【子どもと絵本のエピソード】保育士がっちょに聞く!子どものリアクションがよい絵本10選
現役保育士で絵本専門士の大河原悠哉(がっちょ)です。私は公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験したのち、現在は株式会社SHUHARIの認可保育園元気キッズにて勤務しています。また、子育て支援のイベントを主催・運営したり、保護者向け・保育士向けの絵本講座をしています。子どもとの絵本エピソードや活用方法についてお話しします。
がっちょが教える子どもの食いつきのいい絵本ベスト10!
6歳女の子のママ 編集部O
・子どもの食いつきのいい、リアクションがすごい絵本ベス ト10を教えてください!
と質問を頂きました。
なので、今回は今まで読んできた絵本の中で食いつきのいい、リアクションがすごいと感じた絵本を10冊厳選してご紹介していきたいと思います。
【1】みんなで楽しむ仕掛け絵本
こちらの絵本は「あかちゃんがよろこぶしかけえほんシリーズ」の1つです。わっかのころりんが子どもの指にフィットして、動かして遊ぶにはもってこいの絵本です。本来は、子どもが遊びながら読み進めていくものかもしれませんが、大勢に対して読み聞かせするとまた違った楽しみ方があります。保育園など大勢の前で読み聞かせをするときは、絵本を立てて持ちます。そして、ころりんを文章(言葉)のリズムに合わせて動かします。動かしていた手を離したり、時には絵本を傾けたりすると、ころりんが手で動かした時とは違った動きをします。これに子どもは大喜び!これは、ぜひやってみて体感して欲しいですし、自分なりの読み方や楽しみ方を見出して欲しいと思います。
【2】読み方を楽しむゆかいな絵本
この絵本に出逢った時の衝撃は今でも忘れません。ほとんど「もも」しかでてこないのに、なぜか面白い!使っている言葉も「も」ばかり。シンプル故の面白さなのかもしれません。この絵本に出逢ってから何回読んだか分からないほど、たくさん読みました。保育園や幼稚園などではもちろん、イベントなどでも大ウケの絵本!友人の出産祝いでは、必ずと言っても良いほどこの絵本をプレゼントします。それくらい絶対的な信頼を置いている「ももも」。まずは1度手に取ってみてください!
【3】子どもとの距離を近づけるハイタッチ絵本
子どもと距離を近づきたいなら
犬、猫、ウサギ、パンダに赤ちゃん。みんながハイタッチしたくて、待っています。1才くらいになると、やって来るハイタッチブーム。絵本の動物とタッチして遊んだ後は、親子でタッチ。みんなでタッチ。赤ちゃん参加型絵本です。
初対面の子どもでもこの絵本があれば、グッと距離を縮めることができる参加型の赤ちゃん絵本!私の場合は、この絵本を持ってクラス全員の子どものところを回って、絵本にタッチしてもらいます。最初は、不安そうな表情やタッチをしたがらない子どもも、気付けば表情が柔らかくなりタッチをしているなんてことをたくさん経験しました。それくらい子どもの懐に入っていくのが上手い絵本だと思っています。読み終わった後は、一人ひとりとタッチしたり、友達同士タッチしてみたり。気付けばみんなの距離が近くなっているはず!
【4】料理を作る楽しみを味わえるしかけ絵本
気付いたら、ケーキの出来あがり!
まずはスポンジにクリームをぬって、それからいちご、スポンジとクリーム…とページをめくっていくと、フルーツケーキができていきます。おままごと感覚で、お料理を作る楽しみを味わえる新しいしかけ絵本。オノマトペがメインのシンプルなテキストが耳に楽しく、できあがりには、思わずぱくっ! と食べたくなる、目にも美味しい一冊です。絵本をきっかけに、実際のおやつ作りをお子様と一緒に、というのもオススメです
出版社の内容紹介にもあるようにまさに「目にも美味しい1冊」です!ページをめくるたびに出てきた食材が重なっていく仕掛けは本物のケーキのような立体感を感じられます。「わぁ!美味しそう!」と思わず言葉がこぼれてしまう、そんな絵本です。サンドイッチVerもありますので、2冊合わせて手元に置いて欲しい絵本です!その日の気分に合わせてケーキにする?それともサンドイッチにする?
こちらも一緒に!
【5】読み手が好きな絵本
私の大好きな1冊!
かいじゅうの国をたずねよう。コルデコット賞を受賞し、
世界中の子どもたちをひきつけてやまないセンダックの代表作。
子どもの内面のドラマをみごとに描いて、今世紀最高の絵本と言われています。
私自身、大人になって絵本の世界にハマるきっかけとなった1冊!子ども心(特に男の子)を見事に描いてある絵本だと思います。私も小さいころ、この絵本のようなかいじゅうの世界に行ってみたい!と思い描いていたのを今でも覚えています。私が好きということもあり、担当したクラスでは必ずと言って良いほど読みます。面白かったエピソードの1つに、たくさん出てくるかいじゅうの中に「他のかいじゅうとは違うかいじゅうがいる」と子どもたちが討論し始めたことがありました。子どもたちの視点の鋭さとこの絵本の魅力をたっぷりと感じた瞬間でもありました。
【6】子どもたちが主人公に本当のことを教えたくなる絵本
子どもたちが大騒ぎ!
この絵本は私が学生時代に恩師が紹介してくれて、面白いと感じた絵本です!自分が面白いと思った絵本は子どもたちにも読んだり伝えたくなったりするもの。自分が楽しみながら読む絵本は、子どもたちにも楽しさが伝わるんでしょうね。この絵本を読むときは、子どもたちはいつも大騒ぎ!主人公の男の子のおっちょこちょい加減に子どもたちが突っ込む、突っ込む!「違う!違う!」なんて言いながら絵本に向かって本当のことを教えてあげる子どもたちの姿は本当に素敵です!
【7】“つみあげうた”の言葉あそび絵本
一息で読めるかな?
谷川俊太郎×tupera tupera 初コラボ!
ことばが つながる たのしい “つみあげうた”えほん!
谷川俊太郎とtupera tuperaの初コラボレーション絵本。“これはすいへいせん”の一文から始まって、ページをめくるごとに、つぎの文がくっつき最後はとても長くなる、“つみあげうた”の言葉あそび絵本です。詩人の独特の語感とリズムにみちた言葉に、クラシックな世界観が新しいtupera tuperaの絵が応えます。ブックデザインは、新進気鋭のデザイナー岡田善敬。遊び心満載の装丁と造本にも注目です。
つみあげうた絵本と呼ばれる言葉遊びの絵本です。大きく息を吸い込み1ページを一息で読み切る。これがこの絵本の醍醐味!最初は簡単に読めるものの、ページが進むにつれて段々と読むのが辛くなってきます。そんな辛そうに一生懸命読む姿と、子どもたちの集中力が途切れそうなタイミングで面白ワードなどが飛び出てくる、まさに計算しつくされた絵本だと思っています。絵本には珍しいインデックスがついているのも見どころの1つです!
【8】数を数えるだけで楽しめる絵本
数を数えるだけで楽しめる絵本
王様がお出掛けしたある日、
3人の家来たちは王様の部屋でやりたい放題、散らかし放題。
キレイで豪華で広い王様の部屋で遊ぶのって楽しいー!
ところが王様がお城に戻ってくるのが見えちゃったから、さぁ大変!
「王様が帰ってくるぞ―!!帰ってくるまで…あと100秒だ!100秒で部屋を片付けろ――!!」
始まる家来たちのダイナミックなお片づけ。
刻々とカウントされていく秒数。
王様が戻ってくるまでに部屋をキレイに片付けられるかな!?
数字を数えるだけでスピーディーに展開していくので
子どもも夢中になってカウントしながら物語の中へ。
お片づけ前後の部屋の様子も載せているので、間違い探しでも遊べます。
1~100まで数を数えるだけでストーリーが展開していきます。子どもたちと一緒に100まで数えたら物語はクライマックスへ!100秒数える頃には、絵本の世界に入り込み、ドキドキした表情を浮かべる子どもたち。物語を楽しんだ後は、最初のページと最後のページを見比べて間違い探し!1冊で2度楽しい!絵本で楽しく100まで数えましょう!
【9】保育で人気の遊び「おおかみさん、いまなんじ?」の絵本
絵本から伝承遊びへ!
ひつじたちが時間を聞くたび「○じ」と教えてくれるおおかみが、夜中の12時になると追いかけてくる!? 紳士なおおかみが豹変していく様子がスリル満点。保育で人気の遊び「おおかみさん、いまなんじ?」を大胆に絵本化!
「おおかみさん いまなんじ?」は幼稚園や保育園でよく遊ばれている伝承遊びの1つではないでしょうか?そんな伝承遊びが絵本化されています。絵本から伝承遊びに発展するのもアリ!実際に遊んでから絵本を楽しむのもアリ!絵本としても遊びとして楽しめる1冊です!絵本を持って「おおかみさん いまなんじ?」を楽しむの良いのではないでしょうか?保育者の方に読んで欲しい絵本の1つです。
【10】声に出したくなるあいうえお絵本
一文字で気持ちを表現
読むのでも書くのでもなく、「やってみる」あ・い・う・え・お。
びっくりした「あっ!」、はみがきじょうず「いー」、おなかがいたい「うぅ」、
そんなのひどい「えーっ」、それはすごいね「おぉ!」
ひらがなたった一文字でも、声の出し方を変えたり、表情や動作をくわえたりすることで、いろんなことが表現できるんです。
「か・き・く・け・こ」は? 「さ・し・す・せ・そ」は?
・・・「ん」まで、リズムに乗ってどんどんやってみよう。
なんだか元気に、なんだか楽しくなってくるよ!
子どもたちに、声、顔、体で気持ちを表現することのおもしろさや、
日本語の表現の豊かさを伝える絵本です。
家族で、友だちどうしで、クラスで。みんなで絵本のまねっこをしながら楽しんでくださいね。
乳幼児期は読むのも書くのも大変なあいうえお。しかし、簡単に親しめる方法があります。それは、あいうえおで遊んでしまえば良いのです。
この絵本は一文字で気持ちや動作を表現しています。子どもたちが、一度は体験したことのある気持ちや動作を一文字で分かりやすく表現されているのがポイントです。楽しくて分かりやすいあいうえお絵本。ぜひ子どもたちと一緒に声を出して楽しんでみてくださいね。
今回は質問から絵本10冊を厳選してみました。子どもたちと楽しんできた絵本は数が多く10冊を厳選するのはあっという間。それだけ1冊1冊子どもとの楽しい思い出が詰まった絵本たちです。絵本を読むだけで子どもたちとの思い出が蘇ってくることは本当に幸せなことです。子どもたちが大きくなった時に「先生に読んでもらったな~」「(絵本を読んで)小さい頃は楽しかったな~」なんて思い出してもらえたら、嬉しいですね。みなさんは、子どもたちとの思い出が詰まった絵本はありますか?もしあったらエピソードも踏まえ、下記のアンケートで教えてください。お待ちしています!
大河原悠哉(がっちょ)
公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験ののち退職。現在は、株式会社SHUHARIの認可保育園元気キッズにて勤務。 平成29年6月に独立行政法人国立青少年教育振興機構による「絵本専門士」を取得。子育て支援センターや図書館、本屋などでおはなし会や保育者・親子向けの絵本講座や研修を行っている。 現在は、保育士・ライター・子育て支援イベントの主催、運営・講師など様々な顔を持つ。 『【絵本専門士】がっちょの絵本ブログ』を運営。
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