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プラチナブック選定作品

【プラチナブック選定作品】「どうぞ」がつないだ思いやりの連鎖。『どうぞのいす』(ひさかたチャイルド)

絵本ナビプラチナブックメダルとは…?

絵本ナビに登録されている「絵本」ジャンルの作品(約2万4,000作品)のうち、
レビュー評価・レビュー数・販売実績などから算出された、TOP3%のとびきりの人気作品が「プラチナブック」です。
全国の書店店頭には、プラチナブックメダルの目印をつけて、並んでいます。

絵本ナビ1000万人ユーザーが選んだ”とびっきり”の人気作からご紹介するのはコチラ!

どうぞのいす

うさぎさんが作った椅子をめぐって次々に繰り広げられるとりかえっこ。「どうぞ」にこめられたやさしさが伝わってくるロングセラー絵本。

3世代に愛される、『どうぞのいす』の魅力ご紹介します。

魅力① 「どうぞ」の勘違いから生じる、ハラハラドキドキとした気持ち

『どうぞのいす』は、「どうぞ」という言葉に対する、ちょっとした”勘違い”からおはなしが広がっていきます。
動物たちは、「どうぞ」という意味を、うさぎさんの意図とはちょっと違った解釈をして、
「どうぞならば えんりょなく」と「どうぞのいす」に置かれたものを食べてしまいます。
読者である子どもたちは、動物たちが勘違いして、置いてあるものを食べてしまったということを知っています。
だから、次はどうなるんだろう……というハラハラドキドキした気持ちが、ページを次へ次へとめくらせていくのです。

魅力② 「おきのどく」という言葉に込められた、相手を思いやる心

「どうぞのいす」に置かれた食べ物を次々と食べてしまう動物たち。
でも、食べた後、みな一様に「あとのひとに おきのどく」と、自分が持っているものを「どうぞのいす」に置いていきます。
自分だけが満足するのではなく、ちゃんと後の人のことを考えるやさしさと思いやりを、この作品を通して子どもたちはしっかりと感じることができます。

魅力③ 「どうぞのいす」に座りたい!

うさぎさんの作った、なんとも温かみのある「どうぞのいす」。
小さいけれど、丈夫そうで、座り心地のよさそうな木のいす。
うさぎさんが作ったしるしに、短い尻尾もついているいす。
「どうぞのいす」はその佇まい、作り手の思い、「どうぞのいす」というネーミング、すべてが子どもたちの心をとらえているのだと思います。 もし、「どうぞのいす」が目の前にあったら、きっと多くの子がそのいすに座ることでしょう。

ひさかたチャイルドのHPでは、出版社公認「どうぞのいす」の作り方が公開されています。
動画を見て、ご家庭でも「どうぞのいす」を作ってみてはいかがでしょう。

 

 

 


<ひさかたチャイルドHPより>

 

『どうぞのいす』に寄せられたユーザーの声をご紹介

可愛い勘違いから、優しさのリレーへ。

もうすぐ3歳の女の子へのプレゼントのために書店へ。
真っ先に、この絵本を第一候補に。

うさぎさんの「優しさいっぱいのイス」が、可愛い勘違いから、優しさのリレーへ。
何度読んでも、心がフワッとしてきます。
お子さんは、動物たちの勘違いの繰り返しに笑いながら、「あとのひとにおきのどく」のフレーズに”おもいやり”というこを感じ取ってくれるでしょう。

登場する動物たちも可愛らしく、柔らかい色遣いが素敵です。
息子も好きな一冊でした。
昨年も引っ越しをして行った小さいお友だちに、この絵本をお別れにプレゼントしました。
(アダム&デヴさん)

やさしい心づかい

3歳の娘のお気に入りの1冊です。
ロングセラーだからでしょうか、今の私たちがあまり使わない良い言葉がでてきて、そんな言葉が新鮮なのか、娘は自分なりに使っています。「~さんにお気の毒。」とか言ってると微笑ましくて思わず笑ってしまいます。
物語りもやさしい心使いの繰り返しで、最後にはくすっと暖かい気持ちになり何度も繰り返し読みたくなる絵本です。
休日に主人と娘とで、木を買ってきて椅子を作り、その椅子に『どうぞのいす』と書いていました。
娘が書きたいと言ったようですが、1冊の絵本が心にしっかり根付いているんだな~と思いました。
(花花まるさん)

『どうぞのいす』誕生秘話が読めます。

https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=190

『どうぞのいす』の絵を担当された柿本幸造さん生誕100周年を記念して、
絵本ナビでは柿本幸造さんと特に縁の深い出版社にインタビューを行いました。

インタビューの一部をご紹介

――『どうぞのいす』の人気をどんなときに感じますか?

読者の方からいただくお手紙の数も多いですし、読み聞かせやラジオなどほかの媒体で扱いたいとオファーを受ける数もダントツで、たくさんの方に長く愛されている作品だということを日々実感しています。
読者の方からのお手紙といえば、以前、回答に困ってしまう問い合わせをいただいたことがありました。

――それはどういった内容だったのでしょうか?

『どうぞのいす』の中で、動物たちがつぎつぎ、「どうぞのいす」に置いてあった食べ物を食べ、代わりに自分の持ち物を置いていくという場面。
ほかの動物たちはみんな自分の持っている物を全てどうぞのいすに置いていくのですが、きつねだけは、2本持っているフランスパンを1本しか置いていかないんですよ。
「娘がなんで? って聞いてくるのですが、どうしてでしょうか?」とお母さんからお手紙が来て、改めて絵を見てみたら確かに1本しか置いていない……。
今まで何十回以上見てきたはずなのに、お手紙をいただくまで疑問に思わなかったんです。

これは適当に答えてはいけないと思い、文章を担当された香山美子さんに当時、絵のことでやり取りがあったかを伺いました。
香山先生のおはなしでは、なぜキツネがフランスパンを1本しか置いていかなかったか、その部分に関しては特にやり取りはされていなかったそうなのです。
しかし、以前、香山さんにインタビューをお願いしたとき、生前の柿本さんについて香山さんは「柿本さんという人はね、一を聞いて十を知るような人でしたね。私は柿本さんの絵からいつも刺激を受けていましたよ。本当にあたたかな、包み込むような絵でね……。」とおっしゃっていました。
ですから、キツネのことも、柿本さんの画家としての想像力が膨らんで……と考えると、また楽しくなってきますよね。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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