掲げられているスキル。
そこで協会では、小学生たちの学習意欲を高める一助になればと、このゲームを活用し進行を行う大人を育成する講座も各地で実施します。
◆納税や雇用が社会貢献になることを学ぶ
ゲームの舞台となるのは森の中。
国土の80%が森と湖で、国民は森と共に生きているフィンランド。サンタクロースを手伝う小人たちの存在も大切にしています。
このゲームではその森の中で、小人たちが住む森をもっと豊かにするためのお店を始めるのです。
お金はドングリ。
品物を売ってお金を儲けるという目的達成だけでなく、税金を払って学校や病院を建てたり、植林をすると森で暮らしやすくなる社会貢献カードをもらえたり…お金を循環させることで成り立つ社会の仕組みを、ゲームを通して学ぶことができます。
◆2020年を見込んだアクティブラーニング型授業
キッズ起業体験ゲーム「森の社長さん」を制作するきっかけとなったのは、2020年に改訂になる学習指導要領の内容だそう。
人口540万人、北欧の小国のフィンランドは、よき納税者を育成し、国の礎になることを見据えた教育を実践しています。
授業の進め方の8割は、教師主導の講義型ではなく、児童が主体的に学ぶスタイル。
日本も今後、急速な人口減少にともない、グローバル化は避けられません。
海外市場で活用できるアイデア、商品を生み出す力を育てるためにも、教師が教える教育から子どもが自主的に学ぶ教育へ移行していくことが求められます。
その具体的な手法がアクティブラーニング(=仲間と協力しあうグループワーク)、ディスカッションをするという学習方法なのです。
◆グループ遊びから学習意欲につなげるフィンランド式指導を自宅教室に
シャイなフィンランドの子どもたちも、ゲームをすれば、すぐに打ち解け教室は盛り上がります。
楽しくゲームをした後は、その結果を見てお互いの感想の話し合い。
そして、ファシリテーターである先生が、質問するのです。
「税金を払った人はいますか?」
「税金でどんなことができましたか?」
「利息について知っている人はいますか?」
ゲームを通じて身につけるのは
算数=計算の仕方
社会=社会システムを知る
国語=コミュニケーション力向上。
さらに、ファシリテーターのリードによってもっと学びたいという意欲につないでいくことができます。
そこでフィンランドエデュケーション協会では、子育てママが、このゲームを使って自宅でできるアクティブラーニング教室を全国各地に広げていく予定だそう。
現在、ゲームを使った教室を運営するファシリテーター養成講座を準備しています。
フィンランド式キッズ企業体験ゲーム
「森の社長さん」
〈対象〉
小学生
〈ゲームで学べること〉
・社会システムの全体象
・他者との対話力(コミュニケーション力)
・ゲーム体験内容を学習意欲につなげる
・親子の対話力
■ゲーム体験講座開催中
(※講座内容によって変動あり)
・恵比寿(大人のみ)
11月18日(土)13:00~15:30
12月10日(日)11:00~17:00
・町田(親子参加)
12月3日 (日)午前
・渋谷(親子参加)
12月23日(土)14:00~16:30
その他随時開催中
ボードゲームでの主体的な遊びを通して学んでいくアクティブラーニング。
企業体験、さらに社会のお金の循環を身につける内容は、これから社会に飛び込む子どもたちの、生きた力になることでしょう。
保護者も、周囲の大人も、こうした子どもの学びの積極的サポートができるといいですね。
せっかくの日本人発案のオリジナル―ゲーム、フィンランドを追って、国内でも広まることを期待したいです。
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