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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】夏休みに読みたい、特別な夏を思い出す絵本

夏休みといえば、青い空、じりじりと照りつける日差し、むっとした空気、緑の濃い匂い……。そして田舎のおじいちゃん、おばあちゃんの家への帰省、親戚との集まり、夏のお祭りや花火……。そんな夏休みのイメージや、大人の方にとっては懐かしい夏の風景を、子どもたちは今まさに体験しているところでしょうか。


今週は、どこか懐かしい夏の原風景や美しい夏の景色に出会える絵本を集めてみました。夏休み、お出かけされる方も家でゆっくりされる方も、絵本を開いて、いつかの夏を思い起こしてみませんか。

2024年8月12日から8月18日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

夏休みの楽しい一日を描く絵本

8月12日 家族や親戚と過ごす、かがやく夏の一日

月曜日は『なつやすみ』

なつやすみ

こうたくんの家に、いとこの家族が遊びにきました。みんなでプールで遊んだ後は、家でそうめんの昼食をかこみます。昼寝から覚めたらスイカを食べて、夜は神社のお祭りへ。夜店の金魚すくいに夢中になったこうたくん、気がつくと「あれ、みんなどこいっちゃったの?」……。ユニークな構図でえがく絵の中では、朝顔が咲き、セミが鳴き、祭りばやしの笛の音が聞こえるかのようです。かがやく夏の一日を、どうぞおたのしみください。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=209706
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読者レビューより

楽しかった、そんな夏休みの思い出を麻生知子さんの『なつやすみ』という絵本で追体験してみてはどうかな。
この絵本で、こうたくんの家にいとこのゆうこちゃんととしのぶくんの家族がやってくるそんな場面から始まります。
こうたくんの家にはおばあちゃんも一緒に住んでいるから、ゆうこちゃんの家族は帰省してきたのです。
3人の子供たちは服の色のちがいで描かれています。
見開きで描かれる家の中とか広いプール、近所の神社のおまつりで、子供たちやその家族のみんなを探すのも面白い仕掛けのようになっています。色使いや視点の違いで、楽しみが倍増されるのが実感できます。

いとこのゆうこちゃんたちがやってきて、楽しんだこうたくん、ちゃんとそのことを絵日記に書いています。
裏表紙を見たら、こっそり読めますよ。

(夏の雨さん 60代・パパ)

お盆ってどんなことをするの?

8月13日 夏休み、おばあちゃんの家で体験したのは…?

火曜日は『ぼんちゃんのぼんやすみ』

ぼんちゃんのぼんやすみ

子どもに伝えたい日本の風習
ご先祖さまの霊がかえってくるというお盆。ぼんちゃんが、夏休みにいなかで過ごしたお盆は……!?
親子で楽しむ、季節と行事のよみきかせ絵本

<季節の行事 お盆>
お盆は、7月か、8月(旧暦の7月)の15日を中心に4日間おこなわれる、亡くなった祖先の霊を慰めるための行事で、時期やまつり方は各地方、各家によりさまざまです。最近ではお盆の行事をおこなわない家庭も増え、お盆休みも単なる夏休みの代名詞となってしまった感もありますが、亡くなった祖先に思いを馳せ、親子でお話しする機会にしてみてはいかがでしょうか。――<「おうちの方へ」より>

夏といえば虫とり!?

8月14日 暑い暑い夏の日。クワガタのいる山をめざして!

水曜日は『なつのいちにち』

なつのいちにち

暑い暑い夏の日。子どもの頃に体感したあの記憶の断片が蘇ってきます。
真っ白な陽射し、青い草の匂い、響き渡るセミの声。
そして大きな麦藁帽子をかぶって、山へ向かって一心不乱に走る少年。
広い青空の下に駆け回るこの開放感は、体験した者にしか味わえない感覚です。
我が息子にも、「夢中になって遊ぶ」事でこんな記憶の残像を一つでも多く体の中に残して欲しい、
心からそう思わせてくれる一冊です。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=6806

読者の声より

ある夏の一日です。

大きなクワガタムシを取りに一生懸命走る少年。
木にとまったクワガタを見つけ、捕まえようと機によじ登り。

自然の絵がとてもダイナミックに表現されています。
一面の緑、流れる水しぶき、ごつごつした岩、幹の少ない木、そして雲の晴れ間。
暑苦しいくらいに、見ているだけで夏の空気を感じることができます。

クワガタを捕まえようと四苦八苦する場面では、子どもも息をのみ、中の世界に入り込んでいます。
夏に読みたい絵本です。
(ヤキングさん 30代・ママ 男の子12歳、女の子7歳)

夏に命を感じる絵本

8月15日 真夏の一日、女の子が出会う無数の生命

木曜日は『なっちゃんのなつ』

なっちゃんの なつ

なっちゃんがともちゃんの家を訪ねると、ともちゃんはいませんでした。そこで一人で河原にでかけてみると、今は夏の真っ盛り。草が生い茂り、花が咲き、虫たちがうごめいていました。無数の命がひしめく傍らには、魚を飲み込むアオサギや、あちこちで死んでいるセミ。通り雨に降られて家に帰ると、おばあさんからお墓参りに誘われます。お墓参りから帰ると、なっちゃんはともちゃんと遊びました。日本の夏の、濃密な美しさを描いた絵本。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=124251
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読者レビューより

お勧めされていたので、読んでみたのですが、夏にぴったりでした。

片山健さんの夏の草花の勢いのあること。
庭の草も抜いても抜いても生えてきますが、夏の自然って元気いっぱいだなと思います。

子どもたちもこの夏のにおいを実感できるほど、この絵本のような自然はあまり近所になく、小さい頃、虫が出て嫌だな、自然ばっかりと思っていたのは贅沢な体験だったのかもと田舎で育ったことに感謝の気持ちが出てきました。

暑いだけでなく、生き物や植物の姿やにおいなど、いろんなものを子どもたちに感じてほしいです。
(まことあつさん 30代・ママ 男の子7歳、男の子5歳)

ある夏の日のファンタジー

8月16日 「あついひ すなやまに みつけた ともだち」

金曜日は『のらいぬ』

のらいぬ

日ざかりの砂山で、さびしいのら犬が出会った友だちはまぼろしだったのか。明るい南国の海辺を舞台に、ふしぎな出会いを描いた作品。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=13095
https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=13095

読者レビューより

大人も楽しめる絵本と紹介されていて興味を持ちました。
シンプルな文章とともに味わう極上の絵。ページを開くとそこは夏で、海の香りがしてくるようでした。
澄みきった青空。広がる白い砂浜。こんがり日焼けした男の子と、軽快に走る犬。どれもこれも気持ちがいいです。
一緒に読んだ4才の息子も楽しんでいました。男の子が飛べたところがうれしかったみたいです。
(クッチーナママさん 30代・ママ 女の子9歳、女の子7歳、男の子4歳)

海の楽しさを感じる絵本

8月17日 かき氷に海の家、突然の夕立、行水、花火大会…

土曜日は『おーなみこなみざぶん!』

おーなみこなみざぶん!

長野ヒデ子さんの「うたあそび絵本」シリーズです。絵本の巻頭に収められているヒデ子さんの「何でも歌にして口ずさむと、楽しくなる」、「そのうえ、すばらしい絵にワクワク!」この2つの言葉に作品の魅力がぎゅっと凝縮されているんだと思います。「うれしさと楽しさのおすそわけ」という絵本の中身を早速見てみましょう!
♪おーなみ こなみ かーぜが ふいたら まわりましょ♪ 
舞台はもちろん夏の海。楽しい歌にのせて、気持ちの良い風、ぎんぎら照りつけられている波、夏休みにやって来るにぎやかな海水浴客、かき氷屋さんや突然の夕立など、存分に夏を感じられる場面が続き、気持ちも一緒に高揚してきます。口ずさんでいると本当にワクワクしてくるのです。
西村繁男さんの描く海水浴客のはしゃぎっぷりも最高です。細かい部分まで見逃せません。でもどこか懐かしい雰囲気も漂って・・・。浜辺の松の木、海岸線の電車、海の家の様子など「この景色見覚えがある!」という方もいるかもしれませんね。
♪ゆうだち おひるね すずしいね♪
昼間の明るい海だけでなく、夕方の海、花火の上がる夜の海の風景も美しく。そして夏の夜に夢見る海はどんな海?
やがて夏も終わり、海にも季節の移り変わりがやってきて・・・。
楽しい歌とともに、また来年のまぶしい夏の海の季節を待ちましょう。
その時にはまたこの絵本を引っ張り出してくるのも忘れずにね。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=85585
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読者レビューより

思い切り夏を感じられる1冊で、なんだか読んでいて懐かしくもなりました。昔子供のころに海に行ったことなど、色々と思い出しました。こんな感じだったなあ。と絵本を読みながら思い出していました。この絵本は思い切り夏を感じられる絵とリズミカルな文章で、すごく素敵です。
(ピンクちゃんさん 40代・ママ 女の子13歳、男の子6歳)

花火の絵本

8月18日 夏の風情を感じさせてくれる、大輪の花火

日曜日は『はなびのひ』

はなびのひ

「いってらっしゃい、おとうちゃん」
「おうっ、ぽんきち、でっかいの あげてやるからな」

今日は待ちに待ったお江戸の花火大会。ぽんきちのお父ちゃんは花火職人なのです。夜まで待ちきれないぽんきちは、家の中でうろうろ…落ち着きません。すると、お母ちゃんからお父ちゃんの夜食を届けるように頼まれました。

「うん、まかしといて!」

夜食を手に持ち、歩き出したぽんきちの姿をを見ると、町の人たちが「もう花火の時間だ!」と思い込み、仕事なんてそっちのけで次々についていきます。何しろ、誰もがぽんきちのお父ちゃんの花火を楽しみにしていますからね。ぽんきちの知らない間に、江戸の町には大行列が出来上がり…。さあ、いよいよ待ってましたの花火大会のはじまりです!

「ひゅー… どーん」

たしろちさとさんが初めて挑む和風絵本。その色合いから構図、キャラクターまで、新たな魅力をたっぷりと味わえるこの1冊。江戸の街並みを背景に、住人達の暮らしや着物や小道具など、どこの場面を切り取っても見飽きることなく楽しみながら、いつの間にか読者もクライマックスの花火シーンを待ちわびてドキドキしてきます。荷物を持って町をフラフラ歩く小さなぽんきちの姿も可愛すぎます。

でも、やっぱり何と言っても大迫力の花火シーン。広い夜の空に咲く大輪の花火、降ってくるような光のつぶ。江戸の人々と同じように、見とれてボーっとしてしまいます。夏の涼しい定番絵本の登場ですね。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=118822
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読者レビューより

江戸の暮らしぶりが、たしろちさとさんの愛らしいイラストで描かれています。
とても繊細に描かれていて、
1ページ1ページ、絵を見ているだけでも楽しめました。
花火を待つみんなのわくわくソワソワする気持ち、分かるなあ。
花火の場面が圧倒されるほど素晴らしく、なんとも贅沢な絵本です。
(なーお00さん 30代・その他の方)

いかがでしたか。お盆を過ぎると、一気に夏の終わりの空気も漂ってきますが、絵本を開いてまだまだ夏を満喫してみてくださいね。

 

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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