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やってみよう!読んでみよう!絵本ナビスタッフなんでも体験レポート

【聞いてみた】猫好きスタッフがお気に入りの「ねこの絵本」はどれ?

好みもタイプもバラバラ!猫好きを虜にする「ねこの絵本」

2月22日はねこの日。

そこで、名実ともに猫好きを公表している絵本ナビスタッフに、お気に入りの「ねこの絵本」を紹介してもらいました!ところが、「1冊にしぼれない」「どれもこれもすてがたい」「ここに紹介していない絵本で好きなものがたくさんある」と、なかなか1冊が決まりません。そのうち、人の選んだ絵本を見て、「これもすてがたい」とまた迷いはじめたりして。

 

つまり素敵な猫の絵本が多すぎるのです。

出来る限りご紹介したいと思いつつ、今回は、個人的にスタッフが今お気に入りの絵本として大好きな「ねこの絵本」をご紹介します。どうやら猫を飼っている人は、愛猫のペットに似ている猫が登場する絵本を無意識に選んでいるみたいです。好みの猫も人それぞれで、なかなか面白い。みなさんの気になる「ねこの絵本」はありましたか。

ちょっぴりおとぼけな猫たちがたくさん登場する可愛らしい「ねこの絵本」

「ねこのタクシー」と聞いて、どんなタクシーを想像しますか。
猫好きスタッフTAが、選んだ絵本が、「ねこのタクシー」(福音館書店)。猫が働くっていうイメージがどうもわかないのだけれど、理由を聞くとやっぱり...!!可愛い猫のまぬけさがなんとも愛おしい素敵な絵本です。

 

ネコのタクシーが、足を使って走ると聞いた時にびっくりした。想像しただけで楽しい気持ちになるところが好き。意外に活躍するところも。お客さんがネコなのも楽しい!
 

ネコ専門の獣医さんの猫がたくさん登場する「ねこの絵本」

ネコのタクシー

ネコ専門動物病院の、キャットドクター!?
異色の経歴を持つ著者が描くのは、タクシードライバーになったネコの物語。

黒くてピカピカのタクシー。
1ポンド硬貨の乗車賃。
ランチのフィッシュ・アンド・チップス。
そう、舞台はイギリス!
主人公のトムは、足の速いのが取り柄のネコ。
港の倉庫で生まれましたが、今ではタクシー運転手であるランスさんの飼いネコです。

ある朝、うっかり階段から落っこちて、ランスさんが足の骨を折ってしまいます。とてもタクシーを運転することはできません。そこで、トムはランスさんにこう提案します。

「ぼくにも運転できるタクシーを作ってください。小さなネコのタクシーを。そうすれば、ぼく、仕事をしますから」

ネコにタクシーができるものだろうかと疑いながらも、熱心なトムのために小さなタクシーをこしらえるランスさん。
ハンドルはついていますが、エンジンはありません。俊足自慢のトムが、足を使って走るのです!自転車にひかれてしまった子ネコを運んだり、自分の結婚式に遅刻しそうなネコを乗せたり、ときには大変な騒動に巻き込まれながらも、特技を活かしてタクシードライバーをこなすトム。

ところがそんなある日、トムはとんでもない事件の現場に居合わせてしまうのです――

ネコ専門の獣医さんによる、さすがのネコ愛にあふれた、愛らしくてあたたかな物語です。黒くてピカピカの車体と、クラシックなデザインで有名なロンドンタクシー。そんなロンドンタクシーが小さくなって、しかもネコが運転しているというのですから、かわいいに決まっています!


捕まえたネズミはテーブルに置いたらダメ?タクシーに乗せてあげたら、お金をもらわなくちゃいけない?もともと野良ネコだったトムは、自分とはちがう人間の価値観に戸惑ったり、不思議に思ったり……ものごしやわらかで、仕事に対してもていねいでまじめ、それでいてときには情熱的!そんなトムの魅力あふれるキャラクターが、いちばんのみどころ!小さなネコのタクシーとトムの活躍を、もっともっと読んでいたくなる、ワクワクの一冊です。

 

(堀井拓馬  小説家)

自分が知らない時間に猫が何をしているか気になる「ねこの絵本」

猫好きスタッフAKが選んだ猫の絵本は、「ルッキオとフリフリ おおきなスイカ」(講談社)。どうやら、猫そのものの表情やしぐさを上手にとらえている絵本がお好みのようです。また、他にあげてくれた絵本を見ると、ミステリアスな猫の人間の知らない秘密の時間に興味があるみたい。これは猫を飼っている人なら、みなうなずいてくれるのではないでしょうか。

媚びない表情がたまらない。口が悪くて、怠けたがりで食い意地が張っていて、でも抜けている。まさに、うちのねこそっくり。

自分の欲望にどこまでも素直で自由な「ねこの絵本」

ルッキオとフリフリ おおきなスイカ

黒猫のルッキオと、ブチ猫のフリフリ。二匹の夢は、「おおきな おやしきに 『しゅうしょく』して、だんろのまえに ベッドをもらい、ぎんのおさらで まっかなマグロのおさしみを いただくこと」。
ところが、2匹の生活は、そんな夢とは程遠いものでした。綿のはみ出た汚いソファーで、食うや食わずの日々。そんなある日、フリフリは、庭の陰になっていた、大きなスイカを見つけます。


「こりゃすげえ」 「これ、はまでうったら、マグロかえるかもな。」
スイカをかかえたルッキオとフリフリとの表情ときたら!もう2匹の頭の中は、真っ赤なマグロの赤身のことでいっぱいです。さっそく浜辺へ出て、海水浴客相手にスイカを売ろうとするのですが・・・?2匹とスイカの行く末やいかに。予想外の展開と、のんきな結末を、のんびりと楽しんでくださいね。


海にスイカ、長い1日。夏らしいモチーフいっぱいのユーモラスなストーリーに、スパイスを効かせているのが、作者、庄野ナホコさんの画風。庄野さんの描く、真夏の白昼夢のような独特の風景と、猫たちの媚びない表情にぐっとひきこまれます。読み終わると、ルッキオとフリフリ、この妙に口の悪い愛嬌たっぷりの2匹の次のお話が、早くも楽しみになってしまっているはず。猫が好きな大人の方へのプレゼントにも喜ばれそうな一冊です。

 

(掛川晶子  絵本ナビ編集部)

こわい!いじわる!でも愛しい一生片思いの「ねこの絵本」

可愛らしさ満開の猫の絵本が大好きな一方で、猫を飼っているからこそ飼い主だけが見れる猫のニヤリのしたり顔。口の端だけをつりあげて、「あっ!今すっごいいじわるな顔したでしょ!したよね!」と指差したこと数知れず。猫好きスタッフNTが選んだ絵本は、「ネコヅメのよる」。猫好きの中にはかなりこの絵本のファンがいるのではないでしょうか。是非、猫の表情に注目して読んでみてくださいね。

この顔がいじわるくて憎たらしくて大好き。登場する猫の表情がたまらなく愛しい。ずっと気になってた猫の集会のなぞがとけるのもスッキリ!

ネコヅメのよる

引き込まれます!


ネコ好きの間で、絵本好きの間で話題(!?)の絵本。私の間ではかなり流行っています(笑)町田さんの絵本は今までも読んだことはあったし、絵もいいな~とは思っていたのですが、ここまで引き込まれたのは初めて。
まず表紙のねこの表情。こっちを見る表情に緊張が走ります。ページをめくると、猫を飼う人なら誰もが共感するようなポイントがところどころに…。そしてたっくさんのねこが出てくるあのページもずっと見ていたくなるし、猫同士でおしゃべりをするところもお気に入り。読み終わってからすべて理解できるのもおもしろいです。


(クック♪さん 10代以下・その他の方 )

いかがでしたか。

みなさんの知ってるお気に入りの「ねこの絵本」はありましたか。

まだまだここにご紹介できていない素晴らしい絵本がたくさんあります。別の機会で是非またご紹介していきたいと思います。

 

猫好きな方もそうでない方も、是非読んでみてくださいね。猫のつかみどころのない、ドジで可愛くて、かと思えばいじわるでずるい、でも愛らしい魔性の魅力にはまること間違いなしです。あなただけのお気に入りを見つけてくださいね。

 

 

写真/富田直美 掛川晶子 竹原雅子 

協力/秋山朋恵 掛川晶子 

富田直美(絵本ナビ編集部)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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