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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】「図書館記念日」に読みたい! 図書館の魅力いっぱいの絵本と読み物

静かな空間に広がる、たくさんの本との出会いの場である図書館。今週は、4月30日の「図書館記念日」にちなんで、図書館の魅力が詰まった絵本や読み物をお届けします。図書館の仕事を知ったり、図書館を探検したり、図書館と子どもたちの触れ合いの物語を楽しんでみませんか。

4月28日から5月4日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

4月28日 毎日大忙しの図書館のしごとをのぞいてみよう。

月曜日は『はたらく図書館』

はたらく図書館

奈良の図書館「奈良県立図書情報館」。
図書館の仕事ってのんびりしてそう、
と思ったらおおまちがい。
書庫から本を取り出して、
返ってこない本をさいそくして、
こわれた本を直すこともある。
司書は毎日大忙し、いきつくひまもありません。
図書館の知られざる裏側を覗きます。

読者の声より

写真絵本『はたらく』シリーズ。
わあ、図書館ですって。
これは見逃せません。
モノクロの写真も、説得力があります。
あくまで、図書館スタッフ目線というのも、テーマ「はたらく」だからこそ。
スタッフミーティング、細やかな作業。
最新のロボット書庫の様子も興味深いですね。
さらには、閉館後の静まり返った本棚。
この視点も、なかなか味わい深いです。
(レイラさん 50代・じいじ・ばあば 女の子1歳、女の子1歳)

4月29日 ライオンと一緒にニューヨーク公共図書館を探検!

火曜日は『あいぼうはどこへ? ニューヨークの としょかんに いる 2とうの ライオンの おはなし』

あいぼうはどこへ? ニューヨークの としょかんに いる 2とうの ライオンの おはなし

立派なたてがみをもった2頭のライオン、フォーティテュードとペイシェンス。彼らは、ただのライオンではありません。世界でもっとも有名な、美しい図書館のひとつと言われるニューヨーク公共図書館を守る役目があるのです。毎日訪れる人を入口で迎えるのです。

ところが、ある朝。
しっかりもののフォーティテュードが目を覚ますと、横にいるはずのペイシェンスがいません。なんてこと! 日がのぼるまでに「もちば」に戻っていないと大変なことになります。

フォーティテュードは考えます。好奇心旺盛なペイシェンスは、時々こっそりと図書館に入っていくことがある、今日もきっと……。フォーティテュードは扉をおして図書館の中へ入っていきます。彼は図書館の中に入るのははじめて。あまりの広さにとまどいながらも、隅々まで探していきますが……。

夜明け前のニューヨークの街に2頭のライオンを従えてそびえ立つ図書館、なんて素敵なのでしょう。馴染みのない日本の子どもたちだって、一目見ればきっと憧れてしまうはず。ペイシェンスは夜な夜なそこで一体何をしているのでしょう。フォーティテュードと一緒にドキドキしながらページをめくっていけば、その結末にきっと心が温かくなって幸せな気持ちになるに違いありません。

「本を読む楽しみを。誰かと物語を共有する喜びを。」
共通する思いを胸に、初の翻訳を手掛けたのは絵本ナビCEO金柿秀幸。
どうか、たくさんの子どもたちに伝わりますように。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=124791
https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=124791

読者の声より

実際に現存しているニューヨーク公共図書館を舞台にしたお話です。「忍耐」と「不屈の精神」という意味の名前がついた二頭のライオン。図書館を守っている銅像です。とても素敵な図書館とその図書館にふさわしい2頭のライオンのお話。観光名所にもなっているということで、私も実際に行ってみたいな~と思いました。
本を共有することの楽しさをこの絵本はさりげなく教えてくれます。
(ouchijikanさん 40代・ママ)

4月29日 将来への道を開いた図書館との特別な出会いの物語

水曜日は『あこがれの図書館』

あこがれの図書館

農村から町へひっこしてきたパトリシアは、学校の帰り道、お城のようにりっぱな建物に目をうばわれます。

あのすてきなお城に行ってみたい!

そこは、だれでもはいれる町の図書館でした。

字を読むのが苦手だったパトリシアは、きれいな絵でいっぱいの画集をみつけます。
毎日のように図書館へかよい、むちゅうで本をながめるパトリシアに、図書館員のクリービーさんは、いいました。
「いよいよあなたに、図書館のとくべつな本を見せるときがきたわ」
  
将来の道をひらいてくれたクリービーさんと、1さつの美しい本。
あこがれの図書館は、パトリシアに一生わすれられない出あいをくれました。

読者の声より

『Palace of Books』が原題。
この意訳が素晴らしいです。
主人公の少女はパトリシア。
作者の自伝エピソードなのですね。
自然豊かな農村から引越してきたパトリシアと図書館との出会い。
字を読むのが苦手な障がいを持つだけに、
彼女の才能に気づき、的確な書物を提供した図書館員さんに拍手!です。
これはまさに、図書館の醍醐味。
農村で育まれた鳥の知識と、美的センス。
「自分たちの野鳥センター」という研究に発展するという、
クラスメートにまで波及していく学びの様子が素晴らしいです。
なにより、パトリシアの将来にも通じる出会いに乾杯!気分です。
(レイラさん 50代・じいじ・ばあば 女の子1歳、女の子1歳)

5月1日 「国際子ども図書館」を舞台に始まる素敵な冒険

木曜日は『図書館のふしぎな時間』

図書館のふしぎな時間

おかあさんと上野の国際子ども図書館へやってきたゆりかのまえに、イギリスの古い本のなかにすんでいるという妖精が現れて……。妖精の案内で、ふしぎな図書館めぐりがはじまります。100年まえのたてものを利用した図書館には、むかしから親しまれてきた物語の登場人物たちがいきづく。「未来への記憶」シリーズ第3弾。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=125325

読者の声より

こんな不思議な時間が図書館で起きたら物凄く楽しいだろうな。うちの子供は未だ図書館に行った事が無いのですが、この絵本を読んで図書館にまたいつか連れて行ってあげようかな、そう思いました。
うちの近所にはこんなに立派な図書館は無いですが小さな図書館でもきっと同じような雰囲気は味わえるかも、と思いました。

図書館は子供の頃良く言っていましたが静かで、絵本がいっぱいで夏は涼しくて、子供の頃の思い出の一つにしっかりと残っています。色々な絵本を読む時間、子供の頃は図書館は一つの特別な場所だった気がします。

子供達もこの絵本を通じて図書館と言う場所が気になってきたみたいです。本の内容はとても不思議な感じですが、それがまたこの本の魅力なのかも。そう思いました。絵本を通じて図書館巡り。妖精さんはこの絵本の中でしかきっと出て来てくれないけれど、図書館と言う特別な場所に行きたくなる、そんな1冊でした。

図書館の魅力いっぱいの素敵な1冊です。
(ピンクちゃんさん 40代・ママ 女の子11歳、男の子4歳)

5月2日 モジモジばあが本を元気にする方法とは?

金曜日は『モジモジばあは、本のおいしゃさん』

モジモジばあは、本のおいしゃさん

ある日、はたらきアリのアントンとアンティは、迷い込んだ図書館で奇妙なアリのおばあさん、もじもじばあに出会う。もじもじばあは、くたびれた本をみつけて、本を元気にしているというのだが、その方法はとてもユニークで…

読者の声より

最近は、大きな黒いアリを見なくなったね、、、と、友人と話していたが、昔から本とアリが好きだったアリ好きな私にはたまらない物語で、一気に読んでしまいました。
それにしても本を心から愛するモジモジアリがいたなんて!!、なんだか本当に図書館には、こんなアリが生きていそうだと図書館が不思議にも思えました。
ぞんざいに扱われてしまった本のタイトルを治すシーンが、これまたユニーク。
中に出てくる本のタイトル達が、本を好きで読んできたならきっと思い当たる、「詩の好きなコウモリの話」や「くまのコールテンくん」や「秘密の花園」や、、、。なんだか懐かしかった。
きっとこの物語を読んで、本を大事にしようと思う子どもも増えそうだし、紙の本の大切さをしみじみ感じることが出来ました。それにしても、モジモジアリやドーンのキャラクター化が、ユニーク!!
(光の子さん 50代・その他の方)

5月3日 図書館にこんなひみつがあったなんて!

土曜日は『なのだのノダちゃん(6) びっくり図書館』

なのだのノダちゃん(6) びっくり図書館

図書館で出会ったのは司書見習いの不思議な女の子。ノダちゃんとサキちゃんは本の修理や読み聞かせの練習を手伝うことに……。

読者の声より

小学生の読書にぴったりなシリーズ児童書です。
今回の第6巻は、「びっくり図書館」。
ドキドキわくわくの展開で楽しめると思います。
はたこうしろうさんのイラストもいい味わいです。
シリーズものなので、気に入ったら次々読めるのも、また嬉しいものですね。
(まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子12歳)

5月4日 厳しい生活の中、村の図書館が心の拠りどころに……

日曜日は『図書館がくれた宝物』

図書館がくれた宝物

 

1940年、ロンドン。
ドイツとの戦争が
始まったばかりの英国。
12歳のウィリアム、11歳のエドマンド、
9歳のアンナの三人きょうだいの
保護者がわりだった祖母がなくなった。
三人の両親は幼いころ亡くなっている。
遺産がのこされたが、未成年の三人は、後見人がいないと
遺産にも手をつけられない。
そこで、弁護士のエンガーソルさんが、
集団学童疎開に三人も参加することを
提案した。
空襲の恐れのある
ロンドンにいるよりは安全だし、
ひょっとしたら疎開先で、
後見人になってくれる人が
見つかるかもしれない…。

疎開先では辛いことも多い。
厳しい疎開生活のなか、
3人の救いとなったのは、
村の図書館だった。

ロンドンから疎開した
本の好きな3人きょうだいの
心あたたまる物語。
巻末に、物語中に登場する本のリストを収録。

読者の声より

久しぶりに泣きながら読みました。

戦中のイギリスのお話。
両親を亡くして祖母に育てられた3兄妹が
その祖母にも死なれて
疎開先で、新しい家族を見つけるまでのお話。

疎開先での過酷な扱いで、心が凍る中
それを温めてくれる存在の、図書館・本・司書。

最後は「そうなればいいのに」と思うところに落ち着くハッピーエンドで
安心して読めます。

翻訳本は苦手だったのですが

久しぶりに泣きながら読みました。

戦中のイギリスのお話。
両親を亡くして祖母に育てられた3兄妹が
その祖母にも死なれて
疎開先で、新しい家族を見つけるまでのお話。

疎開先での過酷な扱いで、心が凍る中
それを温めてくれる存在の、図書館・本・司書。

最後は「そうなればいいのに」と思うところに落ち着くハッピーエンドで
安心して読めます。

翻訳本は苦手だったのですが
訳がとても読みやすく、
おもわず、訳者の他の本も探してしまいました。
(やこちんさん 50代・ママ 女の子19歳)

いかがでしたか。

図書館を舞台にしたお話に触れることで、図書館がもっと身近に、もっと特別な場所に感じられるのではないでしょうか。

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選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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