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おいしい絵本。

vol.2 悶絶絵本『おすしのずかん』

 

うちの息子は、好きな食べ物がはっきりしています。
好きな野菜はトマト、好きな飲み物は牛乳、ご飯にかけるのは納豆。
何より白米を愛しています。

 

そして、小さい頃から好きな食べ物ベスト10を決め、新たに美味しい料理に出合うとランキングを変動させていく、という楽しみ方をしているようです。

 

ランキングには、もちろんカレー、親子丼、ポテトサラダ、ラーメンなど人気メニューが入ってきます。厳選された上位5位を入れ替える際には、かなり真剣に悩み、検討しています。食べ物全てですからね、頭の中のイメージで相当な激戦を繰り広げられていることが予想できるわけです。

 

そんな中、ほぼ不動の地位を築いている食べ物があります。
1位、「マグロ」です。
息子は無類のお寿司好き。外食の希望を聞けば、必ず「回転ずし」と言うので、いつからか聞くのをやめた程です。中でも、マグロは格別なのだそうで、ある程度上限を設けないと、全てマグロ、赤身のお寿司だけが並ぶことになってしまいます。

 

うちの母親もそうらしいのですが、本当にお寿司が好きな人は、毎日お寿司でも飽きないのだそう。私は続くとダメです。お寿司好きとしては半端者です。息子なんて、食卓でマグロに出合う度に、文字通り小躍りしています。

 

最近、そんな息子に捧げたい、素晴らしい絵本を見つけました。
それがこちらです。

おすしのずかん

おすしのずかん

まず最初の見開きページで倒れそうになってしまったのは、お腹が空く時間だったからでしょうか。いえいえ、これは誰だって変な声出ちゃうはずですよ。

まぐろ、おおとろ、びんとろ、あぶりまぐろ、づけまぐろ……

赤い身のお寿司がずらりと並んでいるのです。
「あかいおすし」の図鑑です。
とろの色味や炙りの焦げ目、かつおに乗せてあるしょうが、どれも本当にいい色で描かれています。このページだけで割と時間を過ごせます。

でも、この絵本の本当に面白いところは、その次のページ。
「あかいおすし」に登場するネタとなったお魚が海の中で泳いでいるのです。
まぐろはもちろん、かじき、かつお、さーもん、びんながまぐろも。
同じ赤身ですが、大きさも、姿かたちもみんな違います。
更に「しろいおすし」が並び、たいやひらめ、しまあじやのどくろが泳ぎます。
「ひかるおすし」も、「のりまき」シリーズも、「かわりだねのおすし」まで!?登場します。可愛いペンギンの職人たちが、その仕込み作業まで見せてくれています。

今の子どもたちは、本当にお寿司が大好きですよね。
お手頃価格で、気軽に食べられるようになったお寿司。
お皿に乗って、次々に色々なネタが流れてくるのも、楽しいに決まっています。
だけど、魚の姿まで想像できる子は少ないかもしれません。
私だって、大人なのになかなか覚えられません。

同じ魚でも、こんな風にお寿司の「ネタ」として項目が分けられていたら……
あっという間に覚えられる気がします!(食い気とは、そういうものです。)
この絵本、図鑑としてもかなり優秀なのではないでしょうか。

ものすごくお寿司が大好きな子から、割とお寿司が好きという方まで。
幅広くおすすめしたくなる1冊です。

 

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

この絵本はマズイです。
手に取る時間帯に気を付けないと、悶絶することになります。

 

ちなみに、私はどうやら「ヒカリモノ」が好きなようです。
絵本のおかげで発見してしまいました。
(ページを見ている時間の長さを比べれば簡単に発見できます。)

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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