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絵本講師ふわはねが案内する展覧会レポート

【展覧会へ行こう・番外編】「台北国際ブックフェア」(案内人:ふわはね)

台北国際ブックフェア会場前にて

私は原画展や展覧会を訪れることが大好きです。

そこには、絵本のページでは伝わりきらない「生きている絵」があります。

一枚一枚の原画からは、作家や画家の息遣いが聞こえてくるようです。
そして作り手との出会いもあります。
描かれた背景や制作に込められた想いを知ることで、その一冊への愛着はさらに深まり、絵本の世界がより豊かに感じられます。

ぜひ、大人も子どもも、本物と出会う場所へ足を運んでみませんか?

そこで出会うのは作品ばかりではありません。
作家の想いに触れ、自分自身と向き合う時間でもあります。
その体験が、これからの人生を少しだけ変えてくれるきっかけになるかもしれません。

今回は番外編として、日本を飛び出し、アジアを代表する絵本・出版イベントの一つである「台北国際ブックフェア(Taipei International Book Exhibition:TIBE)」をご紹介します。

台北国際ブックフェアをレポートします!

2026年2月3日から8日までの6日間、台湾の首都・台北にある台北世界貿易センター(Taipei World Trade Center)で開催された「2026台北国際ブックフェア(Taipei International Book Exhibition/台北國際書展)」へ行ってきました。

台北国際ブックフェアは、1987年に始まった台湾最大級、そしてアジアを代表する国際的な本の見本市です。2026年は29の国と地域から509の出版社が出展し、約58万人が来場。

 

出版関係者による版権商談はもちろん、一般読者も参加できる講演会やサイン会、ワークショップなど多彩なイベントが開催され、本を通じた国際交流の場となっています。

海外のブックフェアを訪れるのは、2024年にイタリア・ボローニャで開催された「Bologna Children's Book Fair(ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア)」に続いて2か国目です。

アジア最大級の規模を誇る国際的なブックフェアでは、どのような本と人に出会えるのでしょうか。

今回も、私の目を通して見た海外絵本イベントの魅力をレポートしていきたいと思います。

フェア会場。各出店企業が工夫を凝らし、出展

今回訪れた台北国際ブックフェアは、以前取材したイタリアの「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」とは、まったく異なる印象を受けました。

ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアが児童書に特化し、世界中の出版関係者が集まる「プロのための見本市」がメインのように感じたのに対し、台北国際ブックフェアは、もちろん版権売買商談の場でありながら、本の購入はもちろん、講演会やサイン会、ワークショップなど、より誰もが気軽に参加して楽しめる「市民に開かれたブックフェア」という印象を受けました。
 

会場には学校の校外学習で訪れたと思われる子どもたちの姿や、大きなカートを引きながら何冊もの本を買い求める親子連れがあちこちに見られました。台湾の人々にとって、このブックフェアは出版社や作家、読者が一堂に会する「本の祭典」として、暮らしの中にしっかりと根付いていることが伝わってきます。
小さな本屋さんが何軒も集まったような出版社や書店のブースでは、割引価格で販売されているところも多く、本好きにとっては思わず時間を忘れてしまうような魅力あふれる空間でした。

日本の翻訳絵本の多さにびっくり!

台湾でも大人気のパンどろぼう!

今回のブックフェアで最も驚いたのは、日本の翻訳絵本の多さでした。

おなじみの絵本が、あちらのブースにも、こちらのブースにも並んでいます。少し大げさかもしれませんが、「会場の半分とはいわなくとも、絵本のコーナーの1/3くらいは日本の絵本なのでは?」と思ってしまうほど。その光景が、なんだかとても嬉しく感じられました。

小さな子どもたちが本屋さんや図書館で、自分の知っている絵本を見つけると、「これある!」「持ってる!」「保育園で読んだことある!」と目を輝かせて教えてくれることがあります。

まさに、そのときの子どもたちと同じ気持ちでした。

「わっ!この本が!」「わっ!あの本も!!」

と、見慣れた一冊を見つけるたびに心が弾み、日本の絵本が海を越えて台湾の子どもたちにも親しまれていることを、とても誇らしく感じました。

漢字のタイトルを見るのも楽しい!
林明子さんの絵本もたくさん見つけました。

今回の旅の目的は……

今回の旅の大きな目的の一つは、毎年ニジノ絵本屋さんから出版していただいている『日めくり絵本カレンダー』の先行販売でした。

会場では、ニジノ絵本屋さんが台湾の絵本専門店「惠本屋(Books from Taiwan)」と共同でブースを出展。私はそのブースに立ち、著書『おつきさまのえほん』(ニジノ絵本屋)や『えほんとりっぷ』(世界文化社)をご購入くださった方へサインをさせていただいたり、出来たばかりの『日めくり絵本カレンダー』を直接ご紹介する機会にも恵まれました。

 

言葉の壁はもちろんありましたが、実際に手に取っていただきながら作品の魅力をお伝えし、「かわいい」「毎日めくるのが楽しみ」と笑顔で迎えてくださる方の姿がとても印象的でした。海を越えて台湾の皆さんに作品を届けられたことは、作り手として忘れられない貴重な経験となりました。

ニジノ絵本屋ブース。代表のいしいあやさん。
日めくり絵本カレンダー、大人気でした!
拙い英語で会話。みなさん優しい。

貴重な作家さんとの出会いも。

ブックフェアの大きな魅力のひとつが、作家さんとの出会いです。

今回の会場では、台湾の作家 リン・シャオペイ(林小杯/Bei Lynn)さんや、韓国の絵本作家 ペク・ヒナ백희나/Baek Heena)さん にお会いすることができました。

作品を生み出したご本人と言葉を交わし、サインをいただいたり、お話を伺ったりできるのも、ブックフェアならではの貴重な体験です。

本を読むだけでは得られない、作家さんの人柄や作品に込められた思いに触れられる時間となりました。

台湾の作家 リン・シャオペイさんと(左から2番目)
『さようならの練習』(日本版、ポプラ社)の原書にサインをいただきました!

会場では1,300回を超える読書・文化イベントが開催され、あちらこちらでサイン会や読み聞かせ、トークイベント、パフォーマンスが行われていました。言葉はわからなくても、会場を包む熱気や、本を愛する人たちの笑顔から、このブックフェアが多くの人に親しまれていることを実感しました。

 

この台北国際ブックフェアは台湾の文化部が主催。子どもの無料入場や若者への「文化幣」による購入支援、平日の入場券はお買い物券として使えるなど、国を挙げて読書文化を支える取り組みがあることを知り、とても感動しました。本は「読むもの」であるだけでなく、人を育て、文化を育てるもの。その価値を社会全体で大切にしていることが、会場のあたたかな雰囲気からも伝わってくるとても素敵なブックフェアでした。

日本からザ・ワースレスミニも参加! 子どもたちに大人気!

おわりに

東京ドームの約半分ほどの広さがあるという会場を、迷子になりそうになりながら歩き回り、本の山を探検する。
本好きにとって、これほど心躍る時間はありません。(歩きやすいスニーカーは必須!)

台湾は物価も比較的手頃で、ごはんはどれも本当においしく、人も親切で温かい国でした。そして何より、日本から気軽に訪れることができる近さも大きな魅力です。帰国したばかりなのに、「またすぐにでも行きたい」と思わせてくれる場所でした。

 

来年の台北国際ブックフェアは、2027年2月16日から2月21日まで、台北世界貿易センター(TWTC)で開催される予定です。

私も、また来年この場所を訪れられたらと思っています。

 

台湾旅行を計画されるなら、旅程の一日をブックフェアにあててみるのはいかがでしょうか。
気軽に立ち寄れて、海外の絵本や本、人との出会いを楽しめる。そんな旅の楽しみ方ができるのも、台北国際ブックフェアならではの魅力です。

今回はブックフェアを中心にご紹介しましたが、台湾で訪れた本屋さんや美味しかった台湾ごはん、夜市についても、また別の機会にお話しできたらと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

台湾で訪れた本屋さんの様子をちらり…

案内人は……

ふわはね(内田 祐子)

絵本講師・JPIC読書アドバイザー・子育てアドバイザー・ふわはねえほん 主宰
 

大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。

企業や書店でのお話会をはじめ、新刊絵本を読む会、名作を読む読書会などを開催。

幼児教育に携わる先生や書店員への研修。絵本講座、研修、絵本コンサルなどを行っている。

絵本のつなぎてとして、絵本の作り手と読み手を。親と子を。人と人を繋いでいる。

2022年7月大阪箕面市にある自宅にて5000冊の絵本を楽しんでいただける絵本のアトリエをオープン。

インスタグラム @fuwahane 

また次回の展覧会レポートもお楽しみに♪

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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