世界で最も多くの人に読まれているグリム童話、今こそ読みたい作品たち
誰もが一度は、『グリム童話』のお話を読んだり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか?
グリム童話とは、ドイツのグリム兄弟(兄、ヤーコプ・グリムと弟、ウィルヘルム・グリム)が、ドイツや周辺諸国の昔話(メルヒェン)を収集してまとめた童話集のことです。
1812年の第1巻刊行以来、世界中に広がり、現在では170以上の言語に翻訳され、世界で最も多くの人に読まれた物語として世界中で親しまれています。
全部で156篇あるグリム童話集のお話の中から、『あかずきん』『白雪姫』『ヘンゼルとグレーテル』など日本でも馴染み深いもの、そして日本ではまだあまり知られていない作品など、今こそ読んでほしいグリム童話の本をご紹介します。
人気の日本人絵本作家が描くグリム童話の絵本、7つのお話
『赤ずきん』『白雪姫』『ブレーメンの音楽隊』など、グリム童話の中でも特に有名な作品を、人気の日本人絵本作家が手がけると、こんな絵本になりました。
グリム童話の初めて読むお子さんにもおすすめの7作をご紹介します。
■読者の声
新感覚のあかずきん
『あかずきん』など、有名どころのお話をきちんと読んであげたことあったかな?と思っていた時に
丁度目に飛び込んできたのがこの本です。
図書館から借りてきて3歳と8歳の娘たちと読みました。
ストーリーは言わずと知れたあのグリム童話の『あかずきん』ですが、
情景描写やおかあさんとの会話などが丁寧に描かれていて、
そしてなにより絵がカラフルで可愛らしくてとってもキュート!!
そして今まで読んだお話では、
おばあさんとあかずきんを食べてしまったオオカミは
猟師にお腹を切られて、石を詰められて井戸の中へドボン、でしたが、
すぎうらさやかさん版あかずきんは、
助けた人もオオカミをこらしめる方法もユニークでびっくりしました!
最後のお茶会の様子も可愛らしくて◎でした。
グリム童話の教訓なんてものはあまり感じられない、
普通にお話として楽しめる新感覚のあかずきんって感じでした。
どちらかといえば女の子ウケがいいかな?と思いますが、
オオカミの表情などは結構
可愛らしくも悪そうなので、
男の子でも楽しめると思います(^^)。
(ゆりわんちゃんさん 30代・ママ 女の子8歳、女の子3歳)
■読者の声
グリム童話に忠実な印象
図書館から借りてきて、5歳と10歳の娘たちと読みました。
言わずと知れた白雪姫のお話ですが、
この本は割とグリム童話に忠実に再話されてるお話だなーと思いました。
お妃様(継母)が白雪姫のものだと思ってイノシシの子の肝を食べるあたりだとか、
最後にお妃様が真っ赤に焼けた鉄の上履きをはいて一生踊り続けるといったあたりは、
子供たち、結構衝撃だったみたいです。
「こわっ」と言っていましたが、受け入れられる範囲だったようです。
丁寧なお話、という印象も受けました。
「こびとたちがこびとに見えない」と娘たちが言っていましたが、
こみねゆらさんの絵が繊細で素敵でした。
可愛らしい白雪姫も良いと思いますが、
このお話のようにピリッとアクセントの効いたものもやはり良いと思います。
あまり小さいお子さんだと、人によっては怖がるかもしれないので、
4~5歳くらいのお子さんからおススメです。
(ゆりわんちゃんさん 30代 ママ 宮城県 女の子10歳、女の子5歳)
『ヘンゼルとグレーテル×いもとようこ』食べるのがもったいないくらい可愛いお菓子の家!
●永遠の名作をあなたに――●
あまい話には ごようじん
「おかしのいえ」は、ヘンゼルと グレーテルを おびきよせるためでした。こまったときでも・・・・・・ あまいはなしに とびついてはいけません!
from いもとようこ
<あらすじ>
貧しさのために森に捨てられてしまったヘンゼルとグレーテルの兄妹。機転を利かせ一度は家に戻りますが再び捨てられた時、二人はお菓子の家を発見 します。ところがそれは人食い魔女の家でした。
グリム名作の一冊。
■読者の声
かわいい
お菓子のおうちがかわいい!って思いました。食べるのがもったいなくなってしまいそうですし、動きそうな感じも。
まじょは絵もこわいですね。
最後、「おかあさんはもういませんでした。」ってさらっと書かれているけど、このお話のおかあさんってそういえば死んだのだったかな?
(みちんさんさん 30代・ママ 女の子4歳、女の子2歳)
■読者の声
かわいらしい靴屋さん
やはり日本昔話、グリム童話・・・といった
お話には子どもたちを惹きつける力が
あるなぁと再確認しました。
お話はみんなが知っている「こびとのくつや」
ですが、荒井良二さんのなんともかわいらしい
イラストが、靴屋の夫婦やこびとたちのかわいらしさを
更に引き立てている絵本だと思いました。
こびとたちにお礼を考える夫婦のドアップのページは
かなりかわいらいく、あたたかい気持ちになります。
(いちいちごさん 20代・せんせい )
『ブレーメンの音楽隊×*すまいるママ*』グリム童話の名作が可愛いステッチ絵本に!
*すまいるママ*めいさくステッチ第一弾!
有名なグリムの名作『ブレーメンのおんがくたい』が*すまいるママ*の美しいステッチ絵本になりました。読んでたのしく、ながめてカワイイ、おはなし絵本です。
■読者の声
かわいいです♪
絵ではなく、すべて布やビーズなどで作られた優しい絵本です。
最初は女の子向けかなーと思いましたが、男の子でもすごく食いついてくれました。
どうぶつ達も布や刺繍で表現されているので柔らかそうに見えたり、
もこもこしているように見えたりと他にはない印象を受けます。
夕方や夜のシーンは本当に素敵でうっとりしちゃいます。
(みそぽさん 30代・ママ 男の子1歳)
■読者の声
絵がたのしいです
訳もわかりやすく、ささめや ゆきさんの絵もとても楽しいので
昔のグリムのお話が新しい雰囲気で楽しめると思いました。
心やさしく、人に親切にしたことで、どんどん運が開けて
ゆくという昔話ですが、なんでもできるこびとのおじいさんはすごいですね。
とんちゃんもさいごには、王様ですからね。
世の中、何がどうなるかわからないものです。
(capellaさん 60代・じいじ・ばあば )
『オオカミと七匹の子ヤギ×黒井健』『手ぶくろを買いに』『ごんぎつね』の黒井健が描く勇気のお話
小さくて弱いものが大きくて強いものに勝つという、子どもに勇気を与える昔話。グリム童話の中でも親しまれているお話を、人気絵本作家黒井健の絵で紹介します。
■読者の声
息子のお気に入り
えほん世界のおはなしシリーズの3です。
「おおかみと7ひきの子やぎ」は家にもアニメ絵本があり、息子のお気に入りです。
大人の目から見ると、おおかみが死んでしまうので残酷と思うのですが、怖いおおかみも、お母さんが退治してくれるし、子やぎたちが助かるという点が、子どもからすると安心して読めるようなのです。
黒井健の絵はかわいらしくて好きなのですが、この絵本の子やぎたちは少し太めで、一瞬「ぶただったかな?」と思いました。
おおかみは粉屋で 粉をかけてもらうだけだった気がしますが、この本では先にパン屋でこねた粉を塗ってから粉屋に行きます。
読み比べて見ると、絵本ごとで少しずつ違いますね。大人になってから読むと、どうしておおかみはお腹を切られても目を覚まさないのだろう?とか、腹を切られた時点で死んでいるのではないか?とか、疑問がわいてきます。
ただ読みつがれてきた昔話というのは、子ども心を強く惹き付けるようで、何度もリクエストされました。根底にはお母さんの言い付けは守りましょうというのがあると思うのですが、果たして息子には通じているのかな?
(はなびやさん 40代 ママ 愛知県 男の子6歳)
海外の絵本作家が描くグリム童話の絵本、7つのお話
海外の絵本作家が描くグリム童話は、日本の作家とは一味違う魅力があります。
また、日本ではまだあまり知られてないグリムのお話に出逢えるのも、魅力の一つ。
グリム童話の奥深い世界を、ぜひお楽しみください。
■読者の声
華やか
サラ・ギブの絵はとっても華やかで、素敵です。カラーだけでなく、シルエットで描いているところも見入ってしまいました。ラプンツェルはグリムらしいダークな印象のお話ですが、絵でずいぶん印象がかわりますね。いろんな絵本を読み比べてみるとおもしろいです。
(あんじゅじゅさん 40代・その他の方 )
謎につつまれる伝説が、ツヴェルガーの魅惑的な絵で絵本になった
繊細な筆遣いで、格調高く描き、世界中にファンをもつリスベート・ツヴェルガー。
今回は、『ハーメルンの笛吹き男』で、グリムの世界を描きます。
町中にねずみの大群が押し寄せたハーメルンの町。
ねずみ取り男が現われ、たんまり礼をくれるならねずみを追い出すといいます。
町の人達は、望みの礼を約束し、男は、笛を吹き、ねずみを川でおぼれさせました。
ところが、ねずみがいなくなると、町の人達はなにかと言い訳をして、礼をしませんでした。
町を出て行ったねずみ取り男は、あるときふと、町に舞い戻ってきました。
目は怒りにぎらぎら光り、心は復讐に燃えて……。
今なお謎につつまれる伝説を、ツヴェルガーの魅惑的な絵でご堪能ください。
■読者の声
ツヴェルガーが描く
ツヴェルガーが描く「ハーメルンの笛吹き男」の世界ということで怖いもの見たさ的な興味がありました。
男の顔が見られるのは最初のみ。後は目深に被った赤い帽子で顔は隠されています。
顔が出ないという不気味さと男の怒りが伝わって来ます。
ツヴェルガーだけに静かで淡々としてまた美しく多くを語らない絵ですが、それだけに怖さも一入という感じがしました。
お話としては有名だと思いますが、このお話の真相はよくわからず今でも諸説あるようです。
検索したら、ツヴェルガー以外にもデュポアザンやエロール・ル・カインなども絵本を出しているようで画家の想像力をかき立てる題材なのかもしれないと思いました。
読み比べてみたいものだと思います。
読後はひんやりとした怖さがありました。
(はなびやさん 40代・ママ 男の子8歳)
舞台劇のような、絵画集のような、バーカートの白雪姫
有名なグリム童話の決定版といっていい絵本です。中部ヨーロッパの暗い森や古いお城の雰囲気を、 イマジネーションを誘う美しい絵でお楽しみください。この画家の代表作と言われるロングセラー絵本です。
■読者の声
『白雪姫』をモチーフにして
『白雪姫』はいろいろな人が絵本にしていますが、子どもに伝えるというよりも自分の世界に白雪姫の物語を取り込んで、個性とオリジナリティで別世界を創作している作家もいます。
いわさきちひろ、アンジェラ・バレット、そして今回はナンシー・エコーム・バーカート。
それほど、『白雪姫』は触発される物語なのでしょうか。
バーカートの絵は、独自の舞台劇のようであり、白雪姫の物語をモチーフにした絵画集のようであり、少し魔力を感じるような奥深さを感じます。
物語の展開にあえて距離を置いて、描かれた絵の中には様々な動物がいたリ、小人たちを個性的に描いて、単なる物語ではなく、何かを言いたげな描写が駆使されています。
表紙の絵にしても、これが『白雪姫』?と思わせるし、魔法の鏡はタイトルページにしか描かれていません。
物語と絵をあえて一緒にせず、今までみた『白雪姫』にはなかった重厚感。
『白雪姫』がシンフォニーになったようで、圧巻でした。
(ヒラP21さん 50代・パパ 男の子15歳)
グリム童話の名作『Das Lumpengesindel(ならずもの)』が絵本に
ずるがしこいおんどりとめんどりが、あひる、ぬいばり、まちばりを引きつれ大暴れ。人気画家バーナデットが描く意外な結末とは?
■読者の声
おはなし発祥の頃の民間人の息づかい
タイトルからグリム童話にこんなお話があったかしら?と読みました。
読んで納得、「Das Lumpengesindel(ならずもの)」でした。
こちらの作品のタイトルだと、何か鶏夫婦も優しげに描かれていて、読み終えて、「え゛~~~!救いが無~い!」と叫ばれる方もいるやも知れません。
グリム童話は、童話としてどうかしら?という内容も多々あり、改訳が進み、子供の耳に優しげな形のものになったようです。
それにしても、この鶏夫婦のやりたい放題振りには呆れますね。
宿屋の主人(ねこになっています)に、積年の恨みでもあたっかのように思ってしまう狼藉振りです。
内容からして、中学年以降のお子さんでないと、笑って読み終えられないかもしれません。
グリム童話の残酷さは、見方を変えればこのおはなし発祥の頃のドイツの民間人の生の息づかいなのだともいえるのではないでしょうか。
苦しく暗い生活の中でも良心に従い慎ましく生きていた人々が、せめてお話の世界だけは、はちゃめちゃで残酷でという事を語り合い日ごろの憂さを晴らしていたのやも知れませんね。
(アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子12歳)
『かいじゅうたちのいるところ』のモーリス・センダックが5年の歳月をかけて描いた、母と娘の永遠の愛の物語
村にいくさが近づいたので、「3日たったらもどっておいで……。」と言って母親は娘を森の奥深く逃します。W・グリムがミリーという少女にあてた手紙に添えられたこの物語は、母と娘の永遠の愛を語っています。
■読者の声
母の愛情に胸が、熱くなります。
表紙の絵だけでもわかるように、センダックの描く絵の美しさは、秀逸です。どのページも、うっとりしてしまうほどの美しさです。絵の美しさに定評のある彼が、5年の歳月をかけたというだけあって、絵も文章も素晴らしいです。
幸せに暮らしていた母と娘でしたが、恐ろしい戦争が近づいてきて、母親は愛する娘を3日だけ、森の奥に隠れるように諭します。娘は、言われたとおり森へ行くと・・・。守護天使や、聖ヨセフに守られて、3日間はあっというまでした。しかし、3日たって家にたどり着くと、母親は、おばあさんになっていたのです。
なんたか、ちょっと日本の浦島太郎を髣髴させるところもありますが、しかしこちらは、母親に無事再会を果たします。
そして、次の日、神々しいようなラストで終わります。
正直、泣けました。
母親が、醜く、残酷で、恐ろしい戦争から、娘だけはなんとか守ろうとするその思い。自分は、それから何十年も、恐ろしく、孤独で、辛い思いをして生きたであろうに・・・。そして涙の再会。そして神懸ったラスト。
とても宗教的なお話しで、子供には、よくわからないかったかもしれませんが、母である私には、すごーくわかるような気がしました。もし、戦争が日本で起こったら、私も、自分だけは辛い思いをしても、子供たちには平和な場所で、人間の残酷で醜い部分は、見なくて住む場所で、食べ物に困ることなく暮らして欲しい。守護天使に、いつまでの子供たちを守って欲しいです。
やはり、難しいので大人向けの絵本でしょうか。
(はなしんさん 30代・ママ 女の子6歳、男の子4歳)
4兄弟がドラゴンと闘う物語
どろぼう、星のぞき、狩人、仕立屋になった4人の兄弟。
兄弟たちはりゅうにさらわれたお姫さまを救うため、それぞれが習得した技を使います。
さて、一番役にたったのは誰だったのでしょうか?
■読者の声
もう一回読んで
一番上の息子が泥棒に弟子入りし、
それだけでも衝撃なのですが、
そこから、お父さんの力試しのやり方も
どうなのかと思わせるもので、
お姫様を救いにドラゴン退治から、
王さまの褒美までは面白く、
4歳児は次の日も一人でパラパラと眺め、
「もう一回読んで」というぐらい気に入ったようです。
お話も長いし、
フェリクス・ホフマンの絵も子ども向きではないのですが、
何かが息子の心をひきつけたんでしょうね。
(まことあつさん 30代・ママ 男の子7歳、男の子4歳)
勇敢でとんちの働く主人公のサクセスストーリー
■読者の声
冒険
長靴をはいた猫を彷彿とさせるストーリーです。
勇敢な、とんちの働く主人公のサクセスストーリーに、こども達はわくわくさせられ、物語の世界に引き込まれていくことでしょう。冒険心わいてくる絵本です。
グリム童話ってそれにしても色々なお話があるのですね。
(ちょてぃさん 30代・ママ 女の子11歳、女の子7歳)
お話をじっくり楽しみたい方のために
グリム童話のお話をじっくりと楽しみたい方には、文を中心に構成されているグリム童話集をおすすめします。
子どもから読める、親しみやすいグリム童話の作品集をご紹介します。
子どもにも読みやすい、岩波少年文庫版グリム童話
ドイツのグリム兄弟が、今から約200年前に集めた昔話を本にした、今なお世界中で親しまれている昔話集。本巻には、「赤ずきん」「灰かぶり」など、時代と文化の違いを超え、各国で親しまれている25話を収録。
■下巻目次
赤ずきん
こびとのくつ屋
灰かぶり
ワラと炭とそら豆
ヘンゼルとグレーテル
金のガチョウ
ミソサザイとクマ
森の中の三人のこびと
ガラスのびんの中のばけもの
三枚の羽
ヨリンデとヨリンゲル
三つのことば
金の鳥
まずしい人とお金持ち
名人の四人兄弟
ロバの王子
悪魔のすすだらけの兄弟
千匹皮
ゆうかんな仕立屋さん
六羽の白鳥
かしこいお百姓の娘
ハチの女王
マレーン姫
星の銀貨
ふたりの女王
■読者の声
想像していたよりずっと面白かったです!
感想を書こうと思って、ナビ内の検索をしたら、すごい数の「グリム」が上がってきました。
さすが、グリム童話!!改めて、グリム童話のお話のすごさ、作品の多さを感じました。
グリムの作品はいくつか読んできましたが、このシリーズは読んだ感触が、物語の翻訳が「語り」の形に近く(たぶん、原文に近い?と、勝手に解釈しています)、作家(翻訳家)が物語を膨らませる説明文がとても少なかったように感じました。
なぜ、この本を手にしたかというと、収められている話の中で、読んでみたい作品があったからです。
想像していたより、ずっと面白かったです!
そして、出久根育さんのイラストも見ごたえがありました!!
岩波少年文庫から出ていますので、子どもたちの目線から見ても、読みやすい作品になっていると思います。
知っているようで、意外と知らない昔ばなしも入っていますので、機会があったらぜひ、子どもたちに読んでもらいたい作品です。
出版社からのお薦め年齢は、小学校中学年くらいからでした。
(てんぐざるさん 40代・ママ 女の子15歳、女の子10歳)
岩波少年文庫版『グリム童話集』こちらもどうぞ!
原作に忠実な翻訳で、素朴で骨太なグリムの魅力を伝える
原文に忠実な翻訳で、素朴で骨太なグリムの魅力を伝えます。練られた訳文は、声に出して読みやすく、聞いているとお話の情景が浮かんでくると好評です。
<収録作品>
みつけどり/ねことねずみのともぐらし/あわれな粉やの若者とねこ/貧乏人とお金持/みそさざいとくま/かえるの王さま/白雪ひめ/かしこいグレーテル/六人男、世界をのし歩く/十二人兄弟/雪白とばら紅 全11話収録
付録・小冊子「グリムを語る」vol.2(荒井督子)
■読者の声
グリム童話ってこんなに面白いの!?
みつけどり。
唐突な展開に突っ込み忘れて笑ってしまった。
かえるの王さま。
いつ読んでも思うけど、こんなお姫様をよく好きになれたもんだ。容姿端麗なら性格の悪さにも目を瞑れるのか。
ねことねずみのともぐらし。
息子が、「最後まで美味しいお話だったね。」と言ったのが衝撃的でした。
白雪姫、ヘンゼルとグレーテル、かえるの王様以外は知らないお話でしたが、グリム童話の面白さにすっかり親子でハマり、久々の息子への読み聞かせが盛り上がりました。
(lunaさん 30代 ママ 大阪府 男の子9歳)
『子どもに語るグリムの昔話』全3巻、こちらもどうぞ!
大人に贈りたい、グリム童話の絵本
グリム童話は「本当は怖い」と言われるほど、残酷で恐ろしい一面もあります。
そんなグリム童話の持つダークでブラックな世界観を表現した、大人向けの絵本はいかがでしょうか?
大人だから理解できるグリム童話の魅力を、ぜひご堪能下さい。
■読者の声
大人のシンデレラ
おなじみのシンデレラのお話です。「灰かぶり」というタイトルと宇野さんの雰囲気のある絵がぴったりあっているなと思いました。
シンデレラのお話は、たくさん絵本がありますが、それぞれ微妙にちがっているのがおもしろいです。
昔は、キラキラした夢物語、と思っていたのですが、大人になって読んでみると、ちがう感じがします。姉たちの必死さが、こわいくらいです。この絵本は、大人におススメのシンデレラだと思いました。
(どくだみ茶さん 40代 ママ 秋田県 女の子11歳)
■読者の声
あめふらし? グリムの怖いおはなしでした
ちょっと恐ろしい 王女 不気味な雰囲気を出久根 育さんが描いています
王女は気位が高く すべてを自分の思うままにしたかったのです
しかし 結婚相手に難題のおふれを出し 99本のさらし首にしたんです
ああ~ 怖いお話
三人兄弟の三番目の弟は 森で出会ったカラスや魚 キツネの命を助けてやり その時「ご恩返しをします」という約束をした カラス魚たちに身をかくして王女に見つからないようにするのですが・・・・・
王女に見つかるのです
そして 最後にキツネに教えられて王女に見つからないのですが
あめふらしになるのです
あめふらし? 虫のようなものらしいのですが・・・・グリム童話の中にもこんなお話があったのですね(最後にあめふらしの虫が描かれています)
王女よりも賢かったので 王女も 若者を敬ったとのことですが・・・・
たくさんの人を殺した王女は怖い人です
王女と結婚した若者は幸せに暮らしたのでしょうか?
(にぎりすしさん 60代 その他の方 京都府)
人気作家・町田康が描く、大人に読んでほしいシュールな物語
フェリシモ出版の「おはなしのたからばこ」シリーズ27巻は、芥川賞作家の町田康さんがグリム童話をもとに紡ぐ物語、『猫とねずみのともぐらし』
いっしょに暮らしていた猫とねずみは、厳しい冬に備えて、おいしい油の入った壷を教会に隠していました。
ところが、猫はねずみに秘密で、隠しておいたその油をみんな食べてしまったのです。
それを知ってねずみはカンカン!
ねずみに許してもらうため、通りがかる人々に食べ物を恵んでもらおうとする猫。
しかし、いくら頼んでみても食べ物は手に入りません。
困り果てていると、ふたりの前に魔法使いが現れます。
「そんなに怖がらなくてもいい。私は善い魔法使いです。あなた方を王子様とお姫様にしてあげましょう」
はてさて、ふたりはどうなってしまうのやら……。
グリム童話「猫とねずみとお友だち」をもとに、大胆なアレンジを加えてふたりの運命をより数奇なものにした本作。
グリム童話では、油をなめたことが知られても悪びれる様子などなく、逆にねずみを食べてしまう猫ですが、この物語ではねずみに怒られて恐縮しきりの、どこか憎めないキャラクターになっています。
白馬に乗った王子様。
赤いフードの女の子。
おんどり、めんどり、それからアヒル。
猫とねずみのそばを通るのは、グリム童話で見たことのある面々。
しかしその誰もが猫とねずみの頼みを聞き入れてくれないなかで、あげく現れた聖母マリア様などふたりに答えていわく、
「いまいそがしい」
マリア様のまさかの態度や、原作からは想像もつかない意外な結末など、良い意味で読者の期待を巧みにハズす展開がみどころ。
なぜ猫はねずみを追うようになったのか?
そのわけが語られる驚きの童話!
■読者の声
シュールなおもしろさ
淡々としたテンポで、物語はすすんでゆきます。
その、なんともシュールなこと!
もう大人ですので、そのシュールさにもなんとかついて行き、心地よい面白さを感じながら読み進めました。
報われないおはなしなのに、おもしろい!
最後のページの一文に、よい意味で脱力しました。
(なーお00さん 30代 その他の方 埼玉県)
グリム童話を、別の視点から
ちょっと別の視点からグリム童話を楽しんでみるのはいかがでしょうか?
今までは気づかなかったグリム童話の新しい魅力に出会えるかもしれません!
『ブレーメンの音楽隊』の泥棒など、物語の脇役たちが語る、あっとおどろくうちあけ話3編
「だいたいだね、昔話なんてもんは、人が語りついでこそ、まともにつたわっていくもんだ。 本なんかにしちまったら、ろくなことになりゃしねえ。」
オーストリアのウィーンにあるシュテファン大聖堂前の広場で、仮装行列を見学していたわたしにこう話したのは、かつて「ブレーメンの音楽隊」のどろぼうだったと名乗る男、アンドレ・トーアでした。それから立て続けに、昔の軍隊の制服を着た青年と、いかにも童話から出てきたというようなかっこうの老婆がやってきて、それぞれ「白雪姫」と「靴屋の小人」の話をしていったのです……。
この本は、わたしが聞いた、その3つのふしぎな話を日本語になおしたものです。
物語の脇役、サブキャラたちが語る、あっとおどろくうちあけ話を3編収録した短編集第2弾。
■読者の声
少し邪悪な遊び心
グリム童話のパロディにしては、少々遊び心が過ぎるような作品集です。
豪華な作家陣と絵本作家のコラボレーションが素晴らしいと思います。
それぞれに独自のグリム感を駆使しているように思いました。
絵と物語がぶつかり合っているようで、絵が印象的な作品と、話が印象的な作品があって、輝く暗黒世界です。
(ヒラP21さん 60代・パパ )
40年以上にわたりグリム童話を語り続けたルジュモン夫人の半生記
40年以上もグリムや世界各地の昔話を語り続けたルジュモン夫人の半生記。さまざまな場所でメルヒェンは多くの人々の心を癒しました。語ることの本質に触れた一冊。
物語の素晴らしさと奥深さを教えてくれるグリム童話
200年以上にわたって世界中で親しまれているグリム童話は、今も私たちに物語の素晴らしさと奥深さを教えてくれます。
物語の魅力を知ることは、本好きになるための第一歩。
大人も子どもも、奥が深いグリム童話の世界を存分にお楽しみください。
編集協力・執筆:洪愛舜(ほんえすん/ライター・編集者・絵本作家)
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