vol.4 くいしんぼうの究極は…中にはいってみる!?
最初に言ってしまうと、今回登場する絵本『おいしそうなしろくま』は、くいしんぼうすぎて、想像の中で食べ物の中に入ってしまう、というお話です。
……本当にそんなこと考えるの!?
試しに、“くいしんぼう”そうなスタッフをつかまえて聞いてみます。
「ねえ、好きな食べ物の中に入ってみたいって考えたことある?」
「あるよ。」
即答です。例えば?
「シチューの中に浸かってあったまってみたいよね…。あんかけもいいなあ。」
「私の夢は、ウニのプールに入ること!」
う、ウニ??
小さい頃、ゼリーの部屋に入りたいって思っていた私なんて、可愛いものです。
かなりドキドキしながら、ずっと気になっていたこの絵本『おいしそうなしろくま』をめくってみると……
おいしそうなしろくま
おいしいものを食べるのが大好きなしろくまくんは、みんなから「くいしんぼうのしろくま」って言われてます。
…あれ? でもこの絵本のタイトルは『おいしそうなしろくま』です。
それは、こういう訳なのです。
「たべもののなかにはいってみたら、どんなかんじかな?」
どうやら、くいしんぼうを徹底すると、行きつく先は“中に入ってみたくなる”のようです。
よだれでちゃってますよ、しろくまくん。
さて、ここからは想像の世界で実際に“中に入ってみる”しろくまくんです。
ごはんの中に入ってみる。みそしるの中に入ってみる。
温かさで紅潮したしろくまくんの顔は、とにかく幸せそう。
コロッケに入るんだったらやっぱりクリームコロッケ。
うどんの中では、あげをふとんがわりにして。
これはいいかも?
だんだんしろくまくんの妄想に追い付いてきたところで、登場するのが……すし。
なかなかのインパクトです。しゃりは少なめ、ねたは大きめがこだわりだそうで。
個人的に心を掴まれてしまったのは、パン。大好きなチョココロネからおしりが出ちゃってます。はみだし具合が最高すぎるね、しろくまくん。
でも、想像は想像です。気が付いたら、やっぱりおなかがぺこぺこなしろくまくん。
すると「ごはんよ~」。
さて、今日のごはんは何だったのかな?
この可愛さ、この面白さ、この奇天烈さ。「くいしんぼう」の想像力、侮れません。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ごめんなさい。くいしんぼうの世界、あなどっていました。
想像のななめ上を行く、しろくまくんの妄想。
「そんな楽しみ方があったのかあ……」
すっかり降参。“中に入ってみる世界”に首ったけです。
まだまだあるある「くいしんぼう絵本」
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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