【今週の今日の一冊】秋の読み聞かせ絵本、何にする? 秋のテーマから選ぼう!
秋のおはなし会や、読み聞かせの絵本選びに迷ったら、豊富な秋の絵本テーマから選ぶのはいかが?
どんぐり、おいも、柿、かぼちゃなど秋の味覚や、十五夜に向けてお月さまの絵本、もみじ、落ち葉など秋の美しい風物詩、えんそく、運動会、ハロウィンなど楽しい行事など、秋は、子どもたちに読みたい絵本も盛りだくさん!
今週は、秋のテーマと合わせて、秋の読み聞かせにおすすめの絵本をご紹介します。
2023年9月4日から9月10日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
どんぐりの絵本テーマから選ぶ
9月4日 どんぐりの宝物、おうちのびんの中に入れていたら…
月曜日は『どんぐりころころむし』
秋の林はどんぐりでいっぱいです。茶色いどんぐり、緑色のどんぐり、帽子をかぶったどんぐり……。どんぐりの宝物、たくさん拾って、おうちのびんの中に入れていたら、いつのまにか穴があき、むしが出てきました。そっとなでると、むしはどんぐりみたいにころころ転がりました! ぴかぴかのどんぐりと愛らしい“どんぐりころころむし”が、子どもたちを秋の林へと誘います。
みんなの声より
秋になったらどんぐりをたくさん集めるのが子どもたちも大好きですが、煮沸処理をあえてせずに観察します。すると・・・この“どんぐりころころむし”に出会うことができます。中から出てくる、この幼虫が嫌で事前に煮沸処理をすることもあるようですが、これも自然な出会い。
ちょっと気持ち悪い気もしないでもないですが、この幼虫が出てくると、子どもたちは「可愛い~」と大喜びです。
絵本の中では、この虫の名前には触れていませんが最後の裏表紙にシギゾウムシの仲間です。と記載されています。
子どもとどんぐりを見つけたら、一度は出会う、この白い小さな幼虫。この絵本を読んだら少しは愛着が持てるかもしれません。
(Pocketさん 40代・ママ 女の子20歳、男の子16歳)
おいもの絵本テーマから選ぶ
9月5日 「やきいもするぞ エイエイオー!」
火曜日は『やきいもするぞ』
大らかでゆったりとした空気感に、ぴりっと効いたユーモアセンス。
独特の雰囲気がどれも魅力的なおくはらゆめさんの絵本。
今度の新刊はやる気いっぱい!
森は落ち葉だらけで、畑はお芋だらけ。
「こうなったら しょうがない」「やきいもするぞ エイエイオー!」
動物たちは一致団結、みんな大はりきりなのです。
でもよく見るとキャラクターは個性的、それぞれの表情の変化も見逃せません。
特に、焼き上がったお芋を思い思いに頬張る至福の瞬間!
その輪の中に、いつの間にか混ざっている“あの方”の意外なほどの可愛さにも注目です。
そしておいもを食べれば、当然出るのは・・・?
「こうなったらしょうがない」
まだまだみんなははりきるのです。
昔話の様な、どこか懐かしくて美しい秋の景色を背景に、ばかばかしい大会を繰り広げる動物たちと一緒に、大笑いしながら参加してみてくださいね。それにしても焼き芋、美味しそう・・・。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
みんなの声より
読み聞かせするときに、リズミカルに読むことができる絵本だと思います。
とくにおならが出てくると、読んでいる私まで、「今日はどんなふうに読もうかな」と考えてしまいます。
子どもたちって、なんであんなにおならが大好きなんでしょうかね。
おなら大会の場面は、いつも大盛りあがりしています。
(ちびっこおばちゃまさん 30代・その他の方 男の子3歳)
かぼちゃの絵本テーマから選ぶ
9月6日 まじょが、かぼちゃの たねを まきました。
水曜日は『おおきなかぼちゃ』
魔女のかぼちゃは、とてつもなく大きく育ちました。今夜はハロウィン。パンプキンパイをこっそり食べたい魔女ですが、かぼちゃはびくとも動きません。ゴーストにも、吸血鬼にも、ミイラ男にも、かぼちゃを動かすことができません。最後に現れた一匹のちいさなこうもり。こんな小さなヤツが役にたつものかと笑われても、賢いこうもりにはよい考えがありました。…日本でも有名なロシア民話『おおきなかぶ』を彷彿とさせる、エリカ・シルバーマンのリズミカルなテキスト。おどろおどろしく怖いものたちを、あたたかくユーモラスに描いたシンドラーの魅力的なイラスト世界。幸せな読後感で、ハロウィンの季節に繰り返し読みたい絵本です。
みんなの声より
魔女がかぼちゃの種を蒔きました。
ハロウィンのお祭りにかぼちゃのパイを作る為なんだそうです。
大事に育てたかいあって、かぼちゃはすくすく、みるみる大きくなりました。
明日がハロウィンという日に、魔女はかぼちゃの収穫に畑へ。
ところが、力いっぱい引っ張ってもかぼちゃはびくともしません。
そこへゆうれいがやって来て……。
次にきゅうけつきがやって来て……。
おどろおどろしい面々の登場の連続に、小さいお子さんも興奮するだろうな~、なんて考えていたら、アレ~~~~~ッ、これって、なんか似てるぅ~~~、「おおきなかぶ」に。 と、やっと気づきましたよ。
鈍い自分に大笑い。小さい読者さんは、どこで気がつくかしら?楽しみですね。
怖いはずの面々が力を合わせかぼちゃを引っ張ろうとしている絵が、俄然愉快に見えて来ます。
さて、魔女はパンプキンパイを作れたのでしょうか? 親子でお楽しみください。
(アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子13歳)
お月さまの絵本テーマから選ぶ
9月7日 とろとろ、とろーり。お月さまが溶けたらどんな味?
木曜日は『おつきさまのパンケーキ』
夜空にぽっかり浮かんだ、まんまるおつきさま。
「おいしそう。たべたいなあ」
あらあら、たぬきさんったら食いしんぼう。
すると……とろ、とろとろ。
「わあ」
なんと、おつきさまがとろとろ溶けだしてきた!
これは大変。慌てて用意したのは、フライパン。
バターも入れてね。とろけたお月さまで焼きあがったのは?
表紙に登場するのは、お月さま? それともパンケーキ?
黄金色に輝くお月さまもパンケーキも、とにかくとにかく美味しそう。
絵本の最初から最後まで、ずっと目が釘付けに。
ああ、早く満月の日にならないかな。
真珠まりこさんがお届けする、不思議なたべもの絵本。これは食いしんぼうさん達の秋の定番になりそうですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
みんなの声より
とにもかくにも、おいしそうな絵本でした。
お月さまがとろーりとたれてくるシーンでは、「あぁ、もったいない!」と思わず、手を差し出してしまいそうなくらい、おいしそうでした。
お月見と食欲の秋の両方を満たしてくれる、とても秋らしい絵本でした。
(さくらっこママさん 30代・ママ 男の子7歳、男の子4歳)
秋の行事、遠足の絵本テーマから選ぶ
9月8日 遠足に行きたい気持ちが飛び出して…
みんなの声より
幼稚園での読み聞かせに持って行きました。対象は5歳児と4歳児。
「もうすぐ遠足があるよね~。どこ行くんやった?」と語りかけてから、始めました。
ジュースの気持ちも連れて行くところ、雨雲からジュースの雨が降ってくるところが一番反応が大きかったです。ジュースの雨ってあこがれですよね、やっぱり。ジュースの雨を降らせて、雨雲が白くなるところ、読む前に気がついた子供がいて、よく見てくれてるなぁと嬉しかったです。
最後に「お弁当とられてる~」といった子がいて「そういえば、お弁当の気持ちは連れて行かはらへんかったなぁ」ととっさに言ってしまったけど、あとでよく考えたら、病欠してるんだからお弁当は作ってませんよね(笑)
子どもたちの前で絵本を読むといろいろ発見があって楽しいです。
(将軍亭琴音さん 30代・ママ 女の子11歳、女の子8歳、女の子6歳)
秋の名作から選ぶ
9月9日 「どうぞ」でつながる思いやりのとりかえっこ
土曜日は『どうぞのいす』
うさぎさんが作っているのは、小さな椅子。しっぽもつけて完成です。
「さて、どこに置こうかな」
うさぎさんは、野原の木の下に、「どうぞのいす」と書いた立て札と一緒に置いていきます。うさぎさんのひらめいた「いい考え」とは、どんなことだったのでしょうね。やがて、動物たちが通り過ぎるたびに、色々な出来事が起こるのです。
最初に通りかかったろばさんは、「どうぞのいす」を見ると、なんて親切な椅子だろう、せっかくだから……と、自分は木の下にすわりこみ、持っていたかごを椅子の上に置いたまま、お昼寝をしてしまいます。
次に通りかかったのは、くまさん。椅子の上にはかごいっぱいのどんぐり。隣に書いてあるのは「どうぞのいす」。そこでくまさんは「どうぞならば」と食べてしまいます。だけど思うのです。
「からっぽにしてしまっては、あとの人におきのどく」
そこでくまさんがとった行動とは…? さらにきつねさん、りすさんが通りかかり、それぞれが「どうぞ」の言葉に反応し、考えて、行動し、それはやがてユニークな結末へとつながっていきます。
愛らしい動物たちが次々に登場し、ページをめくるたびに、食べ物がテンポ良くとりかえっこされていく様子は、何度読んでも愉快です。面白いのは、本人たち同士が誰も直接会っていないということ。つながっているのは「どうぞのいす」の言葉のみ。子どもたちは、目の前で繰り返されるその様子を見ながら、どんなことを考えるのでしょうね。
柿本幸造さんの描く、どこまでも温かく優しい絵と共に、きっと長く心に残る絵本となることでしょう。年齢を経ても、繰り返し読んであげてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
みんなの声より
うさぎさんが、小さな椅子を作ります。
「どうぞのいす」と名づけて、道の脇に置いておきました。
通りかかる動物達は、それをみて・・・・。
次から次に出てくる動物達。
みんな持っているものは違うけど、親切をありがたく受け取っては、次にやってくる人のことを思いやって、親切を残していく。
この繰り返しのリズムがとても心地良いです。
こういう他人とのかかわりかたが自然に気負うことなくできるような人に、わが子もなってほしいなと思います。
とても愛らしい挿絵ですし、文章もそれほど長くないので、小さいお子さんから楽しめる絵本だと思います。
他人への親切がどんどん回っていくお話はほかにもありますよね。私は「しんせつなともだち」を思い浮かべました。読み比べてみるのも楽しいかもしれませんね。
(あんれいさん 30第・ママ 男の子4歳)
9月10日 はたして一番えらいどんぐりは誰なのか?
日曜日は『宮沢賢治の絵本 どんぐりと山猫』
ある土曜日の夕方、一郎の元に届いたおかしな葉書。果たして一番偉いどんぐりは誰なのか?山猫裁判長に頼まれて一郎が思いついた判決とは?ユーモアに包まれた、メッセージの深さに思わずしんとする・・・。宮沢賢治の生前にただ一冊出版された童話集「注文の多い料理店」の冒頭を飾った傑作を、「小学館絵画賞」をはじめとする数々の賞を受賞している田島征三が、自然界ののどかな雰囲気をダイナミックに描いています。お子さんが成長しても記憶に残る傑作です。
いかがでしたか。
子どもたちの前で読んでみたい! と思う本はありましたか。
秋の読み聞かせ、読み手も秋をたっぷり感じながら、楽しんでくださいね。
選書・構成:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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