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【子どもと絵本のエピソード】保育士がっちょ先生に聞く!夏の絵本4冊

みなさん、はじめまして。現役保育士で絵本専門士の大河原悠哉(がっちょ)です。私は公立保育士4年、公立幼稚園教諭6年の経験をしたのち、現在は私立の保育園で保育士をしています。また、子育て支援のイベントを主催・運営したり、保護者向け・保育士向けの絵本講座をしています。

今までの経験を基に子どもとの絵本エピソードや活用方法についてお話していければと思っています。

カーテンを閉め、電気を消して読みたい。手に汗握る絵本

夏と言えば、怖い話です。そこで、毎年夏になると『おしいれのぼうけん』を読みたくなります。

 

お昼寝前にミニカーのとりっこでけんかをし、押し入れに入れられた“さとし”と“あきら”。そこから、二人の“おしいれのぼうけん”が始まります。

手に汗握るこちらの絵本を読むときは、カーテンを閉め、絵本が見える程度に電気を消して読むのが私のスタイル。薄暗い中で読むことで、ドキドキ感とワクワク感を楽しみます。

ここで注意しなければいけないのは、必要以上に恐怖感を与えないことです。ドキドキさせるのと恐怖感を与えるのでは、異なってきます。怯えている子がいないことを前提に読み進めていきます。

夏に読みたい!ドキドキする絵本

おしいれのぼうけん

さくらほいくえんには、こわいものがふたつあります。ひとつはおしいれで、もうひとつはねずみばあさんです。――お昼寝前にミニカーのとりっこでけんかをしたさとしとあきらは、先生にしかられておしいれに入れられてしまいます。そこでふたりが出会ったのは、おそろしいねずみばあさんで・・・。
現代の子どもたちの姿を生き生きととらえた、ロングセラー絵本。

1冊で80ページありますので、2日や3日に分けて読み進めていきますが、日をまたぐことで、ドキドキ感とワクワク感が増していきます。

クライマックスの場面になる頃には、子どもたちが唾を飲み込む音が聞こえてきそうな緊張感があります。その緊張感をクラス全体で味わうのが大好きなのです。

私の経験上、この絵本を読んだ後は、必ずと言って良いほど保護者から問い合わせが来ます。「どんな絵本ですか?」「子どもに買ってって言われるんです」と。子どもたちがおうちで話したくなるほどドキドキとワクワクが詰まったお話なんでしょうね。

夏野菜を育てるときに読みたい絵本。水やり当番はどうする?

保育園や幼稚園などでは、夏野菜を育てることも保育の一環として行われている園も多いのではないでしょうか?

プランターに土を入れて、そっと苗を手に乗せ、植える。大人からすれば簡単に見えるようなことでも、子どもたちにとっては緊張の一瞬です。苗を自分の手で植えられたことへの達成感はひとしおです。 夏野菜は、苗を植えてからが本番です。毎日たっぷりの水やりをして、暑い夏に美味しい野菜ができます。

問題は、水やりをどうするか。 ある年、みんなで野菜を植えたのですが、水やりのことについては触れませんでした。それは、子どもたちがどのようにしていくか見てみたかったからです。 当分の間は、気付いた子が水をあげたり、私の方で水をあげたり。 何日かすると一人の女の子が気付きました。「このままじゃ美味しいお野菜できないよ」と。 そこからはみんなで話し合い。誰が水やりを行うのか。どのように水やりをしていくのか。美味しい野菜を作るためにはどうしたら良いのか。 その中で、読んだ絵本が『みずやりとうばん』でした。

水やり当番はどうしたらいい?

みずやりとうばん

学校で育てている野菜畑の水やり当番を忘れて帰ってきてしまったなつみちゃん。1日くらい大丈夫と思ったり、やっぱり戻ろうかと迷ったりしていると、おじいちゃんが……。
どんな子どもにも経験がある、心の揺れに寄り添って、やさしく見守ります。孫娘とおじいちゃんとのやり取りが楽しい絵本。

美味しい野菜ができるまでには、水をたっぷりあげるということ。水やりをする人がいるということ。子どもたちなりに絵本から感じ取るものがあったようです。

 

翌日からは、当番を決め、毎日水をあげられるようにした子どもたち。その夏、美味しい夏野菜が収穫できたのも子どもたちが“みずやりとうばん”を頑張ったからですね。

絵本と見比べながら夏の草花「あさがお」「ひまわり」の生長を楽しむ!

夏に向けてひまわりやあさがおを育てる園もありますよね。 ひまわりやあさがおは育てやすく、花が咲いた後も種などの収穫ができ、長く楽しめる草花の1つです。 私は、草花を育てる時は、絵本を導入に使うことが多くあります。絵本を導入にすることで、視覚的にも分かりやすく、楽しみながらその草花について知ることができます

美しい細密画で描いた「あさがお」の絵本

あさがお

あさがお

作・絵:荒井 真紀
出版社: 金の星社

さいた! さいた! 自然のふしぎにみちたアサガオの一生を、美しい細密画で描いた絵本。小学1年生のアサガオ観察に役立つヒントがいっぱい!

小さな種から芽がでて、ふた葉をひろげ、つるをのばし、つぼみがふくらみ、美しい花を咲かせ、また種ができる……、アサガオの一生を描いた絵本。あたたかみのある細密画が、自然のふしぎ、命の神秘を伝えます。

美しい細密画で描いた「ひまわり」の絵本

ひまわり

ひまわり

文・絵:荒井 真紀
出版社: 金の星社

たいようと いっしょに わらった わらった
ヒマワリの一生を美しい細密画で描いた絵本
ヒマワリ観察に役立つヒントがいっぱい!

美しい細密画で、ヒマワリの一生を描いた絵本。種から根がのび、芽がでて、葉をつけ、ぐんぐんと背丈をのばし、つぼみをつけ、大きな花が咲き、そしてまた種ができるまでを、丁寧に描いている。小学校生活科の副教材にも最適。

これら2冊の絵本は、1つの草花に特化している絵本なので、図鑑以上に詳しく知ることができ、パッ見た時に写真と見間違えるくらいリアルに描かれています。

図鑑を持ち出すのと同じように、絵本を外に持ち出して、見比べて楽しむことできるのはこの絵本の魅力です。

ひまわりやあさがおの生長を絵本と見比べながら、「絵本と一緒だ」と楽しめることで、草花により詳しくなったり、記憶に残っていったりするのかな、なんて思っています。

絵本の一部に、種がたくさん描かれているページがあります。子どもたちが本物の種をそのページの上に並べていたのは今でも忘れられない可愛い姿です。

大河原悠哉(がっちょ)

公立保育士4年、公立幼稚園教諭6年の計10年の保育現場経験ののち退職。現在は、私立の保育園にて勤務。 平成29年6月に独立行政法人国立青少年教育振興機構による「絵本専門士」を取得。子育て支援センターや図書館、本屋などでおはなし会や保育者・親子向けの絵本講座や研修を行っている。 現在は、保育士・ライター・子育て支援イベントの主催、運営・講師など様々な顔を持つ。 『【絵本専門士】がっちょの絵本ブログ』を運営

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絵本ナビ編集部
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