絵本コンシェルジュの書店員さんが選ぶ絵本
―― 幼少期に好きだった絵本と、そのエピソードがあれば教えて下さい。
おっきょちゃんとかっぱ
河童の子に誘われて、おっきょちゃんは水の中の河童の国に遊びに行きます。水の外の世界のことを忘れてしまったおっきょちゃんが“すいかごめ”のじゅもんで帰ってくるまでのお話。
小さいとき好きだった絵本はたくさんありますが、(林明子さんと)降矢ななさんの絵が強く記憶に残っています。
(イベントでは林明子さんの『おふろだいすき』を紹介させていただいたので、ここでは降矢ななさんの絵本を紹介させていただきたいと思います。)
有名な『めっきらもっきらどおんどん』も大好きでしたが、私は同じ長谷川摂子さんとのタッグの『おっきょちゃんとかっぱ』が大好きで、これは自分の絵本だと思っていました。
お話は少し長めなのですが、いつもじっと息殺して、母に寄り添って聞いていたのを今でも覚えています。
かっぱのカンタロとのお別れのシーンでは、子どもながらに複雑な気持ちで聞いていました。
お母さんのもとに帰れる嬉しい気持ちと、カンタロとの別れの悲しさ。
きっともう二度と会えないんだなということが大人になって読み返したときにやっとわかって、思わず泣いてしまいました。
この先も、一生そばに置いて読み返し続けるであろう大切な一冊です。
―― 大人になって読み返したら好きになった絵本と、そのエピソードがあれば教えて下さい。
まゆとおに-やまんばのむすめまゆのおはなし
山姥の娘まゆは、ある日鬼に会います。鬼はまゆを煮て食べようとお湯を沸かしはじめます。まゆはそうとは知らず、薪の山を作ったり、かまどの石を積んだり、手伝います。
子どものときに読んだかはわからないのですが、大人になってから好きになった絵本は福音館『まゆとおに』という一冊です。
就職活動で疲れきっていた私に、母が「まゆの絵本だよ」と言ってプレゼントしてくれました。
(私の名前が「真由子」なので)
絵本の中の「まゆ」は、とてものびのびとしていて、元気いっぱいで、なんだか小さいときの自分を思い出しました。
それからというもの、疲れて自分を見失いそうになると、この絵本を開きます。
そうすれば小さいころの自分「まゆ」がいつでもにっこり笑って迎い入れてくれ、私も私に戻れるような気がするのです。
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