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子どもがご飯を食べない…そんな時は「食育」の手法でのりきろう!

子どもの「偏食」や「遊び食べ」、どう接する?

赤ちゃんの首と腰がすわって、歯も生えてくる6ヵ月くらいになると離乳食もスタート!離乳食を始めたての赤ちゃんには大人が口まで運んであげてお食事をしますが、「食べること」に慣れてくると手づかみで自分でも食べれるようになりますよね。

1歳~1歳半くらいになると離乳食から固形食へと次第に食事の形が整ってきて、食べ方も量も変わってきます。離乳食を始めたころは最初はおっかなびっくりといった感じで口に入れたり、未知なる感覚に面白がったりと、最初は食事や食べ物を面白がってしまうことも仕方ないですが、1歳過ぎくらいになるとそうも言っていられません。食べなかったり、遊び道具にしてしまったり…なかなか思うように食事が運ばなくなってきたとき、どうしていますか?「食べ物を粗末にしない」ということを教えたくても、どうしたらいいのでしょう。毎度のことに、一生懸命作ったママパパとしては「どうして食べてくれないの?」と頭を悩ませてしまいます。「栄養があるから」「大きくなるために」なんて正論はもちろん効果はなく…。お気に入りのぬいぐるみに食べる真似をさせて一緒に食べてみたり、たくさん遊んでお腹ペコペコ!という状態にしてみたり。あの手この手の技やいろんな声をかけて食べさせようとしても、頑として口にしない子もいて大変。食事に時間がかかってしまって、ママパパもヘトヘト…なんてこと、ありませんか?そんなとき、どうしたらいいのでしょう。最近では食育なんて言葉もよく聞くので、調べてみました!

 

参考サイト:http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/ 農林水産省

「食育」の基本は、完璧を最初から求めないこと

そもそも、食育ってなに?

数年前から注目されるようになった食育とは、子どもからお年寄りまで生涯を通じて考えていく食の教育のこと。健康な体だけでなく、豊かな人間性や健やかな心を食事から育んでいきます。特に家族そろっての食事は食育の基本であり、「会話を楽しみながらゆっくりと食べることが子どもの成長に不可欠」として推奨されています。

 

1歳から4歳といった幼少期は、「食事」という営みそのものが、子どもの中で形成されつつある時期。食事内容よりも、食事のとり方を教えることをメインに考え、栄養バランスは極端に偏っていなければ大丈夫。まずは、食事は楽しいものと教えることが大事なポイントのようですよ。そもそも、きちんと摂取量を計算して必要な食事量を求めたとしても、食べられる量は子どもによって違います。「これくらいは食べられないと…」といった考えは捨てて、1日3食、決まった時間にテーブルについて、楽しく食事をするだけも良しとするぐらいがいいかもしれませんね。

遊び食べ、叱るべき?いつから、どんなふうにしつける?

2歳ぐらいになると、子どもはイヤイヤ期に突入します。自我が芽生え、「いや!」と自己主張ができるようになることは、ママとパパにとっては嬉しい成長だけれど、やり取りが大変に…。ある程度の年齢に達すれば、きちんと説明すればわかってくれることも、この年齢ではなかなかわかってもらえず苦戦します。どんなに丁寧に優しく説明しても「いや!」の1点張り。食べ物で遊んだり、食事中に歩き回ったりとやりたい放題。言っても聞かない、まるで小さなゴジラが暴れている様子に、ママとしてはトホホと泣きたい気持ちですよね。

 

しかし、ここで何も言わずにハイハイと許してしまうと、子どもは「食べ物で遊んでもいいんだ」なんて覚えてしまいかねません。1度言っても聞いてくれない場合は、繰り返し伝えてあげるようにしましょう。なかなか根気がいりますが、何度も伝えることで、子どももいつか「ダメなんだ」とわかってくれるようになります。とはいえ、このときにガミガミと頭ごなしに怒鳴ってしまうのは避けたいところ。怒られたという恐怖心で、なぜそうしたらいけないのかがわからないまま成長してしまうことにもなる可能性も。怒るのは一言だけにして、その後は冷静に対処する。どうしても聞かない場合は、その日の食事は切り上げて、食事を下げてしまうといったやり方もありますよ。

わりきりも必要!いつかはちゃんと食事ができるようになる!

成長するにつれて、子どもはやっていいことと悪いことの区別が自然と身についていきます。食事についても同様で、いつまでも手で掴んで食べたり、ぐちゃぐちゃに混ぜたりといったことはありません。ですから、親としては1回で覚えさせようとするのではなく、日々伝えていることがゆっくりと自然に身についていく変化を待つだけでも大丈夫。「大きくなるまで、この状態が続くわけじゃない」とドーンと構えていましょう。

 

また、叱るときは一定のルールを心に決めておくと、子どもにも何が悪いのかが伝わりやすくなりますよ。気をつけたいのは、親の叱るポイントがブレてしまうこと。何がいいのか悪いのか…子どもも戸惑ってしまいますので、?る際のルールを決めておくといいですよね。例えば「ご飯で遊ばないよ。遊んでいるのを3回注意されたら、お腹が減っていてもご飯はおしまいにしようね」などなど。うっかり、「少しでも多く食べて!」と思いがちですが、「本当に食器を下げられちゃうんだ」とわかるとしっかり食べるなんてこともあるようです。そうは言っても親も人間。疲れてたり、嫌なことがあってイライラしてしまって、そんな叱るルールにのっとって子どもたちに接せられる時ばかりでないのも現実。感情的にいつもとは違うポイントで怒ってしまったら、あとでフォロー!ぶれない親を見せておくと、子どもも意外と早めに「このポイントはパパママは絶対ダメなんだ」と分かってくれる…はずです!

 

イヤイヤ期の2歳児は偏食がち。食事を楽しませる方法は?

イヤイヤ期の食事で手ごわいのが、「好きな食べ物しか食べたくない!」という主張。単に食べたくない気分の時は、「〇〇(食材)さんが、食べてほしいって言ってるよ」とか、「畑から〇〇(子どもの名前)ちゃんに食べてもらいたくて来たんだよ」なんて声をかけてみたり、絵本やアニメなどに出てくる食べ物のキャラクターを持ち出すといった方法で声をかけてあげてもいいですね。また、逆の発想として、「食べたくない!」と言ったら「じゃ、食べないのね」と突き放した切り返しをしてみるといったやり方もありかもしれません。意外とこれで、「やっぱり食べる」と食いついてくることもあるそうです。これも、つい出てしまうイヤイヤ期の性…といったところでしょうか。反射的に、反対のことを言いたくなるんですよね。

また、いつもよりもイヤイヤの抵抗が大きいときは、もしかしたら疲れていて眠かったり、少し体調が悪い可能性も。目安がないので判断も難しいですが、「いらないのね」と下げてみても抵抗せず、後からも空腹を訴えない場合は、体調の様子を見ておいた方が無難かもしれません。

一緒に作ろう!お手伝いで「楽しい」「自分が作った」気持ちで乗り切る!

王道ですが、子どもが楽しいと感じる工夫をすることが一番の解決策かも。お気に入りのキャラクターが描かれているお皿に盛り付けてみたり、お弁当箱に入れてピクニック気分にしたり。一緒にクッキーの型で食材をくりぬいて彩ったり、盛り付けをお願いしてみたら、「自分が手伝った!」という嬉しさから、いつもは食べないお野菜もパクっと食べてくれるかも?!パパママには大変ですが、キャラ弁のようにデコレーションしてもいいかも。ワクワクして思わず手が伸びてしまうかもしれませんよ。ちなみに、可愛すぎて食べられない…ってお子さんもいるみたいなので、作りこみすぎには注意です。

子どもの「楽しい!」「嬉しい!」の気持ちをうまく利用して「食事って楽しいな。みんなで食べると美味しいな」と思えるようになったら嬉しいですね!

食育は工夫が大切!ごはんの前後に、こんな絵本はいかが?

やっぱり食べるのが「楽しみ!」「美味しい!」と思うことが一番かも。

魔法のスプーン、目の前にもあるよ!

ノンタンスプーンたんたんたん

なんでもおいしくなっちゃう、ノンタンのスプーン。どんどん食べていたらぐんぐん大きくなって、お星様までいただきま~す。ノンタン元気いっぱい!

おいしいって、うれしいね!

おいしいね おいしいよ

応援したくなる?!
こぐまちゃんシリーズで有名な作者の、こぐまちゃんとは関係ない幼児向け絵本です。
いろんな動物が、ごはんを食べてるシーンが、シンプルで親しみやすい絵と、優しい語り言葉でかかれています。動物園で人気者の、きりんやぞうやライオンやさるたちが、どんな物を、どんな風に食べてるのか、さらりとかかれ、小さい子でも興味をもつと思います。ラストの人間のおひるごはんが、保育園でがんばって苦手な野菜を食べてる次女と重なり、応援したくなります。次女も共感するようです。
(ぼのさん 30代・新潟県中頸城郡  男10歳、女8歳、女3歳)

パパママも思わずにっこり?!

いただきまあす

読み終わったら、満面の笑みの息子
市の絵本講座で紹介されたものだけあって、二歳の息子のツボにしっかりはまったようです。「もういっかいや!」と繰り返し読み聞かせしていて、少したった頃のこと。パンをフォークで食べたことはなかったのに、くまちゃんと同じシチュエーションで「あいたっ」とほっぺに当てて、後ろを向いていた私が振り向くまでやって見せてくれたのでした。くまちゃんと全部同じ事をされると、笑っていられないですけど、一番やられて困るようなことを代わりにやってくれているようで、子どもも私もすっかり気に入った本です。( パンのみみさん 30代・大阪府松原市  男2歳 )

食事ってすごいね!

きょうのごはん

買い物を終えた夕方になると、どの家からもいいにおいがしてきて…それぞれの家のそれぞれの晩御飯、のぞきにいきたーい!そう思ったことありますよね。
自由気ままな身分のネコさんなら、それを軽々と実現できちゃうのです。魚屋さんにいたお母さんに付いていってみると今日のおかずは、こんがり焼けたさんま。「うわあ、なんて美味しそう。」その隣の家からもいいにおい。今日のごはんは、みんなでつくったカレーライス。そのまた隣の家からもいいにおい。更にお向いの家では?
…衝撃的に美味しそうなおかずの絵が画面いっぱいに何度もせまってきます。これはたまらない。作者の加藤休ミさんは、クレヨンとクレパスを用いた独特の画法で、この抜群に食欲をそそる絵を描きあげてしまうのです。焼きさんまの焦げ目、カレーの輝き、見るからにさくっと揚がっているコロッケ…。

でも、この本のみどころはそれだけではありません。少し懐かしい雰囲気の漂う商店街、それぞれの家で全然違う台所、メニューによってその日が家族にとってどんな日なのかも見えてきます。

少し大きくなったら考えてみたいですね

しんでくれた

「しんでくれた」。このドキッとするタイトルの絵本は、谷川俊太郎さんの詩から生まれた作品です。
うし しんでくれた ぼくのために/そいではんばーぐになった/ありがとう うし
そう、これは死に対してただ悲しんだり切ない気持ちになったりする、という内容のものではありません。生き物は生き物を食べてなければ生きてはいけない。人間は他の生き物のおかげで生きている。「いただきます」という感謝の気持ちが生まれる詩なのです。
普段、食事の時間になるとテーブルに並ぶさまざまな料理。食べればぼくたちは元気になり、成長し、生きる力がわいてきます。牛だけでなく、豚や鳥、魚もぼくのためにしんでくれているのです。だからといって、ぼくは彼らのためにしんでやることはできない。だれもぼくを食べる必要がないから。だからこそ…。

力強く描かれた生き物たち、美味しそうに描かれたハンバーグ。そして幸せそうな表情のぼく。知らなければ気がつかなかったかもしれない。でも、やっぱり大切な事実は伝えた方がいいし、子どもたちもこう思うはず。「ぼくを輝かせてくれてありがとう。そしていただきます。」

シンプルでわかりやすい言葉の中につまった、生きることへのエネルギー。ぜひ声に出して読んで、その力を感じてみてください。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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