絵本ナビスタイル トップ  >  絵本・本・よみきかせ   >   【おはなし会】絵本講師ふわはねによる季節の絵本とお話   >   【ふわはね絵本のある時間】6月におすすめの本
【おはなし会】絵本講師ふわはねによる季節の絵本とお話

【ふわはね絵本のある時間】6月におすすめの本

絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本の読み聞かせ会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに季節にあった絵本と読み聞かせ会の流れについて語ってもらいました。

ふわはねさん

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識してテーマを組み立てる

二十四節気とは…一年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。

 

6月では…

芒種ぼうしゅ(6月5日)稲や麦などの穀物の種を蒔くころ。梅雨入り間近ということもあり農家は多忙を極める。  

夏至げし (6月21日)一年で一番昼が長く夜が短くなる日。冬至に比べると約5時間も昼間が長いが、梅雨真っただ中のため太陽はなかなか顔を出さない。夏に向け暑さが増してくる頃。

こちらの2点を意識しながら絵本のテーマを考えます。

親子読み聞かせ会<想定>

  • 対象年齢:0歳~5歳
  • 時間:30~40分程度

読み聞かせのはじまりは「いつもの手遊び歌」から

さぁ、絵本とお歌の「ふわはね絵本のある時間」。実際に「読み聞かせ」会をするイメージで流れをご紹介します。

始まりはいつも同じ手遊び歌を歌っています。

 

♪はじまるよったらはじまるよ はじまるよったらはじまるよ
いーちといーちでにんじゃだよ ドロン!

♪はじまるよったらはじまるよ はじまるよったらはじまるよ
にーとにーとかにさんよ チョキン!
♪はじまるよったらはじまるよ はじまるよったらはじまるよ
さーんとさーんでねこのひげ ニャーーーーン!
♪はじまるよったらはじまるよ はじまるよったらはじまるよ
よーんとよーんでたこのあし びゅーーーん!
♪はじまるよったらはじまるよ はじまるよったらはじまるよ
ごぉーとごぉーでては おひざ。
みんなで拍手~!!!
 

始まりと終わりの大切さを2月に書きました。

【ふわはね絵本のある時間】読み聞かせのはじまりは「いつもの手遊び歌」から

 

そして毎回初めに読む絵本もあります。

【ふわはね絵本のある時間】同じ絵本を読み続けるよさ『こんにちは』

 

 

さあ、今月も絵本の時間を始めましょう。

まずは【季節の絵本】から

田植えの一日を楽しく描く『おむすびさんちのたうえのひ』

6月5日は二十四節気の芒種(ぼうしゅ)です。

芒種とは稲や麦などの種を蒔く頃。という意味です。全国的に田植えのシ-ズンを迎えます。

田植えの絵本といえばこちらの絵本。

『だるまさんが』でお馴染みのかがくいひろしさんの絵本。

さすがのかがくいワールド。

おむすびの具やのりまき、おいなりさんたちに命が吹き込まれる。

田植えの一日。それは暖かくて優しくて楽しくて穏やかで深い。

あぁ。やっぱり好きだ。かがくいさんの絵本。

 

実は続編で稲刈りの一日が構想されていたと聞きました。

残念ながらその絵本を見ることは、もう私たちにはありません。

でもかがくいさんの絵本はいつまでも私たちにほっこりと暖かい何かを残してくれる。

この季節にぜひ親子で楽しんでほしい一冊です。

<読み聞かせ時間目安 4分47秒>

おむすびさんちのたうえのひ

おむすびさんちのたうえのひ

たのしくの~んびりと!
最近、ブログのお友達のところで『田植えに挑戦してきたよ~!』
なんて、うらやましい報告がたくさんありました。
そこで、我が家でも田植え気分を味わってみようとこの絵本を手に取りました。

今日はおむすびさんちの田植えです。
朝ごはんを食べると、おむすびさんは稲を一輪車に乗せて田んぼへと急ぎました。
手伝ってくれる仲間のみんなはもう集まっていました。さあ、早速田植え開始!!
♪せっせのせ、せっせのせ♪リズム感よくせっせと田植えに生を出します。

ほのぼのとした田園を背景におむすびさんとその仲間が田植えに励んだり
お昼ご飯を楽しんだりするのですが、そのお仲間も、住んでるところも、じつにユニーク♪
後から合流した2人の助っ人。この2人なら、田植えもスムーズに進みそう!
さ~て、どんなお仲間&助っ人が登場するのでしょう?

田植えの後のみんなの様子も心配になったけど、中にはぷっ! (^◇^)って
吹き出してしまいそうなものもあったり、でも、1日の疲れを取るには
やっぱり、アレ!!だよね☆~(ゝ。∂)
ゆったりとした風景と時々ふふっ!ってなっちゃうユーモアなところが
楽しい絵本でした。
(かおりせんせいさん 30代・沖縄県那覇市  女8歳、男5歳)

【季節の歌絵本】

雨の日には雨の絵本を『あめふりくまのこ』

日本には第五の季節と呼ばれる梅雨があります。

長く降り続く雨にうんざりかもしれません。

そんな中、おや?くまのこはお母さんに「いってきます」をしてから、雨の小川へ向かいます。

お歌が絵本になる良さ。耳で聞きながら絵を見ることで、そのイメージはより広がり歌を楽しめる気がします。

歌が終わってからのページも大好き。

雨の中。葉っぱのかさをさしたくまのこはどこに帰るのでしょうか。

雨の日には雨の絵本を。必ず開く一冊です。

<読み聞かせ時間目安 1分53秒>

あめふりくまのこ

広く親しまれている歌が絵本になりました。
幼稚園、保育園で歌われ、詩が小学校の国語の教科書にも掲載されている
「あめふりくまのこ」が、絵本になりました。
詩にあわせて、物語のように画面を構成。
リズミカルな言葉と詩情豊かなイラストは、一人読みはもちろん、
読み聞かせにもぴったり。歌いながらページをめくって楽しむこともできます。

 

【お話絵本】

子どもの心に生き続ける『ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ』

おばあちゃんのおうちまでの大冒険。

このみちをまっすぐまっすぐ

いなかみちをまっすぐ

トラやライオンが出てくるような大きなピンチはないけれど、一人で歩くだけでも、出会うものその一つ一つが新鮮でまっすぐで。

子ども達は男の子と一緒になってドキドキわくわく。

そしておばあちゃんのおうちについた時の喜びや安堵感までもを共有します。

<読み聞かせ時間目安 2分32秒>

ぼくはあるいた まっすぐ まっすぐ

ある春の日、「ぼく」はおばあちゃんの家へ、はじめて一人で向かいます。おばあちゃんに電話で教えてもらったとおり、田舎道をまっすぐまっすぐ・・・。途中、いろいろな“はじめて”に出会いますが、ぼくは臆せず歩き続けます。「ここがおばあちゃんのおうちかな?」最後にのぞいたお家で待っていたのは・・・。
たっぷりの余白・やわらかい色彩で描き出され 春の空気感と光が全体に広がります。文章は「ぼく」のセリフのみ。「絵が語る」1冊です。

愛犬とお散歩中。ふと中学三年生の次女が「ぼくはあるいたまっすぐまっすぐの花だ。」と突然花壇の花を指さしました。

この絵本を楽しんでいたのはもう10年以上前のことです。でも彼女の心にずっと住み続け、ふとした瞬間に顔を出します。それがとても嬉しい。

【発展体験絵本】

絵本を読んだらはじめるよ『うどんできた!』

待望のハード、定番化の絵本です。

※「ちいさなかがくのとも」(2017年2月号)から2020年6月5日新刊絵本として発売されます。

この絵本はその名の通りうどんを作る絵本です。作者の加藤休ミさんが使う画材はなんとクレヨン!

クレヨンでこんな絵がかけるなんて!毎回驚かされます。

材料はもちろんこれを読めばうどんが作り名人に。

おうちで粉から自分でうどんをつくるなんて発想、なかったなぁ。

読んでいると出来そうな気がする。やってみたくなります。

さぁ、絵本を閉じたらうどん作り始めませんか。

<読み聞かせ時間目安 2分33秒>

うどん できた!

小麦粉からうどんを作ろう。粉と塩水をまぜまぜ、こねこね、それから足で踏むんだよ。小麦粉が「粉→おだんご→麺」と変身していく様子を質感までリアルに描いた、とても“おいしそう”な絵本です。粘土遊びのような楽しさと、自分の口に入るものを自分で作る喜びを、子どもたちに! 自分で作ったうどんは特別のおいしさです。(うどんのレシピはもちろん、米粉で作る麺のレシピも掲載。)

【遊びが絵本にそしてまた遊びへ】

保育園幼稚園で人気の遊びが絵本に『おおかみさんいまなんじ?』

この絵本のタイトルを知ったときに思わず「えっ!?」と小さな声がでました。

娘たちが幼稚園の頃よく遊んでいた遊びの名前と一緒だったからです。

『おおかみさんいまなんじ?』

遊ぶのが大好きなひつじさんが真夜中までの肝試し?!

ひつじさんたちの無邪気さと裏腹に子ども達はドキドキ。

ひつじさんたちの歩く道は大きな時計の野原になっていて、どんどん進むとだんだん夜に・・・。

すっかり日も落ちて・・・。

「おおかみさんいまなんじ?」

「よなかの12じだ~!!!!」

遊びそのままにドキドキのスリルとワクワクが絵本に!

読み終わったらお外で遊びたくなる絵本です。

<読み聞かせ時間目安 2分41秒>

おおかみさんいまなんじ?

ひつじたちが時間を聞くたび「○じ」と教えてくれるおおかみが、夜中の12時になると追いかけてくる!? 紳士なおおかみが豹変していく様子がスリル満点。保育で人気の遊び「おおかみさん、いまなんじ?」を大胆に絵本化!
 

【歌でつながる】

世界に虹をかけよう『にじ』

世界中で大流行している新型コロナウィルス。

住民の外出が厳しく制限されている欧米で、子ども達が窓に虹の絵を掲げて住民を励ます運動が広がっているそうです。

日本でも、「ニジノエール」と題し私たちの生活を守るために今日も働く人たちにエールを。

感染を広げない為におうちで過ごす皆さんにエールを。とニジを描いたり虹色に並べたり貼ったりと自由に工作して楽しむ「#にじをつくってエール」とこの絵本『にじ』をみんなで歌おうという「#にじをうたってエール」という企画がニジノ絵本屋さんを中心に行われています。

私もこのプロジェクトに参加させていただき、この絵本をたくさん歌っています。

 

やまない雨はなく、すべてのことに意味があるように、今日の雨で潤う穀物があるように。

 

♪にじが にじが そらに かかって
♪きみの きみの きぶんも はれて
♪きっと あしたは いいてんき
♪きっと あしたは いいてんき

 

願いを歌声にのせて・・・。

<読み聞かせ時間目安 1分45秒>

【アンケートに寄せられた質問にお答えします】

月刊誌や付録の絵本などの薄い絵本の収納はどうしたらいいですか?

お手頃なお値段、そしてかさばらず買わないともう出会えないかもしれないという月刊絵本。その薄さや軽さはお出かけの時の救世主ともなります。が、その薄さゆえ棚にさしてしまうと埋もれてしまい読まれることもなく忘れ去られてしまいがちな月刊誌たち。

そこでオススメなのが月刊誌のカゴ収納。ひとまとめにしてかごなどに入れ表紙が見えるように並べるのがポイント。

これだと子どもたちも表紙を見なが絵本を選ぶことが出来ます。

一度お試しください。ご質問ありがとうございました。

その他 6月の読み聞かせにおすすめの絵本

絵本の読み聞かせについて思っていること

絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。 

ふわはね(内田 祐子)

絵本講師・子育てアドバイザー・ふわはねえほん 主宰
 

大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、幼児教育に携わる先生や書店員への研修。絵本講座、研修、絵本コンサルなどを行っている。高校3年生と中学3年生の娘をもつ。インスタグラム @fuwahane 

【ふわはね絵本のある時間】では、読者のみなさんからの感想や質問を募集しております。アンケートよりご意見をお寄せください。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
この記事の関連キーワード
Don`t copy text!