【ランキング】2020年4月の児童書売上ランキングBEST10は?
今、絵本ナビで売れている児童書は? 話題になっているのはどんな本? なかなか見えづらい児童書の売れ傾向ですが、少しでも児童書の旬をお伝えできるよう、1ケ月分のランキングを発表していきます。
さて、2020年4月は、おうちでの読書用に小学生向けの読み物の需要が大きく伸びた傾向がありました。シリーズで続けて読んでいる様子も多く見られましたので、単体のベスト10以外に、人気のシリーズについてもお知らせしたいと思います。記事の最後には4月のおすすめ新刊情報もあります。最後までじっくりご覧ください。
2020年4月の児童書売上ランキングBEST10【2020/4/1~4/30】
40年以上読み継がれる幼年童話の傑作。心が和みます。
みどころ
仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード。アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズは幼年童話の傑作として、子どもから大人まで、たくさんの人たちに40年以上も愛され続けています。
そのシリーズ第1作目が『ふたりはともだち』、5つのお話が収録されています。
春が来たからと大急ぎでがまくんの家に走っていき、「おきなよ!」と大きな声で呼びたてるかえるくん。お日さまがきらきらして、雪も溶け、新しい一年がはじまったかと思うと、いてもたってもいられないのです。ところが、がまくんは布団の中。もう少し寝ていたいのです。11月から眠っているがまくんは「5月半ば頃にまた起こしてくれたまえよ。」なんて言うのです。そこで、かえるくんは……?
がまくんを外に連れ出して遊ぶためなら頭の回転だって早くなるかえるくんと、カレンダーに合わせて簡単に5月だと思い込んでしまうがまくん。最初のお話「はるがきた」で、幼さと可笑しさがたっぷり詰まったふたりのキャラクターを存分に味わうことができます。
続く「おはなし」と「なくしたボタン」では、それぞれのやり方でお互いを思いやっている様子(大いに巻き込みながらね)を、「すいえい」ではちょっぴりブラックな面をのぞかせつつ、思いっきり笑えるエピソードを披露してくれます。
すっかりふたりの世界観に夢中になった頃、登場するのが最後の「おてがみ」です。
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意外に解けないナゾの面白さに子どもはもちろん、大人もハマリます。
みどころ
9歳のネートは探偵です。
今日もネートの元に1本の電話が入りました。
仲良しの女の子アニーから、なくなった絵を探してほしいとの依頼です。
すぐにアニーのところへ駆けつけるネート。
まず、アニーの話をじっくり聞き、部屋の中をくまなく調べます。
次に、その絵を見た他の人たちー仲良しのロザモンド、弟のハリー、犬のファングについて丁寧に調査していきます。
はたしてネートは、アニーのなくなった絵を発見することができたのでしょうか。
一見、すぐに解けそうと思わせておきながら、意外になかなか解けないナゾの面白さと、ネートのツボを押さえた探偵ぶりに子どもも(大人も!)たちまち心を掴まれてしまいます。
また9歳という年齢でありながら、どんなナゾが来ても常に落ち着き、周りから頼りにされているネート。子どもたちは、自分と同じぐらいの年齢の子の活躍とカッコよさにたちまち憧れてしまうのではないでしょうか。一方でパンケーキが大好物で、気が付けばいつもパンケーキを食べているところには親しみを感じてしまいますね。
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今一番人気のシリーズ。どの巻から読んでもOK!(17巻だけできれば最後に)好きな巻からどうぞ。
第4位 エルマーのぼうけん
5、6、7歳の子に読んで聞かせてあげたい、幼年童話の最高峰!
出版社からの内容紹介
動物島に捕えられているりゅうの子を助けるため、エルマーは冒険の旅にでかけます……。広がる空想、ユーモア、リアリティー。幼年童話の最高峰の一つとして読みつがれています。
9歳の男の子エルマーは、親しくなった野良ネコから、“どうぶつ島”で野蛮な動物たちのとりこになっている、かわいそうなりゅうの子どもの話を聞いて、助けにいくことにしました。家を抜け出して船に忍び込み、“どうぶつ島”についたエルマーは、トラやサイやライオンなど獰猛な動物たちにつかまりそうになりますが、そのたびに機転を利かせて危機を切り抜け、ついにりゅうの子を助け出しました。
続きのお話もよく売れています。
第5位 『番ねずみのヤカちゃん』
みどころ
ドドさん夫婦の家の壁と壁のすき間に住む、おかあさんねずみと、四ひきの子ねずみ。そのうち四ひき目は、「やかましやのヤカちゃん」とよばれていました。
どうしてこんな名前がついたかって?
それはね…このヤカちゃん、とてつもなく声が大きかったからなんです。
たとえばこんな風。おかあさんねずみが、ドドさん夫婦に存在を気づかれないよう「けっして音をたててはいけない」と注意している時も「うん、わかったよ、おかあさん」と答える声のなんと大きいこと!他にもおかあさんねずみの注意に対して、全部うんと大きな声で答えるヤカちゃんのお返事の繰り返しが何とも愉快でたまりません。でもお返事のしかたから、ヤカちゃんがとっても素直でまっすぐで良い子だということが伝わってきて、どんどんヤカちゃんを応援したくなってしまいます。けれどもやっぱりその大きな声のせいで、ドドさん夫婦の家にねずみがいることがばれてしまって…。ここからドドさん夫婦のねずみ退治作戦が始まります。ドドさん夫婦とヤカちゃんの対決の結末やいかに…?
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第6位 『先生、しゅくだいわすれました』
みどころ
ある朝、宿題を忘れてしまったゆうすけくん。
このままだと、先生に「追加の宿題」をさせられる!
とっさに、おなかが痛くて宿題ができなかったとウソをつきますが、話すうちにどんどんボロが出て、結局バレてしまいました。
「ウソつくなら、すぐばれるようなのはだめだよ。もっと、ばれないようなので、それから、聞いた相手が楽しくなるようなのじゃなくちゃ」
そう言ってニヤリと笑う、えりこ先生。
それなら、よーし、見てろよ!
「先生、しゅくだい忘れました!」
次の日、さっそくはりきってそう報告したゆうすけくん。
理由をきかれて、さあ、待ってました!
ぼくが宿題できなかったのは・・・宇宙人のせいなんです!
「先生、おれ、たぶん明日宿題忘れます」
「ずるい。明日はわたしが忘れようと思ったのに」
「おれも宿題忘れたい」
「じゃあ、順番にしようよ」
そうしておかしなことに、みんなは順番に「宿題を忘れる」ことにしました。
どうして宿題をすることができなかったのか、そのおかしな理由を毎日ひとりずつ話していく、クラスのみんな。
ところが、その日に宿題を忘れてきたのは……なんと、えりこ先生!
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第7位 新版ヒキガエルとんだ大冒険(1) 火曜日のごちそうはヒキガエル
みどころ
一匹のヒキガエルが、ある冬の日に恐ろしいミミズクにつかまって、誕生日に食べられる!?
長い間、小学校国語の教科書にも取り上げられているこちらのお話。大人の方にはあっと懐かしく感じられた方も多いのではないでしょうか?1982年に日本で初めて刊行された後、2008年に訳を新たに装丁も大きく変わり、さらに読みやすく手にとりやすくなりました。
土の中で暮らしているヒキガエルのきょうだい、ウォートンとモートン。ある日ウォートンはモートンが作った美味しい砂糖菓子をおばさんに届けるため、寒い雪道をスキーで出かけます。しかし途中で足をケガして、たちの悪いミミズクにつかまってしまうのでした。ミミズクは6日後の自分の誕生日の特別なごちそうとして、ウォートンを食べるといいます。けれどもウォートンとミミズクは毎晩、お茶を飲んでたくさんおしゃべりをするように。もしかしたらミミズクの気が変わるかも?と淡い期待を持つウォートンとともに読者である私たちもウォートンがどうか食べられませんように、と祈らずにはいられません。そうするうちにもミミズクは、カレンダーの日付を1日1日「×」で消していき、誕生日はどんどん近づいて…。果たしてウォートンは食べられてしまうのでしょうか?
どんな絶望的状況にあろうとも決してあきらめない勇敢なウォートンの姿と、お話にちりばめられた登場人物それぞれの優しさに、子ども達は何を感じとるでしょうか。来たるミミズクの誕生日には予想外の展開が次々とおとずれ、心があちこちに大きく揺さぶられます。
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第8位 『大きい1年生と小さな2年生』
みどころ
体は大きいけれど弱虫のまさやと、体は小さいけれどしっかり者でけんかにも強いあきよ。まさやはあきよとの関わりを通して大きく成長します。1970年に刊行されてから40年以上たった今でも全く内容が古くならず、等身大の子どもの悩みや成長がしっかり描かれているところが大きな魅力です。ぜひ親子で一緒に出会ってほしい1冊です。
第9位 『大どろぼうホッツェンプロッツ』
出版社からの内容紹介
おばあさんの大切なコーヒーひきが、大どろぼうホッツェンプロッツに盗まれてしまいました。大魔法使いツワッケルマンや妖精も登場して、少年カスパールとゼッペルの大活躍がはじまります。
続きも人気! 文庫版もあります。
第10位 『しっぱいにかんぱい』
みどころ
表紙には、リレーのバトンを持って走る女の子。運動会でしょうか。タイトルが『しっぱいにかんぱい!』ですから、何か嫌な予感が…?
「おねえちゃんは、けさも牛乳をのんだだけでした。そのまんま口もきかずに自分の部屋へ、ひっこんでいってしまいました」という始まりの文から、予想通り?何かショックな出来事がおねえちゃんの身に起こったことがうかがえます。ゆうべから何も食べていない、というおねえちゃん、このおねえちゃんこと6年生の加奈は、前日の運動会のリレーで失敗をしてしまったのです。落ち込んだ加奈には、おとうさんやおかあさんの慰めの言葉も全く届きません。弟の達也は心配でおろおろするばかりです。そこに、おじいちゃんから1本の電話が入ります。おじいちゃんにお昼によばれて集まったのは、親戚のおじさん、おばさんと、いとこの洋とまなみ。ふとしたきっかけからみんなのしっぱい話が始まります。洋のしっぱい、まなみのしっぱい、弟達也のしっぱい、おばさんのしっぱい、そしておじさんのとんでもないしっぱい…。それぞれ大変な思いをしたけれど、今は笑いながら明るく語る姿を見て、加奈も自分のしっぱいを語り出すのでした。
大人になればしっぱいの1つや2つは当たり前。けれど子ども達にとっては初めて経験するショックな出来事でしょう。このお話は、そんな子ども達を励まし、勇気づけてくれる頼もしい存在です。
『しっぱいにかんぱい』は、「かんぱい!シリーズ」の1作目。シリーズには他にも「うそ」「ずるやすみ」「わすれんぼう」「けんか」「0てん」をテーマに現在6作品があり、そのどれもが子ども達が直面するであろう身近な問題を取りあげています。「かんぱい!シリーズ」を通して出てくる、子どもたちをさりげなくサポートする大人たちのように、子どもたちの近くにそっと置いておくようなさりげない手渡し方をしたい作品です。
4月に人気のあったシリーズ作品紹介
ベスト10入りした作品のシリーズ以外に、4月に人気のあったシリーズをご紹介します。おうち読書のご参考にどうぞ。
「チュウチュウ通りのなかまたち」シリーズ(全10巻)
「もりはおもしろランド」シリーズ(全15巻)
「へんてこもり」シリーズ(全5巻)
「モモちゃんとアカネちゃんの本」シリーズ(全6巻)
「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」シリーズ(現在13巻まで刊行中)
「ドリトル先生物語」シリーズ(全12巻)
「角川つばさ文庫 ぼくら」シリーズ
それでは最後に2020年4月に刊行された新刊の中から、おすすめの作品をご紹介します。
2020年4月発売新刊のおすすめ情報(小学生から中高生向けの新刊です)
秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)
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