たかが「わごむ」、されど「わごむ」。絵本の主人公は……「わごむ」!!
普段なにげなく使っている「わごむ」。そのわごむが主人公になるなんて、あんまり考えたこともなかったけれど。のびたり、とばしたり、つなげたり。子どもたちにとっては魅力的な遊びの道具のひとつでもあるのです。
そんな「わごむ」に魅せられた子の絵本から、わごむの遊び方を紹介している絵本まで。ちょとめずらしい「わごむ絵本」を集めてみました。
絵本の主人公は……「わごむ」!!
ほしかったのは、わたしだけのわごむ
女の子が手にしたのは、どこにでもある、何の変哲もない普通の「わごむ」。色だって、よくある「茶色」。だけどこれは、お兄ちゃんのおさがりでもなく、みんなで使うものでもなく、貸してもらうものでもない。正真正銘、彼女のもの。
『わたしのわごむはわたさない』
「あ。」
見つけたのは、わごむ。
ゴミ箱の脇に落ちていた、わごむ。
お母さんに「ちょうだい」って聞いたら「ドーゾ」だって。
やった!このわごむは、わたしのだ!!
わたしの好きにしていいの?
すごくない?
女の子が手にしたのは、どこにでもある、何の変哲もない普通の「わごむ」。色だって、よくある「茶色」。だけどこれは、お兄ちゃんのおさがりでもなく、みんなで使うものでもなく、貸してもらうものでもない。正真正銘、彼女のもの。
うん、ちょっとわかる。
だけど、彼女の溺愛ぶりといったら。
「わごむ」への期待度の高さといったら。
……かなり笑えます。
「わたしの わごむは わたさない。」
この強い意志こそ、子どもらしくて可愛らしい。
そうそう、たとえどれだけお金を積まれたってね。
あれ。私もこのわごむ、欲しくなってきたぞ。
作品を出すたびに、固くなった大人の脳みそや、当たり前だと思っていた価値観を揺さぶってくれるヨシタケシンスケさん。今度のテーマは「モノの価値観」。誰にだって自分だけの宝物ってあったはず。この絵本を読みながら思い出してみるのもいいし、子どもたちの宝箱をそっと観察してみるのも面白い。きっと思いもよらないものがあるはずで……。
やっぱり今回も少しだけ世界を広げてくれるヨシタケさん。最後の終わり方も最高です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
わゴムはどんどん、どんどんのびて……
「そんなのありえない!」と思いながらも、子どもも大人もその展開にハラハラドキドキ。おはなし会でも盛りあがる人気の一冊。
『わゴムは どのくらい のびるかしら?』
ある日、ぼうやは、わゴムがどのくらいのびるか、ためしてみることにしました。
わゴムのはしを、ベッドの枠に引っ掛けて、
部屋の外に出ます。
自転車に乗って、バスに乗って、汽車に乗って……。
わゴムはどんどん、どんどん伸びていきます。
飛行機に乗って、船に乗って、ラクダに乗って。
ついにロケット発射場へ……!
子どもの想像力をかきたてる絵本。
わゴム1本でこ~んなにドキドキワクワクできるなんて素敵。どこまでのびるんだろう!どこまでのびるんだろう! って娘はドキドキしながら読んだようです。私だったら…悲しいかな「それ以上ひっぱったら切れちゃう!」なんて思ってしまいそう。(苦笑)
思っている以上に子どもってたくさんのドキドキワクワクしながら過ごしているんだなぁ…と感じました。
(rimarimaさん 30代・ママ 女の子6歳、男の子4歳)
まるごと一冊あますことなく「わごむ遊び」
普段なにげなく使っている「わごむ」だけれど、確かに子どもたちにとっては魅力的。「のびる」「おく」「とばす」……いろんな性質を使った楽しい絵本の誕生です。
『わごむまつり』
「びょ~ん びょ~ん びょ~ん」
わごむまつりへようこそ! そういって迎えてくれるのは、大きな鳥居にぶらさがった大きな大きなわごむ。どうやらここが入口みたい。わごむまつりって、いったいどんなお祭り?
神社の中には屋台がずらり。おめん屋さんに金魚すくい、ソースせんべいにしゃてきまで。どこか懐かしいけれど、これが全て「わごむで遊べる」というのだから驚きです。さあ、手もとにわごむをたくさん用意して。遊び方のメモを見ながら、わごむで金魚すくいをしたり、欲しい商品を狙ってわごむを飛ばしてみたり。焼きそば屋さんでは、わごむを豪快に使って大ごちそう! ページをめくるたびに違う「わごむ遊び」が登場しますよ。
普段なにげなく使っている「わごむ」だけれど、確かに子どもたちにとっては魅力的。「のびる」「おく」「とばす」……いろんな性質を使った楽しい絵本の誕生です。あんな遊びも、こんな遊びも。まさにお祭り気分。 表紙にだって、大胆にわごむを通せば……!?
「あそび」や「笑い」をテーマに、たくさんの作品を手がける絵本作家・つきおかゆみこさんによる最新作。まるごと一冊あますことなく「わごむ遊び」を満喫できるこの絵本。みんなの家で大活躍してくれそうですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
こちらもおすすめ!「わごむの絵本」
こんなにもいきいきと「わごむ」と戯れる子どもたちの様子を見ていると、大人の私でもなんだかこの宝物を手に入れたくなってくるのです……。私だけのわごむ、探しにいかなくては!
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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