【第4回】好き嫌いを作らない「楽しく食べる演出」
子どもの好き嫌いは、味・食感・見た目以外にも要因があります。
その食べ物について「悪い情報の記憶」があると心理的に拒絶して嫌いになってしまうことがあるのです。
反対に、良い思い出は、好きなるきっかけにもつながります。
今回は、出かけなくてもおうちで出来る楽しく食べる演出についてお話します。
参考記事 :【第2回】子どもが野菜を嫌いになる理由
教えてくれるのは…
河埜玲子(こうのれいこ)さん
医師・料理家・キッズ食育トレーナー。小学校2年生の娘を育てる働くママ。
「家庭のキッチンで出来る病気予防」をテーマに、簡単・美味しい健康レシピで、食の観点から予防医学を家庭に広げていくことをテーマに活動中。
① 怒らない!
子どもの脳には、食欲に関する様々な情報や体験がインプットされていて、その刺激が食欲中枢に影響します。大ざっぱにいうと、楽しい情報が食欲中枢を刺激して、不快な情報は食欲中枢を抑制します。子どもが食べてくれないと、ついイライラしてしまったりしますよね。
私も、特に自分が疲れていたりするとそうでした。
また、子どもの健康が心配で、「食べるように、少しは怒った方が良いのかも。」「無理やりにでも食べさせた方が良いのかな。」と思うかもしれません。でも、怒ってもあまり良い結果にはなりません。
「怒られた」「無理やり食べさせられた」という悪い記憶が、その野菜とリンクして、悪いイメージを作ってしまい余計に嫌いになってしまう可能性があります。数種類の野菜を食べられなくても、すぐに健康に影響があるわけではありません。
「食べてくれなくても仕方ない」と気楽な気持ちで、焦らず少しずつうながしていきましょう。
嫌いな野菜でも定期的に食卓に出すことも大切です。
特に幼児期の好き嫌いは一定していないので、食卓に出し続けるうちに、突然きまぐれで食べ始めることもあります。親のほうが嫌いと決めつけないようにしましょう。
また、ママに褒められることは子どもにとって、「うれしい、良い経験」です。もし少しでも食べられた時には、これ以上ないくらいに褒めてあげましょう。
② 見た目を楽しく演出♪
子どもはパッと見た印象で、突然食べてくれることがあります。見た目を楽しく演出することで食べてくれるかもしれません。
例えば、ピーマンの肉詰めを、輪切りで作って「お花だよ!」と出してみる。ピーラーで野菜をリボン状に削ってサラダや炒めものにしたり、「赤・緑・黄色」の野菜を使い彩りを意識するのもおすすめです。野菜をサイコロ状に切るだけでも、通常のいちょう切りになどに比べ、見た目が可愛く、食べやすそうに見えるので、子どもが手をつけてくれやすくなります。
③ 子どもが自分で作る!
よく言われていることですが、自分でお料理したものは食べてくれやすいです。小さいお子さんと一緒にお料理するのは大変ですが、最初から最後まで一緒にする必要はありません。
たとえば、野菜を型抜きする・盛り付けをするなど、ほんの一部を手伝ってもらうだけで、嫌いな野菜も食べてくれる可能性が高くなります。
④ 好きな絵本やキャラクターを利用する
幼児さんの場合、絵本とリンクさせるのもおすすめです。
たとえば、うちの子どもはシチューをあまり食べてくれない時期がありました。
その時、シチューが出てくる絵本を繰り返し楽しそうに読み、「絵本で○○(絵本のキャラクター)が食べていたのと同じシチューだよ」と言うと食べてくれました。
ピクニックやお弁当に関する絵本を読んでから、家の中で「ピクニックごっこ」をして、食事をあえてお弁当箱に盛り付けるのもおすすめです。お弁当を持って出かけるのが大変でですが、これならいつでもできますね。お弁当箱に詰めるのを子ども自身にしてもらったら、嫌いな野菜もぱくっと食べてくれるかも!
絵本やキャラクターでなくても、子どもが好きなお友達の名前を出して、「○○ちゃんは、玉ねぎが大好きで、いっぱい食べるんだってー。」と言ったら、「じゃあ、私も食べる!」と言って食べてくれたこともありましたよ。
いかがでしたか?
いくつか例を挙げましたが、その子によって楽しい・うれしいと感じることはそれぞれあると思います。
それは、ママが一番よくわかっていると思うので、お子さんの好きなものと野菜をうまくリンクさせてあげると良いですね。
なんでもやりたい!という子には積極的にお手伝いを、お絵かきが好きな子ならトッピングやデコレーションをまかせるとすごく喜んでくれるかもしれません。
絵本やアニメが好きな子なら、キャラクターとリンクさせるのがおすすめ。
ご自身のお子さんにピッタリの方法で、食卓を楽しく演出してください^^
好き嫌いを作らない「楽しく食べる演出」を教えてくれたのは…
河埜玲子(こうのれいこ)さん
1978年三重県生まれ。
滋賀医科大学医学部医学科卒業後、麻酔科医として勤務。臨床に携わっていくなかで、予防できるはずの病気で苦しむ人の多さから、予防医学と食育の普及の必要性を痛感し、現在は検診業務にも携わる。
また、自ら、働きながら子育てをし、家族の食生活を管理してきた経験を生かし、忙しい家庭でも実践可能な健康レシピを提案する料理家としての活動も行う。
さらに、大人になってからの食生活を改善することの難しさから、子どもの頃から自然に正しい食生活を身に付けることが最大の予防医学になると考え、子どもの食育に関する活動も開始。現在は医師として勤務するかたわら、企業への健康・料理に関するレシピやコラムの提供、料理教室講師・予防医学や子どもの食育に関する講座の講師など行っている。
メディア掲載など実績例
- 雑誌;「サンデー毎日」「ゆほびか」「SAITA」等。健康・医療・食に関する情報
- TV「サタデープラス」「NHKマサカメテレビ」、「朝チャン」等
- 新聞「NIKKEIプラス1」
- その他:子育て情報誌「まみたん」、おあじはいかが、ネットサイトでのコラム・レシピ担当等
河埜さんのレシピ本販売中!
鮭とかぶのクイックポトフ、えのきと豆苗のナポリタン、目玉焼きピザ…。忙しい人のために“一品で”栄養バランスが取れるレシピを紹介。とにかく簡単で、“作りおきができる”もしくは“12分以内で作れる”レシピが満載。
身近な材料や買いおきしやすい食材で作る、電子レンジで簡単に仕上げる、フライパンひとつでこしらえるなど、料理が苦にならない工夫が盛り込まれているのに満足感があり、栄養のバランスが考えられている…。そんな「きちんと美味しい!」と料理関係者から絶賛される料理で注目を集めている著者が、とっておきのレシピを披露します。
本書では特に、“作りおき”できる、または“12分以内で”できる主菜を多数紹介。この一皿があれば、白いごはんを添えればよいだけ。一汁三菜を肩ひじはって作る必要はありません。番外編として、“プラス一品”で食卓が華やぐ副菜やごはんものも収録し、計100品以上を掲載。多忙な方の毎日に役立つ1冊です。
【目次】
・4日前でも! 作りおきおかず…肉を使って/魚介類を使って/その他
・12分以内で! 簡単メニュー…肉を使って/魚を使って/その他
他、あると嬉しい副菜やスープを収録
- 家族が健康になれる食卓を実現するためのレシピやヒント満載!無料メルマガ:ご登録はこちら→ https://48auto.biz/balance-kitchen/registp.php?pid=2
- 医師が教える!作り置き・時短レシピと子どもの食育ブログ:http://balance-kitchen-reiko.blog.jp/
- 名古屋4期キッズ食育トレーナー養成講座:講座詳細→http://kids-shokuiku.jp/guide/detail/
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |