絵本ナビスタイル トップ  >  絵本・本・よみきかせ   >   現役学校司書が本でCheer Up! 中学生に読んでほしいオススメ本   >   一年の計は元旦にあり!? 何かを始めてみたくなる本
現役学校司書が本でCheer Up! 中学生に読んでほしいオススメ本

一年の計は元旦にあり!? 何かを始めてみたくなる本

2022年寅年のスタートです! 今年もよろしくお願いします。
2021年はどんな本を読みましたか? どんな本が印象的でしたか?

 

2022年も、みなさんが本とともに、ごきげんで、豊かな日々を送れますように♪

 

さて今回の特集は、年始にピッタリの「何かを始めてみたくなる本」です。
今年はこんなことにチャレンジしたい、
今年こそは〇〇したい、
そんなあなたの夢を応援します。

 

とはいえ、現実に差し迫った問題ばかりを取り上げるのはつまらないので、
前半は、中学生のあるあるお悩み編、
後半は、夢は大きく! 妄想編、
としてご紹介します。

 

妄想編は、教養や読み物としても楽しい本を集めました。
「あんまり、興味ないけれど……」と思うあなたもついつい引き込まれてしまうかも?
ぜひ手にとってみてくださいね。

「何かを始めてみたくなる本」中学生のあるあるお悩み編

一年中かたづいた部屋で過ごしたい!

みなさんに質問です!
1.自分の部屋(もしくは家)がいつもきれいにかたづいている人〜!
2.では、スッキリと整った部屋で気持ちよく過ごしたい人〜!
私は、2では「はいっ! はいっ! 」と両手を挙げていますが、
1ではちーん……と手を挙げられずにいます。


そうです、おかたづけは中学生だけの問題ではなく、大人だって苦手な分野なのです!
片付いた部屋は気分が上がるし、気軽に友達を呼ぶこともできます。でも、なぜ多くの人は、片付けが苦手なのでしょう……。私はこの本の「はじめに」を読んで納得しました。


この本はかたづけの本なのに、

実は、かたづけなんかしなくたってどうってことありません。
なぜなら、「今日は日本全国で五名の方が、部屋の散らかりが原因で病院に運ばれました」そんなニュースは聞いたことがありません。

なんて書いてあるんです。確かに……。
私はこの部分を読んで、急に「この本を信じてやってみようかな?」と思ってしまいました。

かたづけは、その方法を学ぶ機会がなかなか無く、正しく学んで、練習すれば、ちゃんとできるようになります。

しかも、特別な場所や機材やお金も必要なく、かたづけの効果は無限大∞!

ふむふむ……じゃあかたづけって具体的にどうやるの? と思うみなさん。なんと本に従って4つのステップを実行していくだけなんです。

この連載を読んでくださる大人のみなさんには、本書の付録には、「親子でかたづけ上手になろう!」という章があり、とても参考になるのでぜひ読んでみてください。「かたづけを自ら進んでする子どもはいない」とキッパリはっきり書かれています。

大人も子ども関係なく、おかたづけ選手権を実行してみませんか? 運気もアップしちゃうかも?
 

勉強ができるようになりたい!

『これまでヒミツにされてきた誰でもトップ層に入れる 中学生の勉強法』

「2022年! オレは! 私は! 生まれ変わって勉強をがんばる!」そう思っている人はいませんか? この本のタイトルには「これまでヒミツにされてきた誰でもトップ層に入れる」と書いてあります。トップ層! なんてきらびやかな言葉でしょう。この本は前半が勉強に対する意識、後半が具体的な勉強のやり方(ハウツー)で構成されています。前半(前置き)が長いですが、一回は必ず読んでくださいね。前置きを読んだら、いよいよハウツー部分です。


まず、中学生の勉強には
・通常の勉強 と
・試験前の勉強 とがあります。


当たり前じゃないか! と思うかもしれませんが、通常の勉強をおろそかにしていて、試験前に「試験前の勉強」をしようとしたら、通常の勉強が穴だらけ、なんていう人はいませんか? まずはこの本を一度しっかり読んでみましょう。この本には、教科ごとに細かく勉強のやり方が書かれています。読んでいくうちに「これができる人は、そもそもトップ層じゃないの? 」と疑問が浮かんでくるかもしれません。でも、諦めたらそこで試合終了です!(ん? )。

全教科が無理なら、特定の教科だけ、中途半端にではなく、この本の通りにキッチリやってみることをオススメします。

 

私のオススメは、「1番苦手な教科」と「1番得意な教科」の2教科です。

苦手な教科の勉強→勉強中のモチベーションは低い→でも伸びしろは十分だから結果は急伸?
得意な教科の勉強→勉強中のモチベーションは高い→もともと得意だから結果の伸びはそこそこ?


この2教科でまずは試してみましょう!

この連載の読者さんは2022年末には「トップ層だらけ」かもしれませんね!

特に英語ができるようになりたい!

『英語日記BOY 海外で夢を叶える英語勉強法』

みなさん英語は得意ですか? それとも苦手?
私は「大」のつく苦手です(笑)


この本は以前Stand.fmの音声配信で紹介した本です。なぜこの本を選んだかというと、中学生から大人まで「英語学習をやらない理由を全部潰してくれる」良書だからです!


英語スクールに行かなくても、海外留学しなくても、英語はちゃんと上達できる! ということが書かれています。私などは「アイタタタタ……」と耳が痛くなってしまいますが、低コストで、かつ、目的を最短経路で達成できる方法なので、中学生のみなさんにもぴったりですよ。


この本で著者は「英語が話せる定義」を「いま言いたいオリジナル英語フレーズが瞬時に出てくること」と定義づけています。もちろん、英語に文法や単語力は必須ですが、それをすべて「自分ごと」に引き付けてしまうのです。


「メアリーとマイクが1時間テニスをした」 の例文は
「俺とハヤトで5時間マリオカートをした」 に。


「ポールとキムは、環境問題が社会に与える影響を議論する予定だ」 の例文は
「私とメイカは、BTSが私たちの人生に与える影響を議論する予定だ」 に。

 

英語は自分が伝えたいことを伝えるために学ぶのだということ。そして、自分に引き付けて英文を作ることは、モチベーションの点からも、英語力の定着という点からも最強だということを教えてくれます。
その他、身近なツールを使った勉強法もたくさん紹介されています。LINE単語帳や音声入力で発音の正しさを確認、など、いますぐにできそうなことばかりです。


今年は英語を頑張るぞ~! という人は、ぜひこの本を手に取ってみてください。
やらない理由がなくなって、いつしか英語があなたの武器になっているかも!

環境に優しい生活を送ってみたい

2021年のノーベル物理学賞は二酸化炭素の温暖化影響を予測した真鍋淑郎さんが受賞しました。この研究は地球温暖化とその対策を考える際に、基礎となるものだそうです。環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんが訴えるように、環境問題で大きな犠牲を払うかもしれないのは、(残念ながら現在の大人たちではなく)未来に生きる子どもたちであるみなさんです。


問題だと言われても、地球温暖化やそれによって私たちが受けるかもしれない影響について、いまひとつピンとこない、分からないという人も多いことでしょう。これは子どものみなさんに限ったことではなく、不都合なことは大人にだって分かりづらいようになっているようです。


この本は国際環境NGOのFoE Japanが編集した、気候変動と環境問題に関する本です。気候や環境に関わる様々な分野の研究や活動を行っている、世界の活動家たちが書いたものをまとめています。中高生のみなさんが十分理解し、読める言葉で書かれていて、図や写真もたくさんあります。手ごろな大きさの本ですが、じっくり読むと地球温暖化を代表とする、気候変動の問題の奥深さに、くらくらしそうになります。読み進めていくうちに、環境問題というのは政治や、経済など複雑な問題が絡み合った難しい問題だということが次第にわかってくるためです。でも、どうか最後まで読んでみてください。今、自分ができることは少ないかもしれないけれど、この本を読み切り、環境問題を知るということがどれだけ意味のあることか、読了すれば実感できると思います。

「何かを始めてみたくなる本」夢は大きく! 妄想編

さて、ここからは夢は大きく! 妄想編です。
プリンセスには縁遠い男子のみなさんも(なれるのはプリンスですね)、オーディションを受ける予定は多分一生無い、と思っているあなたも、少年漫画よりは少女漫画派のあなたも、ぜひ読んでみてくださいね。
 

プリンセスになりたい

プリンセス……女の子なら(女の子でなくても? )一度は憧れたはず……。
きらびやかで謎めいたプリンセスの世界が1冊の本になりました。
しかも、洋菓子界の巨匠今田美奈子先生(フランスに本物のお城を所有されていました!)と、少女漫画界の巨匠美内すずえ先生(『ガラスの仮面』著者)の夢のタッグです!


冒頭はマリー・アントワネットやエリザベートといった実在のプリンセスの肖像から、ドレスを解説。ぜいたく品の絹がふんだんに使われ、美しいレースが飾られて……なんて素敵なんでしょう! アクセサリーはネックレス、ブレスレットにプリンセスといえば、ティアラ!
プリンセスの食事は? 住まいは? そんなことにもしっかり答えてくれるこの本。プリンセスになりたいみなさんは、朝食にオレンジジュースを飲みましょう(読めば分かります)。


どんなに着飾っても、プリンセスはプリンセスとしての振る舞いができてこそ1人前。この本にはトイレのエチケットまで書かれていますので、この本でしっかり予習しておけば、急に晩さん会に招かれてもなにも慌てることはありません。
美内すずえさんの可愛い挿絵と、たくさんの写真や絵で構成されているプリンセス必読の書です。

スターになりたい!

『俳優のためのオーディションハンドブック ──ハリウッドの名キャスティング・ディレクターが教える「本番に強くなる」心構え』

ハリウッドのオーディションに受かって夢のデビューを果たしたいなら、絶対に読んでおきたい本! でも、この連載の読者のうちの何人が、ハリウッドデビューの夢をかなえたいと思っているのでしょうか……。私がこの本を紹介するのは、俳優(女優)になるという夢を持っていなくても、この本はとても面白いし、さまざまな学びがあるからです。


人生って、選ばれることの繰り返しだなと思います。つまり、俳優でなくても知らず知らずのうちに多くの選抜(=オーディション)を受けているということ。
どういうことか、いまいち分からないかもしれないですね。
例えば、書類選考だけのオーディションには、入学試験があります。学校によっては、書類選考(テストや調査書)だけでなく、面接が必要なこともありますね。入社試験はまさに、その会社の人事担当の人による、質疑応答を中心としたオーディションです。何人かの候補の中から1人または数名を選ぶ生徒会選挙や、恋愛も「選ぶ・選ばれるのオーディション」といえるかもしれません。そう考えると、みなさんだって無関係な内容ではないのかも。この本の中にたくさんの学びがあるかもしれませんよ!


この本は、俳優の才能を見抜いてその作品にぴったりのキャストを決めるキャスティング・ディレクターが書いた、オーディションを受ける人のための本です。

この本を読むと、自分に何が必要とされ、何を求められているのか、それを見極めて実行する賢さと、きちんと準備して臨む誠実さが大事だということが分かります。そして、選ぶ側の立場に立ってみたければ、アルバイトでもいいからそちら側の体験をしてみること。1度のオーディションに合格するより、何度でもオーディションに呼んでもらえることが大事、ということも書かれています。人生はあなたを主人公にした舞台です。ワクワクするような舞台をお互いに作り上げていきたいですね!

漫画家になりたい!

『描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方』

マンガ家になりたい人はもちろん、マンガが大好き! という漫画ファンなら鼻血が出そうになる位、贅沢で豪華な1冊! 自信をもってオススメします。

 

この本は、人気漫画家コーセイ先生が15歳の少年だった10年前、はじめてジャンプ編集部にマンガを持ち込む、という設定で始まります。マンガといっても持ち込んだのはキャラクターのイラスト1枚だけ。そんなコーセイ君に編集者のサイトウさんがマンガの描き方を1つ1つ丁寧に説明していきます。「ネームとは?」「下絵とは?」「ペン入れとは?」という初歩的な質問も丁寧に解説してあります。その後コーセイ君はやっと2ページ完結のマンガを描き始めるのですが、ページをめくって私は「!!!!!!!!!!!!!!」となりました! ジャンプ連載の大人気作家さんが(例えば『約束のネバーランド』や『銀魂』の!!!)編集部のお題に沿って、ネームを描き、惜しげもなくそのコツを伝授してくださっているではないですか! それだけではないんです! 第3章では、『ONE PIECE』の、『呪術廻戦』の、『鬼滅の刃』の……(多すぎて……書ききれません)作家さんたちが、「マンガを描き始めた頃に困っていたこと」や「上手になるために心がけたこと」などの貴重なアンケートに答えてくれています。あまりにも贅沢な本書の展開に、ほとんど気を失いそうになりました。


そうなんです、この本はジャンプ編集部のみなさんの「未来のマンガ家さんを応援したい」「マンガを描きたいと思う人を育てたい」という熱い思いがあふれまくっています。大人気マンガ家さんたちもその思いに応えて、採算度外視で初期の苦労話や努力の過程を教えてくれています。
正直1冊10万円でもマニアは惜しくない内容、そして充実度ですが、そこはジャンプ編集部、なななんと1冊900円+税で買えてしまうのです。マンガにそれほど興味が無くても、プロの仕事と自信、愛を感じられる本です。

スペシャルコンテンツのお知らせです。

スペシャルコンテンツのお知らせです。
絵本ナビのコラムを見てくださっている方に、今回も、スペシャルコンテンツがあります。
「学校図書館ラジオ」を配信しているstand.fm で「音声版、ちどりのオススメ!今月のもう1冊」を聴くことができます♪
下のQRコードからのみ、聴くことができる限定配信です。

QRコードを読み取っていただくか、URLをクリックして聴いてみて下さいね♪

アンケートのご回答をありがとうございました!

こちらの連載のアンケートにご回答いただいた方に、山下ちどりがお返事致します。

学校司書のユキシーさん、いつも連載を読んで頂き、またStand.fmの音声配信を聴いてくださりありがとうございます。
「本を薦める時に責任を持ってフォローする努力」
私自身、きちんとフォローできているか、もっといいタイミングで、その子に必要な本を手渡せているか、自信がありません……。
お仲間の存在、とっても励みになります。
これからも連載や音声を通して、ご意見いただければ嬉しいです!

連載【現役学校司書が本でCheer Up! 中学生に読んでほしいオススメ本】では、読者のみなさんからの感想や質問を募集しております。アンケートよりご意見をお寄せください。

Q1. お名前またはニックネーム(記事でのご紹介が可能かどうかもご記入下さい)

Q2. 属性(可能な範囲で)例:小学生、中学生、高校生、保護者、学校関係、図書館関係、その他等

Q3. 質問やご感想をお寄せください。

おわりに

今回の特集はいかがでしたか?
1年のスタートにあたり、現実的な目標を立てて、実行するのもよし、非現実的な世界やプロの仕事を垣間見て、頑張るぞ! と奮起するのもまたよしです。

この「現役学校司書が本でCheer Up! 中学生に読んでほしいオススメ本」の連載は、今年も継続していきます。今年もたくさん本を楽しみ、本の世界の楽しさを少しでもみなさんに伝えていきたいです。どうぞよろしくお願いいたします!
 

山下ちどり
 

現役学校司書。
音声メディアstand.fm「学校図書館ラジオ〜本とともにごきげんな毎日」のパーソナリティ。
比較的新刊のお気に入り本や、学校図書館、出版周辺のトピックスなどを配信している。Twitter @nagisalib

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
この記事の関連キーワード
Don`t copy text!