【ふわはね絵本のある時間】4月におすすめの本
絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本の読み聞かせ会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに季節にあった絵本と読み聞かせ会の流れについて語ってもらいました。
二十四節気(にじゅうしせっき)を意識してテーマを組み立てる
二十四節気とは…一年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。
4月では…清明せいめい(4月4日)すべてのものが清らかで明るく生き生きとする頃。
草木は芽吹き花が咲く。
穀雨こくう(4月19日)種まきや田植えの時期にあらゆる穀物を潤し育てる春の雨が降る頃。
こちらの2点を意識しながら絵本のテーマを考えます。
親子読み聞かせ会<想定>
- 対象年齢:0歳~5歳
- 時間:30~40分程度
読み聞かせのはじまりは「いつもの手遊び歌」から
さぁ、絵本とお歌の「ふわはね絵本のある時間」。実際に「読み聞かせ」会をするイメージで流れをご紹介します。
始まりはいつも同じ手遊び歌を歌っています。
♪はじまるよったらはじまるよ はじまるよったらはじまるよ
いーちといーちでにんじゃだよ ドロン!
始まりと終わりの大切さを2月に書きました。
【ふわはね絵本のある時間】読み聞かせのはじまりは「いつもの手遊び歌」から
そして毎回初めに読む絵本もあるのです。
【ふわはね絵本のある時間】同じ絵本を読み続けるよさ『こんにちは』
さあ、今月も絵本の時間を始めましょう。
まずは【季節の絵本】から
春風と共に優しさが運ばれる『とっくんトラックのはらへぶぶー』
4月4日は二十四節気の清明(せいめい)です。すべてのものが清らかで生き生きとする頃。世の中はざわざわとしていますが、季節は確実に春へと移ろい、木々は芽吹き、花は咲き、ほほにあたる風は優しく暖かい。心が不安であるほど優しい絵本が優しい言葉が心を癒し温めてくれます。
春がこぼれる優しさがあふれるとっくんトラック ぶぶー ぶぶー。
<読み聞かせ時間目安 1分25秒>
ほのぼのします
息子が幼稚園に入って初めて持って帰ってきた絵本です。
いわむらかずおさんの絵がとってもあったかい感じで好きです。春の雰囲気たっぷりです。
息子はどのページにもいる黄色いちょうちょと赤いてんとうむしを探すのが楽しそうでした。
ママの誕生日にお花をプレゼントするなんてステキ! とっくんのママは出てこないけれど、きっと優しいママなんだろうなぁとおもいます。
何度でも読みたくなる絵本です。
(真冬さん 20代・ママ・神奈川県横浜市 男4歳、男0歳)
【かがくえほん】そこに新しい扉が開く
子ども達の心に小さな種をまくかがくえほん『のげしとおひさま』
私はこの絵本に出会い、道端に咲く雑草と呼ばれる小さな草花が愛おしくなりました。
”科学絵本”と呼ばれる分類があります。子ども達の心に小さな一粒の種をまくような、そんな絵本たちです。それは何もない壁に扉ができるようなそんな出会いをもたらしてくれます。
<読み聞かせ時間目安 2分10秒>
【歌絵本】こんな時だから歌の力を
あの名曲が絵本に『てのひらをたいように』
生きているから歌う
生きているから笑う
生きているから悲しい
生きているから嬉しい
みんなみんな生きている
ともだちなんだ
こんな時だから元気の出る歌を。
こんな時だから相手を思いやれる歌を。
こんな時だから楽しい歌を。
こんな時だから勇気の歌を。
<読み聞かせ時間目安 1分15秒>
誰もが一度は聞き、歌い、親しんだことがある、やなせたかし先生作詞の童謡「てのひらを たいように」が絵本に! 歌にこめられた力強いメッセージで、幅広い世代の支持を集める、大人気のうた絵本。
【昔話】幼稚園~小学校で読み聞かせにも
誰もが知るお話を読み比べる面白さ『いっすんぼうし』
2018年に出版された一番新しい『いっすんぼうし』の絵本ではないでしょうか。はたこうしろうさんの描く「いっすんぼうし」はその小さな体とは思えない力強さ躍動感があります。現代的でありながらも昔話の良さは失わず、言葉のリズムもよく爽快で、昔話は怖いと苦手なお子さんにもオススメです。体は小さくてもバカにされてもくさることなく自分を信じ勇気をもち、最後には成功しめでたしめでたし。昔話の王道がここにあります。
絵本ナビで「いっすんぼうし」と検索すると31件も『いっすんぼうし』の絵本が出てきます。
子ども達と一緒に読み比べお気に入りの「いっすんぼうし」探ししてみませんか。
<読み聞かせ時間目安 7分5秒>
【かみしばい】絵本とはまた違う魅力
さいとうしのぶさん初めての紙芝居『おはいんなさい』
大勢の子ども達と楽しむなら紙芝居もおすすめです。絵本とはまた違った目の前の子ども達とのコミュニケーションツールで、そこには掛け合いを楽しんだり、抜くという独特の間を一緒に体感しながらドキドキワクワクとお話が進みます。
食べ物を描かせたらそのおいしさ楽しさはピカイチのさいとうしのぶさんの初めての紙芝居は、なんとみんなもよく知っているなわとび遊び。
♪だあれかさん おはいんなさい
ごはんさんとうめぼしさん、のりさんがピョンピョンピョン。
さぁ、何になる?
紙芝居は日本で生まれた文化です。そこには皆が肩を寄せ合い、読み手と聞き手の自由な楽しみがそこにある気がします。
<読み聞かせ時間目安 2分54秒>
さあ、おおなわとびしよう! スプーンさんとフォークさんがなわをまわします。だれかさんがとんだら、何かにへんしんするんだって。♪だれかさん おはいんなさい……すると、「はーい!」って、ごはんさん、うめぼしさん、のりさんがやってきた。ピョン ピョン ピョンって、みんなでとんだら……おにぎりにへんしん! つぎにやってきたのは、ぎゅうにゅうさん、たまごさん、おさとうさん。今度はなににへんしんするかな?
◆インタビュー紙芝居『おはいんなさい!』著者・さいとうしのぶさん
【お話し絵本】春に向けてこの一冊
膝にぐっとちからをいれて『じゅんびはいいかい』
少し我慢を強いられている今。それを準備期間なのかもしれないと思わせてくれた絵本です。
高く飛ぶ前はぐっと膝に力をためて・・・。と言われたことを思い出します。きっともうすぐ。
「じゅんびはいいかい?」と言ってくれるその時に、大きな声で「いいよう!」とより高くジャンプできるように。今この時を過ごしたいと思える絵本です。
荒井良二さんの描く春に向かう彩りはまぶしく生きるエネルギーにあふれ、これから始まる新しい生活へのエールのような絵本です。
<読み聞かせ時間目安 5分10秒>
【質問にお答えします】
「読み聞かせをしようとすると、自分が読むと言って違う本を暗唱し、読ませてくれません。どうしたらいいでしょうか。」(ゆーママ、30代 2歳のお子さんのママ)
2歳のお子さんをお持ちのお母さんからの質問です。読んでと持ってきたのに読み始めると聞かなかったり、どこかへ行ってしまうなどよくある光景かもしれません。
2歳というのは、自我が出始め「こうしたい。ああしたい。お母さんみたいに私だって出来るよ。見てて。」というお年頃です。
絵本を読むときに「お母さんはこれ。○○ちゃんはどれ?」と一冊ずつ選び読むというスタイルはどうでしょう。その時に大事なのは読んであげたいではなくお母さん自身自分が読みたい絵本を選んでください。それだと聞いていなくても気にならないかもしれません。もしくは、「お母さんが読む絵本選んでくれる?」と子どもに選んでもらうのもいいかもしれませんね。
今は”自分でデタラメでも読んでいる”ということを楽しんでいる時期です。このままでも気にすることはありません。そのうち、声に出しているお母さんの絵本が気になって横にちょこんと座ってくるかもしれませんね。
大人には一見無意味に見える行動にも、そこには子ども達の意志があり意味があります。危険なことでないのであれば、見守っていると案外すんなり次への興味へと気持ちをうつしていくのかもしれません。
その他 4月の読み聞かせにおすすめの絵本
絵本の読み聞かせについて思っていること
絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。
ふわはね(内田 祐子)
大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、
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絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本の読み聞かせ会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに季節にあった絵本と読み聞かせ会の流れについて語ってもらいました。
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