いたずらっ子はとまらない。
今日も、いたずらっ子が何かをたくらんでいる。
あの手、この手でパパやママを困らせる作戦を立てるのです。
いたずらっ子が大好きなのは…
「やりたいほうだい、しほうだい」
確かに、それは困る。
そんなことしてもらったら、どんな面倒が起こるかわからない。
でも、小さな子どもが思いつく「やりたいほうだい、しほうだい」ってなんだろう。
ひとの部屋に好きなおもちゃを思いっきりバラまくこと。
パパやママのベッドの上で思いっきり跳ね回ること。
部屋の中で水遊びをしちゃうこと。
手づかみで食事しちゃうこと(!)
こういうのって、自分の家で起こると天を仰いでしまうけど、他人のうちの子だったらひたすら可愛い。特にたくらんでいる瞬間を見かけちゃったりしたら。どうしてなんでしょうね…。
それは、思っていることが全部顔に出ちゃってるからかもしれません。
ちょっと悪そうな顔。
いたずらをしている時の嬉しそうな顔。
失敗したり、怒られた時の驚いた顔。
…それでもへこたれない時の、図太い顔。
そう。だから絵本の中のいたずらっ子は、最高にチャーミングなのです。
あっ、オオカミだ!
シモンというのは「やりたいほうだい」のうさぎの子。
困ったときには、こう叫ぶのです。
「あっ、オオカミだ!」
そのすきに「やりたいほうだい しほうだい」。
…本当にいけない子です。
部屋はシモンの好きなもので散らかし放題。
おしっこだって好きなところでしちゃう。
あれ、何か企んでそうな、でも愛嬌のあるこの表情、見覚えあるぞ。
うちの息子? いやいや(それもあるけど)。
…あの伝説の一言で爆発的な人気者になった『うんちっち』のシモンではありませんか。
うさぎたちの前で「オオカミだ!」なんて。胸がスカッとするほど悪いことしちゃってます。でもあんまり調子に乗っていると、強烈なしっぺ返しをもらいますよ。やれやれ、大人しい子になったのかな…?
子どもたちは、あっという間にシモンの味方になっちゃうようです。まるで共犯者のような表情!楽しそうです。怒られるってわかっていても、そのギリギリの緊張感が子どもたちにはたまらないようですね。困ったものです。
でも、このたくましさ。嫌いじゃありません。(本当は大好き!)
フランスのロングセラー、そして『うんちっち』の姉妹編。待望の再刊です。
どちらもみんなで読んで、大声で盛り上がってくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
この絵本を子どもと一緒に読んでいるなら、そっと隣の顔をのぞいてみてください。きっと同じように「たくらみの顔」をしているはず! ちょっと憧れの気持ちもあったりしてね。
そう考えると「いたずらっ子」って、みんなから愛される才能があるってこと? 確かに、そのまま大人になったような人を見ていると、うなずいてしまいます。
いたずらっ子、バンザイ!
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